Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」の狂気

2016-07-09 | Weblog
自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」というものが発表されている。

「子供たちを戦場に送るな」と主張することが「中立性を逸脱した教育」なのだそうだ。
そして、隣組よろしく、「不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください」として、相互監視体勢を推奨している。

以下、その調査の呼びかけ文

党文部科学部会では学校教育における政治的中立性の徹底的な確保等を求める提言を取りまとめ、不偏不党の教育を求めているところですが、教育現場の中には「教育の政治的中立はありえない」、あるいは「子供たちを戦場に送るな」と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生方がいることも事実です。
学校現場における主権者教育が重要な意味を持つ中、偏向した教育が行われることで、生徒の多面的多角的な視点を失わせてしまう恐れがあり、高校等で行われる模擬投票等で意図的に政治色の強い偏向教育を行うことで、特定のイデオロギーに染まった結論が導き出されることをわが党は危惧しております。
そこで、この度、学校教育における政治的中立性についての実態調査を実施することといたしました。皆さまのご協力をお願いいたします。
※以下、政治的中立を逸脱するような不適切な事例を具体的(いつ、どこで、だれが、何を、どのように)に記入してください。

http://archive.is/FysFM#selection-109.1-115.64

(この内容のページは党のサイトから削除したようだが)

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産経新聞によれば、教職員の政治活動に罰則を与える自民の「特例法改正案」が秋の臨時国会にも提出されるという。
教育者の理念や子供たち生命・平和への希求を、国が「中立性を逸脱した教育」であるとして、裁こうとしているのだ。

自民党は五月、今夏の参院選から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられることを踏まえ、公立高校の教職員の政治活動を禁じる教育公務員特例法を改正し、罰則規定を設ける方針を固めた。早ければ今秋の臨時国会に改正案を提出している。同法は「政党または政治的目的のために、政治的行為をしてはならない」とする国家公務員法を準用する規定を定めているが、罰則がないため、事実上の「野放し状態」(同党幹部)と指摘されていたという。
改正案では、政治的行為の制限に違反した教職員に対し、「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」程度の罰則を科することを想定している。
また、私立学校でも政治的中立性を確保する必要があるとして私立校教職員への規制も検討する。これまで「国も自治体も、私立には口出ししない風潮があった」(同党文教関係議員)とされるが、高校生の場合は全国で約3割が私立に通学する実情があるとしている。
党幹部は「私立でも政治的中立性は厳格に守られなければならない」と指摘。小中学校で政治活動をした教職員に罰則を科す「義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法」を改正し、私立高の教職員にも罰則を適用する案が浮上している。
日本教職員組合(日教組)が組合内候補者を積極的に支援するなど選挙運動に関与してきた過去を踏まえ、組合の収支報告を義務付ける地方公務員法の改正についても検討するという。

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1969年、当時の文部省は学生運動の激化の中で、「高等学校における政治的教養と政治運動」と題する通達を出した。そこでは、未成年者が政治的活動をすることを、「教育上望ましくない」として禁止した。その後も一貫してこの方針は維持され、校内での反戦署名が禁止されたり、文化祭で原発を取り上げることも忌避される事態が報告されてきたことは私たちも知っている。
文科省は2015年10月に、選挙権年齢引き下げを受けてこの「69通達」を変更、校外の政治活動について解禁をすることになった、と一度は報道された。
ただし翌16年1月、事前に学校に対して政治活動に参加することを申告することを求める〈届出制〉については、「教育目的達成の観点から必要かつ合理的な制約を受ける」として容認するとの問答集を出したのだ。
十八歳選挙権の時代になっても、基本的な考え方には変更がない。

教員にも、生徒にも、「表現の自由」が与えられない。
「平和」を唱えることが「偏向」になるのは、おかしい。
憲法違反である。
こうした動きは、「憲法を現状に合わせる」という、自民党の強引なやり方の反映なのであろう。

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写真は、本文とはまったく無関係だが、ベトナムで結城座の皆さんが行った人形指導。正しい教育である。
コメント
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