海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

甲斐荘楠音の全貌を東京ステーションギャラリーで

2023-08-09 | 写真日記

東京ステーションギャラリー

 

甲斐荘楠音

「甲斐荘楠音の全貌」を観に、東京ステーションギャラリーへ。この東京駅のギャラリーは初めて行ったが、東京駅の古い建築も含めとても雰囲気の良い環境。

明治27年に京都で生まれた甲斐荘楠音は、絵画に始まり演劇や映画で衣装や風俗考証家として素晴らしい功績を残していて、この展示では昭和の時代劇などで使った衣装も展示。映画作品は、"雨月物語"や"旗本退屈男"など数多くの作品に関わっている。

一時期、絵画から演劇や映画方面に転身したのは、国画会から汚い絵と評された事がきっかけだったが、当時の時代背景からするとアルアル話。もう一つは、甲斐荘楠音が女装する話や写真が多く残っていて、当時の時代背景では受け入れられなかったかも知れない。この女装の事だが、甲斐荘の説明の中に、モデルになった女の"肌臭"という記述があったが、これは竹久夢二がモデルにネルの着物を着せる事を好んだのと似ている。

甲斐荘楠音は以前から気になっていた画家で、岡山生まれの岩下志麻子の「ぼっけい、きょうてい」の表紙で初めて知った。その後、この画家のオリジナルの絵をずっと見たいと思っていたので、今回はとてもラッキー。

随分前の話だが、このやわらかなトーンをカメラで表現するには、どんなレンズを使えば良いのか様々なレンズを試した。結局、一眼レフ時代に使っていたCanonのFDレンズに補正レンズ付きアダプターを使い開放付近で撮るか、ミラーレスカメラに変えてからは、古いレンズの開放付近を使うかしかないという結論に。この古いレンズで最終的に残ったのが、Summarit50mm f1.5やSummiluxの初期M用や少し曇りのあるHektor135mm f4.5だった。

☆この展覧会で展示されていた、当時の映画のモノクロスチール写真も素晴らしい。

☆甲斐荘楠音とは→コレ

☆甲斐荘楠音の誤解曲解の話(昔の京都の学歴の話・美人に関する話・LGBTに対する時代背景) 井上章一氏公演の超オモロイ動画を発見、このyoutubeの映像はフィックスなので、ラジオ風に聞くのも良いと思う。超オススメです→コレ

 


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