飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

ひと目でわかるハイパースペクトル事例集(医療)

2015-05-24 07:07:07 | ハイパースペクトルカメラ

医療分野におけるスペクトルデータ活用事例です。

悪性腫瘍の可視化
悪性腫瘍の可視化 |北海道衛星株式会社
解説

悪性腫瘍のスペクトルデータから悪性腫瘍と推測できる箇所を可視化しました。正常な部位と悪性腫瘍のスペクトルデータから複数の波長を割り出し解析を行いました。

キーワード 補助,医療,検出
血管の可視化
血管の可視化 |北海道衛星株式会社
解説

照明に偏光をかけて体内に侵入した光と表面で反射した光を分離し、内部に侵入した成分を偏光板で選択してハイパースペクトルカメラで撮影ました。皮膚の表面反射を分離したことにより、皮膚の下にある血管を観測することがきます。

キーワード 偏光,人体
血流促進効果の可視化
血流促進効果の可視化 |北海道衛星株式会社
解説

市販されている血管促進効果のある薬剤を塗布し、その変化を観測しました。酸素飽和度と関連があると思われます。

キーワード 血管,観測

今日のニュース

2013-12-19 06:52:38 | ハイパースペクトルカメラ

■京大、高精度な形状測定可能な画像合成用データ統合技術を確立

京都大学大学院理学研究科の栗田光樹夫准教授は、高精度な形状測定ができる画像合成用のデータ統合技術を確立した。画像を縫い付けるようにつなぎ合わせる「データステッチング」で“シームレス”なデータ処理法を考案した。

新技術は重なる領域の情報をデータ全体で共有でき、連続処理が可能になる。有限要素法の単純な解析で済むため、計算も瞬時に終わるなどメリットが多い。

まず岡山県浅口市、同矢掛町にまたがるエリアで京大が国立天文台、名古屋大学などと共同で2015年度中の稼働を目指す口径3・8メートル級の「光学赤外線望遠鏡」に搭載する。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0220131219aaaq.html

 

■東京農工大など、筋肉の柔らかさを数値化できるハンディデバイス製品化

東京農工大学の佐久間淳准教授は堀内電機製作所(東京都大田区、長谷川宣男社長、03・3759・2361)、テック技販(京都府宇治市、纐纈和美社長、0774・48・2334)と共同で、人の筋肉の柔らかさを計測できるハンディデバイスを製品化した。

デバイスの先端に取り付けた球圧子と呼ばれるボール状の部品を肌に押し込み、形状変化などから柔らかさの指標の一つとなる弾性係数を求める。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720131219eaaf.html

 

がん研と島津、分子イメージング創薬技術実用化へ

光学顕微鏡と質量分析計を組み合わせた分子イメージング装置(質量顕微鏡)を使い、腫瘍組織中の薬物分布濃度を可視化する技術、抗がん剤の薬物分布を画像化する技術、抗体医薬品の血中濃度をモニタリングする技術を開発した。

顕微鏡を見ながら分子の質量分析が可能な質量顕微鏡を開発し、現在までに薬物分布濃度を可視化して薬物送達システム(DDS)抗がん剤ががん組織に多く集まる様子を測定することなどに成功。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020131219cbah.html

 

ネアンデルタール人、DNA解析したら…両親は親戚? 5万年前の家族像浮かぶ

http://sankei.jp.msn.com/science/news/131219/scn13121908460001-n1.htm

 

新しい防衛大綱で島嶼部の奪還部隊設置へ 中国に攻めさせない体制づくりを目指せ

政府は17日、今後10年を見据えた外交・安全保障戦略の指針となる初の国家安全保障戦略(NSS)と、同戦略に基づく「防衛計画の大綱」、来年度から5年間の「中期防衛力整備計画」を閣議決定した。国家安全保障戦略の基本理念は「国際協調主義に基づく積極的平和主義」とし、「我が国と郷土を愛する心を養う」という文言も盛り込まれた。

しかし、今回の大綱はあくまで「どうやって島を取り戻すか」という前提に立っており、「占領されないためにはどうしたら良いか」という議論が抜けている。もし、島を占領されてしまえば、取り返すのは極めて困難だ。しかも専門家の間では、サンゴ礁の多い南西諸島では、水陸両用車が機能しない場合もあると懸念されている。

必要なのは、中国や北朝鮮に「手を出させない」体制をつくることだ。そのために、自衛隊の駐屯地や拠点を増やし、陸海空の3自衛隊の協力をすすめるとともに、対艦ミサイルや防空ミサイルを配置し、中国の艦隊や航空機をけん制する必要もある。その上でアメリカとの連携を深め、占領された場合の奪還作戦にあたるべきだろう。

http://the-liberty.com/article.php?item_id=7116

 


ハイパースペクトルカメラによる薄膜の膜厚測定の研究

2009-04-15 17:13:30 | ハイパースペクトルカメラ
ハイパースペクトルカメラにより数ミクロンの膜厚の2次元分布を測定できる可能性が見えてきたので紹介する。
シリコンウェーハー上に形成された酸化膜などの均一性を定量的に評価できると思われる。


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究


送信者 ハイパースペクトルカメラによる薄膜測定の研究

ハイパースペクトルカメラの撮影台

2008-11-17 14:33:44 | ハイパースペクトルカメラ
ハイパースペクトルカメラの撮影に用いる照明機材は非常に高価ではないかと考えている方が意外に多いようなので、今日はその撮影台について説明したいと思う。


----------------
タイトル: ハイパースペクトルカメラの撮影台
文責  : 佐鳥新(北海道工業大学)




カメラ用の撮影台(コピースタンド)にハイパースペクトルカメラを設置する




台の中央に検体を置き、その上にディフューズボックスをかぶせる。照明はディフーズボックスの側面の外側から(例えば3方向から)照射する。ディフューズボックスは検体に陰を作らず均一な反射スペクトルを取得する用途に適している。 

なお、照明にはホームセンターで売っているハロゲンライトを3個用意して、正三角形の頂点に配置し、中央のディフューズボックスを照射すると良い。

コピースタンドが2万円ぐらい、ハロゲンライトが3千円弱なので、3万円もあれば一式揃えることができる。

カップゼリーの中の異物検出

2008-09-29 17:25:49 | ハイパースペクトルカメラ
タイトル: カップゼリーの中の異物検出
研究期間: 2007年
文責  : 北海道工業大学 佐鳥研究室




図1 カップゼリーのハイパースペクトル画像(RGB表示)




図2 カップゼリーの分光スペクトル特性

異物である皮とゼリー及び果肉とのハイパースペクトルグラフを比較すると、600nmから700nm間のデータを比較することにより異物(皮)を検出することは可能である。

カップゼリーのシール付着状態の良部位・不良部位の判定

2008-09-13 07:15:14 | ハイパースペクトルカメラ
タイトル: カップゼリーのシール付着状態の良部位・不良部位の判定
研究期間: 2007年
文責  : 北海道工業大学 佐鳥研究室


シールが規定どおり接着されている箇所(透明)、規定どおり接着されていない箇所(白)を比較した。反射率について10%以下程度の差が現れている。露光モードによる内部散乱を識別する方法も可能といえる。




図1 カップゼリーのハイパースペクトル画像(透明:良 白:不良)




図2 接着状態の良部位(透明)と不良部位(白)

生ジャムに混入した異物の検出2007

2008-09-12 05:44:28 | ハイパースペクトルカメラ
タイトル: 生ジャムに混入した異物の検出2007
研究期間: 2007年
文責  : 北海道工業大学 佐鳥研究室 




図1 生ジャムの瓶の外から撮影した写真




図2 生ジャムの瓶のから撮影した反射スペクトル特性




図3 生ジャムの中身を撮影した写真




図4 生ジャムの中身の反射スペクトル特性



北海道衛星プロジェクトとハイパースペクトルリモートセンシングの展望

2008-09-11 06:00:30 | ハイパースペクトルカメラ

タイトル: 北海道衛星プロジェクトとハイパースペクトルリモートセンシングの展望
作成日 : 2005年
文責  : 佐鳥新(北海道工業大学)


1.北海道衛星プロジェクトの使命

2003年4月から北海道衛星プロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトの使命は、従来の宇宙産業と違う新しい宇宙産業を興すことにある。従来のハードウェアを重視した衛星開発から、衛星データを国民の生活レベルでいかに使うかという利用面、つまりソフトウェア重視の価値観へのシフトが必要である。更にそのソフトは従来のような研究者向けのものでは不十分で、ビジネスとしての採算性まで考え抜いたものになって初めて実社会に受け入れられるのである。
 次に、宇宙産業を立ち上げるに当り考慮しなければならないのは、地域性である。宇宙開発は全地球規模の技術だから地域性は無関係と思われるかもしれないが、しかし、民間レベルで製造技術や利用技術が実社会に広く浸透していくためには地場産業への細かな配慮は不可欠なものとなる。
北海道衛星プロジェクトでは、単に人工衛星の製造だけではなく、そこから派生する要素技術の民生化(スピンオフ)を積極的に奨励して新しい製品開発と新しいビジネスの創出を考えている。今回紹介する「ハイパースペクトルカメラ」はその一例といえる。図1は宇宙産業創出普及のための体制を示している。NPOによる啓蒙、大学発ベンチャーによるモノづくり、企業集団によるビジネス化の3者の連携で推進する。




図1 宇宙産業創出の体制図


2.北海道衛星「大樹」の仕様

北海道を拠点として事業を立ち上げるに当り、やはり農業や酪農への利用面から始める必要がある。北海道では既に15年以上前から衛星画像を農業に応用する研究が行われており、殊に米と麦については実用化されている。
その為、北海道衛星の1号機は重量50kgの農業リモートセンシング衛星(林業でも可)とした。この衛星には可視から近赤外域のハイパースペクトルセンサーを搭載する。また1号機は新聞等による一般公募により『大樹(たいき)』と命名された。

表1 北海道衛星の仕様





図2 北海道衛星の概念図


3.農業衛星ビジネスモデル

過去に北海道内で衛星の画像を使うことによりコメの売り上げが増えるのかどうかの実験を行ったことがある。図3にタンパク含有量マップの一例を示す。




図3 タンパクマップ


関係者によれば、ha当たり8,500円、衛星画像を購入費325円/haを差し引いても十分な採算性がある。一町村あたりでは4~5千万円の収益増になるという。また、新潟県の越路町では吟醸酒用の米のタンパク含有量をコントロールするために衛星画像を利用しているが、ここでは魚沼産のコシヒカリの約2倍の価格で売れると聞いている。私たちは衛星画像を積極的に使うことにより、農作物のブランド化まで視野に入れたいと考えている。
図4に北海道衛星の農業衛星ビジネスモデルを示す。全体のスキームの中で、衛星を製造しカメラで画像を撮るところまでがモノづくりの部分である。次のそのメタ画像を民間企業が画像処理して配信し、農協や農業試験場が中心となって各農家に技術指導を行う。そして、収穫された農産物を契約した商社を通してブランド化して全国に広く浸透させる。あるいは、大手スーパーなどに衛星ブランドのような形で売り込んでいく。ここまで進めることによって農家にとっての魅力がでるので、衛星画像の利用も増えることになる。産学官の推進協議会を作り、このフロー全体の問題点の洗い出しを行い、衛星及びセンサーの開発にフィードバックをかける。このサイクルを回すことで産業化を押し進めていきたい。




図4 農業衛星ビジネスモデル


4.ハイパースペクトルカメラの開発

ハイパースペクトルカメラ(HSC)とは、撮影する画像ピクセルにその位置での光学スペクトル情報を含む画像データを取得するカメラである。形状認識と同時に物性に関わる情報を同時に取得できることが特徴であり、例えば農作物であれば作柄評価に役立つ。HSCの原理を図5に、構成を図6に示す。




図5 ハイパースペクトルカメラの原理




図6 ハイパースペクトルカメラのシステム構成

図7~図9は開発段階で製作したHSC1.51を用いた航空機による撮影実験(予備実験)の結果である。ジャイロと撮像ライン信号との同期をとることによりメタ画像の幾何補正を試みた。




図7 ハイパースペクトルカメラの航空機実験




図8 航空機実験で取得した画像の幾何補正(予備実験)




図9 航空機による画像撮影予備実験

北海道衛星の目的が宇宙産業創出であることから、現段階で開発したHSC1.0の設計をベースに、大学や企業の研究室で手軽に使用できるモデルとしてハイパースペクトルカメラ『COSMOS EYE』を製品化した。COSMOS EYEを図10に、仕様を表2に示す。




図10 ハイパースペクトルカメラ 『COSMOS EYE』

表2 Cosmos Eye の仕様




5.ハイパースペクトルカメラの応用分野

ハイパースペクトルセンサー(HSS)又はハイパースペクトルカメラ(HSC)を光学センサーとしてみた場合、従来のCCDやC-MOSカメラに比べてユニークな画像センサーとなる。HSCではスペクトルのパターン変化から状態を推定できることから、質的変化を捉えることができる。多少のノイズがあったとしても、空間方向とスペクトル方向からの補完処理により精度を上げることができるのも特徴といえる。このように、HSCは外乱ノイズに強く、ソフトを工夫することにより多品種の計測と精度の向上が可能となる点で、新しい光学画像センサーとしての魅力がある点も見逃せない。
 図11と図12は同じ色彩をもつ野菜と果実を画像処理により分類した時の分類精度を比較した例である。マルチスペクトルよりもハイパースペクトルの方が明らかに精度が高いことがわかる。




図11 画像分類に用いた供試体




図12 画像分類の評価結果

HSCを用いれば生鮮食品の鮮度評価に応用することができる。図13は食品の反射スペクトルを測定した一例である。680nm付近の急峻な吸収スペクトルはクロロフィルによる強い光吸収で、レッドエッジと呼ばれる。700nm以上の帯域での反射は植物に特有の反射スペクトルで、体内に熱を取り込まないような働きをする性質を表している。果物の場合には可視域に蛍光と思われる反射スペクトルが見られるが、このスペクトル形状は鮮度に依存して変化する。
鮮度評価については、図14と図15にキュウリの事例を、図16にはプラムの評価例をそれそれ紹介する。顕微鏡で植物の細胞をHSCで観察すると、やはり葉緑素の存在する部分で強い吸収が見られる。このことは、バイオ分野の計測技術としてHSCが役立つ可能性が高いことを示唆している。実用化にはスペクトルデータのライブラリー化が必要である。

今回紹介した事例以外で私のところに問い合わせのあったハイパースペクトル技術へのニーズを表3にまとめることで、本論考のまとめとしたい。




図13 食品の反射スペクトル




図14 食品の鮮度評価:キュウリへの応用例(1)




図15 食品の鮮度評価:キュウリへの応用例(2)




図16 食品の鮮度評価:プラムへの応用例




図17 バイオ応用分野:植物細胞中の葉緑素分布

表3 ハイパースペクトルカメラのニーズ調査




参考文献

1.北海道衛星HP  http://www.hokkaido-sat.jp/ 
2.佐鳥研究室ブログ http://blog.goo.ne.jp/satori-lab/ 





宇宙用ハイパースペクトルカメラHSC3100/HSC3000: 北海道衛星「大樹」の設計概要

2008-08-27 05:48:37 | ハイパースペクトルカメラ

1. 概要
北海道衛星プロジェクトは民間主導の新しい宇宙産業を構築するために,小型衛星による宇宙ビジネスの成功事例を作ることを目的としている.衛星開発においては従来の開発品の発想,または工業製品へのイノベーションが必要である.衛星を小型化することにより,プロジェクト経費が下がり,大学や民間企業が参加できる環境ができる.これは従来の国家主導の大型プロジェクトの流れとは異なる新たな宇宙産業を生み出す流れといえる.
北海道衛星「大樹」は,重量50kgのリモートセンシング衛星であり,ハイパースペクトルセンサを使用した農地観測をメインミッションとしている.



図1. 北海道衛星「大樹」


北海道衛星「大樹」のシステムブロック図を下図に示す.



図2. システムブロック図



2. 姿勢制御系

 北海道衛星における姿勢制御系の目的は,地球観測,光通信,軌道制御時におけるポインティング及び姿勢の安定化である.それぞれのタスクにおける要求精度を表1に示す.特徴としては,日照・日陰の双方での3度以内の姿勢制御精度が必要なことが挙げられる.

表1. 要求精度



 姿勢外乱の主要因として,ここでは空気抵抗トルク(Ta),重力傾斜トルク(Tg),地磁気トルク(Tm),輻射圧トルク(Tr)の4つを検討した.本衛星システムにおける軌道高度に対する各外乱トルクの概算値を図3に示す.



図3. 自然外乱


これより,想定軌道高度566kmでの主要外乱は地磁気トルクである.磁気トルクの最悪値を外乱トルクTD=1.2e-5[N・m]として考慮する.

 要求精度より,ゼロモーメンタム方式の3軸制御を行う.検討したセンサ・アクチュエータ構成は以下のとおり




○ 姿勢制御系の基本性能
アクチュエータは非冗長構成とし,3つのリアクションホイールとアンローディングのための3軸の磁気トルカからなる.

リアクションホイールの制御力の見積もりを以下に記す.
外乱トルクの最悪値がTD=1.2e-5[N・m]であり,これが常に加わり続けているとする.このとき,軌道周期がT=5760[s]より,2周期の間に蓄えられる角運動量は,
h=2*5760*1e-5=1.15e-1[N・m・s]
これより,RWの最大蓄積角運動量は1.5e-1[N・m・s]以上あれば,2周期の間アンローディングせずともよい.


3. データ処理系
 
 データ処理系は,衛星内の各種データの制御,衛星状態の監視,地上局とのデータ交換を目的として,データ処理を行う.

(1) コマンド受信処理
コマンドフォーマットには,CCSDSが勧告している国際標準方式であるパケットテレコマンドを採用する.ビットエラー対策にはBCH符号およびCRCによる誤り検出を行う.

(2) テレメトリ送信処理
テレメトリフォーマットにはコマンド受信処理と同様にCCSDSパケットテレメトリを採用する.また,畳み込み符号とリードソロモン符号を用いてビット誤り訂正を行う.

データ処理系のCPUには民生品であるルネサステクノロジのSH4を採用する.使用予定のSH-4は32bit RISC(縮小命令セットコンピュータ),300MIPSのCPUである.また,SH-4は数年前に北海道工業大学佐鳥研究室が高崎原研にて,放射線試験を実施し,放射線環境下においても使用可能であることを実証済みである.試験結果を下図に示す.また,放射線へのさらなる対策として,高周期のWDT(ウォッチドッグタイマ)による監視機能強化やメモリ書き込み時の誤り訂正符号の付加とハードウェアの冗長性を加える予定である.





4. 電源系

電源系には後述する「超小型バス実証衛星:HIT-SAT」で実証した電源系のスケールアップモデルを採用する.システムブロック図を下図に示す.充電方式にはトリクル充電を採用している.




5. 北海道における環境試験の設備状況