■ガスが増えると切り替わる、銀河中心ブラックホールのX線放射
天文衛星「すざく」によるX線観測から、活動銀河核のブラックホールに流れこむガスがある一定の量を超えると、放射されるX線の成分や量、変動の仕方が劇的に変化することがわかった。ガスの重力エネルギーを放射に変換する機構が、ガスの量次第で異なる動作モードに切り替わることが示されている。
理化学研究所と東京大学などの共同研究グループは、しし座の方向約7700万光年彼方にある銀河NGC 3227の中心にある巨大ブラックホールを、天文衛星「すざく」のX線観測データから調べた。
ガスの重力エネルギーを放射に変える「AGNエンジン」の中に異なる働きを担う2つの部分が存在し、吸い込まれるガスの量が少ない時にはそのうちの片側だけ、ガスの量が増えてくると両方が働き出すという、AGNの新しい機能や構造が示された。
http://www.astroarts.co.jp/news/2014/09/19ngc3227/index-j.shtml
■海保が国内最大のチムニー群発見 久米島沖、海底資源埋蔵の可能性
海上保安庁は19日、沖縄県の久米島沖の海底で、国内最大規模のチムニー(煙突)群を発見したと発表した。チムニーは熱水に溶けた銅や鉛などが低温の海水と反応して沈殿したもので、海保は「周辺海域には海底資源が埋蔵している可能性がある」としている。
海保は今年6月、久米島沖の水深約1400メートルの海底を測量船で調査した際、0.45平方キロ(東京ドーム約10個分)のエリアで熱水を噴出しているチムニー群を発見。最も高いもので約20メートル以上あった。チムニー周辺には高さ10メートル程度のマウンド(円錐(えんすい)状の高まり)も見つかった。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140919/scn14091917450002-n1.htm
■CO2地下貯留、コスト課題 政策の後押し不可欠
二酸化炭素(CO2)回収・貯留システム(CCS)の実用化へ向け、電力、石油、エンジニアリングなどの35社が出資する日本CCS調査が7月、北海道の苫小牧に実証実験設備を着工した。CCSは地球温暖化防止の重要な手段とされ技術開発が進むが、普及には法規制やコスト面で課題も多く、企業の導入意欲を高めるのは難しい。
苫小牧のプロジェクトは2016年度から3年間、年10万トンのCO2を海底下1100~3000メートルの二カ所に送り込む。温度、圧力などの詳細なデータをとり、CO2が想定通り閉じ込められるかを確認する。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO77176430X10C14A9X93000/