飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

<小松左京さん>「宇宙へ送り出す会」 CGロケットに乗せ

2011-12-10 21:06:52 | 佐鳥新の教授&社長日記

今年7月に亡くなった作家、小松左京さんを「宇宙へ送り出す会」が29日、東京都内のホテルで開かれた。作家の眉村卓さん、夢枕獏さん、漫画家のさいとう・たかをさん、歌手の松任谷由実さんら、友人知人450人が故人をしのんだ。

【写真で見る小松左京さんの「宇宙へ送り出す会」】

 遺影代わりの肖像画には、ヘビースモーカーだった小松さん愛飲のたばことビールが供えられた。発起人の一人、漫画家の松本零士さんは「時間の輪が無限大なら、先生を新世界へお送りする日がきょう。またお会いできると固く信じている」とあいさつした。

 この日の眼目は、宇宙を舞台に生命や文明の意味を問うた未完の小説「虚無回廊」の、その先の宇宙へ小松さんを送ること。毛利衛・日本科学未来館館長のカウントダウンによるCG映像でロケットが打ち上げられた。燃料は、200人を超える知人から送られた笑顔の写真。小松さんのオーディオドラマ「宇宙(そら)に逝く」から「今こそわかったぞ。僕は死ぬんじゃない。(宇宙に)触るんだ」という一節が読み上げられる中、その魂を見送った。

 またこの日、大阪府箕面市の瀧安寺霊園に、宇宙を表す半円形の墓石を使って小松さんの墓が建てられたことが明かされた。【内藤麻里子】

 

出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111129-00000059-mai-soci 


ポストシャトル”、米宇宙計画の行方

2011-12-09 21:05:54 | 佐鳥新の教授&社長日記

米国時間78日のスペースシャトル「アトランティス」打ち上げによって、30年にわたったスペースシャトル計画が終焉を迎えた今、米国の宇宙飛行に次なる革新をもたらさねばならないというNASAへのプレッシャーは次第に強まっている。

しかし、月に再び人類を送り込もうというコンステレーション計画が打ち切りになったことで、米国は“有人飛行の空白期間”を迎えようとしている。米国が人間を宇宙に送り込める乗り物を持たない期間は、今後5年間に及ぶ見通しだ。

 この空白期間中、米国が宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISSへ送り込むためには、ロシアの宇宙船ソユーズの座席を購入するしかない。これには往復飛行で1座席5100万~6300万ドルかかる。

有人飛行に空白期間ができるのは、NASAにとってこれが初めてではない。例えば、1981年のスペースシャトル打ち上げは、1975年のアポロとソユーズの合同ミッション以来、米国が初めて行う宇宙飛行だった。

 また、NASAのチャールズ・ボールデン長官は、“NASAの未来”をテーマとしたWebチャットに参加した際、既にこの空白を埋めるための構想を明らかにしている。宇宙飛行士を地球低軌道に送り込む取り組みについては、民間の宇宙関連会社と“米国人の発想力”に任せ、その間にNASAは長期の深宇宙探査に軸足を移すという、2段構えの構想だ。

「今回の『STS-135』ミッションの打ち上げ成功、ならびにシャトル時代の終焉を受けて、ただちに新たな方面へ関心を移し、今後は米国の民間宇宙船による地球低軌道への貨物と乗員の輸送実現を推進していくことになるだろう」とボールデン長官はチャットで述べている。

 米国航空宇宙工業会(AIA)の宇宙システム部門責任者フランク・スレーザー(Frank Slazer)氏によると、このような対応がなされるのはむろん初めてではないという。1986年の「チャレンジャー」爆発事故により、シャトル打ち上げがしばらく取りやめとなっていた期間中も、宇宙への貨物運搬においては似たような措置がとられた。

「(当時の)レーガン政権は方針を変え、各政府機関は民間の打ち上げサービスを利用するよう指示された」とスレーザー氏は話す。

1987年以降、貨物の運搬には基本的にこの方法がとられている。そのため例えば、米空軍が軍事衛星を飛ばしたい場合、基本的には民間企業に依頼し、その企業が空軍のためにロケットを建設して打ち上げることになる」。

 そして今回、NASAが新たに民間宇宙飛行の支援を打ち出したことで、「地球低軌道に乗員を送り込むという、自分たちがこれまで何度も成功させてきた仕事にも、それとまったく同様のアプローチを適用することになる」。

 宇宙ビジネスでしのぎを削る民間各社は、既に米国政府から多大な金銭的援助を受けている。

 例えば、シエラ・ネバダ社(Sierra Nevada Corporation)は、「ドリーム・チェイサー(Dream Chaser)」という有人宇宙船の開発費として8000万ドルの支援を受け、またスペースX社(SpaceX)も、既存の宇宙船「ドラゴン(Dragon)」の有人版開発費として約7500万ドルを受け取っている。

 シャトル計画とISSを通じて、人類は地球低軌道上で生活し、作業することを学び、また、多くの国が協力してそのような施設を運営していくことを学んだ。

 NASAはこの知識を活かし、今後は小惑星や、さらには火星にまで宇宙飛行士を送り込む長期ミッションを計画しようとしている。

 NASAは今後「長期にわたる深宇宙の有人探査を実現させるべく、多目的の有人宇宙船を積んだ重量物運搬ロケットの設計と開発」に注力するとボールデン長官は述べている。新たな有人宇宙船は、打ち切りとなったコンステレーション計画の宇宙船オリオンをベースにしたものになるという。

 オバマ政権下でNASAが深宇宙探査の主要目標に掲げているのは、地球近傍小惑星(NEA)に人間を送り込むミッションだ。将来的に火星探査につながるものだと、支持者たちは期待している。

 20104月、オバマ大統領はケネディ宇宙センターで演説し、月面への再着陸計画を断念する理由を次のように説明した。

「月面には既に到達した。宇宙には他にも探査すべきところが、そしてそこで学べることがいくらもある。したがって、より困難な一連の目標へ到達し、そこで活動するための能力を強化し、さらには一歩前進するごとに着実に技術を向上させていくことのほうが、より重要だと私は考える」。

 だがこれに対し、ジョージ・ワシントン大学宇宙政策研究所のスコット・ペース(Scott Pace)所長は、6カ月のミッションで到達できる範囲内には、十分な大きさの小惑星は少ないと反論している。6カ月というのは、乗員が受ける放射線のダメージなどの環境要因から、往復宇宙飛行の限界とされる期間だ。

 さらに、たとえ小惑星に到達したとしても、そこで宇宙飛行士ができることは、地質を調べてサンプルを収集することくらいしかないかもしれない。

「月着陸計画からの撤退は間違いだったと思う」とペース所長は述べている。所長の見解では、月は人間が地球外で長期に滞在する上での限界や可能性について学ぶ場所として、より適切だという。

 

出典:http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110711001&expand#title 


火星はかつて18℃の水が存在していた?

2011-12-08 21:04:57 | 佐鳥新の教授&社長日記

火星隕石に含まれる鉱物の分析により、この鉱物が形成されたのは約40億年前の18℃前後の水の中であるらしいことがわかった。火星の過去の表面近くの温度環境が復元できたのはこれが初めてのことだ。

探査機が撮影した火星の地形の画像を見ると、デルタ地帯や川の跡のような、かつて水が流れたように見える場所が多く見つかっている。また隕石の分析によって、水が存在することで形成されたと思われる鉱物も複数見つかっており、火星には過去に大量の水が存在していたと思われている。

しかし現在の火星には大気がほとんどなく、気温も摂氏マイナス63度と非常に低い。液体の水が表面を流れていたということは、昔は今より温暖な気候だったはずだ。だが、火星表層における過去の温度環境を直接的に示す証拠のようなものはこれまで見つかっていなかった。

この環境を調べるため、ALH84001という南極で見つかった隕石に含まれる炭酸塩(注1)について研究が行われた。ALH84001はかつて生命の痕跡が疑われた隕石でもあり、およそ40億年前に形成されたことがわかっている。

炭酸塩は、主に水がある環境でよくできる鉱物だが、ALH84001に含まれる炭酸塩の起源についてあまり詳しいことはよくわかっておらず、炭酸塩を多く含むマグマから形成された、地表付近の水のある環境下で形成された、などいくつかの説があった。そこで今回「同位体温度計」と呼ばれる手法を用いることで、炭酸塩が形成された環境を復元することに成功した。

炭酸塩を酸で処理すると二酸化炭素が発生するが、このとき普通と異なる同位体(注2)を持つ二酸化炭素の割合を調べた。二酸化炭素の質量数は通常44注3)だが、質量数47の二酸化炭素は低温下では炭酸塩として固定されやすいため、質量数47の二酸化炭素がどれくらい入っているかを調べれば、形成された時の温度を復元することができる。

その結果、この炭酸塩は18±4℃という環境下で形成されたことがわかった。炭酸塩が18℃という環境で形成されるのは水の中であるのが一般的であるため、およそ40億年前に18℃程度の水が存在し、そこでこの炭酸塩が形成されたようだ。

過去の火星の表層近くの温度環境が復元できたのはこれが初めてであり、過去の火星の環境を復元する上で、大きな直接的証拠となりそうだ

1:「炭酸塩」 炭酸イオン(CO32-)を含む鉱物。よく知られたものとしては石灰石、鍾乳石、あられ石などが挙げられる。

2: 「同位体」 陽子の数が等しいため同じ元素に分類されるが、中性子の数が違うことで質量が異なる原子のこと。たとえば、もっとも多い「12C」の原子核は6つの陽子と6つの中性子から成るのに対し、同位体の「13C」は中性子が1つ増え、質量もその分大きい。

3: 「二酸化炭素の質量数」 「普通の」二酸化炭素(CO2)は12C1つ、16O2つなので、質量数は12+16+16=44となる。今回調べたのは13C1つ、18O1つ、16O1つの質量数が13+18+16=47となる二酸化炭素。

 

 

出典:http://www.astroarts.co.jp/news/2011/10/19alh84001/index-j.shtml 


探査車「キュリオシティ」、火星に向け打ち上げ

2011-12-07 21:03:46 | 佐鳥新の教授&社長日記

26日、火星探査車「キュリオシティ」が米フロリダ州から打ち上げられ、火星に向かう軌道に乗った。来年86日に火星に着陸し、生命環境の歴史を本格的に探る予定だ。「フォボス・グルント」短信も。

1126日午前102分(米東部標準時。日本時間27日午前02分)、NASAの火星探査車「キュリオシティ」が米フロリダ州のケープ・カナベラル空軍基地から打ち上げられた。上空で上段ロケットを噴射してさらに加速し、火星に向かう軌道に乗った。1045分ごろに上段ロケットが切り離され、直後には「キュリオシティ」との通信も確立している。

火星では現在、探査車「オポチュニティ」が2004年から観測を続けている。また上空からは、NASAの「マーズ・リコナサンス・オービター(MRO)」、欧州の「マーズ・エクスプレス」も探査を行っている。

新顔のキュリオシティは小型トラクターほどのサイズで、従来の探査車に比べ格段に大きい。「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」(MSL:火星科学研究機)という正式名称にふさわしく、離れた地表のレーザー分析や粉末サンプル中の鉱物の特定など、これまでにない本格的な観測機能を備えている。火星の過去における温度環境や水の有無などの状況を明らかにし、生命が存在し得たかどうかを詳細に調べていく。

キュリオシティは火星到着までに6度の軌道修正を行い、201286日に「ゲール・クレーター」に着陸する予定だ。

 

「フォボス・グルント」との通信が一時復活

1123日から24日にかけて、ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」からの通信が復活した。

フォボス・グルントは119日の打ち上げ後、火星に向かう軌道に乗れず地球の上空で立ち往生し、通信が途絶えていた。23日午前525分(日本時間)ごろの通信セッションで、豪パースにある欧州宇宙機関(ESA)の地上局から探査機の送信機をオンにするコマンドを送ったところ確認の信号が返ってきた。続いてカザフスタンにあるロシア宇宙連邦宇宙局のバイコヌール局も通信に成功した。だがその後、25日と26日には探査機からの信号が再び途絶えている。次回の通信セッションは28日夜に予定されている。

探査機を開発したロシアのNPO Lavochkin社では、受信したテレメトリデータ(探査機の状態に関する情報)の解析や、探査機のトラブルの原因検証が行われている。


 

出典:http://www.astroarts.co.jp/news/2011/11/28curiosity/index-j.shtml 

 


星団から弾き飛ばされた「暴走星」 大質量星の故郷が明らかに

2011-12-06 20:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

鹿児島大学とオランダ・ライデン大学が行ったコンピュータシミュレーションで、銀河を高速で暴走する星は若い星団から弾き飛ばされたものだという研究結果が示された。大質量星の多くが星の密集した小ぶりな星団の中で生まれたということを示唆しており、星や星団が作られるしくみを解明するカギとなる大きな成果だ。

私たちの天の川銀河の中には、周囲の天体にくらべて高速で動き回る単独の星が数百個見つかっている。「暴走星(runaway stars:別名「走り去る星」)」と呼ばれるこうした天体の多くは非常に重い星(大質量星)で、太陽の20倍以上という最大級の質量を持つ星のうち実に5分の1がこの「暴走星」だ。これらはどこからやって来て、どのように加速し暴走をはじめたのだろうか。

日本学術振興会特別研究員の藤井通子さん(鹿児島大学大学院理工学研究科)とオランダ・ライデン大学のSimon Portegies Zwart教授が、スーパーコンピュータを用いて「星団から星が飛び出して暴走する」という仮定のシナリオを検証した。すると、シミュレーションで発生した暴走星の質量分布(星の質量ごとに見た、暴走星になる割合)が実際の観測とよく一致しており、この仮定が正しいことが示された。

このシミュレーションでわかった、星団から暴走星が生まれる仕組みは次のようなものだ。星団が作られると、やがてその中心には大質量星が密集する。その中で、連星(重力で結ばれる複数の星)が生まれ、重力の作用で周囲の星(やはり大質量星)を高速で星団の外まで弾き飛ばしてしまう。当然、弾き飛ばされた暴走星は大質量星である割合が高くなる。

こうして、「銀河系を暴走する大質量星は星団から飛び出したもの」ということが示された。暴走していない大質量星もそのほとんどは星団などの星の集まりに付随していることを考え合わせると、「大質量星のほとんどが星団で生まれた」ということが示唆される。これは、いまだ謎の多い大質量星や星団の形成に迫る重要な成果と言える。

 

出典:http://www.astroarts.co.jp/news/2011/11/25runaway_star/index-j.shtml 


小惑星が地球近くを通過 月より近い距離

2011-12-05 20:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

米航空宇宙局(NASA)は8日午後6時半(日本時間9日午前8時半)ごろ、直径約400メートルの小惑星「2005YU55」が、地球から月までの平均距離より短い約32万キロまで近づいて通り過ぎたと明らかにした。

 探査機「はやぶさ」が訪れた小惑星イトカワに近い大きさ。衝突すれば大きな被害が予想されたが、事前の観測でその恐れはなくなっていた。

 この規模の小惑星が地球に接近したのは1976年以来35年ぶりで、次回は2028年になる。NASAは米カリフォルニア州やプエルトリコの観測施設で観測したほか、世界中のアマチュア天文ファンが望遠鏡で追跡した。小惑星は濃い灰色で、炭素を中心とした成分でできているとみられる。(共同)

 

出典:http://sankei.jp.msn.com/science/news/111109/scn11110913180000-n1.htm 


宇宙一番星の重さは太陽の40倍 理論予測「モンスター星」覆す

2011-12-04 20:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

宇宙で最初に輝いた「一番星」の質量は、太陽の40倍程度だったとみられることが京都大と東京大、米航空宇宙局(NASA)によるシミュレーションで分かった。

 太陽の数百倍もある「モンスター星」だったとする従来の理論予測を覆す結果だ。米科学誌サイエンス(電子版)に11日、発表した。

 炭素や鉄のような重い元素は、星の内部での核融合や、星が一生を終えるときの超新星爆発で繰り返し作られ宇宙空間に広がった。

 作られる元素の種類や量は星の質量によって違うため、今回の成果は宇宙で物質や銀河ができる過程の出発点を示したことになる。

 研究チームの吉田直紀東京大准教授は「40倍程度だと特別に明るい超新星爆発を起こすことがあり、遠くにあっても観測できる可能性がある」と期待する。

 これまでの理論研究では、約137億年前の宇宙誕生から数億年後、小さな星の赤ちゃんが生まれ、周囲のガスを集めて太陽の数百倍の質量を持つ一番星に成長したとみられていた。

 一方、銀河系内で観測できる最古の星の元素比率からは、一番星は太陽の数十倍と推定され、理論と観測に矛盾があった。

 研究チームは物理や化学の法則に基づき、一番星の誕生から10万年間を忠実に再現。その結果、星が太陽の20倍程度になると、周囲のガスは星から離れるように外へ流れ始め、同40倍程度で星の成長が止まった。

 

出典:http://sankei.jp.msn.com/science/news/111111/scn11111104000000-n1.htm 


宇宙の竜巻、正体はガスの噴出跡 京大などが解明

2011-12-03 18:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

謎の竜巻状天体「トルネード」の正体や位置を、京都大などが日本のX線天文衛星「すざく」を使って、半世紀ぶりに突き止めた。我々の銀河系内にあるブラックホールが噴き出したガスジェットが残した跡だった。25日発行の日本天文学会誌で発表した。

 トルネードは1960年、銀河系の中心の方向に見つかった電波を出す天体。らせん状の渦を巻いて伸びた形をしている。普通の光では見えない。距離も大きさも不明だった。

 京大宇宙線研究室の鶴剛教授らが、すざくでトルネード周辺を探ると、竜巻の両端に弱すぎて見えなかったX線源があるとわかった。X線源は1千万度程度のプラズマで、距離は約3万5千光年。銀河系の中心よりやや向こう側だった。二つは元素の構成などが非常によく似ていた。距離から計算したトルネードの長さは約140光年だった。

 

出典:http://www.asahi.com/special/space/TKY201111260142.html


日本版GPS、首相が後押し 将来は7機体制、予算確保

2011-12-02 07:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

野田政権が、日本版の全地球測位システム(GPS)づくりに本格的に乗り出した。「宇宙開発」にこだわりを持つ野田佳彦首相の後押しで、予算を確保。いまは米国製を使っているが、精度が上がることで活用の幅も広がりそうだ。

 日本版GPSの構想は、「準天頂衛星」と呼ばれる複数の測位衛星でつくられる。米国製と異なり、日本列島のほぼ真上にとどまる軌道を回るため、地形や高層ビルの影響を受けにくくなる。そのため、いまの約10メートルから、1メートル以内の誤差で位置の特定が可能になる。ドライバーを道案内するカーナビゲーションやスマートフォン上の地図機能、災害時に救助が必要な被災者の位置を特定するといった活用が期待される。

 すでに1号機の「みちびき」が菅政権時代の昨年9月に打ち上げられ、1年間にわたり技術実証を進めている。構想では2010年代後半に4機に増やし、将来は7機体制に拡充。これで、24時間独自にカバーできるようになる。

 この構想は、野田首相になって加速した。野党時代に、宇宙利用を防衛目的に広げる宇宙基本法づくりを主導し、民主党代表選で掲げた政策の柱の一つに、「宇宙開発」を挙げるほどのこだわりがあるからだ。

 今月21日に成立した今年度の第3次補正予算には、調査費6億6700万円が盛り込まれた。本格稼働に向け、内閣府は来年度予算として41億円をはじき、首相枠とされる「日本再生重点化措置」で要求。首相周辺は「来年度予算ではGPS関連が満額認められるのではないか」と話す。来年の通常国会には、準備のため内閣府の業務を広げる内閣府設置法改正案を出す。

 軍事目的に転用される懸念もあるが、内閣関係者は「ミサイル誘導などに使われることはない」と否定する。ただ、首相官邸には対米協力への思惑もある。日米の災害対応能力を上げるために、日本版GPSを使うことも想定。政権内には「次回の日米首脳会談で、準天頂衛星を増やす方針を伝えるべきだ」と、米国へのアピール材料にする声も出ている。(野上祐)

 

出典:http://www.asahi.com/special/space/TKY201111260142.html


「身体はまるで軟体動物」 宇宙から帰還の古川さん報告

2011-12-01 07:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

 国際宇宙ステーション(ISS)から22日、ソユーズ宇宙船で地上に戻った宇宙航空研究開発機構の古川聡宇宙飛行士(47)が26日、帰還後はじめてツイッターでつぶやいた。

 「地球帰還当日、気分は最高だが身体はまるで軟体動物のよう。身体の重心が全く分からず、立っていられない、歩けない。下を見ると頭がくらくらして気分が悪くなる。歩くつもりで足を出すが、太ももが思っているほど上がっておらずつまずく」と体調を表現した。

 宇宙機構によると、帰還直後は体のバランスをとる三半規管が地上の感覚に慣れず、立ち上がれない。古川さんは4カ月半かけて訓練し、筋力や感覚などを戻していく。

 

出典:http://www.asahi.com/special/space/TKY201111260375.html