
伊藤詩織監督が望月衣塑子記者への提訴と西廣弁護士への紛議調停を取り下げるという。
とりあえず、よかった。
しかし、今後、いろいろな人が納得できる説明が、できるのだろうか。
声明文で述べられている、伊藤監督ではなく、弁護団が主導した、ということであったにしても、それが全体の出来事の推移の言い訳になるとは思えない。
伊藤側弁護団は「望月氏の発信が事実に反することは明白」と言っている。これは著しく望月記者の名誉を損なうものではないか。映画に登場することを「同意していた人」もいたのかもしれないが、望月氏が指摘するように、「同意していない被写体」である人は、確実に存在していたのだ。
ともあれ、提訴問題が進行中である中で、伊藤監督の映画が順当に公開されるとは思われなかったので、とりあえず、映画の公開には近づいたのではないか。
伊藤側弁護団はもともと自己防衛的に、いろいろな指摘をする人に「上映を妨害する意図」があるという言い方をしていたが、そんな意図は誰にもなかったという印象がある。公開されるべきだと誰もが言い、それがこのままでは問題がある、だから困る、というその理由を指摘されていたのだということは、素直に理解できるはずなのだが。
伊藤側弁護団は「インターネットでは対立を煽る意見が散見され」というが、対立のきっかけを何度も重ねて作ったのが誰かは、明白だ。
西廣弁護士への紛議調停申立ては、同業者に対してということの意味はまた複雑なのだろうが、極めて悪意的で、西廣弁護士らが会見を重ねる以前に手を打っていなかったということが原因だということは、誰にも見えてしまうことなのである。
伊藤監督の映画が公開されるのは、当然そうあるべきことなので、そこには一歩進んだのである。
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