飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

読書メモ(宇宙ロマン)

2007-06-28 08:34:15 | 佐鳥新の教授&社長日記
NASAとESAが共同で開発したMars Express衛星による美しい火星の氷の写真やNASAの探査機「カッシーニ」とそれに搭載されたタイタンの探査艇「ホイヘンス」の記事が宇美しいイラストを用いて紹介されている。

またビルト第二彗星のコマに接近して「スターダスト」探査機が彗星の微細な塵を直接採取したときの顕微鏡写真は一見の価値がある。

テンペル第一彗星に364kgの弾丸を撃ち込むことにより、彗星の核の成分を爆発時の発光スペクトルから分析した探査機「ディープインパクト」の成果は興味深い。彗星の核から有機物の存在が確認され、これは人類発生(生物発生)の起源をたどるための大きな一歩と言える。


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書 名: 太陽系が今、解き明かされる!『宇宙ロマン』
著者名: NHK科学・環境番組部
出版社: ナツメ社


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第1章 地球外生命を求めて

・地球以外の星に生命は存在するのか?
・火星の表面にはかつて水があった?
・火星に着陸して行われる調査とは?
・火星の荒野で見た水の証拠とは?
・木星の衛星にも生命がいる?
・エウロパ内部に海と生命が宿った?
・海はガニメデとカリストにもある?
・衛星タイタンで生命が発見される?
・タイタンで行う史上初の調査とは?
・大気を持つ衛星タイタンの謎とは?
・タイタンにはメタンの湖がある?
・エンゲラドズの地下には海が眠る?
・そもそも生命とは何か?

第2章 彗星が運ぶ生命の源

・地球上の生命はどこから生まれた?
・太陽系を旅する彗星とはどんな星?
・彗星の核に含まれる物質とは?
・スターダストは星くずを採取できたか?
・彗星の核は何からできているか?
・彗星の核を撃つディープインパクトとは?
・ディープインパクトがもたらした成果とは?
・地球に生命を運んだ星くずの正体は?

第3章 太陽系と惑星誕生の謎

・自ら光を放つ恒星はどのように生まれた?
・太陽系の星々が個性的なのはなぜ?
・惑星誕生の謎を小惑星が解明する?
・日本が挑戦するはやぶさ計画とは?

第4章 太陽系の果てを目指して

・太陽系の果てに何がまっているのか?
・2003UB313とはどんな天体なのか?
・海王星の先にはまだ見ぬ天体がある
・宇宙のどこかに知的生命体がいる?

第5章 太陽系の天体たち

・銀河系の片隅に位置する太陽系
・天体をつなぎとめる恒星  太陽
・クレーターに覆われた灼熱の星  水星
・溶岩が流れる地球の兄弟星  金星
・生命に満ち溢れた第三惑星  地球
・地球によりそう不思議な天体  月
・地球生命の運命を変える小天体  地球近接天体(NEO)
・かつて水をたたえていた星  火星
・太陽系の起源解明を握る  小惑星帯
・太陽になれなかった巨星  木星
・美しいリングを持つ太陽系の宝石  土星
・横倒しで公転する不思議な星  天王星
・探査機が到達した最遠の惑星  海王星
・月よりも小さな双子星  冥王星とカロン
・海王星の彼方にある天体群  トランス・ネプチュニアン天体
・地球型惑星は存在するか?  系外惑星



読書メモ(宇宙生命へのアプローチ)

2007-06-25 23:46:32 | 佐鳥新の教授&社長日記
国際天文学連合IAUの第51分科会に「バイオアストロノミー(生命天文学)」がある。これは1982年にSETI(地球外知性の探査)のグループなどが中心となって設立したものだ。
第51分科会の目的は、
①恒星周辺の惑星探査
②地球外からの電波信号の探査
③生命適合分子の探査と生成過程の研究
④生命活動を証拠立てる観測法の確立
⑤これらに関する国際レベルのコーディネーションならびに関連分野の連携
である。
この書籍では現代天文学の見地から、銀河系における高等生命の存在について考え、文明をもつ惑星がどれぐらい存在するのか、コミュニケーションは可能だなのかという問題を掘り下げて説明している。

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書 名: 宇宙生命へのアプローチ
著者名: 祖父江 義明
出版社: 誠文堂新光社


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序章 広大な宇宙に私たちは孤立するのか

第1章 銀河系の星の数

夜空の星/銀河系の大きさ/太陽系の位置:銀河中心の距離/太陽の動き、公転速度と一銀河年/銀河円盤の星を数える/銀河系の質量を測って星の数を推定する/銀河系の回転/回転曲線/質量の分布・星の分布/銀河系の星の数は1000億以上/ダークマター/銀河系の立体地図/渦巻き構造/そして宇宙には数千億の銀河系

第2章 恒星・太陽の誕生

太陽は銀河系の一構成/星間ガス/星間分子ガス/星の形成/恒星は何からできるのか:太陽の素(もと)/星はどこで生まれるのか:オリオン大星雲/星はどうやって作られるのか/重力収縮/天体の形成:さまざまな不安定性/どんな星が生まれるのか:圧倒的多数を占める小質量星/銀河はどんな星で輝くか/恒星の種類と分類/太陽の進化/赤色巨星、そのとき地球は/大きな星の進化/超新星の爆発/重元素汚染:超新星は私たちのもと

第3章 太陽系、惑星系の誕生

連星と単独性/雲の収縮と乱流/角運動量の保存/雲の回転、星の回転/400万分の1の収縮/ガス塊の収縮と角運動量/連星(二重星)の誕生/原始惑星円盤の形成/磁力線による角運動量輸送/微惑星円盤の形成/惑星の形成/地球型惑星とガス惑星/惑星になれない取り巻き/地球:バイオプラネット/太陽/太陽系/原始太陽系のなごり/惑星存続のための環境

第4章 宇宙生命

銀河系における惑星系の数/地球は普遍的/見つかった惑星系/生存圏/生存時間/生存可能星の数/生命の誕生/生命の進化

第5章 銀河文明

高等生物/文化と文明、科学と技術/宇宙の認識・天文学の発展/銀河系文明の数/実時間文明圏:電波は遅い

第6章 銀河図書館

銀河図書館:永遠の文化伝承/銀河図書館網/銀河文明圏/時間の克服:1000年のハイテク/銀河中心は文明銀座/星間交通/銀河図書館の利用:解読は簡単/宇宙通信技術/動く星を正確に狙う/宇宙通信と位置天文学/銀河図書館の構築、その運営/送信部門・受信部門

第7章 ジオパーク―――銀河系遺産

1000年のハイテクに向けて/エネルギー問題/ジオパークへの道/エコロジー/太陽エネルギー/地球外での生活/文明と人類の進化/太陽系大航海時代/太陽系定住時代のエネルギー問題/太陽系文化と銀河図書館/イルカの天文台、人間の天文台、宇宙人の天文台

終章 宇宙生命へのアプローチ


読書メモ(宇宙考古学)

2007-06-22 09:13:36 | 佐鳥新の教授&社長日記
LバンドおよびCバンドと呼ばれるマイクロ波帯のレーダーの電波は、ある程度まで地中に侵入することが知られている。この性質を利用すれば地下に埋まっている遺跡を発見することができる。地球観測衛星「だいち」(ALOS)のプロジェクトで有名な坂田俊文先生がリモートセンシングの新しい可能性について熱く語っている。


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書 名: 宇宙考古学 ―――人工衛星で探る遺跡と古環境
著者名: 坂田俊文
出版社: 丸善


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第1章 宇宙からの考古学
宇宙から遺跡を探る/遺跡の分布/衛星による探査技術/世界の遺跡を探る

第2章 ナスカの地上絵
初めての地球観測/インカ文明/なぜナスカだけに/いかに描かれたか

第3章 アンデス山脈とインカ文明
アメリカ大陸での人類の移動/砂漠地帯に文明が/古代文明の移り変わり/気候の変動/人工衛星で分かったエルニーニョ/ペルーのピラミッド/大きな環境の変化を受けたインカ文明

第4章 マヤ文明とアステカ文明
マヤ文明と神殿ピラミッド/神殿の台座/いけにえの井戸/アステカ文明と神殿/文明の広がり

第5章 アンコール・ワット
トンレサップ湖/アンコール王朝の成立/アンコール・ワットを見る

第6章 チンギス・ハーンの墳墓を求めて
ゴルバン・ゴル計画/チンギス・ハーン/墳墓を探す

第7章 シルクロードを追って
シルクロードを探査する/黄河文明と長江文明/シルクロードとは/桜蘭/ロップノール/インダス文明/メソポタミア平原/隊商都市パルミラ/ローマへの道

第8章 中央アジアと砂漠
中央アジアとアラル海/ホレズム地域の遺跡

第9章 ナイル川とピラミッド
エジプト王朝とナイル川/ナイル川と農業/ピラミッドの建設/ピラミッドの調査/未知のピラミッドを求めて

第10章 ピラミッドを探す
ナイル川と洪水/ピラミッドを見る/新しい視点でピラミッドを探す/レーダーで砂の下の地形を探る/昔の地形上に洪水モデル/再びピラミッドを探す/ピラミッドの発掘を始める/遺構の主は/縦坑の下の遺物/石棺を見つける



アメリカの月面基地建設計画

2007-06-20 20:55:09 | 佐鳥新の教授&社長日記
アメリカの新宇宙政策より月面基地建設計画について紹介する。
現在、世界中で月面基地建設に向けた月探査ラッシュが始まろうとしている。アメリカ、ロシア、フランス、中国、日本などが名乗りをあげている。



NASA新宇宙政策ロードマップ



NASA新宇宙政策の月面基地建設計画



月の南極側のクレーターのヘリが月面基地の候補地


















参考文献
・Aerospace America, 2007年4月号 pp.12-15
・Constellation Program Overview (NASAのHPより)



読書メモ(人類の住む宇宙)

2007-06-19 21:35:36 | 佐鳥新の教授&社長日記
数式が少ないので専門書というよりは啓蒙書に近い内容だが、Dブレーン理論や小惑星イトカワなど最新の観測結果が紹介されているので非常に面白かった。
第4章では宇宙文明の可能性にも触れられており、銀河系内の宇宙文明の数についての有名な「ドレイク方程式」が紹介されている。
第5章では地球温暖化による影響度を数値データとしてコンパクトにまとまっているので、今後の講演資料として活用できるだろう。

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書 名: シリーズ現代の天文学『人類の住む宇宙』
著者名: 岡村定矩 池内了 海部宣男 佐藤勝彦 永原裕子
出版社: 日本評論社


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第1章 現代宇宙観までの道のり
1.1 天文学とはどんな学問か
1.2 古代・中世の宇宙観
1.3 天動説から地動説へ
1.4 「銀河宇宙」の発見
1.5 膨張宇宙の発見からビッグバンへ
1.6 現代の宇宙観測と技術開発

第2章 宇宙の起源と現在の姿
2.1 宇宙の誕生と歴史
2.2 現在の宇宙の姿
2.3 銀河系と太陽系
2.4 宇宙における距離の測定

第3章 元素の起源
3.1 私たちの元素ワールド
3.2 私たちの原子核ワールド
3.3 ビッグバン元素合成
3.4 星の一生と重元素の起源
3.5 超新星爆発と爆発的な元素合成
3.6 宇宙線の衝突で創られるまれな核種, LiBeB
3.7 鉄より重い元素の合成
3.8 銀河系内での元素の循環―――星と星間物質の循環サイクル
3.9 私たちは星の子ども

第4章 太陽系と系外惑星系
4.1 母なる星:太陽
4.2 太陽系の諸天体とその特徴
4.3 ケプラーの法則と万有引力
4.4 太陽系の起源
4.5 太陽以外の構成を回る惑星系

第5章 地球と人間
5.1 水惑星の形成と進化
5.2 気象現象とそのしくみ
5.3 自然災害と地球のしくみ
5.4 地球環境と人間活動
5.5 地球温暖化

第6章 時と暦
6.1 時間と自国の表現
6.2 暦
6.3 天体の見え方



北洋銀行の展示会

2007-06-12 22:13:20 | 佐鳥新の教授&社長日記

JAXAとのミーティングが早く終わったので、札幌コンベンションセンターで行われている北洋銀行主催の展示会に立ち寄った。

北海道衛星株式会社のブースにはT内君が説明員として対応してくれた。私は10分程度しかいられなかったが、サークル鉄工やサカイ技研の方々へ挨拶して次の場所へ移動した。

サカイ技研は当社製品の金型を作ってくれた会社だ。ここはかなり技術力がある。

サークル鉄工は大葉工場を持っており、2006年度に産総研と共にここで使っている大葉選別ロボットに鮮度センサーを組み込むための共同研究を行った。詳細については過去のブログを読んで頂きたい。

帰り際に北海道工業大学のブースを発見した。