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“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

紛争地域から生まれた演劇 シリーズ7 フィリピン特集に参加します

2015-11-09 | Weblog
紛争地域から生まれた演劇 シリーズ7 フィリピン特集に参加します

燐光群に俳優・劇作家として何度も参加しているロディ・ヴェラ(Rody Vera)の作品『イスマイルとイサベル Ismail at Isabel』(フィリピン)のリィーデング。
タガログ語からの翻訳はおなじみ珍田真弓さん。演出は立山ひろみ(ニグリノーダ)さんにお願いしました。そして、燐光群が『推進派』等でお世話になってきた、HiROさん(奄美シマ唄の会)の出演も決定。

その12月18日(金) 19時 の回には、アフタートーク「フィリピンの演劇を巡って」に、ロディと私が出ます。

同日13:00~15:30に行われる企画は、劇作家協会が、演劇人が海外のことをもっと知るために立ち上げた企画の第二弾でもあります。フィリピンに行ってみたい方、留学を考えている方のみならず、フィリピンともっと関わりたい皆さん、ぜひ参加してください。

国際演劇協会日本センター+日本劇作家協会連携企画のシアタートーク「日本とフィリピンの演劇交流」。
パネリストは、ロディ・ヴェラ、竹内一郎(劇作家・演出家)、佐野晶子(アーツカウンシル東京 シニア・プログラムオフィサー)

燐光群本体はツアー中。この日は名古屋で仕込み中と思いますので、劇団のみんなはロディとすれ違いで残念。
……………………

紛争地域から生まれた演劇 シリーズ7

リーディング&レクチャー
「演劇と世界―日本と世界の出会いをめぐって」
2015年12月16日(水)~20日(日)
東京芸術劇場アトリエウエスト(一部別会場)
【紛争地域から生まれた演劇シリーズ】
ユネスコ傘下のNGOである国際演劇協会(ITI=International Theatre Institute)では、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして、世界各地で「紛争地域の演劇」と題するプロジェクトが行われています。
日本センターでは、これに呼応するかたちで、『国際演劇年鑑』(Theatre Yearbook)の調査・研究事業の一環として2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズを実施しています。これまで7年にわたり、日本に知られていない優れた戯曲を発見・翻訳し、レクチャーやシンポジウム、リーディングという手法で、さまざまな国や地域の16作品を紹介してまいりました。
今年はナイジェリア、フィリピン、シリアより三作品をご紹介します。
国内外のゲストを迎えての関連企画もどうぞおたのしみに。



【リーディング】
◆12月16日(水) 19時 / 17日(木) 19時
『狂人と専門家 Madmen and Specialists』(ナイジェリア)
アフリカ初のノーベル文学賞劇作家の戯曲、本邦初訳初演。内戦時の投獄経験をもとにした不条理劇。
作:ウォレ・ショインカ (Wole Soyinka)
訳:粟飯原文子
演出:伊藤大(青年座)
音楽:和田啓
出演:横堀悦夫(青年座)、名取幸政(青年座)、松熊つる松(青年座)、水嶋カンナ(新宿梁山泊)、久松夕子(青年座)、山賀教弘(青年座)、カゴシマジロー(TRASHMASTERS)、荻野貴継(スタッフ・テン)、沖永正志(文化座)、青木和宣(文化座)



◆12月18日(金) 19時 / 12月19日(土) 13時
『イスマイルとイサベル Ismail at Isabel』(フィリピン)
※作家来日
ミンダナオ島で長年続く紛争を背景に、子どもたちが困難に立ち向かう姿を描いた音楽劇。
作:ロディ・ヴェラ(Rody Vera)
訳:珍田真弓
演出:立山ひろみ(ニグリノーダ)
演出助手:平田万里
出演:伊東沙保、HiRO(奄美シマ唄の会)、近藤隼、高橋牧(時々自動)、河内哲二郎、木村恵実香、岩澤侑生子、関根真理



◆12月19日(土) 19時 / 20日(日) 13時
『夕食の前に Qabl Al Aasha (Before Dinner)』(シリア)
闘争に幻滅した若い世代と親世代のギャップを母と息子の愛憎に満ちた対話劇で描く、1985年生まれの作家による作品。
作:ヤーセル・アブー=シャクラ
翻訳:鵜戸聡
演出;シライケイタ(温泉ドラゴン)
出演:伊藤弘子(流山児★事務所)、蓉崇(タップチップス企画)



●期間
2015年12月16日(水)~20日(日)
●会場
東京芸術劇場アトリエウエスト(一部別会場)
●料金
リーディング各回1500円(ITI会員1000円、高校生以下500円)
リーディング以外無料
●予約受付開始11月9日 
※ご予約は電話、FAX、メール、CoRichの予約サイトにて承ります。
予約サイト掲載まで今しばらくお待ちください。
●ご予約・お問合せ
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1 国立能楽堂内 
公益社団法人 国際演劇協会 日本センター
E-mail : ticket@iti-japan.or.jp
Tel : 03-3478-2189
Fax : 03-3478-7218



【スケジュール】
12月16日(水)
19:00 リーディング『狂人と専門家』
作:ウォレ・ショインカ
訳:粟飯原文子
演出:伊藤大(青年座)
終演後 シアタートーク① 「“紛争地域の演劇”を巡って」 
アリ・マフディ・ヌーリー大使(ユネスコ平和芸術家/スーダン)
12月17日(木)
19:00 リーディング『狂人と専門家』
終演後 シアタートーク② 「作品について」
粟飯原文子(アフリカ文学研究、法政大学教員)、伊藤大
12月18日(金)
13:00~15:30 シアタートーク③ 「日本とフィリピンの演劇交流」
パネリスト:ロディ・ヴェラ、竹内一郎(劇作家・演出家)、佐野晶子(アーツカウンシル東京 シニア・プログラムオフィサー)
会場:ギャラリー2(東京芸術劇場5F)
(国際演劇協会日本センター+日本劇作家協会連携企画)
19:00 リーディング『イスマイルとイサベル』
作:ロディ・ヴェラ
訳:珍田真弓
演出:立山ひろみ(ニグリノーダ)
終演後 シアタートーク④ 「フィリピンの演劇を巡って」 
ロディ・ヴェラ、坂手洋二(劇作家、演出家、日本劇作家協会会長) 
12月19日(土)
アリ・マフディ・ヌーリー大使によるワークショップ
「アフリカのフォーラム・シアター」 
(10:00~15:00、定員15名、会場要問合せ)
13:00 リーディング『イスマイルとイサベル』
終演後 シアタートーク⑤ 「作品について」 ロディ・ヴェラ
16:00~18:00 レクチャー&ディスカッション「“紛争地域の演劇”とアフリカのフォーラム・シアター」
講師:アリ・マフディ・ヌーリー大使(ユネスコ平和芸術家/スーダン)
会場:ギャラリー2(東京芸術劇場5F)
19:00  リーディング『夕食の前に』
作:ヤーセル・アブー=シャクラ
訳:鵜戸聡
演出:シライケイタ(温泉ドラゴン)
終演後 シアタートーク⑥「シリアの演劇を巡って」鵜戸聡(アラブ‐ベルベル文学・演劇研究、鹿児島大学准教授) 
12月20日(日)
13:00  リーディング『夕食の前に』
14:30 シアターカンファレンス「演劇と世界―日本と世界の出会いをめぐって」
パネリスト:新野守広(国際演劇評論家協会(AICT)日本センター会長、立教大学教授)、關智子(演劇研究・批評、日本学術振興会特別研究員・早稲田大学)、鵜戸聡、伊藤大、立山ひろみ、シライケイタ 
司会:七字英輔(演劇評論家)  
(国際演劇協会日本センター+国際演劇評論家協会(AICT)日本センター連携企画)
※シアタートーク(③を除く)司会進行/聞き手:林英樹(「紛争地域から生まれた演劇」総合プロデューサー)

☆ワークショップ、シアタートーク③、レクチャ―&ディスカッションは、無料でご参加いただけますが、必ず事前のお申込みが必要です。



【作品と作家について】

■『狂人と専門家 Madmen and Specialists』(ナイジェリア)
ウォレ・ショインカ(1934-)はナイジェリア出身の作家。1986年、アフリカ初となるノーベル文学賞を受賞。ナイジェリアとイギリスの大学で文学を学び、1950年代後半にはロンドンのロイヤル・コート劇場に勤務。このころより次々と戯曲作品を発表していく。『狂人と専門家』は、ナイジェリア内戦(ビアフラ戦争、1967-70年)の最中に投獄された経験をもとに書かれた作品。1970年、アメリカで初上演。戦争を遠景に、権力欲にのまれた医師を主人公に据え、人間性を奪う戦争の狂気を不条理劇の手法で描いている。「紛争地域から生まれた演劇6」での抜粋上演(出演:新井純)とレクチャーによる紹介を経て、今回の全編リーディングに至る。
ウォレ・ショインカ Wole Soyinka (劇作家、詩人、小説家、エッセイスト)
1986年、ノーベル文学賞受賞。これまで30をこえる作品が出版されており、国際的にさまざまな芸術活動や人権活動を行っている。ナイジェリアで生まれ、教育を受ける。英国リーズ大学で学んだのち、プレイ・リーダーとしてロンドンのロイヤル・コート・シアターに関わり、1960年、ナイジェリアに戻って2つの劇団「The 1960 Masks」と「オリシュン劇団 Orisun Theatre」を結成。『ライオンと宝石 The Lion and the Jewel』や 『ジェロ二部作 The JERO Plays』のような喜劇、A.ジャリの『ユビュ王』に基づく痛烈な風刺劇 『バアブ王 King Baabu』、難解かつ詩的な悲劇『死と王の先導者 Death and the King’s Horseman』等、さまざまなジャンルの戯曲を書く。
小説や自伝的作品も著しており『アケ 幼年時代 AKE: The Years of Childhood』は「幼年時代を描いた自伝の古典」と評されているほか、近作 You Must Set Forth at Dawn は2006年ノンフィクション部門の最高傑作と目されている。その他、2004年のBBCリース・レクチャーを書籍化したClimate of Fear、OF AFRICA (2013) など、エッセイも精力的に手がけている。最近の詩集にSAMARKAND and Other Markets I have Known
ナイジェリア、オバフェミ・アウォロウォ大学名誉教授(比較文学)、ブラック・マウンテン・インスティテュート、ネヴァダ大学、ハーバード大学フェロー。

■『イスマイルとイサベル Ismail at Isabel』(フィリピン) 
とある広場で、ミンダナオの遠い島からやって来た物乞いの子どもたちが語る故郷の物語。イスラム教徒とキリスト教徒がともに暮らす平和な村ダリガウェンはある日、政府と反政府勢力(MILF)の抗争に巻き込まれ、イスマイル(イスラム教徒)とイサベル(キリスト教徒)の友情が引き裂かれてしまう。フィリピンを代表する作家、ロディ・ヴェラは子どもたちが戦争と困難に立ち向かう姿を音楽やダンスなどを用いて描いた。PETA(フィリピン教育演劇協会)製作。
ロディ・ヴェラ Rody Vera
劇作家、俳優、演出家で映画脚本家。これまでにオリジナルと翻案と合わせて50作近くの戯曲を執筆し、カルロス・パランカ文学記念賞(Carlos Palanca Memorial Awards for Literature)をはじめとする各賞を受賞している。ライターズブロック (Writer’s Bloc) の代表を務めるほか、新しい舞台作品を紹介する演劇の祭典ヴァージン・ラブフェスト(Virgin Labfest) にも創立以来中心的に関わる。

■『夕食の前に Qabl Al Aasha (Before Dinner)』(シリア)
政治闘争の中で「殉教」した父の不在が母と息子を引き裂き、政治、社会への根深い不信が母子の間に激しい葛藤を生み出す。「過去・現在・未来と私たちの関係、戦争・愛・アイデンティティの問い、歴史とその文化的・文明的・人間的意味、存在とその意味をめぐる問い、こういった圧力の全体が、ある夜、若者とその母親の間に現出し、すべてを狂気の果てへと導いてゆく」(アブー=シャクラ)、作家は1985年ダマスカス生まれ、祖父はパレスチナからの難民。

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