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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、あと4ステージ。

2017-07-16 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、あと4ステージ。

写真は、左から、橘麦、杉山英之、東谷英人。撮影・姫田蘭。
薄着の芝居である。
夏向きである。
設定は冬ですが。

アフターイベントのリーディングがつくのは、本日まで。
本日はかなりの混雑が予想されますが、いろいろ工夫していますので、当日券を出さないわけではありません。
後の3ステージはじゅうぶんに余裕あり、です。
一日だけお客の少ない日があったが(そういうときに限って助成金関係者が観に来ていたりする)、他はほぼ連日、客席は埋まっています。
観客の視線の角度を考え抜いた、マジックのような舞台美術です。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


http://rinkogun.com/wangansen.html
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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、佳境。そしてあと4回行われる〈アフター・リーディング〉について。

2017-07-14 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』公演、佳境。

昨夜、宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんをお招きしたアフタートークは、なんだか途中からいろいろなことを思い出して、胸が詰まった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』初演演出家の木嶋茂雄さんも、観に来てくださった。
俳優陣を褒めてくださったのが、ありがたい。
木嶋さんが「まさにマサコですね」と言ってくださる。難役に挑む橘麦だが、日々、自分の殻を破りつつある過程自体が、スリリングだ。

写真は、左から、東谷英人、橘麦。撮影・姫田蘭。


☆そして、今回、「深津演劇祭」ということで、日替わりで行っている、本公演後のアフター・リーディングは、あと4回。

一昨日の『カラカラ 改訂版』は、やってよかった。
難解きわまりない戯曲だが、お客様を前にした上演で、やっと何かが掴めた気がする。

「カラカラ」初演は1995年5月。京都の春日小学校跡地講堂。
改訂版もおなじ年の8月(伊丹市立演劇ホール・アイホール)で上演されている。
以下、当時の上演についての解説。



阪神・淡路大震災後の小学校が舞台。
避難所になっている学校の体育館で、余震を思わすカラカラという音におびえる少女を描く。
家族の死や、負傷者の存在を連想させる。

「芸術祭典・京」で五人の劇作家たちによる短編を競演する企画として、
京都の春日小学校跡地講堂で上演。
劇と実際の(会場の)体育館とが重なり、鮮烈で忘れがたい印象を刻んだ。

震災で芦屋市の実家が全壊。
家族は無事だったが、自分だけ大阪市内にして難を逃れたことに
その後ずっと後ろめたさを抱きつづけた。

改訂版では、引きこもってマンガに没頭する学生など、
誰もが心的外傷を負い、かすかな物音にもおののくようすが描きこまれた。

★1997年発行の「アイプレス」
「創作するときにきっかけになることはどんなことですか?」
という質問に対し↓
「音」です。街で「このロケーションいいやん」
と思う風景と出会ったら、そこを舞台設定にしてイメージを広げるんですが、
そこで聞こえる音を芝居の中で何回も繰り返して使うことがあります。
工事現場の作業音とか、飛行機の爆音とか。
震災を取り上げた「カラカラ」だったら、空気が乾いて壁がぽろぽろ落ちる音だったり。登場人物はこの音をどう聞くんだろうと想像したりして。

★改訂版上演のさい、深津篤史による、公演パンフレット掲載文。


一九九五年
『カラカラ改訂版』

 阪神大震災からもう半年以上経ちました。全壊した僕の家は更地になり、つい先日地鎮祭をしたと母から聞きました。結構広い家だと自分では思っていたんですが、空き地になると随分狭く感じました。家族は仮設住宅に住んでいます。殺風景だった仮設住宅地も、こないだ車で前を通りかかったんですが、生活の匂いがするように見えます。家々の間を縫う路地で子供がプールで水浴びをしていました。
 京都に下宿している僕は、仕事と芝居の毎日の中で、あの震災のことが遠い昔のように思え、いや、まだあの当時と同じように、現実の出来事として結びつかない気持ちでいます。もちろん、事実は事実として把握しているつもりです。しかし当時の興奮が冷めた今、無くなった家に対する郷愁めいたセンチメンタリズムと、直接の被害にあっていないこと(京都の下宿は何ともないわけで)からくる忘却と、それに対する偽善的な罪の意識と、そんな諸々の感情が僕の内にあります。五月の初演では、自分の気持ちを整理し、また、報道によって伝えられた震災のイメージへの憤りから作品を創り上げました。あれから三ヶ月経って僕はそれを残すためにこの作品を創りました。
 今、この時期に、震災を扱うことはマスコミの注目を集め、ともすれば震災を食い物にしていると思われる方もいるかも知れません。僕は劇作家として自分の創作の対象となる事件は全て食い物であると思います。食い物ならばきちんと消化します。それが僕の誠意です。決して自己満足ではなく、冷静なる俯瞰を以てこの作品を提示したいと思います。


☆他のリーディング作品で、俳優陣の要望に加えて入れたのが、『夜毎の鳩』という作品である。(15日(土)14:00 上演)
『夜毎の鳩』は、2007年桃園会第32回公演『月ト象ノ庭、或いは宵の鳥、三羽』のために書き下ろされた短編。他2編『コイナカデアル。』『月灯の瞬き』と合わせてオムニバス形式にて上演された。パンフレットの深津のコメントによるとウルトラセブンのエピソードに『夜毎の円盤』というのがあるそうです。
ちなみに、『月灯の瞬き』にも根強いファンがいる。(14日(金)19:00 上演)
もともとラジオドラマだった『四季一会』は、深津作品とは思えないわかりやすさで、気の利いた作品が多い。後編をお届けする。(15日(土)19:00 上演)

〈本日からのアフター・リーディング予定〉
14日(金)19:00  ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00  ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00   ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00  スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙

⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


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深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』本日 アフタートークに、宮田慶子さん

2017-07-13 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』公演。
はやいもので、プレビューを入れると、今日がちょうど折り返しの日。

アフタートークに、宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんをお招きしています。
深津篤史演出の『動員挿話』は、ある意味、新国立劇場演で、伝説を作りました。
深津氏をこの劇場に招いたのが、宮田さんです。

写真は、「トモミ」を演ずる宗像祥子。撮影・姫田蘭。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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『バートルビーズ』序章、「三田文学」最新号に掲載。

2017-07-13 | Weblog
『T病院事務局長の証言(『バートルビーズ』序章)』が、三田文学最新号に掲載された。
「特集 アメリカの光と影」の、「創作」部門の筆頭として、である。

[解説]として、田ノ口正悟「 バートルビーたちの記憶――メルヴィルと坂手洋二」も掲載されている。
この解説は、なんと『T病院事務局長の証言(『バートルビーズ』序章)』本文よりも長いのであるが、丁寧に『バートルビーズ』の内容に迫っていて、対象の作品を書いた本人である私も驚くほど、胸をうつ表現となっている。このように正当に理解していただけたことに、心から感謝したい。

三田文学最新号(No.130 / 2017年夏季号)は、7月10日発売。定価980円(税込)。


そして、まもなく、坂手洋二戯曲集第一巻として『バートルビーズ』が、彩流社より刊行されます。詳細は、また。

坂手洋二戯曲集 1
バートルビーズ/たった一人の戦争

坂手 洋二 著
予価:2,200円 + 税
ISBN978-4-7791-2342-9 C0074
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『カラカラ』リーディング、いよいよ12日夜。お楽しみに。

2017-07-11 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』開幕。

あすはいよいよ深津篤史の代表作『カラカラ』も、アフター・リーディングします。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』と『カラカラ』は、阪神淡路大震災のその後を描く、いわば表裏の関係にある作品です。

12日(水)19:00 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』 終演後、ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分

出演は、鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継

写真は、燐光群『推進派』に出演したときの、はしぐちしん。
彼は『カラカラ』では、初演から、車椅子の男を演じている。
オリジナル版の彼とは違うアプローチで、同役に、猪熊恒和が挑みます。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯


『カラカラ 改訂版』

既に二度稽古をしたが、この難解なはずの戯曲に込められた思いを、少しずつ手探りしている。

阪神淡路大震災のその後を描いた『カラカラ』では、登場人物たちが海というものに惹かれている。
海へのあこがれを持っている。
「津波」の脅威を思い知ることになる東日本大震災との落差、ズレに、私は時に涙し、複雑な思いを禁じ得ない。
私たちは、自然の大きな営みの前では、ただただ運命を生きているに過ぎないのだから。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


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深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


http://rinkogun.com/wangansen.html
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核兵器禁止条約。まずは戦争に使わないことから。

2017-07-09 | Weblog
国連本部で7日に採択された、核兵器禁止条約の全文。

共同通信さん、ごめんなさい。
核保有国や日本政府は署名していないこの条文が、公開され流布されることが公益に適うと思うし、
▽第20条(真正の文面)「本条約はアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の文面が等しく真正である。」に、「日本語」が入っていないことを恥ずかしく思うので、
あえてここに転載させていただきます。

一人でも多くの人にこれを読んでほしい。
そして、日本政府が署名できない理由を想像してみよう。

先月27日、日本政府の高見沢将林軍縮会議代表部大使は、交渉には核軍縮での協力が不可欠な核兵器保有国が加わっておらず、日本が「建設的かつ誠実に参加することは困難」と述べ今後の会議への不参加を表明。
岸田文雄外相も28日午前、東京で「我が国の主張を満たすものではないことが明らかになった。日本の考えを述べたうえで今後この交渉に参加しないことにした」。

高見沢大使は核兵器とミサイル開発を続ける北朝鮮に触れ、「禁止条約で脅威は解決できない」「現実の安全保障を踏まえずに核軍縮は進められない」と主張しているが、では、彼はかの国と核戦争をしたいのだろうか? あるいは、核戦争をする構えを見せる国に味方したいのだろうか。
「核保有国抜きの禁止条約は実効性がない」と決めつけず、本気の外交努力をしたのだろうか。
この核兵器禁止条約のことを「核兵器国と非核兵器国、さらには非核兵器国間の分裂を広げる」「核なき世界という共通目標を遠ざける」とするが、核拡散防止条約(NPT)強化や核実験全面禁止条約(CTBT)早期発効を求めるなら、この核兵器禁止条約がそのために適したステップであると考えないのか。
「唯一の被爆国」が「核の傘」を肯定してどうするのだ。
未曾有の原発事故も起こしたこの国が、世界に示すべき態度とは、何か。

⋯⋯⋯⋯

写真は、インドネシア・ラマレラの路上に置かれたバイク用燃料。これを置いた目の前の民家の人から買ってタンクに注ぎ、また走る。日中は電気が通じていないこの場所では電気自動車は夢のまた夢。エネルギーの適材適所を考えないとそのツケはいつか来る。

核兵器禁止条約は原子力の平和利用や研究を妨げるものではない。
まずは戦争に使わないことから。
軍事利用しなければ研究の速度は落ちていくだろう。
だがそれは、あって然るべき「道理」なのだ。



 【前文】

 本条約の締約国は、国連憲章の目的と原則の実現に貢献することを決意。

 核兵器の使用によって引き起こされる破局的な人道上の結末を深く懸念し、そのような兵器全廃の重大な必要性を認識、全廃こそがいかなる状況においても核兵器が二度と使われないことを保証する唯一の方法である。

 偶発や誤算あるいは意図に基づく核兵器の爆発を含め、核兵器が存在し続けることで生じる危険性に留意。これらの危険性は全人類の安全保障に関わり、全ての国が核兵器の使用防止に向けた責任を共有していることを強調。

 核兵器の破局的な結果には十分に対処できない上、国境を越え、人類の生存や環境、社会経済の開発、地球規模の経済、食料安全保障および現在と将来世代の健康に対する深刻な関連性を示し、ならびに電離放射能の結果を含めた母体や少女に対する不釣り合いな影響を認識。

 核軍縮ならびに核兵器なき世界の実現および維持の緊急性に対する倫理的責務を認識し、これは国家および集団的な安全保障の利益にかなう最高次元での地球規模の公共の利益である。

 核兵器の使用による被害者(ヒバクシャ)ならびに核兵器の実験によって影響を受けた人々に引き起こされる受け入れがたい苦痛と危害に留意。

 核兵器に関わる活動で先住民に対する不釣り合いに大きな影響を認識。

 全ての国は国際人道法や国際人権法を含め、適用される国際法を常に順守する必要性があることを再確認。

 国際人道法の原則や規則を基礎とし、とりわけ武装紛争の当事者が戦時において取り得る方法や手段の権利は無制限ではないという原則、区別の規則、無差別攻撃の禁止、均衡の規則、攻撃の予防措置、過度な負傷や不要な苦痛を引き起こす兵器使用の禁止、自然保護の規則。

 いかなる核兵器の使用も武力紛争に適用される国際法の規則、とりわけ人道法の原則と規則に反していることを考慮。

 いかなる核兵器の使用も人間性の原則や公共の良心の指図に反することを考慮。

 各国は国連憲章に基づき、国際関係においていかなる国の領土の一体性や政治的独立、あるいはその他の国連の目的にそぐわない形での武力による威嚇や使用を抑制すべき点を想起し、さらに国際平和と安全の確立と維持は世界の人的、経済的資源を極力軍備に回さないことで促進される点を想起。

 1946年1月24日に採択された国連総会の最初の決議ならびに核兵器の廃棄を求めるその後の決議を想起。

 核軍縮の遅い歩みに加え、軍事や安全保障上の概念や教義、政策における核兵器への継続的依存、ならびに核兵器の生産や維持、現代化の計画に対する経済的、人的資源の浪費を懸念。

 核兵器について後戻りせず、検証可能で透明性のある廃棄を含め、核兵器の法的拘束力を持った禁止は核兵器なき世界の実現と維持に向けて重要な貢献となる点を認識し、その実現に向けて行動することを決意。

 厳密かつ効果的な国際管理の下、総合的かつ完全な軍縮に向けた効果的な進展の実現を視野に行動することを決意。

 厳密かつ効果的な国際管理の下での核軍縮のための交渉を誠実に追求し、結論を出す義務があることを再確認。

 核軍縮と不拡散体制の礎石である核拡散防止条約の完全かつ効果的な履行は国際平和と安全を促進する上で極めて重要な役割を有する点を再確認。

 核軍縮と不拡散体制の核心的要素として、包括的核実験禁止条約とその検証体制の不可欠な重要性を再確認。

 国際的に認知されている非核地帯は関係する国々の間における自由な取り決めを基に創設され、地球規模および地域の平和と安全を強化している点、ならびに核不拡散体制を強化し、さらに核軍縮の目標実現に向け貢献している点を再確認。

 本条約は、締約諸国が一切の差別なく平和目的での核エネルギーの研究と生産、使用を進めるという譲れない権利に悪影響を及ぼすとは解釈されないことを強調。

 平等かつ完全で効果的な女性と男性双方の参加は持続性ある平和と安全の促進・達成の重要な要素であり、核軍縮における女性の効果的な参加の支持と強化に取り組むことを再確認。

 あらゆる側面における平和と軍縮教育、ならびに現代および将来世代における核兵器の危険性と結果を認知する重要性を認識し、さらに本条約の原則と規範の普及に向けて取り組む。

 核兵器廃絶への呼び掛けでも明らかなように人間性の原則の推進における公共の良心の役割を強調し、国連や赤十字国際委員会、その他の国際・地域の機構、非政府組織、宗教指導者、国会議員、学界ならびにヒバクシャによる目標達成への努力を認識。

 以下のように合意。

 【本文】

 第1条(禁止)

 一、締約国はいかなる状況においても以下を実施しない。

 (a)核兵器あるいはその他の核爆発装置の開発、実験、製造、生産、あるいは獲得、保有、貯蔵。

 (b)直接、間接を問わず核兵器およびその他の核爆発装置の移譲、あるいはそうした兵器の管理の移譲。

 (c)直接、間接を問わず、核兵器あるいはその他の核爆発装置、もしくはそれらの管理の移譲受け入れ。

 (d)核兵器もしくはその他の核爆発装置の使用、あるいは使用するとの威嚇。

 (e)本条約で締約国に禁じている活動に関与するため、誰かを支援、奨励、勧誘すること。

 (f)本条約で締約国に禁じている活動に関与するため、誰かに支援を要請し、受け入れること。

 (g)領内あるいは管轄・支配が及ぶ場所において、核兵器やその他の核爆発装置の配備、導入、展開の容認。

 ▽第2条(申告)

 一、締約各国は本条約が発効してから30日以内に国連事務総長に対し以下の申告を提出。

 (a)本条約の発効前に核兵器あるいは核爆発装置を所有、保有、管理していたかどうかや、核兵器計画については核兵器関連の全ての施設を廃棄もしくは後戻りしない形で転換したかどうかを含めた廃棄の申告。

 (b)第1条(a)にもかかわらず、核兵器もしくは核爆発装置を所有、保有、管理していたかどうかの申告。

 (c)第1条(g)にもかかわらず、領内やその他の管轄・支配している場所において、他国が所有、保有、管理する核兵器やその他の核爆発装置があるかどうかの申告。

 二、国連事務総長は受領した全ての申告を締約諸国に送付。

 ▽第3条(保障措置)

 一、第4条の一項、二項に当てはまらない各締約国は最低限でも、将来採択される可能性がある追加の関連文書にかかわらず、本条約が発効した段階で国際原子力機関の保障措置上の義務を守る。

 二、第4条の一項、二項に当てはまらず、国際原子力機関と包括的保障措置協定を締結していない締約国は、包括的保障措置協定について合意し、発効させる。協定の交渉はその締約国について本条約が発効してから180日以内に開始。協定はその締約国の本条約発効から18カ月以内に発効。それゆえ各締約国は将来において採択される可能性がある追加の関連文書にかかわらず、義務を守る。

 ▽第4条(核兵器の全廃に向けて)

 一、2017年7月7日以降に核兵器もしくは核爆発装置を所有、保有、管理し、また本条約の発効前に全ての核兵器関連施設の廃棄もしくは後戻りしない形での転換を含め核兵器計画を廃棄した締約国は、核兵器計画が後戻りしない形で廃棄されたことを検証する目的のため、第4条の六項で指定する法的権限のある国際機関と協力。その機関は締約諸国に報告。そうした締約国は申告済みの核物質が平和的な核活動から転用されていないことやその国全体で未申告の核物質・核活動がないことについて信頼に足る確証を与えるため、国際原子力機関と保障措置協定を締結。協定の交渉はその締約国について本条約が発効してから180日以内に開始。協定はその締約国の本条約発効から18カ月以内に発効。それゆえ各締約国は将来において採択される可能性がある追加の関連文書にかかわらず、これら保障措置の義務を守る。

 二、第1条(a)にもかかわらず、核兵器やその他の核爆発装置を所有、保有、管理する締約国は、それらを直ちに核兵器システムの稼働状態から取り外し、破壊する。これは、全ての核兵器関連施設の廃棄もしくは後戻りしない形での転換を含め、検証可能かつ後戻りしない形での核兵器計画廃棄のため、法的拘束力があり時間を区切った計画に沿ってできるだけ速やかに、ただ締約諸国の最初の会議で決めた締め切りより遅れてはいけない。その締約国は本条約がその国で発効してから60日以内に、本計画を締約諸国や締約諸国が指定した法的権限のある国際機関に提出。本計画は法的権限のある国際機関と協議される。国際機関は手続き規則に従って承認を得るため、その後の締約国会議か再検討会議かいずれか早い方に本計画を提出。

 三、上記二項に当てはまる締約国は、申告済みの核物質が平和的な核活動から転用されていないことやその国全体で未申告の核物質・核活動がないことについて信頼に足る確証を与えるため、国際原子力機関と保障措置協定を締結。協定の交渉は二項で言及した本計画の履行が完了する日までに開始。協定は交渉開始から18カ月以内に発効。それゆえ締約国は最低限、将来において採択される可能性がある追加の関連文書にかかわらず、これら保障措置の義務を守る。三項で言及された協定の発効後、その締約国は国連事務総長に第4条での義務を遂行したとの申告を提出。

 四、第1条(b)(g)にもかかわらず、領内やその他の管轄・支配している場所において、他国が所有、保有、管理する核兵器やその他の核爆発装置がある締約国は、それら兵器についてできるだけ速やかに、ただ締約国の最初の会議で決めた締め切りより遅れることなく、迅速な撤去を確実にする。そうした兵器と爆発装置の撤去に関し、締約国は国連事務総長に第4条の義務を遂行したとの申告を提出。

 五、第4条が当てはまる締約国は、第4条での義務履行を遂行するまで、締約国会議と再検討会議に進展状況の報告書を提出。

 六、締約諸国は核兵器計画の後戻りしない形での廃棄のための交渉と検証のため、法的権限のある国際機関を指定。検証には第4条の一項、二項、三項に従って、全ての核兵器関連施設の廃棄や後戻りしない形での転換を含む。第4条の一項、二項が当てはまる締約国に対する本条約の発効前に上記の指定が済んでいない場合、国連事務総長は必要な決定のため締約国の特別な会議を開催。

 ▽第5条(国家の履行)

 一、締約国は本条約の義務履行のために必要な措置を導入する。

 二、締約各国は、個人またはその管轄・支配にある区域で行われる本条約の禁止行為を防止し抑制するため、刑事罰の強制を含め、全ての適切な法律上、行政上あるいはそれ以外の措置を導入。

 ▽第6条(被害者支援と環境改善)

 一、締約各国は、核兵器の使用や実験に伴って悪影響を受けた管轄下の個人に関し、国際人道・人権法に従って、医療ケアやリハビリ、心理的な支援を含め、年齢や性別に適した支援を十分に提供。社会的、経済的な面についても同様。

 二、締約国は管轄・支配下の地域が核兵器の実験や使用に関連する活動の結果、汚染された場合、汚染地域の環境改善に向け必要かつ適当な措置を受け取る。

 三、上記一項、二項の義務は国際法や2国間の取り決めの下で負う他の国の責務や義務には関係しない。

 ▽第7条(国際協力と支援)

 一、締約各国は本条約の履行を促進するため、他の締約国と協力。

 二、本条約の義務を履行するに当たり、締約各国は他の締約国から、それが実行可能なら支援を求め、受け取る権利がある。

 三、それが可能な締約国は、本条約の履行促進のため、核兵器の使用や実験で悪影響を受けた締約国に技術的、物質的、財政的な支援を与える。

 四、それが可能な締約国は核兵器その他の爆発装置の使用と実験に伴う被害者に対する支援を与える。

 五、第7条の下での支援は、とりわけ国連機構、国際あるいは地域、各国の機構や機関、非政府の機構や機関、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、各国の赤十字・赤新月社、または2国間の枠組みで提供される。

 六、国際法でのその他の責務や義務にかかわりなく、核兵器やその他の核爆発装置を使用、実験した締約国は、被害者の支援と環境改善の目的のため、被害に遭った締約国に十分な支援を提供する責任を有する。

 ▽第8条(締約国会議)

 一、締約国は、関連の規定に従い本条約の適用や履行、核軍縮のさらなる措置において、検討や必要であれば決定のため、定期的に会合する。これには以下を含む。

 (a)本条約の履行と締約の状況。

 (b)本条約の追加議定書を含め、核兵器計画の検証可能で時間を区切った後戻りしない廃棄のための措置。

 (c)本条約に準拠し、一致したその他の事項。

 二、最初の締約国会議は本条約が発効してから1年以内に国連事務総長によって開かれる。その後の締約国会議は、締約諸国による別の合意がない限り、国連事務総長によって2年ごとに開かれる。締約国会議は最初の会議で手続き規則を採択。採択までの間は、核兵器を禁止するため法的拘束力のある文書を交渉する国連会議における手続き規則を適用。

 三、特別な締約国会議は必要と見なされる場合、締約国全体の少なくとも3分の1の支持がある締約国の書面要請に基づき、国連事務総長が開催する。

 四、本条約が発効して5年の時点で、締約国会議は本条約の運用および本条約の目的達成の進展状況を再検討するため会議を開く。国連事務総長は、締約諸国による別の同意がない限り、その後の同じ目的のための再検討会議を6年ごと開催。

 五、本条約の非締約国ならびに国連システムの関連機関、その他の関連国際機構と機関、地域機構、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟、関連の非政府組織は締約国会議や再検討会議にオブザーバーとして招待される。

 ▽第9条(費用)

 一、締約国会議と再検討会議、特別会議の費用は、適宜調整した国連の分担率に従い、締約国および会議にオブザーバーとして参加する非締約国によって負担する。

 二、本条約の第2条の下での申告、第4条の下での報告、第10条の下での改正の通知のために国連事務総長が負う費用は適宜調整した国連分担率に応じて締約国が負う。

 三、第4条の下で求められる検証措置の履行や、核兵器その他の核爆発装置の廃棄、さらに全ての核兵器関連施設の廃棄と転換を含めた核兵器計画の廃棄にかかる費用は、当該の締約国が負う。

 ▽第10条(改正)

 一、締約国は本条約の発効後いつでも改正を提案できる。国連事務総長は提案文書の通知を受け、全締約国に配布し、提案を検討するかどうかの見解を求める。仮に締約国の多数が、提案の配布から90日以内に国連事務総長に対し、提案のさらなる検討を支持する旨を示せば、提案は次に開かれる締約国会議か再検討会議のいずれか早い方で検討される。

 二、締約国会議と再検討会議は締約国の3分の2の多数が賛成票を投じることで採択される改正に合意する。寄託者は採択された改正を全ての締約国に通知する。

 三、改正は、改正事項の批准文書を寄託したそれぞれの締約国に対し、採択時点での締約国の過半数が批准文書を寄託してから90日後に発効する。その他の締約国は改正の批准文書の寄託から90日後の段階で発効する。

 ▽第11条(紛争解決)

 一、本条約の解釈や適用に関し締約国の2カ国間以上で紛争が生じた場合、関係国は交渉や、国連憲章33条に従って締約国の選択によるその他の平和的な手段を通じ、紛争を解決するために協議。

 二、締約国会議は紛争の解決に向け貢献できる。本条約や国連憲章の関連規定に従い、あっせんの提示、関係国が選択する解決に向けた手続きの開始要請や、合意手続きの期限設定の勧告を含む。

 ▽第12条(普遍性)

 締約国は本条約の非締約国に対し、全ての国の普遍的な支持という目標に向け条約の批准、受諾、承認、加盟を促す。

 ▽第13条(署名)

 本条約はニューヨークの国連本部で2017年9月20日、全ての国の署名を受け付ける。

 ▽第14条(批准、受諾、承認、加盟)

 本条約は署名国による批准、受諾、承認を必要とする。本条約は加盟を受け付ける。

 ▽第15条(発効)

 一、本条約は50カ国が批准、受諾、承認、加盟の文書を寄託してから90日後に発効する。

 二、50カ国の寄託が終わった後に批准、受諾、承認、加盟の文書を寄託した国については、その国の寄託から90日後に本条約が発効する。

 ▽第16条(留保)

 本条約の条文は留保を受け付けない。

 ▽第17条(期間と脱退)

 一、本条約は無期限。

 二、締約各国は本条約に関連した事項が最高度の国益を損なうような特別の事態が発生したと判断した場合、国家主権を行使しながら、本条約脱退の権利を有する。寄託者に対し脱退を通告する。上記の通告には最高度の国益が脅かされると見なす特別な事態に関する声明を含める。

 三、上記の脱退は寄託者が通告を受け取ってから12カ月後にのみ効力を発する。しかしながら仮に12カ月の満了時点で、脱退しようとしている国が武力紛争に関わっている場合、その締約国は武力紛争が終結するまで、本条約および付属議定書の義務を負う。

 ▽第18条(別の合意との関係)

 本条約の履行は本条約と一致した義務であれば、締約国が加わる既存の国際合意に関して取る義務に影響を与えない。

 ▽第19条(寄託者)

 国連事務総長は本条約の寄託者である。

 ▽第20条(真正の文面)

 本条約はアラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語の文面が等しく真正である。
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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』開幕。本日は同作品のアダルト版リーディング。

2017-07-09 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』。開幕。
本日は同作品のアダルト版をアフター・リーディング。午後2時開演。

写真は、「男体盛り」。出し惜しみしません。ネタばれ、気にしません。はい。戯曲通りです。
左から、杉山英之、宗像祥子、橘麦。お皿になって寿司を盛られているのは、東谷英人。撮影・姫田蘭。

そして終演後には、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演。
本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。

本篇は1時間20分ですが、リーディングは1時間程度を予定しています。

配役は以下の通りです。

ヨシオ 杉山英之 リーディングでは鴨川てんし
ヒデキ 東谷英人 リーディングでは猪熊恒和
カツユキ 荻野貴継 リーディングでは川中健次郎
マサコ 橘麦 リーディングでは都築香弥子
ナオミ 高野ゆらこ リーディングでは円城寺あや
セイコ 和田光沙 リーディングでは中山マリ
ゴロウ 武山尚史 リーディングでは山村秀勝
トモミ 宗像祥子 リーディングでは樋尾麻衣子、11日(火)16日(日)のリーディングでは小野寺ずる
ヒデミ 田中結佳 リーディングでは大島葉子
ミキ 高木愛香 リーディングでは中瀬良衣
ト書き リーディングでは和田光沙

   


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』本日初日。そして『四季一会 春の章・夏の章』ショート・リーディング。

2017-07-08 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』。二日間のプレビューを経て、いよいよ本日初日。午後2時開演。

写真は、ファーストシーン。出し惜しみしません。ネタばれ、気にしません。実際に劇場で観ていただく甲斐のあるものをやっているからです。撮影・姫田蘭。
左、東谷英人。右、杉山英之。奥、橘麦。

終演後にはショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』を上演します。約25分。

出演 都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣

『四季一会』は、1997年から2003年まで、Kiss FM KOBEのストリーミング番組「STORY FOR TWO」に書き下ろされた5分足らずのラジオドラマ用の掌編を集めたものです。2002年桃園会第22回公演に深津演出で上演した際『四季一会』と総合タイトルをつけたので、桃園会の劇団内では個別の作品に関わらず掌編の総称として呼んでいるそうです。
本日はその「春の章・夏の章」だけをリーディングします。「秋の章・冬の章」はまた後日上演します。他の作品も日替わりでリーディングします。詳細情報は後の方に載っています。お楽しみに。


『四季一会』が舞台として上演されたのは、2002年、桃園会の第22回公演。会場は、カラビアンカ。
パンフ挨拶文に、深津さんは以下のように記されています。


『のたり、のたり、/四季一会』

年中芝居をやっているとつい季節感を忘れがちになる。夏の終わりに稽古を始めて旅公演の終わりは冬なんて事になって、秋はどこに行ったのってはめになる。寒さ暑さは肌で分かるが微妙な季節の変わり目なんてのは、難しい。ま、大体は一杯飲み屋のアテでそれと分かる。今頃だと、そろそろおでんも終わりやねとか、その程度のレベルだが、これが結構大事なのだ。アテに気を使ってお酒を楽しめるのは、心に余裕のある証拠。春は菜の花、新じゃがに新キャベツ。
芝居がハネた後の一杯はまた格別である。
(桃園会第二十二回公演/作·演出=深津篤史)


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


さて、以下は、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』プレビュー開幕

2017-07-07 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、プレビュー開幕。

私としては戦略的に稽古場を作ったのであるが、プレビュー初日の方向性を見る限りそれは功を奏しているように思う。
若い出演者たちがこの劇の空間そのものを「自分たちの場所だ」と認識してくれることが何より大切だと考えている。

プレビュー初日、劇の終わりの暗転の中、あらためて深津さんに合掌した。ごく自然にそうした。

写真は、舞台稽古。(撮影・姫田蘭)
「前説」のゴロウ(武山尚史)とアシスタント(中瀬良衣)。
ゴロウ役は武山尚史・山村秀勝のダブルキャスト。プレビューでは昨日が山村秀勝、本日が武山尚史。
中瀬良衣は当劇団の今年の大型新人。
出演の二人だけをトリミングして使おうかと思ったが姫田蘭カメラマンのフレーミングを尊重するというか、「手前の二人が写っているから面白いのに」の彼の一言で、このまま載せます。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
以下は、当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。



二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』上演にあたって

2017-07-06 | Weblog
『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、いよいよ本日、プレビュー初日。

以下は、当日パンフレットに載せている文章である。
「ネタばれ」といえば「ネタばれ」であるが、まあ「その先」を実際の舞台でお見せするわけだし、今回の上演の根幹について記した演出ノートであるので、構わないだろう。
関心のある方はぜひ読んでください。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


二十年前。「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査でこの戯曲に出会ったさい感じたのは、どうしようもない連中の、でもけっこうまともな青春群像劇だということである。今回の稽古過程で、その印象が立体的になってきて、一人一人の役柄に実体が与えられ、それぞれの存在を互いに感じる「リアル」が充実すればするほど、彼らのコミュニティの「外の世界」に対する謎めいた緊張感が増し、まさにその部分にこの戯曲の根っこがあるということに気づかされた。

深津篤史という劇作家の中で、阪神・淡路大震災が大きなトラウマとなっていることは、よく指摘されている。震災で彼の芦屋市の実家が全壊、家族は無事だったが、仮設住宅に住むことになる。深津は自分だけ京都の下宿にいて難を逃れたことにその後ずっと後ろめたさを抱きつづけていたという。
彼は同時に、自分が抱えるその「偽善的な罪の意識」を疑い、また、報道によって伝えられるステレオタイプな震災イメージへの憤りを隠さなかった。

『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』は、深津さんの作品の中で、代表作の一つとして扱われたことはないと思う。
ただ、私は20年前に読んだときの印象が強いこともあってか、その後接することになる他の深津作品よりも、自分に近しいものを感じていた。
難しいし、わかりにくいが、登場人物たちの行動は具体的である。少しずつ、実際にやってみることで、理解していくしかない。
ある夜、稽古が終わって後、しばらく残って、この芝居についてあれこれ話していた時、あらためてある直観が迫ってきて、ちょっと、ぞぞっとした。どうやらこの感覚をこれからの指針にしないといけないな、と思った。

どういう直観かといえば、それは、端的にいえば、この劇の登場人物たちが、みんな死者かもしれない、ということである。
彼らは、この街を出ていけない。
「私は帰る」と言っても、どこにも帰れない。
いなくなるときは、ただ消えるだけだ。
震災で多くの鉄道の線路や高速道路の架橋は破壊され、じっさいに崩れた駅の高架もある。そこで下敷きになった人たちがいるとしたら、と、私たちは考える。
彼らが目撃する高架下に横たわる死体らしきものは、革靴を履いているから男なのか、あえて革靴を履いた女なのか、わからない。性別不明。年齢も特定できず、顔も見えない。
おそらくその「死体」の一部分だけを見ながら皆が想像するのは、「あれは、ひょっとしたら自分自身かもしれない」という、震えを伴う実感である。自分自身が死んでいるという認識を忌避し続ければ、それは逆に、一種の謎や予感のようなものとして、潜在意識の中に留まっているのかもしれない。
じっさいにあの地震が起きたのは、午前5時46分52秒である。
この劇が月曜日から金曜日まで五日間、その午前四時からの一時間数十分を描いているのは、死者たちが「有り得たかもしれない、最後にそこにいた時間」を繰り返し体験しているのを、我々観客がたまたま目撃しているとも考えられる。
劇中に登場する「幽霊電車」とは、言うまでもなく、死者を乗せた電車であり、その音を聴くことは、実は自分たちがこうしてここにいるのは本当ではないという、認めがたい事実が、彼らに迫ってきていることのメタファーなのである。

二度にわたるオーディションワークショップを経て参加しているメンバーを含め、出演者たちは、それぞれ気合いが入っている。全員が自分の代表作になるはずだと思っている。はずである。
簡単に結論は出さない。彼らとともに、作者・深津篤史の、「夢の中」に入っていきたいと思う。それは、今もここにあるのだから。


………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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写真は稽古場。3場。
左より、田中結佳、和田光沙、宗像祥子。
なんだか稽古場の日々がずいぶん昔のことのような気がする。
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SF映画ではありません

2017-07-05 | Weblog
アメリカのSF映画『メッセージ』に出てくる巨大な黒い四角い物体、そこに四角い穴が開いているのだが、これを見て、「なんだ、俺が『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』のセットで考えているプランのパクリじゃないか!」と思った。
そう、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』には、黒い四角い物体が出てくる。SFかもしれないよ、と私が稽古場で俳優陣に言っていたのが本気かどうかは、秘密である。

アメリカのSF映画『メッセージ』よりも私の方が先です。シンクロニシティかもしれないが私は真似していない。
『メッセージ』の連中がタイムスリップして私たちのセットプランを盗んだのではないかと思う。

いよいよ明日、プレビュー初日である。

………………………………


深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。



10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)


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深津篤史代表作の一つ『カラカラ』もリーディングします。 〈深津演劇祭〉参加 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、終演後特別企画。

2017-07-04 | Weblog
深津篤史の代表作『カラカラ』もリーディングします。
〈深津演劇祭〉参加 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、毎日終演後に行われる特別企画の一つ。

12日(水)19:00 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分

出演は、鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継

関西出身の女優・大島葉子さんも登場。関西弁の役である。
本公演『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』では杉山英之・東谷英人が相手役(!?)を務めるが、大島葉子さんは燐光群公演『8分間』(※写真 左から、東谷英人・大島葉子・杉山英之)・『お召し列車』で、彼らの相手役を演じている。

小野寺ずるの演ずる「少女」、円城寺あやの「学生」も、お楽しみに。

既に二度稽古をしたが、この難解なはずの戯曲に込められた思いを、少しずつ手探りしている。

阪神淡路大震災のその後を描いた『カラカラ』では、登場人物たちが海というものに惹かれている。
海へのあこがれを持っている。
「津波」の脅威を思い知ることになる東日本大震災との落差、ズレに、私は時に涙し、複雑な思いを禁じ得ない。
私たちは、自然の大きな営みの前では、ただただ運命を生きているに過ぎないのだから。


⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


〈深津演劇祭〉参加 『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』、終演後特別企画の詳細は、以下の通りです。

深津作品リーディング、アフタートーク等を行います。
プレビューと最後の三日間以外は毎回、何らかのイベントが開催されます。

本編の上演時間は、1時間20分を予定しております。
意外と短いのです。

10日(月)19:00 の回のアフタートークゲストに、土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)さんに加えて、関西演劇界の大先輩、小堀純(編集者)さんが登壇して下さることになりました。
13日(木)19:00 の回のアフタートークゲストは、深津さんを演出家として新国立劇場に招いた宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)さんです。
そして、深津作品リーディングの出演者が決定しました!

スペシャルゲスト=
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる HiRO

本公演に出演しない燐光群劇団員(中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 樋尾麻衣子 秋定史枝)に加え、
本公演出演者も一部出演します。(和田光沙 荻野貴継 高野ゆらこ 武山尚史 山村秀勝 中瀬良衣)

ショート・リーディング上演作品は、 『四季一会』『カラカラ 改訂版』『月灯の瞬き』『夜毎の鳩』。

そして、『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン上演は、本篇と同じ作品を、アダルトメンバーの出演でお送りします。
【終演後の特別企画! 氏名は出演者】 それぞれの回で、終演後にそのままご覧頂けます。リーディング前に若干の休憩あり。

8日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 春の章・夏の章』 約25分
都築香弥子 秋定史枝 荻野貴継 山村秀勝 中瀬良衣
9日(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和  樋尾麻衣子 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
10日(月)19:00 【 T 】 アフタートーク
土田英生(劇作家・演出家 MONO代表)・小堀純(編集者)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
11日(火)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 山村秀勝 中瀬良衣 和田光沙
12日(水)19:00 【 R 】 ショート・リーディング 『カラカラ 改訂版』 約20分
鴨川てんし 円城寺あや 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 猪熊恒和 荻野貴継
13日(木)19:00 【 T 】 アフタートーク
宮田慶子(演出家 新国立劇場演劇芸術監督)+坂手洋二(劇作家・演出家 燐光群主宰)
14日(金)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『月灯の瞬き』 約25分
都築香弥子 円城寺あや 鴨川てんし 猪熊恒和 和田光沙
15日(土)14:00 【 R 】 ショート・リーディング『夜毎の鳩』 約35分
円城寺あや 都築香弥子 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和
15日(土)19:00 【 R 】 ショート・リーディング『四季一会 秋の章・冬の章』 約25分
HiRO 小野寺ずる 秋定史枝 高野ゆらこ 武山尚史
16(日)14:00 【 S 】 スペシャル・リーディング『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョン 約60分
円城寺あや 都築香弥子 大島葉子 小野寺ずる 中山マリ 鴨川てんし 川中健次郎 猪熊恒和 武山尚史 中瀬良衣 和田光沙


P(プレビュー) 7月6日(木)・7日(金)→受付終了しました。
全席自由・一律2,500円・人数限定・劇団予約のみ扱い。
スペシャル・リーディングありの、9日(日)・11日(火)・16日(日)は、一般前売4,000円 ペア前売7,400円 当日4,300円
スペシャル・リーディングなしの回 一般前売3,500円 ペア前売6,400円 当日3,800円
U-25(25歳以下)/大学・専門学校生前売2,000円 高校生以下前売1,000円

受付開始○開演の40分前 開場○開演の20分前
開演直前・直後は(一時的に)ご入場を制限させて頂く場合がございます。
未就学児のご入場はご遠慮下さい。

■ ショート・リーディングとアフタートークは、別の回をご覧になる方でも、そのチケットをお持ちか、予約されていれば、ご入場頂けます。
■ スペシャル・リーディングも、同条件でさらに500円を当日劇場でお支払い頂ければ、ご覧頂けます。



《タイムテーブル》
7月
6日(木)19:00 プレビュー
7日(金)19:00 プレビュー
8日(土)14:00 【 R 】
9日(日)14:00 【 S 】
10日(月)19:00 アフタートーク
11日(火)14:00 【 S 】
12日(水)19:00 【 R 】
13日(木)19:00 アフタートーク
14日(金)19:00 【 R 】
15日(土)14:00 【 R 】/19:00【 R 】
16日(日)14:00 【 S 】
17日(月祝)14:00
18日(火)19:00
19日(水)14:00

特別企画で、【S】【R】の付く日は、終演後にリーディング公演があります^_^(出演者は本公演とは異なります。)
【 S 】 スペシャル・リーディング
9日(日)11日(火)16日(日)
いずれも『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』アダルト・バージョンとなります。
*他の回と料金が異なります。
【 R 】 ショートリーディング
8日(土)12日(水)14日(金)15日(土)

………………………………



深津篤史作・坂手洋二演出『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』

「深津演劇祭」参加。

7/6(木)〜19(水)ザ・スズナリ。


○出演者

杉山英之 東谷英人 荻野貴継 橘麦 高野ゆらこ
武山尚史 山村秀勝 宗像祥子 田中結佳
和田光沙 高木愛香 中瀬良衣

照明○竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響○島猛(ステージオフィス)
舞台監督○森下紀彦
美術○じょん万次郎
衣裳○小林巨和
演出助手○村野玲子
文芸助手○清水弥生 久保志乃ぶ
衣裳協力○ぴんくぱんだー・卯月
イラスト○山田賢一
宣伝意匠○高崎勝也
制作○古元道広 近藤順子

深津篤史は、「桃園会」を主宰。関西演劇の耽美・不条理派の中軸を担う劇作家・演出家として活躍。
『うちやまつり』で第42回岸田國士戯曲賞を受賞、『動員挿話』等で読売演劇大賞優秀演出家賞受賞するなど高い評価を得ながら、2014年に46歳で亡くなる。

深津演劇祭は、2016年9月から2018年3月まで、10を越える団体により、深津戯曲を上演するフェスティバル。関西を中心に開催される。
燐光群は本作によって、東京から唯一、参加する。

深津氏との出会いを、振り返る。
1997年、深津篤史は燐光群のアトリエである梅ヶ丘BOXにて、中国のノーベル文学賞作家・高行健作『逃亡』を演出(龍の会・世界初演)。これが深津の東京デビューであり、他者の戯曲に取り組む初めての体験であった。
その直後、坂手洋二は「劇作家協会新人戯曲賞」の二次審査で深津作『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土日除ク)』に出会い、「こんなけったいなもの書く奴は他におらん」と言いつつ、強く推す。
1998年、深津は燐光群アトリエ公演『ロウチ氏の死と復活』(トマス・キルロイ作)のチラシを見て、山田賢一によるイラストに惚れ込む。橋渡しされ、以後、山田が桃園会・深津作品の宣材のイラストを描くようになる。
1999年、燐光群主催による梅ヶ丘BOX「ウィークエンドワークショップ」講師を、深津が務める。
2004年、開館した精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾る。
2006年、桃園会の江口恵美が、燐光群『スタッフ・ハプンズ』『チェックポイント黒点島』に出演。


タイムテーブル等はこちらをご覧ください。



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「八重干瀬の珊瑚礁の定点観測プロジェクト」を応援してください

2017-07-04 | Weblog
顔の見えない相手からの署名のお願いやクラウドファンティングの報せは、どうも抵抗があるという皆さん。
このプロジェクトの起案者・芦川剛志さんは、宮古島のカメラマンにして海人。ナイスガイです。記事中の男前の写真はおそらく一昔前のものですが、実物はもっと男前です。
私は昨年からの知り合いですが、今年1月の石嶺香織市議選挙応援のさいには、何日かご一緒でき、その誠実な人柄に触れることが出来ました。宮城康博氏と芦川さんと私の応援ヒゲトリオが並ぶと、「白雪姫(石嶺)と三人のヒゲおじさん」と呼ばれていました。

「八重干瀬は赤土や陸の汚染物質が直接影響を受けにくい距離と環境にあり、人工物がほとんど無い大自然そのものです。このプロジェクトを立ち上げて、八重干瀬の珊瑚礁を写真で記録、データベース化し、皆さまに自然のサイクルを伝え、八重干瀬の偉大さ、貴重さ、大切さを知ってほしいと思います。皆様の支援、協力をよろしくお願い申し上げます。」

とのことです。

シェア、支援、よろしくお願い致します。
サンゴ研究者の知人いましたら、紹介してください。

添付写真の説明です。【2017年5月23日サグナナガビジにて撮影。隣のキジャカのリーフの珊瑚の多くは死んでいるのですが、ここのリーフはほとんど白化していない、不思議です。】

https://a-port.asahi.com/projects/yabiji/


以下、「八重干瀬の珊瑚礁の定点観測プロジェクト」本文です。

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯


このプロジェクトについて
沖縄・宮古島の北にある日本最大級の珊瑚礁群「八重干瀬」
池間島の方言で「やびじ」と言われるこのサンゴ礁は近年、白化現象が深刻な問題になっています。八重干瀬の状態を記録に残し、Web上で「八重干瀬珊瑚図鑑」を作るための費用の一部を募ります。



■宮古島に広がる美しい珊瑚礁群「八重干瀬」

初めまして、芦川剛志と申します。2001年より、八重干瀬にてシュノーケリングガイドを始め、2004年から八重干瀬の写真撮影を始めました。
八重干瀬は、周囲約25㎞、大小100以上の環礁からなる日本最大級の珊瑚礁群です。色とりどりの珊瑚礁には熱帯魚が群がり、一部の方々からは「日本のグレートバリアリーフ」とも呼ばれています。2013年に国の天然記念物にも指定されました。


八重干瀬では近年、珊瑚礁の白化現象が深刻な問題となっています。
2016年は宮古島近海の台風の発生が極端に少なくなり、海水温が30度を超える日が長く続いたため、私自身も珊瑚礁の大規模な白化現象を目の当たりにしました。環境省は、2017年2月28日、宮古島周辺の珊瑚礁の69%が白化し、31%が回復されずに死滅したとの現地調査を発表しました。これは1998年に起きた白化を上回る最大規模の被害です。

白化原因は大きく分けて3種類あります。①海の高水温が原因のもの②「ホワイトシンドローム」サンゴの感染症の一種と呼ばれるもの③オニヒトデ等の食害です。

①は海水温の条件次第で回復すると言われていますが、②は一度感染してしまうと壊死して、回復することが出来ません。③のオニヒトデ等の食害対策方法は確立していません。白化した珊瑚礁は再生するのか?それとも再生不可能なのか? それは今のところ分かりません。八重干瀬の広大な珊瑚礁を細かく観察、撮影して、写真に残し更に毎年同じ場所を定点観測して、10年後どうなっているのか?次の世代に残したいと思います。


■珊瑚の白化が及ぼす環境問題

珊瑚の白化が進むと海の生態系が大きく変わるだけではなく、私たちの生活にも影響が出てきます。

●珊瑚礁がなくなると、珊瑚礁に生息する魚たちが死滅する可能性がある!
 珊瑚礁に生息する魚は、卵として海の中を漂い、稚魚になって珊瑚礁に戻ってきます。珊瑚礁が壊滅したり、珊瑚の白化により珊瑚礁の構成が変わってしまったりすると、稚魚が珊瑚礁に戻ることが困難になってしまいます。珊瑚礁とその周辺に生息する魚たちは約4000種類、これは多くの漁業従事者の生計源になっており、私たちの栄養源にもなっています。

●地球温暖化の抑止が出来なくなる。
 珊瑚と共生している褐虫藻(植物性プランクトン)は光合成をして、酸素を供給しています。陸上の熱帯雨林と同じように、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素濃度をコントロールしているのです。
 このほかにも天然の防波堤としての役割を果たせなったり、他の生物に何らかの影響を及ぼすことが考えられます。私たちの環境を守る上で欠かせない珊瑚のために、何ができるのか考えていく必要があります。


■八重干瀬の定点観測プロジェクト

私は2004年から12年間、八重干瀬の写真を撮り続けてきました。しかし、ただ単に綺麗な写真ばかりでは八重干瀬の偉大さが伝わらないのではないか? 死んだ状態の珊瑚が何年もかけて再生する姿、美しかった珊瑚が死んでゆく姿の記録を残さなければ、私は後悔すると思うようになりました。定点観測は、今後の八重干瀬の環境保全のため、また後継者育成のために、どうしても必要です。皆さまに是非、私の撮影した写真を通し、八重干瀬の大自然の美しさ、偉大さ、貴重さを感じ取ってほしいと思います。
 
 プロジェクトでは、広大な八重干瀬の中から120箇所の定点観測する場所を決めました。2017年6月から1年間、30回の航海で120箇所を撮影し、記録する予定です。撮影日時や場所、珊瑚の名前などは、データベース化してインターネットで公表します。2016年以前の写真は120カ所の観測地と必ずしも一致しませんが、同じポイントで撮影した写真を使用し、今回のプロジェクトで撮影する写真との比較が出来るようにまとめたいと思います。

珊瑚の成長には時間がかかりますので、今後10年間を目標に120カ所での撮影を続け、状態の変化を記録に残していきます。十数年後に「八重干瀬大図鑑」を完成させるのが私の夢です。きっと八重干瀬を案内するダイビング業者や、サンゴの研究者等のお役に立てると思います。

オニヒトデの定点観測では、オニヒトデは全ての珊瑚を食べつくさないという事がわかりましたが、写真のテーブル珊瑚は、2010年に全て死滅していました。ホワイトシンドロームの可能性もあると思います。

120箇所の定点観測をすれば、珊瑚の分布、被度がわかります。
「被度」とは、サンゴが海底面を覆っている割合(%)です。
詳しくは、https://goo.gl/Wlr3Lt 「サンゴプラホ」より

※珊瑚の白化について、詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
サンゴの白化について 鹿児島県 水産試験場 生物部 主任研究員 佐々木謙介氏
造礁サンゴの白化に伴う大規模斃死 
高い海水温でも「白化しないサンゴ」

■資金の使い道について

プロジェクトを行うにはかなりの費用が掛かりますが、自己所有の船舶を利用し、撮影・データ管理などを自分で行うことでなるべく少額に抑えます。1回の撮影にかかる費用は2万円(内訳:燃料代5000円(平均)、撮影代8000円、データ管理7000円)を見込んでおり、今回はデータベースの基礎となる2017年7月から1年間分の支援を募ります。

1 撮影時の船舶の燃料代等、船舶の維持管理費等の経費15万円
2 撮影時の経費 (予備のデジタルカメラ、バッテリー、メモリーカード等の機材費用、撮影等の人件費)25万円
3 撮影後の経費 (データベース化、写真文章等、データ管理、アップロード等の作業費用等の人件費)20万円
4 その他雑費 20万円

■リターンについて

八重干瀬の美しさを感じていただけるリターンを用意しました。

・「八重干瀬ポストカード」(12枚組)
 2005年制作で残り50部、現在は販売していません。
とても貴重なコレクター商品だと思います。

・八重干瀬のクリアファイル
 八重干瀬の地図と水中風景の2種類あります。

・A3サイズのデジタルオリジナルプリント
 デジタルプリントは芦川剛志がプリントします。8色インクのプリンター使用。写真は支援者に選んで頂きたいと思っていますが、私にお任せでもかまいません。
 リクエストでも良いです。たとえば、ウミガメの写真でお任せします、など。
 Facebook秘密のグループ「八重干瀬の珊瑚を定点観測する会」に掲載した写真の中から選んでください。
現在非公開です。支援して頂いた方は御招待させて頂きます。希望の写真が決まりましたら、
tuyosi@ace.ocn.ne.jp(◎を@に変えてください。)までメールして下さい。

・八重干瀬撮影同行ツアー招待券
天候が良ければの条件付ですが、八重干瀬の中でも遠い場所に撮影しに行く予定です。
サンゴの状態の良し悪しは、行ってみなければわかりませんが、貴重な体験が出来ると思います。
シュノーケリングが問題無く出来る人に限定です。友人等にプレゼントすることも可能です。
サンゴの研究者の参加も大歓迎です。1日限定2名様までになります。
日程などはEメール等で相談して決めましょう。
池間島までの旅費交通費は自己負担になります。ご了承願います。

■想定されるリスク

船舶のエンジン等が万が一壊れてしまったり、悪天候が長く続いたりした場合は、120箇所の撮影が遅れることも想定されます。宮古島、沖縄南西諸島全域での有事災害等が起きてしまった場合は島外へ避難しなければならないので、このプロジェクト自体が出来なくなることも想定されます。変更の詳細はA-portプロジェクトページ内にある活動報告にて、逐次報告いたします。
 リターンの撮影同行ツアーの日程はご希望に添えるように致しますが、悪天候の場合、日程変更の相談をさせていただくことがあります。宮古島在住者の場合は、ツアー前日にお知らせする事もあります。

■私がこのプロジェクトにかける思い

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。
八重干瀬は赤土や陸の汚染物質が直接影響を受けにくい距離と環境にあり、人工物がほとんど無い大自然そのものです。
このプロジェクトを立ち上げて、八重干瀬の珊瑚礁を写真で記録、データベース化し、皆さまに自然のサイクルを伝え、
八重干瀬の偉大さ、貴重さ、大切さを知ってほしいと思います。
皆様の支援、協力をよろしくお願い申し上げます。
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劇作家協会 戯曲セミナー「研修課」研修生募集のお知らせ

2017-07-03 | Weblog
劇作家協会戯曲セミナーの上級コースとして設けられている「研修課」、今年も研修生を募集します。

参加費は無料です。

私も講師です。
参加した皆さんはいろいろ活躍しています。
時に個人講座もありますが、ゼミは談論風発、賑やかにやっています。

以下、公式情報です。

──────────────────

次代を担う劇作家を育成するためのプロジェクト 
「研修課」研修生募集

「研修課」は極めて実践的な講座です。
実績のある新進劇作家を対象として、マンツーマンや少人数のゼミ形式で創作指導を行ない、将来の演劇界を牽引しうる劇作家の育成を目指します。
専門的な指導を望む、新進劇作家の方々のご応募をお待ちしております。


《概要》

   開講期間
    2017年8月から2018年3月までの8ヶ月間を予定

   講師
    坂手洋二
    佃 典彦
    松田正隆
    横内謙介
    **上記のうちいずれかひとりを選択

   受講料
    無料

   選抜方法
    代表作(戯曲)などを添えて応募書類を送付のこと
    指導講師の指名により決定


《指導について》

・講師によって指導のスタイルは様々です。戯曲の個別講評、現場での実践的な指導、合評会などが行なわれてきました。
・戯曲セミナーとは異なり、指導の曜日や頻度は決まっていません。個別指導の場合は、講師と研修生の都合によって指導日が決められます。
・2016年度の研修課には、劇作家協会新人戯曲賞の受賞者や最終候補者を中心に、18名が在籍しました。


《応募方法》

   応募条件
   研修課には下記の応募条件がありますのでご注意ください
   条件に合致しない方の応募については審査をいたしません

1. 劇作家協会新人戯曲賞の最終候補に残った実績がある者
2. 他の戯曲賞の佳作以上の入賞実績がある者
3. 劇作家協会の戯曲セミナー受講生などで特に優秀と認められた者 (講師から推薦の指名を受けた者)

上記いずれかの条件に合致する者

   応募方法
    下記の書類を添え、郵送でお申込みください

   1. 氏名(ペンネームの方は本名も)、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、年齢、性別
   2. 受賞歴を含む経歴
   3. なぜこの講座を受講したいか(志望動機) → 800字程度
   4. 代表作(戯曲)1本 → あらすじ添付のこと
   5. 希望講師名 → 坂手洋二、佃典彦、松田正隆、横内謙介のうちの一人
   **坂手/横内/松田講師の指導は、東京都内かその近郊で行なわれます。
    佃講師の指導は、名古屋かその近郊で行なわれます。
    それに出席可能な方のみご応募ください(交通費は研修生の自己負担です)。
   **応募書類は返却致しませんのでご注意ください。

   応募締切
    2017年7月14日(金)

   応募書類の郵送先・お問合せ
    〒166-0002
    杉並区高円寺北2-29-14-501
    TEL:03-5373-6923
    日本劇作家協会 研修課係 宛

文化庁委託事業「平成29年度 次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」

主催:文化庁/一般社団法人日本劇作家協会
制作:一般社団法人日本劇作家協会

http://www.jpwa.org/main/activity/masterscourse


写真は、ヤルタのチェーホフ最後の住居に、彼自身が作った、日本庭園。
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「反安倍行動」を呼びかける「こんな人たち」を、「共謀」していると見なしますか?

2017-07-02 | Weblog
報道によれば、安倍晋三首相は1日、JR秋葉原駅前で、最初で最後の都議選(2日投開票)の街頭応援演説を行った。
演説会場には「安倍辞めろ!」「安倍たおせ」「安倍政治を許さない」「国民をなめるな」「臨時国会をいますぐ開け」などと書かれた横断幕が掲げられ、これを覆い隠すように自民党ののぼりが密集。対抗する自民党関係者が「自民党青年局」と書かれた旗を林立させて、プラカードなどを見えなくしようとした。
日の丸の小旗を振る自民支持者と、プラカードを掲げ首相到着前から「安倍辞めろ」と連呼する集団が入り乱れ、騒然。森友学園の籠池泰典前理事長も姿を見せマスコミに「100万円返金したい」とデモンストレーション、混乱に拍車をかけたそうだ。
「一部の人たちが演説を邪魔する」と不機嫌な石原伸晃議員に続いて、安倍首相が登壇。すると聴衆から「帰れ」「帰れ」復唱のコールが巻き起こった。やがてコールは「安倍辞めろ!」の大合唱に。安倍総理は早口で何かを喋り続けるも、ほぼ聞き取れず、「人の演説を邪魔するような行為を自民党は絶対にしない」と反発。「国会開け!」という市民の「正論」に顔を背け、「安倍辞めろ」コールが沸き起こる正面には目線を向けず、ついに安倍総理は有権者である市民・聴衆に向かって指さし、「憎悪からは何も生まれない。こういう人たちに私たちは負けるわけにはいかない」と苛立ちを露わにした。

NHKのニュースでは、安倍総理へのブーイング、帰れコールは消されていたという。応援演説で、候補ではなく総理本人が市民から非難を受け、挑発し返した顛末は、報じるべき社会現象ではないのだろうか。

現場には『永続敗戦論』の白井聡・京都精華大学講師もいたという。
「帰れ」の一団は、どうやら「安倍晋三辞めろ隊」(?)というTwitterで「反安倍行動」を呼びかける動きに呼応して集まったと見る向きもある。ただそれだけではあの人数の「帰れ」コールになったかどうか、わからない。最初は十人程度だったのが膨れ上がったという意見も聞く。そこにいる全員が組織されていたとは限らない気がする。

猪瀬直樹はTwitterで、「テレビで見たけれど、あの「安倍辞めろ」コールはプラカードなどから、共産党の組織的な行動ですね。ところがふつうの視聴者には、「辞めろ」はあたかも都民の声と聞こえてしまう。そこが安倍首相・自民党がおかれた逆風の厳しさだね。」と呟いている。リベラルな言動を見れば「共産党」と決めつけるのがこの人の限界だろう。
護憲派の演説が改憲派の市民から妨害されるおそれもあるから「応援演説への抗議」は賛成できないという意見もあるらしいが、組織されずとも自然と声を上げた人たちがいたのは、間違いがない。

そして、安倍首相のいう「こんな人たち」とは、どんな人たちのことだろう。時の権力を非難するということで、市民=有権者のことを「こんな人たち」と言うのだろうか。少なくとも民主主義の中で首相の立場にある者なら、自分が非難されるだけのことを繰り返しているからそういう声が上がるのではないかと疑うことは必要だろう。

さて、この秋葉原でのことについて、Twitterで「反安倍行動」を呼びかける動きがあったらしいことにあらためて注目したい。
安倍政権はなぜ「新共謀罪」を急いだか。
まさにこのような「Twitterで「反安倍行動」を呼びかける動き」を「事前に」取り締まることが目的だったかもしれない。
では、「Twitterで「反安倍行動」を呼びかける動き」は、「共謀罪」が適応された場合、何に該当するのか。

【テロの実行に関する犯罪=110】
 (刑法)内乱等ほう助▽騒乱▽現住建造物等放火▽非現住建造物等放火▽建造物等以外放火▽激発物破裂▽現住建造物等浸害▽非現住建造物等浸害▽往来危険▽汽車転覆等▽水道汚染▽水道毒物等混入▽水道損壊及び閉塞(へいそく)▽傷害▽未成年者略取及び誘拐▽営利目的等略取及び誘拐▽所在国外移送目的略取及び誘拐▽被略取者等所在国外移送▽営利拐取等ほう助目的被拐取者収受▽営利被拐取者収受▽身代金被拐取者収受等▽電子計算機損壊等業務妨害▽強盗
以上のうちの「騒乱」に当たるかもしれない。

(組織犯罪処罰法)組織的な封印等破棄▽組織的な強制執行妨害目的財産損壊等▽組織的な強制執行行為妨害等▽組織的な強制執行関係売却妨害▽組織的な常習賭博▽組織的な賭博場開帳等図利▽組織的な信用毀損(きそん)・業務妨害▽組織的な詐欺▽組織的な恐喝▽不法収益等による法人等の事業経営の支配を目的とする行為▽犯罪収益等隠匿
以上のうちの「組織的な信用毀損・業務妨害」を目的として集合をかけた、となるかもしれない。

(組織犯罪処罰法)組織的な殺人▽組織的な逮捕監禁▽組織的な強要▽組織的な身代金目的略取等▽組織的な威力業務妨害▽組織的な建造物等損壊
というのもある。
例えばこのうちの「組織的な威力業務妨害」。沖縄の反基地闘争でブロックを動かしたり、ゲートの有刺鉄線を切る行為は「組織的な建造物等損壊」になるのかもしれない。

誰かが「反安倍行動」を呼びかけるTwitterを既読にしただけで、その人は「共謀」の片割れになるのだろうか。友達に転送したり、拡散したら?
仮に、誰かが「反安倍行動」を呼びかけるTwitterを既読にしていたとして、たまたまその時、秋葉原に通りかかり、素直にそう思うので「国会開け!」「安倍政治を許さない」と言ったとすると、「共謀」の事実があったことにされてしまうのだろうか。
既に、そういうことを怖れて「自粛」を考え始めている人たちがいる。
表現の自由の抑圧は進んでいるし、「あの秋葉原が「最後の自由」だったね」などという事態になっては、かなわない。
考えすぎと言うだろうか。「そんなに時代が変わるはずがない」と思われるだろうか。いやいやもうとんでもなく変わってしまっている。今声をあげずにいつあげるというのだ。

「新共謀罪」は、あと十日で施行されるのである。
「もしも」があるなら、専門家諸氏に、対応策をご教示願いたいと思う。


※写真は、燐光群『ときはなたれて』

2004年、精華小劇場の[オープニング事業]を、桃園会『熱帯夜/うちやまつり』と燐光群『ときはなたれて』の連続公演で飾った。いま、桃園会の深津さんの作品『湾岸線浜浦駅高架下4:00A.M.(土、日除ク)』(http://rinkogun.com/wangansen.html)をやっているためだろう、なぜか時々思い出す。

この写真の芝居は記事とは直接の関係はないわけだが、「共謀罪」と聞くと「冤罪」という言葉が脳裏を駆け巡る。これは再審で冤罪を晴らすことが出来たアメリカの死刑囚たちが自らの心の傷を語る劇だった。冤罪を被らされたまま死んでいった者も多くいるはずで、重い芝居だった。

作=ジェシカ・ブランク&エリック・ジェンセン by Jessica Blank and Erik Jensen
訳=常田景子 演出=坂手洋二

冤罪によって死刑判決を受け、苦難の末に解放された「元死刑囚」たち……。
アメリカ全土で深い感動と、死刑制度廃止に向かうムーブメントに支えられ、社会現象といえる大きな反響を巻き起こした話題作。
かつて死刑囚として刑務所に収容されていた経験をもつ40人の人々と、その家族へのインタビューをもとに、幾度かのリーディングを経て、練り上げられた。
2002年にティム・ロビンスの「シアター・ギャング」(L.A.)で初演された後、同年10月から2004年3月までオフ・ブロードウェイにて約1年半に及ぶロングランとなり、リチャード・ドゥレイフィス、ブルック・シールズ、ロバート・ヴォーンら、多彩な俳優たちが出演している。
また、2003年アウター・クリティックス・サークル賞〈最優秀オフ・ブロードウェイ作品賞〉をはじめとする、数々の賞を受賞。
……『ララミー・プロジェクト』『CVR チャーリー・ビクター・ロミオ』に続いて、燐光群が上演する、アメリカ演劇最新作。

<東京>2004年10月1日(金)〜11月2日(火) 梅ヶ丘BOX
<名古屋>11月5日(金)~8日(月)七ツ寺共同スタジオ
<大阪>11月11日(木)~14日(日)精華小劇場[オープニング事業]
コメント (2)
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