海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

大きなスーパーより市場の小売店が好き

2022-03-09 | 写真日記

GFX50SII+Fringer EF-GFX+EF50mm f1.8 STM

 

この前行ったウイグル料理屋の隣に市場があった。私は大きなスーパーで食料品を買うより、小さな専門店で買物をするのが好き。ここは個人商店の集まりなので、同じような物を売っているので、何処で買うかは自分で決める。商品の品定めはもちろん重要だが、私は売っている店主で決める事が多い。気に入って正直な店主を決めると、ずっと同じ店で買う事にしている。

世界中何処へ行っても、その街の市場を散策するのはとても楽しいし、その街の民度もわかる。たとえその国の言葉が出来なくても、顔の表情や目で簡単な会話が出来れば買物も楽しいし写真も撮れる。生前に中島らもさんが言っていた、「海外の飯屋で暇な店を省き勘で決めて、気に入ったその店に通うのが一番よろし」と言ってが、まさにその通りで私もそれと同じ考え方だ。

上海の市場は、同じ物を売っている店がすらりと数軒並んでいるのが普通なので、商品はほとんど同じ仕入れだろう。なので、ここで差を付けるには店主の心意気と人柄が勝負になる激戦区だ。誰でもそうだが、嫌な奴からは買いたくないものだ。

以前、お茶市場の個人商店で何回も騙された経験があり、今は一箇所のみでお茶を買っているが、上海人と他の地域の中国人と外国人は値段が違う事がわかり、愕然とした事があった。これは、店側が商品の売値を提示せず駆け引きで売買するという悪しき習慣が残っているからだ。今では、こんな事は上海ではほとんどないが、地方の田舎ではまだ残っている。特に骨董品は、値があってないような物で、本物を見極める眼力を養うにはもってこいだ。

骨董屋の偽物を売る手口をひとつ紹介する。道端にビニールシートを広げて商売をしている骨董屋での事だったが、白人が一つの骨董品を手に取り値段を聞く。店主は、さすがお目が高いと客を褒める。店主はすかさず客がカモと察し、奥のバックから古い箱を出しシルクの布に包まれた同じような商品を見せて、講釈をたれるのだ。それを鵜呑みにした客は、先ほど手に取った商品より少し高い値段を提示されるが、すでにもう相手の思うツボで間違いなくそれを買っていく。実は、ビニールシートに置かれていた骨董品が本物で、奥からシルクに包まれた品が偽物なのだ。日本に戻るとなんでも鑑定団を見るのが楽しみなのだが、今まで中国骨董で本物だった事は極稀だったと記憶している。

☆数年前に、世界的オークションに出品する為に、中国陶器の鑑定現場に招待され半日を過ごした事があるが、一人ではなく複数の鑑定士が鑑定し結論を出す。普通は見る事が出来ないので、良い経験をしたと思っている。


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