飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

札幌アイヌ文化交流センター

2012-07-29 11:25:50 | 佐鳥新の教授&社長日記

昨日の午後に定山渓の札幌アイヌ文化交流センターを見学した。

隣にはその昔、定山和尚が桂の木の下で一夜を過ごしたところ、夢枕に精霊(※樹霊)が現れて衆生救済の霊泉の湧源を示したという神木が祀られていた。ここから今の定山渓温泉街の発祥したのだという。

村の偉い人が住む大型の住居

熊を飼うための檻

 神木のカツラの木(樹齢700年)

 

 

 


宇宙関連情報:ロシア、無人打ち上げ用ロケットを有人カプセル向けに

2012-07-28 13:16:44 | 佐鳥新の教授&社長日記

ロシアの次世代有人宇宙カプセルの打ち上げは、計画されていたロケットとは異なるロケットに搭載される。このロケットはもともとは無人宇宙船を打ち上げる予定であった。次期宇宙カプセルは6人乗り。試験打ち上げは2018年に予定されている。打ち上げ機はアンガラA5(Angara)となった。

新型有人宇宙カプセルはACV(Advanced Crew Vehicle)と呼ばれ、ロシアの別の新型ロケットRus-Mで打ち上げられる予定であった。Rus-Mはソユーズ有人カプセルを打上げているサマラ宇宙センターのソユーズFGロケットの改良型。しかしRus-Mは昨年中止となり、一方でACVは打上げロケットが特定されないまま開発が継続されていた。

ACVは6人が搭乗できると同時に、約500kgの物資も輸送可能である。また月まで飛行することも可能。ACVはソユーズカプセルと同様に着陸時に推力を使用する。

出典:http://www.spaceref.co.jp/index.html


宇宙関連情報: 宇宙政策委員のメンバー決まる

2012-07-20 17:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

宇宙製作委員のメンバーが日経に載っていたので紹介します。

宇宙政策委員に飛行士・山崎さんら

2012/7/20 13:09
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 古川元久国家戦略相は20日、宇宙政策の予算方針を審議する「宇宙政策委員会」のメンバーを発表した。葛西敬之JR東海会長や宇宙飛行士の山崎直子さんなど計7人で、近く任命する。宇宙政策を統括する宇宙開発戦略本部の事務局長には宇宙航空研究開発機構(JAXA)シニアフェローの川口淳一郎氏が決まった。

 宇宙政策委は12日、司令塔組織である内閣府の宇宙戦略室とともに新設された。有識者が首相の諮問に応じて宇宙開発の予算方針や基本計画など重要事項を議論し、首相や閣僚に意見や勧告を出す。委員の任期は2年。近く第1回会合を開いて委員長を決め、来年度の予算方針を議論する。

 宇宙政策委員はほかに、青木節子慶大教授、中須賀真一東大教授、松井孝典千葉工業大惑星探査研究センター所長、松本紘京大総長、山川宏京大教授。

出典: http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC20005_Q2A720C1EB1000/


宇宙関連情報: 月の永久影に氷の証拠を発見

2012-07-03 07:07:07 | 佐鳥新の教授&社長日記

NASAの探査機「ルナー・リコナサンス・オービター」(LRO)により、月の南極にあるシャックルトンクレーター内部の22%が氷で覆われているという観測結果が得られた。


月は自転軸の傾きが小さいため、その南極付近には内部に永遠に光が当たらないクレーターがある。探検家アーネスト・シャックルトンにちなんで名づけられた「シャックルトンクレーター」もその1つだ。直径が20km以上、深さが3km以上ある。

NASAや大学機関の研究チームが、LROのレーザ高度計を使ってこのクレーターの底部を調べたところ、ほかのクレーターよりも明るく(光を反射しやすく)、少量の氷が存在することがわかった。この成果は月のクレーター形成と、まだ調べられていない領域の研究にも役立つという。

研究では、クレーター内部をレーザーで照らしてアルべド(反射率)や地形をこれまでにない精度で細かく測定した。出来上がった地図には、氷の存在を示す証拠に加えて、形成後30億年以上の間、ほぼ原型をとどめている内部クレーターの姿も明らかにされていた。クレーターの底にはさらに小さなクレーターが存在しており、これらはシャックルトンクレーターが出来た衝突の際に作られたものと思われる。

同研究チームのMaria Zuber氏(米マサチューセッツ工科大学)らは、クレーターの壁面が底部と比べてさらに明るいこともつきとめた。底部では全く日が当たらず、壁面上部では当たることがあることを考えると、これは不思議な結果だった。研究チームでは、この謎に対する1つの説として「月震説」を挙げている。隕石衝突や地球の潮汐力によって発生した振動が、古く色の濃い表面を壁面から取り崩し、その下にあった新しくて明るい土壌が現れたという理論だ。作成された地図には、クレーターの底部と壁面の両方で氷の存在の強い証拠が現れている。

「明るさについては、例えば、壁面はより新しい物質が露出し、底の方は氷と混ざった、という風に場所ごとの要因があるのかもしれません」(Zuber氏)

2009年6月に打ち上げられたLROは、将来の月探査に備えた調査という初期ミッションを終え、現在は科学観測を行っている。

 

シャックルトンクレーター

月の南極にあるシャックルトンクレーターには太陽光がずっと届かない永久影が存在する。クリックで拡大(提供:NASA/Zuber, M.T. et al.。以下同様)

シャックルトンクレーターの地形図

LROがレーザ高度計でとらえたシャックルトンクレーターの地形図。青色が最も低い場所を、赤と白が最も高い場所を示している。クリックで拡大。

出典:http://www.astroarts.co.jp/news/2012/06/21lro/index-j.shtml 

 


【宇宙空間産業研究会】20120630

2012-07-02 07:07:07 | 佐鳥新の教授&社長日記

タイトル: 火星内部に大量の水? 隕石から判明

地球に飛来した火星隕石の分析から、火星内部のマントルに豊富な水が存在する可能性を示す手がかりが見つかった。

今回の研究は、カーネギー研究所(当時)のFrancis McCubbinさんらが、火星内部を起源とする2つの隕石を分析したものだ。「シャーゴッタイト隕石」と呼ばれるもので、火星の地殻下のマントルが部分的に溶解し、地表付近で結晶化したものが250万年前に火星を飛び出し地球にたどり着いたと考えられている。このような隕石を調べることで、火星が経てきた地質学的なプロセスについて様々な情報が得られる。

「研究に使った2つの隕石は、全く異なるプロセスを経ています。形成時に混じりこんだいろいろな元素が含まれているものと、そうではないものです。また、含まれる微量元素も全く違います。にも関わらず、隕石中のアパタイト鉱物の水分量はほとんど同じでした。この結果は、火星の形成時期に水が取り込まれたこと、その後の分化の時期にも火星の内部に水が保たれていた可能性を示唆しています」(McCubbin氏)。

分析を行ったErik Hauri氏らは、「二次イオン質量分析法」という新手法で含水率を測定した。その結果から、隕石のふるさとである火星のマントルには70~300ppm(1ppm=100万分の1)の水が含まれていると見積もられた(地球の上部マントルは50~300ppm)。この結果は火星の地質学史に関する理解に大きく影響するのはもちろん、火星の水がどのように地表へとやってきたかということにも関係してくる。

「かつて火星の地表に液体の水があったことを示す強力な証拠は以前から見つかっています。にも関わらず火星内部の水分量の推定はとても低いのが謎でした。今回の研究結果はとても合理的な結果であり、水が地表に運ばれる主要なプロセスが火山噴火だったということを示唆するものです。また、火星がどのように水を得たかというだけでなく、火星や地球のような岩石惑星が形成中に水分を貯蔵する仕組みも説明できます」(McCubbin氏)。

出典: http://www.astroarts.co.jp/news/2012/06/26mars/index-j.shtml

 


宇宙関連情報: 惑星間の距離が最も近い惑星系を発見

2012-07-01 07:07:07 | 佐鳥新の教授&社長日記

出典: http://www.astroarts.co.jp/news/2012/06/29kepler36/index-j.shtml

【2012年6月29日 ハーバード・スミソニアン天体物理学センター

火山世界の溶岩地帯の上に、満月の3倍もの大きさのガス惑星が浮かぶ。満月の出よりも劇的な夜景だ。この奇妙な壮観は、新しく発見された惑星を持つ星、ケプラー36で見ることができる。この恒星の周囲を、非常に近い軌道で回る2つの惑星が発見された。


ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのJosh Carter氏と米ワシントン大学のEric Agol氏によれば、はくちょう座方向にある約1500光年かなたの恒星ケプラー36を回っている2つの惑星は、これまで知られているどの惑星系よりも互いの軌道が近接しているという。

Carter氏とAgol氏の研究チームはNASAの系外惑星探査衛星「ケプラー」のデータからこの惑星系を見つけ出した。

この惑星系では2つの惑星が準巨星の周りを回っている。ケプラー36bと名づけられた内側の惑星は地球と比べて1.5倍の直径と4.5倍の質量を持つ岩石惑星と考えられる。公転周期は約14日で、主星からの平均距離は1770万km以内だという。外側の惑星ケプラー36cは地球と比べて3.7倍の直径と8倍の質量を持つガス惑星であり、公転周期が約16日、主星からの距離が約1930万kmと推定された。ケプラー36cのように、海王星や天王星質量程度のガス惑星が主星の近くを公転している場合、その惑星は「ホットネプチューン」と分類される。

ケプラー36bとcの間では、平均してに97日に1回の合(主星と2つの惑星が直列する)が起こる。このとき、惑星間の距離は地球と月との距離の5倍以下になる。ケプラー36cは月よりはるかに大きいため、ケプラー36bでは目覚ましい壮観が空に広がるだろう。このような接近は巨大な潮汐力を引き起こし、これが惑星自体を伸ばしたり縮ませたりすることもありうる。このことから、ケプラー36bには接近による火山活動が起こっているかもしれない。

全く異なる性質の2つの惑星がなぜこのように近くの軌道にやってきたのか、研究者たちは頭を悩ませている。例えば太陽系の場合、太陽の近傍には岩石惑星が、遠方にはガス惑星が分布している。このような、惑星の種類と主星からの距離との関係については、まだわかっていないところが多い。

ケプラー36は超近接惑星を持つ最初の例ではあるが、もちろん最後になることはないだろう。

「このような惑星系が他にどのくらい存在するかが知りたいです」(Agolさん)。「今回の発見は、データをひと目ざっと見ただけで見つけたものです。さらに注意深く調べて、もっともっと見つけたいですね」(Carter氏)。

今回の成果を実現させたのは「星震学」だ。星震学とは星の固有振動を使って星を研究する手法のことをいう。太陽のような星は、内部にとらえられた音波によって楽器のように共鳴している。また楽器と同様に、星が大きくなるほど共鳴は深くなる。この音が星をゆっくり呼吸、つまり振動させる。

「ケプラー36の振動は美しいです。この振動を測定することで、星の年齢と質量、サイズを正確に求めることができました。星震学がなかったら、こんなに密接している惑星を検出することはできなかったでしょう」(英バーミンガム大学のBill Chaplin氏)。