飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

ハイパースペクトルカメラの開発の歴史(改訂)

2015-04-25 04:06:09 | 佐鳥新の教授&社長日記

HPの「ハイパースペクトルカメラの開発の歴史」を改訂しましたので、ブログでも紹介します。

2003年~2004年3月 ハイパースペクトルカメラ実験室モデルHSC1.0の試作完成
ハイパースペクトルカメラ[HSC1.0] |北海道衛星株式会社
佐鳥の考案した「多波長高分解能カメラ」の原理を道内ベンチャー企業が忠実にモノづくりとして再現してくれた功績が大きいです。
コアとなる光学ステージスキャン方式による撮影原理を佐鳥が発明し、その原理に基づいて、基礎研究と検証試験を道工大の佐鳥研究室が行いました。
製品化に至る役割分担は、北海道科学大学(旧・北海道工業大学)の佐鳥研究室が予備設計を行い、それを受けて道内の幾つかのベンチャー企業が回路設計、機械設計、プログラミングの詳細設計と製造を担当しました。
このような基礎研究から製造に至るものづくりをバックアップする体制が札幌近郊に集まっていたからこそ、ハイパースペクトルカメラが製品として完成したといえます。
HSC1.0は、後にHSC1700として製品化に成功し、2005年2月から十勝毎日新聞などメディアにも取り上げられた。(本格的な販売は2007年より)
2004年4月

「ハイパースペクトルカメラ」の命名
宇宙技術のスピンオフとしてのハイパースペクトル技術を普及させることを目的に、多波長高分解能カメラを「ハイパースペクトルカメラ」と命名しました。これ以後、多くの企業がこの名称を自社のHPやパンフレット等で一般的に使われるまでに普及しております。

2004年4月~12月 航空機搭載用ハイパースペクトルカメラ試作機[HSC1.51]完成
ハイパースペクトルカメラ[HSC1.5] |北海道衛星株式会社
セスナにHSC1.5及びHSC1.0を搭載した航空機リモートセンシング実証実験を富士通の協力の下に行いました
2005年1月 ハイパースペクトルカメラの原型であるHSC1.7の改良を重ねながら道工大及び㈱ATFとの産学連携で(後にHSC1700以降の原型となる)開発
HSC1.7 |北海道衛星株式会社
2005年5月 ハイパースペクトル応用学会設立
民生分野への実用化を体系化するために設立しました。数年はNPO法人宇宙空間産業研究会内の一部門として位置付け、利用分野には、農業、食品、医療、環境、半導体、監視、非破壊検査、建築・土木などを想定しております。
2005年度 産業技術総合研究所・中小企業産業技術研究開発事業「赤外用ハイパースペクトルカメラの開発」
2007年4月~10月 ハイパースペクトルカメラ「HSC1700」の次号機として「HSC1701」(後のHSC1701-H)を開発
ハイパースペクトルカメラ[HSC1701-H] |北海道衛星株式会社
2008年3月 青森県主催(三村知事) 基調講演「ハイパースペクトルの活用による農工ベストミックスの展開」
2009年11月~2011年3月 超小型衛星搭載用ハイパースペクトルカメラ「HSC」を開発。(文部科学省(超小型衛星研究開発事業)及び北海道大学他の協力による)
人工衛星搭載型HSC |北海道衛星株式会社
2011年 「超高解像度1000万画素(4K・2.5K)ハイパースペクトルカメラを新規開発」
2013年1月 超小型衛星搭載用ハイパースペクトルカメラのスピンオフとして高感度ハイパースペクトルカメラCosmosEyeHSC1702を新規開発
HSC1702 |北海道衛星株式会社
2013年4月

フォトニクス2013 アカデミックフォーラム 特別講演「超小型衛星搭載用ハイパースペクトルカメラの開発とその地上技術への応用」
高精度化した新製品「HSC1702」を発売。東京ビッグサイトに出展し、さらに日刊工業新聞・十勝毎日新聞に掲載されました。

2014年4月

フォトニクス2014 アカデミックフォーラム 特別講演「宇宙用ハイパースペクトルカメラの開発とそのスピンオフへの応用」
ハイパースペクトルによる特異検出(RX検出器)とリアルタイム処理を実装した人命救助システム「ビーム・アイ」の開発に成功しました。ハイパースペクトルによるリアルタイム処理の実装は国産初の成果です。東京ビッグサイトで紹介しました。

2014年 高速撮影が可能なハイパースペクトルカメラ「HSC1803-CL」を新規開発
2015年1月 北のブランド認証
「ハイパースペクトルカメラ Cosmos Eye HSC1702」、「宇宙用ハイパー・・・」他1
2015年1月 北の起業家表彰 特別賞
受賞理由は大学発ベンチャーとしての10年間のハイパースペクトルカメラ及びその応用に関する研究開発実績及び販売実績を高く評価して頂いただきました。
2015年3月 ものづくりスペシャリスト表彰 奨励賞
受賞理由は、北海道衛星㈱の研究員が「ハイパースペクトル技術のスペシャリスト」として札幌商工会議所から高い評価を受けました。
 
1996年 超小型衛星の姿勢・軌道機動制御用スラスタとして「マイクロ波エンジン」を発明し、開発を開始
マイクロ波エンジン |北海道衛星株式会社
2003年 道民の力で人工衛星を打ち上げようというキャッチフレーズのもとに「北海道衛星プロジェクト」を立ち上げ
2003年 光通信実験「地上の星プロジェクト」。
札幌JRタワーの屋上を宇宙に、地上局を酪農学園大のビルの最上階に見立てた光通信実験を実施
地上の星プロジェクト |北海道衛星株式会社
2004年 道民の力で新しい宇宙産業を創造する超小型衛星を製造するために「北海道衛星株式会社」を設立。
2005年4月~2006年3月 札幌商工会議所での宇宙ビジネス勉強会(全5回)
NASAの宇宙技術のスピンオフの事例紹介、ハイパースペクトルカメラの民生応用の提案とブレーンストーミング(農業、食品、環境、監視、非破壊検査、建築・土木他)、
超小型衛星からの動画を使った宇宙コンテンツ事業提案、通信分野、宇宙ロボットコンテスト。
2005年5月 オフィス・オートメーション学会第50回全国大会プログラム 基調講演「北海道衛星『大樹』」
2006年 北海道初の超小型衛星「HIT-SAT」を宇宙科学研究所(現・JAXA)のM-V型ロケット七号機の副衛星としての打ち上げに成功。
この成果により、北海道工業大学佐鳥研究室・三橋研究室の学生が学長賞を受賞
HIT-SAT |北海道衛星株式会社
2007年1月 3協会合同講演会、(社)日本土木工業協会北海道支部、(社)日本電力建設業協会北海道支部、(社)日本鉄道建設業協会北海道支部 基調講演「宇宙産業創造プロジェクト」
2009年11月~2011年3月 文科省超小型衛星事業により「宇宙用ハイパースペクトルカメラ(HSC)」のプロトモデル(PM)の開発に成功
人工衛星搭載型HSC |北海道衛星株式会社
2014年 農業リモートセンシングの地上ネットワークの一環として香川高専村上研究室・西条市との連携により、北海道-愛媛県西条市間でハイパースペクトルカメラの遠隔運用を開始
2014年 超小型衛星「ほどよし3号機,4号機」(東大・中須賀真一教授)の衛星データを大樹町・Xバンド地上局(東大・超小型衛星センター及びNESTRA)にて受信に成功。日本の超小型衛星の実利用に大きく前進
2015年1月 JA道央青年部研修会 特別講演「農業リモートセンシングの展望-生育計測技術の最前線及び病害虫の早期発見」
2015年 「農業における衛星利