来年度から、少人数学級の実現がうたわれているが、その詳しい内容を私は知らない。今日の東京新聞・本音のコラム欄は、元文科省政務次官の前川喜平氏が、詳しく説明している。これを読む方が、新聞の予算解説を読むよりは分かりやすい。紹介する。
少人数学級のこれから
前川喜平
来年度から5年で、公立小学校の1学級の児童数の上限は35人にすることが決まった。新型コロナの感染防止や長期休校による遅れ学習の遅れの回復に苦労する学校現場や自治体、学界から少人数学級を求める声が高まっていた。他方、相次ぐ大型補正予算で財政規律が一挙に弱まった。この絶好の好機を逃さなかった文科省は、よく頑張ったと思う。中学校を含めた30人学級は、今後また頑張ってほしい。
既存の加配定数の一部を振り替えることは少し心配だ。少人数指導やチームティーチングができなくなるのは困る。新採教員が確保できるか。非正規の教員が増えないかという心配もある。勤務条件の改善と非正規任用の規制が必要だろう。
現下の三密回避のためには、各自治体での国の計画を先取りした少人数学級化が望まれる。加配教員の学級担任への振り替えや特別支援学級への再編成など、現場での柔軟な対応も認めるべきだ。
将来的には、基礎定数を学級数で計算するのをやめ、加配定数は縮小し、学校ごとの定数を児童生徒の総数に応じて定めるようにすべきだ。特別支援学級を含め学級編成は教育委員会から学校に降ろす。チームティーチングや通級指導も学校に任せる。教職員定数の使い方は現場に委ねるべきなのだ。
(現代教育行政研究会代表)
少人数学級のこれから
前川喜平
来年度から5年で、公立小学校の1学級の児童数の上限は35人にすることが決まった。新型コロナの感染防止や長期休校による遅れ学習の遅れの回復に苦労する学校現場や自治体、学界から少人数学級を求める声が高まっていた。他方、相次ぐ大型補正予算で財政規律が一挙に弱まった。この絶好の好機を逃さなかった文科省は、よく頑張ったと思う。中学校を含めた30人学級は、今後また頑張ってほしい。
既存の加配定数の一部を振り替えることは少し心配だ。少人数指導やチームティーチングができなくなるのは困る。新採教員が確保できるか。非正規の教員が増えないかという心配もある。勤務条件の改善と非正規任用の規制が必要だろう。
現下の三密回避のためには、各自治体での国の計画を先取りした少人数学級化が望まれる。加配教員の学級担任への振り替えや特別支援学級への再編成など、現場での柔軟な対応も認めるべきだ。
将来的には、基礎定数を学級数で計算するのをやめ、加配定数は縮小し、学校ごとの定数を児童生徒の総数に応じて定めるようにすべきだ。特別支援学級を含め学級編成は教育委員会から学校に降ろす。チームティーチングや通級指導も学校に任せる。教職員定数の使い方は現場に委ねるべきなのだ。
(現代教育行政研究会代表)