飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ(ブラックホールと高エネルギー現象)

2008-07-14 22:02:29 | 佐鳥新の教授&社長日記
ブラックホールは電波、光・赤外、X線などの観測、さらには数値計算の急速な進歩に伴い、想像上の産物から実在する特異天体としてその存在が確立された。本書ではブラックホール研究の生き生きとした研究の現状に触れている。ブラックホールの前駆天体ともいうべき、白色矮星や中性子星にも言及している。これらも常識を外れた強重力天体であり、総称して高密度天体、あるいはコンパクト天体という。この強重力天体に共通しているのは高エネルギー現象であり、その分野を高エネルギー天文学という。本書では、X線による高エネルギー現象のみならず、宇宙線やニュートリノなどを手段とした粒子線天文学、更には未開拓ともいえる重力波天文学にも触れている。
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書 名: ブラックホールと高エネルギー現象
執筆者: 小山 勝二  嶺重 慎
出版社: 日本評論社


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第1章 高密度天体
1.1 白色矮星
1.2 中性子星
1.3 ブラックホール

第2章 高密度天体への物質降着と進化
2.1 近接連星系と質量輸送
2.2 降着円盤
2.3 白色矮星への質量降着
2.4 中性子星への質量降着
2.5 恒星質量ブラックホールへの質量降着
2.6 大質量ブラックホールへの質量降着
2.7 活動銀河核とX線背景放射

第3章 高密度天体からの質量放出
3.1 宇宙ジェット
3.2 ジェットのダイナミクス
3.3 宇宙ジェットのモデル

第4章 粒子線と重力波天文学
4.1 宇宙線
4.2 宇宙線からの電磁放射、加速理論
4.3 宇宙線起源天体の観測
4.4 ニュートリノ天文学
4.5 重力波天文学

第5章 ガンマ線バースト
5.1 ガンマ線バーストの諸現象
5.2 ガンマ線バーストの物理機構
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