Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

空気が読めていない

2011-04-15 | Weblog
被災地からの話。子供たちの心のケアだかコミュニケーションなんたらか名目は知らないが、こんな時期に「ネットワークづくりをしたい」と現地巡りしている関係者がいるそうだ。今なお確定死亡者よりも行方不明者の方が多い。地元の皆さんにどういう受け取り方をされるか考えてみないのだろうか。わざわざ括弧付きで取り出して教わるのではなく、衣食住のことを真剣にやる中でも、コミュニケーションは切実に身についてゆくだろう。阪神大震災の後、兵庫県立ピッコロ劇団の方々による被災地での活動は有名だが、演劇が演劇の形をして届けられる以前に、まず現地の当事者として多くの交流があったと聞く。……まだまだ停電している家もある被災地、瓦礫だらけだった道が片付けられ、ガソリンも手に入るようになったと思ったら、日々大渋滞という。こんな時に「早ければ1か月以内にマグニチュード8級の巨大地震が再来する可能性が高い、仙台には10メートルの津波」という記事を出した読売新聞。本当なのか?……16日、大阪・御堂筋でも大々的な反原発デモ予定という。
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見えないものを相手に

2011-04-14 | Weblog
チャリティー朗読、終える。劇団新人も、座高円寺・劇場創造アカデミー有志も加わる。久しぶりの渋谷の街は、地震も原発も気配としては感じられなかった。……しかしネットで放射能値を確認する日が来るとは。文部科学省が、毎日データを発表(http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303723.htm)。東京は雨が降るとセシウム、ヨウ素とも数値が何十倍かに上がる(http://atmc.jp/ame/)。……福島の農漁業の人たちを思う。育てた野菜や捕った魚を思うようにできない場所で生きていかなければならないのは、辛いことだ。ほんとうになんとかならないのか。
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レベル5と7の違い

2011-04-13 | Weblog
菅首相、まだ「東京電力に指示」などと言っている。なぜ自ら「国家としてきちんと対応している」と言えるようにしないのか。……13日15:30からのトーキョーワンダーサイトでの緊急チャリティー朗読、明け方にテキスト完成。各所への連絡も後手に回る。ばたばたの進行。稽古も当日本番前だけ。25名に増えた出演者。燐光群以外のゲストは吉村直・円城寺あや・関谷春子・小林あや・洪明花・木下祐子、加えて、初顔合わせの若い人たちも。……気仙沼や牡鹿のいまだ孤立状態の方々の情報、新たに。避難所の境遇もそれぞれの場所を比べてみれば「格差」があるという。「援助しやすいところだけ援助していていいのか」と問われれば、もちろん誰だってそんなつもりはないはずだろうけれど。情報とノウハウの中継が明確でないということか。……福島第一原発から70km地点にある宮城・えずこホールで二兎社『シングルマザーズ』公演を終えバス移動中の永井愛さんと電話で話す。思いきった無料公演、電車が通っていないのに800席が超満員。こんな時に人が集まることじたいが大事だ、という手応えを聞く。……「レベル7」宣言が放射能関係で新情報(bad news)が出てくる前触れでないことを祈る。祈るけれど台本も書く。
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チャリティ展覧会で朗読

2011-04-12 | Weblog
また揺れる。本棚の上に横積みした、てっぺん十冊ぶんだけ崩れる。……堤未果さんの新著「もうひとつの核なき世界」「社会の真実の見つけかた」届く。「We can choose our future」のサイン付き。確かに、「must」でなく「can」であるべきだ。「ウラン? ああ。こいつは劣化してるから問題ないさ」というイラク帰還兵上官の言葉に背筋が凍る。そしてアメリカの人たちは、<被爆国>だから日本は核に詳しいと思っていたらしい件。恥ずかしいことだ。……被災された人々が地域まるごと入れる震災被災者用避難所を東京に用意したい、しかし土地がない?という話。まずは皇居を開放しなさい。宮内省・皇室の財産は国庫へ返却、全て被災復興支援にあてよう。……Japan Art Donationにより、トーキョーワンダーサイトで4月14日まで行われている、東日本大震災復興支援チャリティ展覧会<Art for Tomorrow>。朗読企画で参加することなり、その構成台本づくりに追われる。谷川俊太郎さんが「みみをすます」の使用を快諾して下さる。感謝。私の担当は4月13日(水) 15:30-16:00 http://www.tokyo-ws.org/archive/2011/04/art-for-tomorrow.shtml
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東京都民、君らはもう死んでいる

2011-04-11 | Weblog
高円寺の反原発デモに一万五千人。もう一桁上にはならぬのか。みんな投票しただろな? ……石原四選。東京都民は死を選んだ。はい。さよなら。石原の言うように東京湾に原発を移してから死ぬがよろし。……晩飯の間に懐かしく観た12ch『男はつらいよ 望郷篇』。高度成長しつつも日本が保っていた相互意識、アジアの一員という自覚。それは失われた。なぜ多くの国民はコミュニケーションの方法を忘れたか。……この国の戦後史を見据える戯曲を書き進める。昼過ぎ、冒頭の大事な部分を渡す。これからも、少しずつ。負けられない。……広島県知事になる人も、2020年オリンピック誘致を諦めてはならぬ。人は弱いし、他人を傷つけたくない。自分が泥を被っても我慢すべきことはある。しかし、だからこそ、何かを抜本的に変えたい時、核心の場所で怯んではならぬ。……世界中の誰もやらなかったことを、やるはずではないのか? あなたと、私たちが。
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前へ前へ

2011-04-10 | Weblog
やることが多く、とくに大事なことがいよいよ差し迫って、追われ追われている。いろんな要件が次々と舞い込んでくる。どこにも出かけないで籠もっているはずなのに、取り巻く環境のステーション機能を果たす定め。逃げも隠れもできぬ。日本じゅう非常事態だが、違った意味で私も非常事態だ。しかしこの混乱の世に幸いにしておのれの活動する場を与えられているのだと考えれば、前を向いてゆくしかない。とにかく進む。いつでも初めての体験と思って新鮮にゆこう。石川遼にも松山英樹にも負けられぬ。
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仙台とパリ

2011-04-09 | Weblog
こんなにあちこち原発電源が停止するのでは、国民投票どころか、推進か反対かの論議じたい、成り立たない。やっと公開された3月12日データでわかるように、機能しなくなれば事故は必然。原発はやめる。選択肢なし。……仙台の知人と直後に連絡。やはりとんでもなく揺れたらしい。周囲の人たちと「阪神淡路大震災後にも26日めにドデカい余震がきた」ことについて話していた矢先という。……劇作家協会+座高円寺とも親しいパリのロンポワン劇場で4月11日に行われるチャリティーコンサート<津波と未来・・・>に出演するジェーン・バーキンさん、それまで待てずしびれを切らしたのか、4日間だけ来日。東京の揺れに驚いただろう。……11日コンサートの詳細。会場はロンポワン劇場内のホール、ルノー・バロー。20時開演。司会はジョン=ミシェル・リブ芸術監督。出演はバーキンさんの他、三宅純、カミーユ、サルバドール・アダモ、ザズ、サンセヴェリノ、ピエール・バルー、ニコル・クロワジーユ、フランシス・レイ、マイア・バルー、みやざきみえこ、野呂さちえ、シュブリーム、カラバン・パス、ギニョール、他。売上金は全て、赤十字と<国境なき子供>協会と共同で既に現地で活動している複数の組織団体に寄付される。料金は一般35ユーロ、支援金350ユーロ。(http://2010-2011.theatredurondpoint.fr/saison/fiche_evenement.cfm/109050-tsunami-et-demain.html)
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デマが飛んでも表現の自由がなくなるよりマシ

2011-04-08 | Weblog
総務省は東日本大震災に関連してインターネット上でデマが広がり被災地等における混乱を助長しているとして、「内容が法令や公序良俗に反する場合はサイト管理者が自主的に削除すること」を要請。「不確かな情報」と恣意的に判断されたら削除されても仕方がないというのか。「餓死続出の宮城県花山村」「次は近畿」「コスモ石油関係者が爆発による有害物質雨を警告」「うがい薬を飲め」はデマだったらしいが、そのリスクは「表現の自由」を脅かすほどのものではないはずだ。……終日、籠もる。京都から若い演劇人たちが訪ねてきたので、駅前の喫茶店で会うため外出しただけ。自文が掲載されている「世界」「悲劇喜劇」五月号、送られてくる。気持ちの入った紙面。言葉の重み。いま熟読している余裕はないが。これからのご時世、紙を使って本を出しつづけるということも、いよいよたいへんになってくるのではないか。……深夜に揺れる。宮城県に津波警報。誰もが真っ先に原発を心配する。
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世田谷区長選に保坂氏

2011-04-07 | Weblog
保坂展人氏が社民党を離党、無所属として世田谷区長選に立つと決意。午後2時から会見。保坂さんを支援する立場として、初めてこういう場に出た。ほんらい国政の立場で活動していた保坂さんだが、3月11日以降、考えを変えた。ねじれどころか混乱の極みの区長選だが、区民の安全と未来を考えるなら、どうするかということである。何故国政でなく区長に、という疑問には、フランスで上院議員だったドラノエ氏がパリ市長になってどれだけフランス全体の変化に貢献したかを考えていただければわかる。世田谷区が、世界に発信しうる内実を持ち、この国が変わるためのモデルケースとなるという理想。田中良杉並区長も応援を約束。杉並と世田谷が変われば、東京が変わり、この国が変わる。
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理屈が通っていない

2011-04-06 | Weblog
福島第1原発からの低濃度放射性物質を含む汚染水の海への放出は、事前に隣接国や県に是非を尋ねていない。容認を求めてもいない。非常事態だから構わない、仕方がない、何をしてもいいはず、という自分本位の考え方だと、日本の孤立はさらに早く進む。……で、原子炉建屋をシートで密閉するという案は、専門家が疑問視している。内部放射線量上昇で作業が困難になる上、内圧上昇で再爆発の危険もあるという。なのに政府はゼネコンにせがまれ800億円出してゴーサイン。……こんな現実を見過ごしてはいられない。
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東京にいる政治家と演劇人に何ができるか

2011-04-05 | Weblog
東京の官邸と霞が関で被災地支援の遠隔操作をしているのは歯がゆい。早い時期に東北の交通の要所である仙台に「災害対策現地本部」を設置し、緊急の予算と権能をつけて複数の関係閣僚を張りつかせて、陣頭指揮と省庁間の調整などをはかるべきではないか。……という保坂展人さんの主張は正しい(http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/206f796ba475934486bbcf0aa30ea25c)。与党離脱したとはいえ、社民党はなぜこういう党内の意見を重視しないのか。国政は、あらゆる意味で、今生きている人間の姿が見えていない。選挙をするなら、そこを最低限のハードルにすべきだし、各政党がきちんと自前の候補者を立てられない現実をシビアに受け取るべきだ。……マスコミが勝手に「大きくリード」と決めつける石原慎太郎を万が一当選させるようなことになれば、東京都民の恥だ。彼は「津波は天罰」「津波で我欲を洗い落とせ」を撤回していない。被災地の避難所で同じことを言えるのか。……じつは私は現在、仕事でダムのことをやっているのだが、原発もダムも「ここまで(工事・開発を)進めてきたのだから引き返せない」という考え方が、戦中の軍人と発想が一緒である。八ッ場ダムも東電が深く関わっている。ダム中止を受け入れれば東京都には利水事業費の負担分(下流域全体で1450億円)の一部が返ってくる。なのに石原都知事はダム中止案を蹴る。何のためか? 八ツ場ダム継続の場合の総事業予算4600億円の中には、ダム周辺に水力発電所を持つ東京電力への補償金数百億円が見込まれている。それをどう受け取りますか? 都民はこうした癒着に手を貸してはならない。……夜、座高円寺で今年度の企画の記者会見。佐藤信、斉藤憐、流山児祥、川村毅、松本修、木野花、生田萬、横内謙介、加納幸和、わかぎえふといった諸氏と。こんな時期にみんなで顔を合わせることは、ただそれだけでも大事だ。……しかし被災地、4月なのになんで雪が降ってるんだ。
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「空襲との違いは人が焼けていないだけだ」

2011-04-04 | Weblog
テレビで女川原発の映像を観るたび辛い気持ちになる。周りはほぼ崩壊しているのに原発だけ残っている皮肉。「高台に作れば原発は安全」という宣伝に使われてしまう。更に大きい津波が来たらどうなる。福島同様の事態になるのを辛うじて避けられただけではないか。「平常心」もだいじだが、「思考を停止させないこと」は、もっと大切だ。各国の原発用重機搬入の支援は、垂れ流し状態の放射能を長期展望では日本エリアに閉じ込めておきたいというビジョンに基づく。海に流出していたからこそ、これまで陸の放射能値が抑えられていた。さらに排出される放射能汚染物をどこに廃棄できるというのか。汚染濃度はただ同心円的に広がるのではなく、風向きや海流で決まる。どこに住んでいればいいのかと問われても、運を天に任せるだけだ。この辺りはもう高校生も理解している。「放射能が来る」という言い方を嫌うオトナの集団心理は、いつまで続くか。例の「AERA」表紙はガスマスクの写真より、コピーがいつもの駄洒落じゃなかったことが意外だったが。……被災地の知人と電話で話す。避難所はひどい状態で、わざわざ他県から来てくれた人にも、その暮らしの辛さ寒さは伝えられず、ただ物資を持ってきてくれても現実的ではないというケースも。百個のおにぎりを差し入れても「全員分ないとトラブルになる」として突き返されるケースもあり。……津波で助かったのに寒さで死んだ人もいる。津波に浸った地域は水が引かない、吸い上げてもらっているが間に合わない。かつて街だった場所が平地になっているため、よそから来た人にはもともと田んぼかと思われている。埋まっているはずの遺体がまだ出せない。出せない間はどんなに前向きにと言われても気持ち的にそうできない。下水がダメで、汚水が噴き出してきている。皆が手伝って農業を再開できるところもあるが、耕作地がダメになっているところも多い。とにかく情報がない。今の風景は「空襲との違いは人が焼けていないだけだ」と、高齢者の言。私たちが仙台公演をした『戦争と市民』の記憶が甦ると聞いた。テレビでリビアのニュースが流れると、戦下で逃げ惑っている人たちを見る眼が今までと違ってきている、ほんとうに複雑な気持ちになる、という。
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やはり海に漏れていた

2011-04-03 | Weblog
東京電力は2日、福島第一原子力発電所2号機の取水口付近で、放射線量の強い汚染水が海に流出していることを確認したと発表。流出源は、取水口の近くにある深さ約2メートルのコンクリート製の立て坑側面にあった約20センチの亀裂。電源ケーブル点検のため設けられたものだが、その中に、毎時1000ミリ・シーベルトの強い放射線を放つ汚染水がたまり、海に流出。東電はコンクリートでふさぎ、流出を食い止める方針。……菅首相は存在感を見せたいなら、真ん中の部分ですべきだ。そして大連立だかなんだか知らないが、政治の数あわせをいつまでやる気なのだろう。……一日机に向かっていたが、夜に重要な会議。未来を信ずればこそ。
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新たな孤立という、この国の未来

2011-04-02 | Weblog
海外のネット上に、放射能が日本からどう流出してゆくかのシュミレーションが山ほどある。地球規模の問題だと、外国はとっくにそう考えている。日本が早急な処理対策を果たさねばならないのは、国際的な責任である。夜のニュースでは、福島原発の当面の冷却処理完成に8年、安全確保に20年とか、先の長い数字。既に鈍感になっている日本人の溜息と、世界の厳しい目の温度差に、気づかねばなるまい。被災に同情してもらえるのは今のうちだけだ。……県議会選挙拒否の浦安市長の問題意識に千葉県知事は応えていない。選挙が本当に必要なら県が自ら動くべきだ。それができないなら選挙強行の判断と国家の仕組みそのものが間違っている。明瞭なことだ。
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『裏屋根裏』千秋楽

2011-04-01 | Weblog
『裏屋根裏』は千秋楽を迎えた。とにかく終えた。お客様も毎日平均して劇場を埋めてくださった。ありがたいことだ。いろいろとたいへんな面もあったが、上演してよかった。皆さんありがとう。韓国の二人はすぐ帰国する。私たちにも新しい日常が待っている。
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