書 名:宇宙探査機 はるかなる旅路へ
著 者:山川宏
出版社:化学同人
著者の山川宏先生は宇宙科学研究所時代には20代前半の頃から天才科学者と噂されるほどの優秀な方で、1990年代の宇宙科学研究所の多くの科学衛星の軌道設計をしてきた実績のある方だ。現在は京大大学院の教授で、2010年から2012年まで内閣官房宇宙開発戦略本部事務局長、2012年からは内閣府宇宙政策委員会委員を務めている。本書は山川先生の経験を混じえながら世界の科学衛星の軌道設計について解説したものである。
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序章 飛行計画がすべてを決める
第1章 まずは地球を周回する
1.ロケットを打ち上げる
2.ロケットは風次第
3.人工衛星を打ち上げる
4.地球の形の影響を利用する
第2章 惑星へ向かう
1.地球軌道から惑星軌道に移る
2.惑星到着時の工夫あれこれ
3.惑星表面に着陸して動き回る
4.サンプルリターン
第3章 惑星探査機の設計の仕方
1.ミッションを考えエンジンを選択する
2.電源と通信手段を確保する
3.温度を制御し姿勢を変更する
4.材料と構造を選択する
第4章 飛行計画の技―――惑星探査と月探査は何が違うか
1.フライバイ探査とスイングバイ探査
2.太陽系の果てを目指して
3.太陽系を自由に行き来するために
4.二重月スイングバイ
5.月に行くもう一つの方法
第5章 特色豊かな宇宙機の数々―――観測衛星から宇宙ステーションまで
1.重力の釣り合う場所
2.再突入カプセルと大気圏再突入
3.地球観測衛星の回帰軌道
4.衛星コンステレーション
5.ランデブーとドッキング
第6章 新しいエンジンは新しいミッションを生む
1.電気推進―――電気の力で進む
2.ソーラーレイル―――光の力で進む
3.人工衛星を電磁気力で動かす
第7章 これからの宇宙開発はどうなる?
1.編隊飛行による新しいミッション
2.スペースデブリを除去する
3.地球接近小惑星を除去する
おわりに