Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング

2018-07-18 | Weblog
非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング vol.22
詳細がより詳しく発表されました。
 
台本は楢原拓さんが鋭意執筆中。
そしてシライケイタさんが非戦リーティング、初演出。
 
今回、私は、第二部のトーク、聞き手・司会ということになっています。
 
 
非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディング vol.22
それを認めちゃ「9条」じゃなくなる
-平和憲法サバイバル大作戦!-

日時:2018年 8月 28 日 (火) 19:00 ・ 29日 (水) 14:00

日時:◎開場は開演の30分前です。◎当日券は開演の1時間前から劇場受付で販売します。
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
会場:〒151-0053 渋谷区代々木2-12-10 全労済会館1階 TEL:03-3375-8741(代)
会場:◎JR新宿駅南口より徒歩5分 ◎京王新線・都営大江戸線・都営新宿線新宿駅6番出口より徒歩1分

◎第1部 朗読劇(ピースリーディング)
 『それを認めちゃ「9条」じゃなくなる -平和憲法サバイバル大作戦!-』
 台本:楢原 拓  演出:シライケイタ

 20XX年、憲法改正が国会で発議された。半年後にそれを決める国民投票が行われるらしい。
 テレビCMじゃ「国民を守る自衛隊。その存在を憲法に!」っていうフレーズが繰り返し流れてる。
 ある友達は「災害の時とか自衛隊って命懸けで頑張ってくれるし、いないと困るじゃん? 9条に自衛隊を明記する、ただそれだけだから!」って改憲案を強く推してくる。まあ確かにそうだよなぁと賛成に傾きかけたオレだけど……。
 と、そこへ現れたのが改憲反対の別の友達。そいつの話だと「今の9条でさえも自衛隊の任務とか軍備とかは拡大し続けてるのに、それ明記なんてしたらどうなると思う? ヤバイだろ! 危険だろ!」って……。
 「憲法に自衛隊が明記されたって、これまでと変わんないならいいんじゃない?」って軽く考えてたけど、えっ? そなの? まぢ???
 憲法改正国民投票が目前に迫る中、果たして「オレ」が出した答えは……?
 改憲に揺れる一人の青年の姿を通して描く、9条が「9条」であるための平和憲法サバイバル!

【出演予定】※五十音順。出演予定者は変更になる場合があります。
東谷英人・あべよしみ・有吉朝子・石井くに子・内田健介・遠藤 剛・大沢 健(※8/28のみ)
大須みづほ・大鷹明良・小笠原游大・金子鈴幸・鴨川てんし・木内みどり・北澤小枝子
喜多村千尋・鬼頭典子・清田正浩・小島万智子・小林あや・五味多恵子・小山萌子
阪本 篤・さとうこうじ・志賀澤子・高安智実・武山尚史・辻 輝猛・土屋良太
中野亮輔・野々村のん・藤原啓児・別所晋・巻上公一・益岡 徹・三田和代・宮城康博
森田 匠・山本 亘・山森信太郎・ゆかわたかし・渡邉 翔・ほか

◎第2部 トーク
【8月28日(火)】
スペシャルトーク「憲法と武器輸出」
杉原浩司(武器輸出反対ネットワーク[NAJAT]代表)
馬奈木厳太郎(弁護士)
(聞き手:坂手洋二)

【8月29日(水)】
リレートーク「私たちと、憲法と、いま」
豪華ゲストが一堂に会して、リレートークを行います。 
織田朝日(くるどっこ劇団「ウインクス」主宰)
佐藤満喜子(教科書問題を考える横浜市民の会代表)
志葉 玲(ジャーナリスト)
竹見智恵子(路上劇団「野火」団員)
知乃(俳優、演劇・映画・芸能界のセクハラ・パワハラをなくす会代表)
寺脇 研(映画評論家、元文部科学省官僚)
中島由美子(全国一般労働組合東京南部書記長)
馬奈木厳太郎(弁護士)
宮城康博(劇作家、元名護市議)
渡辺照子(派遣労働者)
望月衣塑子(東京新聞記者)※予定
(司会:坂手洋二)
※都合によりゲストが変更となる可能性があります。

▼料金(全席指定・税込)
大人1,500円/中高生1,000円/小学生以下500円

▼チケット取り扱い(前売開始日:2018年7月7日(土))
◎チケットぴあ(Pコード:487-839) 
【コンビニ】
セブン-イレブン
コピー機のディスプレイで以下のような操作をして下さい。
(1) トップメニューの「チケット」「チケットぴあ」をタッチ
(2)「Pコードで探す」をタッチ
(3) Pコード「487839」を入力
(4) 必要事項を入力
(5) コピー機からプリントされる払込票を持って30分以内にレジで精算・発券
※詳しい操作方法はこちら
サークルK・サンクス
店内設置の「Kステーション」からお求めいただけます。
※操作方法はこちら
【ぴあ店舗】
店舗によっては座席がお選びいただけます。店舗検索はこちら
【TEL】0570-02-9999
【インターネット】http://t.pia.jp

◎スペース・ゼロ チケットデスクhttp://www.spacezero.co.jp
※上記でご予約後、お近くのセブンイレブンやファミリーマートなどでチケットをお引き取りいただけます。(手数料等がかかります)

※当日券は開演の1時間前から劇場受付で販売します。
※車いすをご利用の方、8月24日(金)までに青年劇場(平日10:00~17:00 TEL:03-3352-6922)にご連絡下さい。
▼チケットに関するお問い合わせ(平日 10:00~17:00)
非戦を選ぶ演劇人の会(青年劇場内) TEL:03-3352-6922


▼スタッフ
照明=齋藤茂男  音響=藤田赤目  舞台監督=三津 久  演出助手=山田真実、関根信一
制作=篠原久美子、くまがいマキ  当日運営=横内里穂
宣伝デザイン=市川きよあき  記録映像=姫田蘭、小原信之  写真撮影:古元道広


▼お問い合わせ
非戦を選ぶ演劇人の会
TEL:070-5457-2003
E-mail:info「@」hisen-engeki.com
※迷惑メール対策のため「@」の前後の「 」外してお送り下さい。
公式フェイスブック:https://www.facebook.com/HisenEngeki
公式ツイッター: https://twitter.com/hisenn_enngeki

主催:非戦を選ぶ演劇人の会
特別協賛:全労済ホール/スペース・ゼロ
協力:ポスターハリス・カンパニー、有限会社ネビュラエクストラサポート(Next)

[実行委員] 相馬杜宇・阿部ひろみ・石原 燃・猪熊恒和・今村 修・岩瀬晶子・円城寺あや・大月ひろ美・岡本 舞・沖 直未・ 加藤ちか・金安凌平・釘本 光・くまがいマキ・桑原 睦・坂手洋二・佐藤 滋・篠原久美子・清水弥生・シライケイタ・杉浦久幸・ 関根信一・ 瀬戸山美咲・高橋長英・高橋俊也・龍野瑶子・田根楽子・常田景子・永井 愛・中山マリ・楢原 拓・西川信廣・西山水木・福島明夫・藤田赤目・洪明花・松岡和子・松田美由紀・丸尾 聡・三田和代・宮城康博・村野玲子・山田勝仁・山本 亘・山谷典子・流山児祥・渡辺えり ※五十音順

 

http://hisen-engeki.com/information.htm

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「九月、東京の路上で」稽古場最終日

2018-07-16 | Weblog

「九月、東京の路上で」稽古場最終日。

まもなく最後の「通し」である。

さて。

 

 

「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二

7/22(日)・7/25(水)・7/23(月)は、ご予約受付を終了させて頂きました。当日券はあります。開演の45分前より販売する予定です。
他の17ステージについては、まだまだ十分お席がございます。

詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本劇作家大会2019大分大会 ロゴマーク 発表

2018-07-15 | Weblog

日本劇作家大会2019大分大会

ロゴマークが発表されました。

「おんせん県おおいた」で開催される今大会。
 温泉マークと「劇」の字を合わせたロゴマークです。


http://www.jpwa.org/main/activity/jpac2019



劇作家大会とは 

劇作家大会はどなたでもご参加いただける演劇の祭典です。
劇作や舞台芸術に関する様々なテーマを扱い、上演・リーディング・ワークショップ・セミナー・講座・シンポジウム・トークなど、50に及ぶ企画を同時多発的に催します。
日本全国の劇作家に加え、演出家・俳優・プランナーなどが舞台芸術に携わる人々が大分で一堂に会する4日間。2019年1月にはぜひ大分へ!
 

日本劇作家大会2019大分大会 概要

【会期】2019年1月24日(木)〜27日(日)
【会場】大分県大分市
 ホルトホール大分(メイン会場)
 コンパルホール
 平和市民公演能楽堂
 iichiko総合文化センター
 大分駅周辺の市街地、ほか
 
【主催】日本劇作家大会2019大分大会実行委員会
    一般社団法人日本劇作家協会


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彼岸花

2018-07-14 | Weblog

彼岸花。

今回、仮チラシやWeb上でも使わせていただいている、熊原三枝さんの絵です。

加藤直樹さんのブログでも触れられていて、「九月、東京の路上で」の、象徴のような花だ。

 

昨日の稽古、ようやくラストシーンまで繋いでみて、この彼岸花のイメージが、あらためて重く感じられてきた。

現場はまだまだこれからである。

 



「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二

7/22(日)・7/25(水)・7/23(月)は、ご予約受付を終了させて頂きました。当日券はあります。開演の45分前より販売する予定です。
他の17ステージについては、まだまだ十分お席がございます。

詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「カメラの焦点を合わせる前に手を合わせましょう」 「九月、東京の路上で」の風景

2018-07-10 | Weblog

「カメラの焦点を合わせる前に手を合わせましょう」 「九月、東京の路上で」の風景

加藤直樹著「九月、東京の路上で」をガイドブックに、関東大震災時に多くの人が虐殺された現場を訪ねて歩くツアーで行った、某所。同著から幾つかの情報をピックアップしてみる。

 

この町では移送されてきた朝鮮人を数千人とも思われる人たちが待ち構えていた。「一軒に一人、自警団に参加せよ」という呼びかけは、不必要な数の人々を街頭に集めてしまっていたのだ。彼らは東京の仇を打とうと殺気立った烏合の衆と化し、手柄で褒美勲章をもらえるという誤解も生じた。

「家の叔母さんだ、兄貴だ、いとこだのをこの朝鮮人が殺っちゃったんだから、家を焼いちゃったんだから、このやつらは敵だ」

「一番先の一撃は俺だ」

群衆は引き継ぎポイントに現れた朝鮮人の群れに殺到。

まず二十人以上が殺害された現場は、現在、大型ショッピングモール裏手の、地域鉄道踏切あたり。

私が訪れたのは日暮れ直前だったけど、暗く人気のない駅はずれの一角だった。

中心部入口における殺戮に加わった民衆はその昂奮をそのまま市街地へ持ち込んだ。

彼らは血がついた刀・竹槍・棍棒を持って逃げた朝鮮人を探し、見つけ出しては殺した。

そこに「自警」のかけらは少しもない。逃げずに縄で縛られ、おとなしく連行されていく者も容赦なく暴行を受けた。

日本刀を持って来た人が、「よせ、よせ」というのをふりきって、日本刀で斬ったという。「こんな時に斬ってみなければ切れ味がわからない」ということだったらしい。

竹やりを背中に何本も刺された被害者もいた。

彼らが最終的にたどり着いたのが深夜の某寺境内。

寺の庭では一人の朝鮮人をぐるっと取りまいたグループが、幾つかでき、一人殺すたびに、万才、万才、と喚声があがったという。

殺害された総数は明確ではない。

四十から百人とされる。人数すらはっきりとわからないくらいだから、被害者の情報は何も残されていない。

息を呑むほかない惨劇。被災地から遠く離れた人々がなぜ、ここまで残酷になれたのだろうか。

その寺の正面には、「カメラの焦点を合わせる前に手を合わせましょう」という看板が出ている。

そして右隣の看板によれば、「参拝・観光客一切不可」だそうだ。

 

この町は現在、夏場に日本一気温が高くなると言われている。

そしてこの町は、終戦の日未明、第二次世界大戦最後の空襲に遭う。

軍事工場としての飛行機の工場があったにしても、皮肉なことである。

 


この劇は、現代劇である。あくまでも今現在の我々の体験としての、舞台表現である。

「九月、東京の路上で」に記されているそのままに、この一冊の本を私たちが共有することで、事実から、風景から、「感じる」ことが、主眼である。



「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二


詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

演劇による究極の「死刑廃止」への取り組み 『ときはなたれて』

2018-07-08 | Weblog

演劇による究極の「死刑廃止」への取り組みといえば、『ときはなたれて』だったなあと思うのだが、それももう十四年も前のことになるのだった。

東京で33日のロングラン。

大阪・精華小劇場のこけら落としの一本に加わった。

劇団全員が出ているわけではない。

かなり忙しくいろんなことをしていた時期ではある。

 

この作品のコピーに「冤罪によって死刑判決を受け、苦難の末に解放された「元死刑囚」たち……。」と、ある。

彼らは日本にいたら殺されていたかもしれなかったのだ。

 

舞台の記憶は懐かしいが,とにかく日本はあの頃よりもさらに悪くなっている。

 

詳細情報は、以下の通り。

http://rinkogun.com/2001-2005/entori/2004/10/21_The_Exonerated.html

………

 

燐光群アトリエの会

ときはなたれて


作=ジェシカ・ブランク&エリック・ジェンセン  by Jessica Blank and Erik Jensen
訳=常田景子 演出=坂手洋二

 

<東京>2004年10月1日(金)〜11月2日(火) 梅ヶ丘BOX

名古屋11月5日(金)~8日(月)七ツ寺共同スタジオ

大阪11月11日(木)~14日(日)精華小劇場[オープニング事業]


冤罪によって死刑判決を受け、苦難の末に解放された「元死刑囚」たち……。
アメリカ全土で深い感動と、死刑制度廃止に向かうムーブメントに支えられ、社会現象といえる大きな反響を巻き起こした話題作。
かつて死刑囚として刑務所に収容されていた経験をもつ40人の人々と、その家族へのインタビューをもとに、幾度かのリーディングを経て、練り上げられた。
2002年にティム・ロビンスの「シアター・ギャング」(L.A.)で初演された後、同年10月から2004年3月までオフ・ブロードウェイにて約1年半に及ぶロングランとなり、リチャード・ドゥレイフィス、ブルック・シールズ、ロバート・ヴォーンら、多彩な俳優たちが出演している。
また、2003年アウター・クリティックス・サークル賞〈最優秀オフ・ブロードウェイ作品賞〉をはじめとする、数々の賞を受賞。
……『ララミー・プロジェクト』『CVR チャーリー・ビクター・ロミオ』に続いて、燐光群が上演する、アメリカ演劇最新作。



CAST

大西孝洋 ……… デルバート
猪熊恒和 ……… ゲーリー
工藤清美 ……… スー(ゲーリーの妻) ポーラ サニーの母親
瀧口修央 ……… ロバート 黒人警官 黒人男性1
江口敦子 ……… ジョージア(ロバートの妻) ケリーの判事 サニーの検事
久保島隆 ……… 白人警官1 キャロル保安官 法廷弁護人 白人看守 受刑者1 ドイル(ケリーの兄)  元ボーイフレンド 農夫

杉山英之 ……… 白人警官2 副保安官 ローズ 南部の白人男 ロバートの判事 受刑者2 ジェフロバートの検事

小金井篤 ……… ケリー
亀ヶ谷美也子 … サンドラ(ケリーの妻) 被害者の女性
樋尾麻衣子 …… ケリーの弁護士 デイヴィッドの弁護士 ロバートの弁護士
裴優宇 ………… ケリーの検事 ジェシー(サニーの夫) 白人警官 デイヴィッドの検事 受刑者3 黒人受刑者 黒人男性2

内海常葉 ……… デイヴィッド
中山マリ ……… サニー

 

 

STAFF

照明=竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 
音響=島猛(ステージオフィス)  
衣裳=前田文子
美術=じょん万次郎
舞台監督=堀井俊和
演出助手=吉田智久
照明操作=桐畑理佳
音響操作=亀ヶ谷美也子
文芸助手=圓岡めぐみ 清水弥生 久保志乃ぶ
イラスト=山田賢一
宣伝意匠=高崎勝也
Company Staff=川中健次郎 鴨川てんし 下総源太朗 宮島千栄 宇賀神範子 向井孝成 塚田菜津子

協力=金沢市民芸術村 小池陽子 園田佳奈 田中星乃 寺島友理子 増永紋美 宮島久美 八代名菜子 

           吉村敦子 近藤順子
海外通信事務=JOHN OGLEVEE
制作=古元道広 國光千世

 

平成16年度文化庁芸術団体重点支援事業
平成16年度文化庁芸術祭参加 

 

<作者プロフィール>

ジェシカ・ブランク(劇作家・俳優)
『Undermind』『A Bird in Hand』など多くのインディペンデント映画、ミネアポリスやニューヨークの舞台に出演。雑誌や新聞などへの執筆多数。最近は、短編小説の出版に向け執筆中。

エリック・ジェンセン(劇作家・俳優)
『Black Knight』『The Love Letter』などの映画、ニューヨークの舞台、『Law and Order』『Third Watch』『Deadline』などのテレビ番組に出演。

ブルース・クローンバーグとともに映画『Gimme Noise』を共同執筆、製作、監督する予定や、『The Exone-rated』の演出家であるボブ・バーバランが演出するテレビ映画を製作する予定などがある。
本年『The Exonerated』メイキングについての本を出版する。    

 

 

 

当日配布パンフレットより

 

 ご来場ありがとうございます

 

 既にいろいろなところで触れたので重複するが、この『ときはなたれて』上演は、『ララミー・プロジェクト』等と同様、「この劇のテーマは坂手向きではないか」とアメリカ関係の知人・関係者に紹介を受けたことがきっかけである。今回はそうした「推薦者」が複数だった。
 私は二十年前から「陪審裁判を考える会」に籍を置いているが、現在、日本に「裁判員制度」が取り込まれようとしている重要な局面であるにもかかわらず、ここ数年ご無沙汰してしまっている。戯曲『ブラインド・タッチ』のモデルである星野文昭氏も、一度は「死刑」を求刑され、今まさに「無期懲役」の日々をたたかわれている。この日本版上演は、そうした現実を背負う人々に向けての、自分なりの「伴走」となるのかもしれない。
 私は『ララミー・プロジェクト』『CVR チャーリー・ビクター・ロミオ』などについて、「ドキュドラマ」というまとめかたをすることに積極的な意味を感じていない。「ジャンルを越えた演劇の多様性がある」と考える。そして、「劇というものは、ひとつひとつ別々な考え方で作られている」という「常識」に基づいてそう認識している。今回の上演は、そのことをわかりやすく立証することになるかもしれない。
 この秋、燐光群は、このアトリエ公演と11月の国際合作『フィリピン ベッドタイム ストーリーズ』の二本を、キャストを別々な班に分けて上演し、新国立劇場『二人の女兵士の物語』、二兎社『新・明暗』に参加するメンバーもある。いつものように全日程を「全員一丸となって」とはいかないわけだが、劇団として総合的に豊かな活動ができはじめているのだと思う。これも周囲の皆様の御支援のたまものである。今後とも、能う限りご期待に添うよう努力したいと思う。

 

坂手洋二

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

『ときはなたれて』との出会い

常田景子

 

 『ときはなたれて』のニューヨーク公演を見たのは去年の3月のことだが、まったく偶然だったと言ってよい。その旅の目的は、上演が決まっていたミュージカルのニューヨーク公演を見ることだった。アメリカ人の知人と話をしていたら、「私も見てないから何とも言えないけど、あなたは『ララミー・プロジェクト』をやったんだから、これ、見てみたら面白いかもよ」と教えてくれたのが、『ときはなたれて』だった。ヴィレッジ・ヴォイスの広告を見たら、囚人服を着た目つきの悪い若い男が、横目でこちらをにらんでいるイラストが描いてあって、なんだかなあ、と思ったが、上演されていた劇場が、泊めてもらっていた友人の家から、さほど遠くないところにあり、たまたまその前を通ることがあったので、聞いてみたら自分が行ける日のチケットがあったので、見ることにしたのだ。
 「死刑判決を受けたが、その後、冤罪が晴れた人たちのインタビューもの」ということぐらいしか予備知識もなく見たので、かなり衝撃を受けた。何より、こんな運の悪い人たちって世の中にいるんだ、と思った。まったく理不尽というか不条理というか、ほとんどカフカの世界だが、実話なのである。ちょっとしたことの重なりで、それこそ坂を転がり落ちるように、死刑を宣告されてしまう。それがまた別の不幸の引き金になった場合もある。
 芝居が終わったあと、その日、劇場に来ていたケリー本人が舞台上で紹介されて、ちょっとしたスピーチをしたのだが、ごく平均的な、どこにでもいそうな白人の中年男性で、死刑判決を受けるような凶悪犯罪の犯人にされたというのも、「へえ?」という感じだったし、今聞いたばかりの悲惨な体験を潜り抜けてきた人とも思えない。それがまた驚きだった。
 『ときはなたれて』は、警察の捜査や司法制度の穴から、深い深い淵に落ちてしまった人々の体験を語っているが、彼らは無実の罪が晴れた分、まだ幸いだったのだ。そう考えると、本当に恐ろしい。そんな取り返しのつかない結果を招く可能性をはらんでいる制度も恐ろしいし、無実の人を死刑判決にまで追いやる人間の偏見や予断も恐ろしい。それにしても、この芝居で体験を語る6人は、全員、驚くべき強靭さで、身に降りかかった恐るべき体験に対処している。彼らが死刑判決を受ける原因となった犯罪も人間がしたことであり、彼らを誤って死刑囚監房に送り込んだのも人間がしたことだ。この芝居は、人間のどうしようもない不完全さと、人間の底知れない不屈さを語ってくれる。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

イントロダクション

 

2000年の夏、私たちは、アメリカ全土を旅し、さまざまなリビングルームに座って、無実の罪で死刑囚監房に入れられるというのがどういうものかという話に耳を傾けた。話をしてくれた人々は、人種、宗教、教養などは、さまざまに違っていた。彼らの世界観も、さまざまだった。彼らの唯一の共通点は、彼らがみな死刑を宣告され、2年から20年に渡る期間、死刑囚監房で過ごしたということ、やがて無実だということがわかって、釈放されたということだった。私たちは、40人の人間にインタビューした。これらのインタビューのうち6つが、「ときはなたれて」の核となっている。
 その春、私たちは、コロンビア大学で死刑に関する会議に出席して、この芝居のアイディアを思いついた。私たちは、ニューヨーク・ダウンタウンの演劇界の友人で、「カルチャー・プロジェクト」を運営しているプロデューサーのアラン・バックマンに、そのアイディアを持ちかけた。
 ちょうど、イリノイ州知事ジョージ・ライアンが、イリノイ州での死刑の一時停止を宣言したところだった。一方、ホワイトハウスにいる、もう一人のジョージ(ブッシュ)は、テキサス州知事時代、1976年に死刑制度が復活して以来、他のどの州よりも多くの死刑を執行させた。この問題は、ニュースに多く取り上げられた。アランは、選挙前に台本を仕上げれば、秋に3日間、自分の劇場を使ってもいいと言った。それで、私たちは旅に出た。北西はシカゴまで、南はテキサスやマイアミまで、そして、その間にある、ありとあらゆる町で、人々に会い、彼らの物語が、この芝居になった。
 私たちは、何時間分もあるインタビュー録音テープを持ち帰った。原稿に書き起こすと600ページ分あった。私たちは二人とも、もともと俳優なので、才能があるのに仕事に恵まれない友人がたくさんいる。私たちは、彼らにワークショップに参加してもらって、日常会話による何百ページの原稿を芝居にまとめていった。同時に、演出家のボブ・バラバンに電話して、秋に、アランの劇場で行なう3回のリーディングの演出をしてくれるように頼んだ。ボブは、私たちが磨きをかけつつあった台本にプロの目を注ぐとともに、リーディングの出演者たちを集めるのを助けてくれた。集まった出演者は、ゲイブリエル・バーン、オジー・デイヴィス、ヴィンセント・ドノフリオ、チャールズ・ダットン、チェリー・ジョーンズ、デイヴィッド・モース、スーザン・サランドン、ティム・ロビンス、デブラ・ウィンガー、その他、大勢の優れた俳優たちだった。彼らは、12人の元死刑囚の物語からなる最初のバージョンを演じた。それらの物語は、すべて、私たちが行なったインタビューから抽出したものだった。
 「カルチャー・プロジェクト」での3回のリーディングと、国連での1回の上演のあと、私たちは再び旅に出た。私たち二人にも、演出のボブにも、観客にも、元死刑囚の人々が、自分の身に起きたことについて、どう感じているかということは、はっきりしていた。その時まだはっきりしていなかったのは、そもそも、そんなことがどうして起きたのかということだった。そこで私たちは、それぞれのケースをもっと完全に語るために、芝居の中で語る物語の数を減らすという、ものすごく困難な作業にかかった。さらに、裁判記録や捜査記録も掘り起こした。私たちは、ほこりっぽい裁判所の記録保管室で何時間も過ごし、宣誓供述書や警察の調書、法廷での証言などの詰まった段ボール箱やマイクロフィルム・ファイルを調べまくった。裁判所の職員たちは、私たちのことを法学部の学生だと思ったらしく、私たちも、その思い込みをくつがえすようなことはしなかった。二、三の例外を除いて、この芝居の中で語られる言葉はすべて、公的記録――法律書類、裁判記録、手紙などか、私たちが元死刑囚の人たちに行なったインタビューから取ったものだ。元死刑囚の人たちの名前は、本名を使っている。その他の人々の名前は、法的な理由から、変えたものもある。
 この芝居の大部分は、2年、5年、10年、あるいは20年前に、当事者たちが言ったとおりの言葉だ。私たちがインタビューを行なっていた時点で、無実の罪が晴れて死刑囚監房から解き放たれた人々は、89人いた。この文を書いている時点で、その数は102人にのぼっている。私たちは、その一人一人の物語が、この芝居の一部だと思っている。

 

ジェシカ・ブランク&エリック・ジェンセン


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岡山の皆さん ご無事でしょうか

2018-07-08 | Weblog

全国的大雨。自然の猛威。事故や交通機関の麻痺。

多くの方が被災されたようで、お亡くなりになられた方もいらっしゃるようです。

いろいろと続きのニュースが目に入るたび、驚き、おののいています。

SNSの時代、ネットでご無事を確認できた方も多く。

ご本人、或いは身近な方が、御自宅が水に浸かってしまった方もいらっしゃるようです。

私の実家はとりあえず無事のようです。強いて言えば土砂崩れが心配ですが,まず大丈夫と思います……。

もちろん他の地区もたいへんみたいで、各地の皆さん、どうぞご無事でとお祈りしています。

 

知り合いの撮影隊が広島で右往左往している話も聞きました。

私が提案した部分もある企画なのですが、何か因縁も感じます。

 

ともあれ曇り空の下、台本の仕上げ作業とひたすら稽古場に通う時間のみで、間に自転車で東京を疾駆するしかない私は、本当に長くこのエリアで生きているという実感だけはあり、あの「3・11」の記憶も蘇り、この東京に,ひどい災害が来る可能性の想定も決して捨て去れないまま、ただただ今を生きています。生かされています。とりあえず私らは元気です。

 

本当に皆さん、なんとかしのいでください。

またお会いしましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「死刑執行」が「使われる」

2018-07-06 | Weblog
オウム真理教事件関連の死刑囚七人の死刑執行が行われた。
事件当時、それが誤った認識ではあっても少なくとも「それが世界のため」と信じて事件を起こしたかもしれない実行犯の方々は、四半世紀経って、史上最悪の政権が、自分が延命するためにこの「死刑執行」を「使う」という「未来」を当時に知っていたら、どうだったのだろう。
この「死刑執行」は、現政権があたかも「他の政権では出来ないことをやる」という意味での「実行力」があるかのようなイメージ作りに利用され、非難を浴びる「カジノ法案」、公営化に戻る世界の趨勢に逆行する「水道民営化」を含む水道法改正案や、収まらないモリカケ疑惑、新たな総理夫人の友人への便宜供与疑惑、子供の裏口入学のために公金を流すよう工作する者まで現れた安倍政権下の官僚腐敗の極み、等々がマスコミに露出するまさにその時期に、それらを覆い隠すのにも使われ、おおいに役立つことになるだろうからだ。
事前に死刑執行の情報を漏らし、進行形として報道されることも、現政権らしい工作だろう。

政府関係者の「元号が変わる前に執行しておきたかった」という言い方には納得できない。関係ないからだ。
そもそも「平成最後の梅雨」などという言い方も、私は感心しないのだが。

きょう刑を執行された一人、中川智正は、中学の後輩である。水道橋博士や甲本ヒロトの同級生だったはずだ。自分たちの世代の事件なのだという感覚が、なんとも言葉を重くする。

写真は警察関係者とマスコミが押し寄せた、きょう午前の千歳烏山,オウムの後継団体の一つ「ひかりの輪」前。近辺在住の方に送っていただいた。
千歳烏山の過去の「事件」を扱う演劇を手掛けているので、かの地の現在進行形の空気を感じると、これもまたざわざわする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「九月、東京の路上で」の風景 逆井橋

2018-07-04 | Weblog
加藤直樹著「九月、東京の路上で」をガイドブックに、関東大震災時に多くの人が虐殺された現場を訪ねて歩くツアーの、最初の場所は、逆井橋だった。
旧中川の、素っ気ないほどシンプルな川の出で立ちの中、かかっている多くの橋の、一つ。

同書に以下の記述がある。

一九二三年九月十二日水曜日、未明。逆井橋。王希天はこの逆井橋のたもとで、第一連隊中島大隊長副官・垣内八州夫中尉によって殺害された。殺害を指示したのは同連隊第6中隊長の佐々木兵吉大尉。金子直旅団長の黙認のもとに行われたものだ。遺体は川に投げ捨てられた。(中略)「お前の国の同胞が騒いでてるから、訓戒をあたえてくれ」と言って連れ出し、この逆井橋鉄橋にさしかかったとき、待機していた垣内中尉が来り、「君ら何処にゆく」と、六中隊の将校の一行に言い、「まあ一服でも」と休み、背より肩にかけ切りかけた。そして彼の顔面及手足等を切りこまさきて、服は焼きすててしまい、携帯の拾円七十銭の金と万年筆は奪ってしまった。

殺されたのは、中国人活動家の、王希天。
劇には彼は登場しない。

この劇には、亡霊は登場しない。

「複式夢幻能」のような構造は、とらない。

「九月、東京の路上で」に記されているそのままに、この一冊の本を私たちが共有することで、風景から「感じる」ことが、主眼である。



「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二


詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ここもまた「東京の路上」。

2018-07-03 | Weblog
「九月、東京の路上で」、これまで体験したことのない稽古である。

「演劇」に向かっているのと同時に、「事実」に向かっている。

出演者には年齢差があるが、「95年前の出来事」に出会うとき、その年数の差異には、どこまでの違いがあるのか。

あるいは、過去を振り返ろうとするとき、それぞれの人間の記憶のスタートラインの違いというものは、否応なしに噛み合わないことを、思い知らされもする。

演劇のことであると同時に、私たち自身を見つめなおさざるを得ない時間である。


昨日正午頃、某取材があり、炎天下、十何分か、街の雑踏の中、カメラの前に立ち続けた。

自転車を駆って現場に着いたばかりの私の身体からは、汗が噴き出る。

停止した時間に収められるべく静止しているとき、カメラ・レンズの眼に見られているだけでなく、過去からの視線を感じる。

レフ板の照り返しではなく、歴史からの照射を感じる。

ああ、ここもまた、「東京の路上」なのだ。

稽古場の、そして「現在まるごと」の関心と戸惑いが、そのまま「劇に向かう通路」である。



「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二


詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本側から見た「関東大震災」であるということ

2018-07-02 | Weblog
「九月、東京の路上で」稽古をしていて思うことは、今回の劇の内容は、とことん日本側から見た「関東大震災」であるということだ、

どうもこうもない。わざとそうしている。「日本人」を描くことを、主眼としているのだ。あえて。批評的に。

これは加藤直樹著「九月、東京の路上で」の問題ではない。一重に、私の内的な葛藤の産物だ。


先々月、千葉で朝鮮人犠牲者追悼等の活動をされている平形千恵子さんから、韓国サイドから「関東大震災」について描いた金義卿さんの戯曲「失われた歴史を探して」の翻訳版をいただいた。
なんと、翻訳を担当されていたのは、石川樹里さんだった。
石川さんは、私が日本で演出した鄭福根・作『荷』の翻訳家でもある。
なんとも、なんとも、御縁だなあ、である。

写真は、三月、〈日韓交流演劇センター〉主催のリーディングのため来日された石川さんにお土産でいただいた、アーモンドとゴマを挟んだ韓国海苔のスナックである。
とてもうまいが、もうすぐなくなる。ざんねん。


舞台化される「九月、東京の路上で」上演情報については、以下を御覧ください。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

「九月、東京の路上で」

7月21日(土)~ 8月5日(日) 下北沢ザ・スズナリ

原作◯加藤直樹

作・演出○坂手洋二


詳しい情報は以下を御覧ください



http://rinkogun.com/Kugatsu_Tokyo.html
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする