• 宇宙時代の意義を多くの人々に理解して頂くために、まず小型衛星群による宇宙インフラを組み、宇宙のコンテンツを日常化していくところから始めるべきである。
そのためには、小型衛星群によるインフラを整備し、宇宙コンテンツ配信事業を立ち上げるべきである。インフラの配信にはモバイルコンピュータ技術(携帯電話、PDA)が不可欠である。
• 宇宙で人間が生存するための条件として、生活に必要となるあらゆる機器・モノにユビキタスが使われている必要がある。月面都市の建設にはユビキタスによる電子技術が日常化していることが不可欠である。
• 月面都市の食糧生産を実現するためには、植物工場、リサイクル技術、バイオ技術が必要である。これらの技術は先に述べた社会問題である食糧問題(民族問題の原因のひとつ)、地球環境問題を解決する手段となる。
• 従来のロケットに替わる安全で低コストな新しいロケット技術(推進技術)を開発する必要がある。
• 企業努力を宇宙開発の方向に向けることにより、全く新しい視点の製品が生まれ(例:マジックテープ等)、人々が実生活でその恩恵を受けることができる。このような宇宙技術のスピンオフ事業を積極的に推進するべきである。(配当の一定の割合を宇宙開発投資に回す金融商品。)
• 最初は利益率の高いスピンオフ商品を扱う金融商品を用いた宇宙開発投資ファンドを作るところから始めるのが現実的である。
• 宇宙の啓蒙活動が浸透し、ある程度まで宇宙が日常化してきた段階から、世界の人々の賛同を得ながら宇宙開発事業債を作り、孫・曾孫の時代を見据えた未来への投資事業を始めるべきである。(宇宙開発事業債の償還期間を50年とする。)
※今回で『北海道衛星2005』は終了となります。
次回からは現代科学の究極ともいえる反物質推進の実現性について数回のシリーズで紹介したいと思います。
• 人類にとっての新たな生活圏(新しい時空間)を作るための準備を今から始めるべきである。(経済活動の場、新たな投資事業、新しい産業、新しい生活環境、新しい社会)
• 宇宙時代の主役はそこで生活する“人間”、つまり“個人”である。
ロケットや衛星は手段でしかなく、宇宙開発そのものが目的ではない。一人ひとりの精神性を向上させること、つまり人類の精神性の進化に貢献することが宇宙開発の使命である。
• 百年の計として、月面都市の建設を目標に民間主導の投資事業を立ち上げることを近未来の目標とするべきである。
※月面都市建設の調査経費は湾岸地域の国際空港建設経費相当と思われる。
※日本国民の貯金総額=1000兆円なので、実は、高々その0.1~0.2%程度。つまり、国民1人当たり1~2万円の投資に相当する額でしかない。もし毎年宇宙開発事業に投資するマインドが根付けば、仮に日本人だけの投資だったとしても月面都市の建設は夢物語ではない!
• 宇宙時代の主役はそこで生活する“人間”、つまり“個人”である。
ロケットや衛星は手段でしかなく、宇宙開発そのものが目的ではない。一人ひとりの精神性を向上させること、つまり人類の精神性の進化に貢献することが宇宙開発の使命である。
• 百年の計として、月面都市の建設を目標に民間主導の投資事業を立ち上げることを近未来の目標とするべきである。
※月面都市建設の調査経費は湾岸地域の国際空港建設経費相当と思われる。
※日本国民の貯金総額=1000兆円なので、実は、高々その0.1~0.2%程度。つまり、国民1人当たり1~2万円の投資に相当する額でしかない。もし毎年宇宙開発事業に投資するマインドが根付けば、仮に日本人だけの投資だったとしても月面都市の建設は夢物語ではない!
ローマクラブのワールドモデルの結論は私たちにとって衝撃的なものではあった。その予言は回避できないものなのか、あるいは第3の道があるのかどうかを再度考えてみたいと思う。
ワールドモデルでは当時の社会の連関を前提に組み立てられていたことから、疑いようのない社会モデルのように思われた。しかし、そこでは全ての現象を縁とする環境の中で閉じていること(因果が地球で閉じていること)を暗黙の前提としているに気づかねばならない。実はここに未来への希望の光があり、次の2つの可能性が提唱されている。
可能性1: 人類の経済活動が地球の自然システムの限界を超えつつあることから、循環型の持続可能な経済体制への転換が必要である。(地球環境学者のレスター・ブラウン氏)
可能性2: 人類の生活圏を宇宙(月)に拡大することにより、22世紀以降の継続的発展がワールドモデルを用いた数値シミュレーションにより予測されている。(静岡大 山極芳樹氏)
先にヒトは先進的に進化することが目的であり、その為には科学による環境の進歩と精神性の向上の両者が相補的に進化することが重要であることを述べた。ここでは2つの視点から問題解決の方向性について述べる。
①科学技術におけるイノベーションの方向性
「宇宙」を生活圏に取り込むことを視野に入れた、永続的生存可能な環境を追求するべきである。従って、21世紀の今という時期から宇宙へのフロンティアを拓き、人類としての新たな“因”を植える必要がある。
②精神性におけるイノベーションの方向性
• 国家や民族を超え、Give & Takeの発想から、資源、技術、才能、情報、経験、教育など、あるものをお互いに出し合うマインドへの発想の転換が必要である。
• 人類は地球をレンタルしていることを再認識すべきである。「宇宙人」として俯瞰した視点が不可欠である。(東京大学大学院 松井孝典教授)
人類の未来に対する利他の投資のマインドが必要である。このマインドを日本から発信した
ワールドモデルでは当時の社会の連関を前提に組み立てられていたことから、疑いようのない社会モデルのように思われた。しかし、そこでは全ての現象を縁とする環境の中で閉じていること(因果が地球で閉じていること)を暗黙の前提としているに気づかねばならない。実はここに未来への希望の光があり、次の2つの可能性が提唱されている。
可能性1: 人類の経済活動が地球の自然システムの限界を超えつつあることから、循環型の持続可能な経済体制への転換が必要である。(地球環境学者のレスター・ブラウン氏)
可能性2: 人類の生活圏を宇宙(月)に拡大することにより、22世紀以降の継続的発展がワールドモデルを用いた数値シミュレーションにより予測されている。(静岡大 山極芳樹氏)
先にヒトは先進的に進化することが目的であり、その為には科学による環境の進歩と精神性の向上の両者が相補的に進化することが重要であることを述べた。ここでは2つの視点から問題解決の方向性について述べる。
①科学技術におけるイノベーションの方向性
「宇宙」を生活圏に取り込むことを視野に入れた、永続的生存可能な環境を追求するべきである。従って、21世紀の今という時期から宇宙へのフロンティアを拓き、人類としての新たな“因”を植える必要がある。
②精神性におけるイノベーションの方向性
• 国家や民族を超え、Give & Takeの発想から、資源、技術、才能、情報、経験、教育など、あるものをお互いに出し合うマインドへの発想の転換が必要である。
• 人類は地球をレンタルしていることを再認識すべきである。「宇宙人」として俯瞰した視点が不可欠である。(東京大学大学院 松井孝典教授)
人類の未来に対する利他の投資のマインドが必要である。このマインドを日本から発信した
1970年代にローマクラブは経済活動、農業生産、地下資源の利用、環境破壊など人類の生活を維持するための全ての活動を進めた場合、全地球規模ではどのような結末になるのだという観点から数値シミュレーションを行った。その時に用いた手法は「ワールドモデル」と呼ばれている。(図5-6を参照)
ワールドモデルでの計算方法を簡単に説明する。ある時刻Tにおいて収入がXだけ増えたとする。このとき、Xの使途は、食費に20%、家賃に10%、工業製品購入費に15%、光熱費に5%・・・という具合に統計的に予測することができる。家賃収入、食費として生産者に還元されるお金、光熱費として地下から採取されるエネルギー資源なども同様な手法により相互に関連付けることができる。このような縦横無尽に張り巡らされた網目のような連鎖の中で全ての物事が同時に進んだときにどのように事象が進むのかを計算することができる。
図5-6 ワールドモデル
(D.H.メドゥース他著「成長の限界」より転載)
図5-7 ワールドモデルの計算結果
(D.H.メドゥース他著「成長の限界」より転載)
計算の仮定として、世界システムの発展を支配してきた物理的、経済的、社会的関係に大きな変化はないものとし、係数には当時(1970年代まで)の数値を用いる。図5-7にローマクラブが行った標準ワールドモデルの計算結果を示す。
計算の結果、食糧、工業生産および人口は幾何級数的に成長し、ついには急速に減少する資源が工業の成長を低下させるに至ることがわかる。システムに内在する遅れのために、人口と汚染は工業化の頂点に達した後、暫く増加し続ける。人口の増加は、食糧と医療サービスの減少による死亡率の上昇によって最終的に停止する。以上をまとめると、ローマクラブはこのままの状態で進むならば21世紀後半には人類は滅亡することを予言した。
ワールドモデルでの計算方法を簡単に説明する。ある時刻Tにおいて収入がXだけ増えたとする。このとき、Xの使途は、食費に20%、家賃に10%、工業製品購入費に15%、光熱費に5%・・・という具合に統計的に予測することができる。家賃収入、食費として生産者に還元されるお金、光熱費として地下から採取されるエネルギー資源なども同様な手法により相互に関連付けることができる。このような縦横無尽に張り巡らされた網目のような連鎖の中で全ての物事が同時に進んだときにどのように事象が進むのかを計算することができる。
図5-6 ワールドモデル
(D.H.メドゥース他著「成長の限界」より転載)
図5-7 ワールドモデルの計算結果
(D.H.メドゥース他著「成長の限界」より転載)
計算の仮定として、世界システムの発展を支配してきた物理的、経済的、社会的関係に大きな変化はないものとし、係数には当時(1970年代まで)の数値を用いる。図5-7にローマクラブが行った標準ワールドモデルの計算結果を示す。
計算の結果、食糧、工業生産および人口は幾何級数的に成長し、ついには急速に減少する資源が工業の成長を低下させるに至ることがわかる。システムに内在する遅れのために、人口と汚染は工業化の頂点に達した後、暫く増加し続ける。人口の増加は、食糧と医療サービスの減少による死亡率の上昇によって最終的に停止する。以上をまとめると、ローマクラブはこのままの状態で進むならば21世紀後半には人類は滅亡することを予言した。
現在の世界人口は60億人といわれている。殊に中国とインドでの人口増加は大きく、21世紀半ばには世界の人口は100億人を突破することが予測されている。
中国では総人口13億人の中で1.6億人いるといわれる中流階級の所得増加に伴い、今や先進国以上に肉を食べるようになった。このため家畜用の飼料を含めて、中国国内だけでは消費をまかなえなくなっている。アメリカ農務省のレポートによれば、中国では1998年~2003年の食糧生産の急減で世界最大の小麦輸入国となり、世界の穀物在庫が1974年のソ連発の食糧危機以来の最低水準となった。このような事実に対し、地球環境学者のレスター・ブラウンは著書『誰が中国を救うのか』の中で、中国発の食糧危機に対して警鐘を鳴らしている。
図5-3 世界の穀物在庫率(「The Liberty」2006年3月号より転載)
図5-4 中国の食肉摂取量
図5-5 中国、インドの人口増加の推移
(「The Liberty」2006年3月号より転載)
中国では総人口13億人の中で1.6億人いるといわれる中流階級の所得増加に伴い、今や先進国以上に肉を食べるようになった。このため家畜用の飼料を含めて、中国国内だけでは消費をまかなえなくなっている。アメリカ農務省のレポートによれば、中国では1998年~2003年の食糧生産の急減で世界最大の小麦輸入国となり、世界の穀物在庫が1974年のソ連発の食糧危機以来の最低水準となった。このような事実に対し、地球環境学者のレスター・ブラウンは著書『誰が中国を救うのか』の中で、中国発の食糧危機に対して警鐘を鳴らしている。
図5-3 世界の穀物在庫率(「The Liberty」2006年3月号より転載)
図5-4 中国の食肉摂取量
図5-5 中国、インドの人口増加の推移
(「The Liberty」2006年3月号より転載)
どうも。大野です。
こっちはこっちでマイペースに更新を続けたいと思います。
9/23 その2
打ち上がって、HIT-SATの分離を確認したあと、
九州大学宇宙機ダイナミクス研究室にお邪魔して
HIT-SATのCWを聞かせていただきました。
写真はCW受信記念の集合写真です。
その後懇親会へ~♪
(余談ですが、HIT-SAT開発グループのスケジュール表には
北海道VS九州 飲み比べ対決
と書いていました。マジです。犯人はT先生?)
その後、超上機嫌で福岡で一泊。
宇宙機ダイナミクス研究室の皆さん
熊本での学会や早朝の打ち上げでのお疲れのところ、
本当にありがとうございました。
こっちはこっちでマイペースに更新を続けたいと思います。
9/23 その2
打ち上がって、HIT-SATの分離を確認したあと、
九州大学宇宙機ダイナミクス研究室にお邪魔して
HIT-SATのCWを聞かせていただきました。
写真はCW受信記念の集合写真です。
その後懇親会へ~♪
(余談ですが、HIT-SAT開発グループのスケジュール表には
北海道VS九州 飲み比べ対決
と書いていました。マジです。犯人はT先生?)
その後、超上機嫌で福岡で一泊。
宇宙機ダイナミクス研究室の皆さん
熊本での学会や早朝の打ち上げでのお疲れのところ、
本当にありがとうございました。
現時点での世界の人口問題、食糧問題、環境問題で取り上げられている代表的な地域を図5-2に示す。
人口の増加と人類の活動が全世界規模に及んだことにより、自然の摂理に任せた物質循環だけでは処理しきれないレベルまで達し、その歪みがこれらの問題を引き起こしていることは多くの学者の指摘するところである。
山やオアシスと呼ばれる場所には表面を覆う土壌と植生の中に保水効果があり、これまで私たちの農業生産にも恵みを与えてくれてきたことが知られている。しかし、現在ではその多くの場所で保水が減り、植生が減少している。その結果として砂漠化が進んできた。砂漠化した地域では水蒸気が減り、雨雲が出来にくくなり、結果として更に砂漠化を加速させる方向に(物理)現象が進むことになる。(時間縁起) このような砂漠化または水不足はアフリカ、中東、インド、東南アジア、中国一部の地域、アメリカおよび南米など全世界規模で進んでいる。
水不足は食糧生産に直接的な打撃を与える。穀物1トンを生産するために必要な水は1千トンと言われている。生産地に要求されるこのような直接的には目に見えない水を「仮想水」という。日本は世界でも有数の食糧輸入国であるが、仮想水まで含めた実質的な水総量を考慮すると、実は日本は73%の水を海外から輸入していることになるのである。
図5-2 世界の人口・食糧・環境問題に関する地図
(「The Liberty」2006年3月号より転載)
人口の増加と人類の活動が全世界規模に及んだことにより、自然の摂理に任せた物質循環だけでは処理しきれないレベルまで達し、その歪みがこれらの問題を引き起こしていることは多くの学者の指摘するところである。
山やオアシスと呼ばれる場所には表面を覆う土壌と植生の中に保水効果があり、これまで私たちの農業生産にも恵みを与えてくれてきたことが知られている。しかし、現在ではその多くの場所で保水が減り、植生が減少している。その結果として砂漠化が進んできた。砂漠化した地域では水蒸気が減り、雨雲が出来にくくなり、結果として更に砂漠化を加速させる方向に(物理)現象が進むことになる。(時間縁起) このような砂漠化または水不足はアフリカ、中東、インド、東南アジア、中国一部の地域、アメリカおよび南米など全世界規模で進んでいる。
水不足は食糧生産に直接的な打撃を与える。穀物1トンを生産するために必要な水は1千トンと言われている。生産地に要求されるこのような直接的には目に見えない水を「仮想水」という。日本は世界でも有数の食糧輸入国であるが、仮想水まで含めた実質的な水総量を考慮すると、実は日本は73%の水を海外から輸入していることになるのである。
図5-2 世界の人口・食糧・環境問題に関する地図
(「The Liberty」2006年3月号より転載)
どうも、大野です
早いもので、打ちあがって2日たちました。
昨日、昨々日とあっというまに過ぎてしまったので、
2日分をいっぺんにだらだらと更新したいと思います。
9/23
JST 6:36にM-V-7号機が打ちあがりました。
言葉にできない感動が僕を包みました。
アマチュア無線家が受信したと電話で聞いたときには
ため息と同時に喜び、安堵、その他いろいろなものが漏れました。
あの瞬間は一生忘れることはないでしょう。
早いもので、打ちあがって2日たちました。
昨日、昨々日とあっというまに過ぎてしまったので、
2日分をいっぺんにだらだらと更新したいと思います。
9/23
JST 6:36にM-V-7号機が打ちあがりました。
言葉にできない感動が僕を包みました。
アマチュア無線家が受信したと電話で聞いたときには
ため息と同時に喜び、安堵、その他いろいろなものが漏れました。
あの瞬間は一生忘れることはないでしょう。
図5-1は世界で国際紛争の起こっている地域を示したものである。紛争に関する個別の説明には触れないが、ヒトという種族の精神的傾向性から民族紛争の原因を分析するならば、そこには少なくとも2つの根本的原因が見えてくる。
第1の原因は豊かでない時代の生きるために争った過去の歴史であり、人として生きる本能に起因する略奪と殺戮の応酬にある。この問題は科学の発達と生活圏の拡大などの生活環境の改善により8割は解決できると思われる。宇宙開発はこの問題を解決するためのマクロな方向性を与えることができる。
第2の原因は宗教の違い(世界観の違い)による争いである。どちらかといえば派閥争いに近く、根本的解決には民族宗教を統合できるだけの世界観を持ち、かつ現代社会に合った世界宗教の普及が望まれる。この問題に関しては残念ながら宇宙開発は無力であることを私たちは自覚しなければならない。しかし、精神の進化とは、環境の進歩と相補的な関係にあることもまた事実であり、私たちは科学的進歩と精神性の両面からヒトの進むべき方向性を考えなければならない。
図5-1 世界の国際紛争地図
第1の原因は豊かでない時代の生きるために争った過去の歴史であり、人として生きる本能に起因する略奪と殺戮の応酬にある。この問題は科学の発達と生活圏の拡大などの生活環境の改善により8割は解決できると思われる。宇宙開発はこの問題を解決するためのマクロな方向性を与えることができる。
第2の原因は宗教の違い(世界観の違い)による争いである。どちらかといえば派閥争いに近く、根本的解決には民族宗教を統合できるだけの世界観を持ち、かつ現代社会に合った世界宗教の普及が望まれる。この問題に関しては残念ながら宇宙開発は無力であることを私たちは自覚しなければならない。しかし、精神の進化とは、環境の進歩と相補的な関係にあることもまた事実であり、私たちは科学的進歩と精神性の両面からヒトの進むべき方向性を考えなければならない。
図5-1 世界の国際紛争地図
これまで宇宙開発に対する一般的な考え方は、「宇宙には夢がある」、「宇宙にはロマンがある」、「地球に危機が到来した際のノアの箱舟としての位置付け」、あるいは「軍事的優位性を誇示する象徴といった捉え方があった。この章ではヒトという種族の存在意義から宇宙開発の意義を再考してみたいと思う。
まず、ヒトという種族の特徴を一言で表現するならば、環境や社会の変化の中で常に精神的な進化を続けるところに特徴がある。霊長類という言葉が象徴するように、精神的進化こそがヒトの存在意義であると思われる。宇宙開発は人類に対して新たな精神的進化の環境を提供することができる。ここに宇宙開発の真の使命がある。
人類の歴史はとは、かつて部族(小さな国)という単位で生活していた時代から国境を越えた国家間同士の関係・摩擦の繰り返しでもあった。このような環境変化はヒトにとっての世界観の拡大と言語や思想を超えた共通点の発見と個々の小さな利害を統合しうる大いなる発展への認識の跳躍を与えるものであった事実に着目する必要がある。このように、肉体の進化ではなく、精神的進化こそがヒトの存在意義であり、また存在価値であると思われる。
19世紀以降の科学技術の発展に伴い、現在ではヒトの生活圏は全地球規模に及んでいる。これに伴って発生した地球上の問題として次のようなものがある。
①民族間紛争
②人口爆発
③食糧問題
④地球環境問題
⑤資源の枯渇
20世紀前半までであれば、これらの問題により世界大戦が起きたものだが、現在は武力から経済的手段に置換された形で行われているのが現実といえる。(注:例えばM&Aは100年前の戦争ともいえる現象である。)
以上の観点から、これらの問題を解決できるだけのグランド・ビジョンとその啓蒙が必要であり、その大きな視点が宇宙開発に託されている事実をこれから紹介したい。
まず、ヒトという種族の特徴を一言で表現するならば、環境や社会の変化の中で常に精神的な進化を続けるところに特徴がある。霊長類という言葉が象徴するように、精神的進化こそがヒトの存在意義であると思われる。宇宙開発は人類に対して新たな精神的進化の環境を提供することができる。ここに宇宙開発の真の使命がある。
人類の歴史はとは、かつて部族(小さな国)という単位で生活していた時代から国境を越えた国家間同士の関係・摩擦の繰り返しでもあった。このような環境変化はヒトにとっての世界観の拡大と言語や思想を超えた共通点の発見と個々の小さな利害を統合しうる大いなる発展への認識の跳躍を与えるものであった事実に着目する必要がある。このように、肉体の進化ではなく、精神的進化こそがヒトの存在意義であり、また存在価値であると思われる。
19世紀以降の科学技術の発展に伴い、現在ではヒトの生活圏は全地球規模に及んでいる。これに伴って発生した地球上の問題として次のようなものがある。
①民族間紛争
②人口爆発
③食糧問題
④地球環境問題
⑤資源の枯渇
20世紀前半までであれば、これらの問題により世界大戦が起きたものだが、現在は武力から経済的手段に置換された形で行われているのが現実といえる。(注:例えばM&Aは100年前の戦争ともいえる現象である。)
以上の観点から、これらの問題を解決できるだけのグランド・ビジョンとその啓蒙が必要であり、その大きな視点が宇宙開発に託されている事実をこれから紹介したい。