飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

即応型宇宙システム(11)

2008-12-30 17:18:42 | 佐鳥新の教授&社長日記
最後に、日本人にとっては安全保障と宇宙を結びつけるのは西洋と東洋の端くらい離れたようなイメージを持つかもしれませんが、アメリカ航空宇宙学会に行くと全て同じなのです。日本人は本能的に嫌がっていますが、世界では同じ技術の表と裏という感じです。技術そのものには東西はありませんが、どういう目的で使うかということを使う人間がしっかり持っていなければなりません。
従来のように軍事目的の使用を嫌悪してそれに関連する技術を全部捨てるというのではなく、現実を直視して今後どのようなものを使うべきか、日本人として考えていかなければならない時期が来たということだと思います。
即応型宇宙システムというのは極めて戦略的という話をしました。これは産業にもなります。ロケットや衛星を打ち上げるビジネスに限定したものではあるのですが、それでも5000億~1兆円の市場が間違いなく近未来には訪れます。
ですが、私たちが目指している宇宙産業創造プロジェクトというのは、一般の社会の中にも宇宙技術を浸透させようという動きですからある意味インフレーション的にもっと広がる可能性があるわけです。

つい先日、宇宙基本法が制定されましたが、これからこのような動きになってくることは間違いありません。国家としては、経済産業省や内閣官房などが動き、日本の宇宙技術の全てを整理してどういう形で使っていくかということを有識者に意見を求めているという段階です。だいたい3年くらいでレポートまとめることになっているそうです。

最後に今日の参考資料です。日本では宇宙開発事業団法というものがあって、宇宙技術を平和目的以外には使ってはならないことが呪縛となって、長い間本日のような話から目を遠ざけていたところがありますが、世界では、国際宇宙法というものがあります。日本での国際宇宙法の専門家は5人くらいしかいないと言われていますが、その1人は慶応大学の青木先生と言う方です。今日のお話しの流れは直接的には引用していませんがこの本を参考にさせていただきました。それと、イラク戦争での技術については江畑さんという方の「日本防衛のあり方」から引用しました。それから即応型宇宙システムに関しては、Responsive Space Conferenceの過去の文献から引用してあります。
以上です。


即応型宇宙システム(10)

2008-12-24 12:15:05 | 佐鳥新の教授&社長日記
では実際どのように使うのか。まだ実験段階なので、あくまでも想定です。まず戦争の最前線にいる人がどうしてもターゲットの情報を知りたいというリクエストを出します。それを管制センターが受けて、衛星にコマンドを送ります。そうするとターゲットの場所にハイパーを向けて人工的な対象物を抽出して、画像認識した結果を地上の人に送ります。そしてその情報を使って次のステップにいきます。インターネットにアクセスして情報を得て次のステップに移るというのと同じように人工衛星を使っていこうということなのです。さらに高機能なセンサーが必要なときには1週間後にもう一機打ち上げる、平和な時期になると何も打ち上げないという時期もあることでしょう。
では、ハイパーで実際どのように見えるかというと、例えばここにミサイルがあって、発射台がありますが、色々物がある中でこのように分かるわけです。迷彩色のシートをかけたとしてすぐにばれます。
では、衛星ができてすぐに打ち上げるときにはどうするかというと、ボーイングが開発しているものは、F15の背中に三段式のロケットを作って、エンジンにはオライオンというスペースシャトルの次の宇宙機器に使うエンジンと組み合わせながら使おうとしています。それ以外にもSPACEX社ではFALCONを、MicrocosmではSprite、AirlaunchではQuickReachというロケットを開発しています。それぞれの企業の打ち上げ能力と開発費用ですが、物にもよりますがだいたい500~1000kgの軌道投入能力を持っていて、価格的には5億~10億くらいで競っています。


即応型宇宙システム(9)

2008-12-23 13:53:14 | 佐鳥新の教授&社長日記
即応型宇宙システム(ORS)と従来型を比較した場合、従来のものは結局は地上で撮影して戦術を考えるという使い方であるので基本的に戦術的と言えます。ORSの場合は使う時には確かに戦術ではあるのですが、これに波及される経済効果、例えば40億のシステムが稼働し始めれば年間100機以上は打ち上げるので、それだけで宇宙ベンチャー企業が活躍する市場が出てくるわけです。5000億~1兆円の市場が新たに作られるのです。このようなことも考えています。ですから極めて戦略的な計画でもあります。
今、このプロジェクトを進めるにあたってTacSatという衛星が1号機から8号機まで計画されています。TacSatは、Tactical Satelliteの略で戦術衛星のことです。今日はこの中の2号機と3号機の話をします。2号機は小型衛星ではありますが、地上分解能1mの光学センサーを持っています。あと、RFペイロード(地上のあらゆる機器との通信機能)です。どこにどういうものがどういう状態であるのかということを電波により情報収集します。3号機には、ハイパーを載せる予定です。このように1号機から8号機まで1年に1機くらいの予定で並んでいます。打ち上げに関しては2号機が先でその後1号機となっていますが。もうすぐTacSat3号機が打ち上がることになっているはずです。このようにアメリカではこのようなプロジェクトが動いています。
これは、TacSat2号機で、ここに口径50cmの光学望遠鏡を載せています。画像の撮り方は、基本的に衛星は秒速7.5kmで移動するので、スキャナーと同じラインセンサーなのですが、これに載せるのがパンクロというモノクロとRGBの3つのバンドです。これ以外にも10くらいの機能を持たせてはいます。衛星は368kgなので、通常のアメリカで打ち上げる物に比べるとかなり小型です。日本の科学衛星と同じくらいのサイズです。だいたい1年くらいで作ることになっています。2号機では、地球観測する機能と、航空機や地上に配備された船や空母などとのデータ通信機能を持たせます。これがセンサー部分で、パンクロとRGBが並んだものが望遠鏡の焦点の部分に付けられるわけです。
次に3号機ですが、特徴はハイパースペクトルセンサーを載せるということです。そしてもう一つは、プラグ&プレイ機能を持たせて、その機能実証を行おうとしていることです。打ち上げまで7日と言っていますが、文献上の記載なので、打ち上がってからまたお知らせしたいと思います。
プラグ&プレイ機能は、このような物になります。これはアメリカのAeroAstro という会社が作っているモジュールですが、上に6角形の箱を作ってこの中にペイロードモジュール、その下に通信モジュールで、姿勢センサーモジュール、姿勢制御モジュール、バッテリーモジュール、太陽電池モジュールなど、全部箱の中に入っています。これが連結されたときに1つの機能を持った衛星として動き出すわけです。これを開発するために大手企業やベンチャー企業がプロジェクトに参加しています。


無事に成功

2008-12-22 13:25:11 | 北海道衛星株式会社研究員USK
お久しぶりです。USKです。


昨日の朝一で大樹町で行われたCAMUIロケットの打ち上げを見てきました。
6機打ち上げたうちの1機に北海道工業大学の宇宙連合製アビオニクス「NANAIRO」と空き缶衛星Cansat「E缶」が搭載されて無事に成功しました。



CAMUIロケット打ち上げに関するWeblog
CAMUI Avionics Blog
http://blog.goo.ne.jp/hsu_camui
カムイスペースワークスブログ
http://myhome.cururu.jp/camuispaceworks/blog

今回の打ち上げに関するWeb記事(知っているだけのものです。他にもあるかも)
十勝毎日新聞
http://www.tokachi.co.jp/news/200812/20081221-0000226.php
読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20081222-OYT8T00012.htm
北海道新聞
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/136677.html





即応型宇宙システム(8)

2008-12-20 14:35:22 | 佐鳥新の教授&社長日記
まず目標を述べますと、衛星のコストはロケット、衛星、運用システムの3つあるのですが、衛星に関しては20億くらいで作りましょうということになっています。開発期間は1年以下、できればパソコンを組み立てるみたいに1週間くらいで打ち上げるというのが目標なのですが、いきなりそのようにはいきませんので。最初に人工衛星は一品物の特注品と言いましたが、そのような作り方をしていると1年で作るのも無理なのです。ですから、それを1年で実現するには大規模な規格化を行って、将来的にはパソコンを組み立てるのと同じようにするために衛星そのものの作り方も変えなくてはなりません。そのためにはツールもたくさん作らなくてはなりません。今、8つの衛星を実験的に打ち上げようとする動きがあり、そのうち2機まで打ち上がっており、もうすぐ3機目が打ち上がるかどうかというところです。この衛星にはプラグ&プレイ機能が付いています。これは何かと言うと、パソコンに新しくハードディスクやメモリーを挿すと自動的にダウンロードを始めてアイコンが画面上に出ますが、このように衛星も新しいモジュールを付けると自動認識して動きだすようにするという機能です。これを標準化したものをプラグ&プレイ機能付き衛星と言います。ロケットに関しては10億円以下で打ち上げようとしています。文献によっては6億以下になっている場合もありますが、だいたい10億以下で、短期間で打ち上げようとしています。通常は1000~1500人くらいが関与して半年位かかりますが、これを一週間で打ち上げようとするならば、2~3人で準備をして3日で衛星の中に組み込んで6日目には飛ばすという時代になってきます。次に運用ですが、衛星は打ち上がってから経費がかかるものなのです。衛星の開発費が100億、200億した時、地上での運用費は数十億かかっています。人数を減らすことによって、これを減らしていこうという動きになっています。では、本当にできるのかということですが、実際やっているところがあります。スカパーJSATというところは、オペレーションセンターが横浜にあるのですが、ここでは1つの静止衛星をパソコン一つで動かしています。本当に自動化ができるとそこまでできます。ですから決して夢ではありません。


宇宙関連情報: テディベア4体、成層圏での“宇宙遊泳”に成功?英国

2008-12-19 08:38:05 | 北海道衛星
タイトル:テディベア4体、成層圏での“宇宙遊泳”に成功?英国

本文:
英国で1日、地上約30キロメートルの成層圏でテディベア4体が“宇宙遊泳”に成功した。テディベアたちは打ち上げられた気象観測気球に“搭乗”していた。

「MAT」、「KMS」と名付けられたテディベアたちを乗せた気球は、ケンブリッジ大学チャーチルカレッジの敷地から打ち上げられた。気球はケンブリッジ大学の科学クラブ「Spaceflight」が制作したもので、テディベアが上空で凍ってしまわないようにと、特注の“宇宙服”も準備された。宇宙服の制作には地元の中学生らも協力した。

実験では、地上約30キロメートルから地球を見下ろすテディベアたちの映像がウェブカメラを通じて配信された。2時間あまりのミッションを終えたテディベアたちはパラシュートで降下、発射地点から約80キロメートル離れたイプスウィッチ近郊に無事“帰還”した。
(c)Barcroft Media


URL:http://www.web-tab.jp/article/5416/

ハイパースペクトル技術に関する北海道研修(5日目)

2008-12-18 01:05:26 | 佐鳥新の教授&社長日記
12月16日(火) 研修5日目

内容:予備日

研修:補習及び施設見学等
10:00-12:00 今回の研修に関する質疑応答
12:00-13:00 昼食
13:00-18:00 北海道でのカムイハイブリッドロケットの見学@㈱植松電機
18:00頃 札幌駅にて解散


送信者 北海道研修2008(5日目)


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ハイパースペクトル技術の北海道研修(4日目)

2008-12-18 00:45:00 | 佐鳥新の教授&社長日記
12月15日(月) 研修4日目

目標:電子工作とCPUプログラミング実習 
予習:CPUプログラミングに関するテキストを読んでおくこと

研修:SH2とノートPCとのデータ通信の基礎をマスターすること
10:00-11:00 SH2プログラミングに関する講義 
11:00-12:00 周辺回路に関する電子回路製作実習 
12:00-13:00 昼食
13:00-17:00 SH2プログラミング実習 
17:00-17:30 評価と各自の学習課題の抽出  
20:00-22:00 自己変革の課題を見つめる@宿泊先(各自)


送信者 北海道研修2008(4日目)


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ハイパースペクトル技術の北海道研修(3日目)

2008-12-18 00:34:38 | 佐鳥新の教授&社長日記
12月14日(日) 研修3日目

目標:C#によるハイパースペクトル解析プログラム開発の実習
予習:①C#プログラミング実習の復習
   ②大野ソフトのソースコードを復習しておくこと

研修:13日に計測したデータから計算式を導出し、大野ソフトに組み込むこと
10:00-12:00 13日の計測データからスペクトル変化の実験式を導出する(EXCEL)
12:00-13:00 昼食
13:00-13:30 大野ソフトの構造に関する講義  
13:30-17:00 導出した実験式のC#プログラミング及びデータ解析 
17:00-17:30 評価と各自の学習課題の抽出 


送信者 北海道研修2008(3日目)


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ハイパースペクトル技術の北海道研修(2日目)

2008-12-18 00:28:14 | 佐鳥新の教授&社長日記
12月13日(土) 研修2日目

目標:ハイパースペクトル応用技術の初歩をマスターすること
予習:①大野ソフトの使い方を復習しておくこと
   ②佐鳥研究室の修士論文2冊(上野宗一郎君と竹内祐介君)

研修:C#プログラミング実習とハイパースペクトルカメラによるデータ計測
10:00-11:00 ハイパースペクトルカメラによるデータ計測(1)
11:00-12:30 C#プログラミング実習(1): 
12:30-13:30 昼食
13:30-14:00 ハイパースペクトルカメラによるデータ計測(2)
14:00-16:30 C#プログラミング実習(2):ハイパースペクトルデータの擬似RGB表示 
16:30-17:30 ハイパースペクトルカメラによるデータ計測(3)


送信者 北海道研修2008(2日目)


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