A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記360 「もの派とポストもの派の展開」

2009-12-25 23:35:06 | 書物
タイトル:もの派とポストもの派の展開 1969年以降の日本の美術
監修:峯村敏明
編集:多摩美術大学―峯村敏明、東野芳明、森司
   西武美術館―森口陽、清水哲朗、荻原佐和子、岡しげみ、小林等
翻訳:アルフレッド・バーンバウム
制作:緑箱社
表紙デザイン:松永真
レイアウト:田淵裕一
発行:多摩美術大学、西武美術館
印刷:凸版印刷
発行日:1987年
内容:
東京・西武美術館において1987年6月26日(金)―7月19日(日)に開催された<もの派とポストもの派の展開 1969年以降の日本の美術>の図録。

「もの派とポストもの派の展開―関係者の随想」東野芳明
「もの派はどこまで越えられたか」峯村敏明
図版
関根伸夫
李禹煥
菅木志雄
小清水漸
吉田克朗
成田克彦
山中信夫
北辻良央
田窪恭治
諏訪直樹
戸谷成雄
海老塚耕一
川俣正
岡崎乾二郎
吉澤美香
平林薫
加茂博
深井隆
矢野美智子
遠藤利克
黒川弘毅
前本彰子
作品リスト
「もの派・再制作手控え」森口陽
主要参考文献
作家別文献
一般的文献
年表
同時代の発言
MONA-HA AND POST-MONO-HA DEVELOPMENTS: An On-The-Scene Commentary by Yoshiaki Tono
MEASURING UP TO THE MONO-HA―AND BEYOND by Toshiaki Minemura
MONO-HA: Insights on Re-production by Akira Moriguchi
(本書目次より)

頂いた日:2009年12月6日
頂いた場所:カタチカフェ
よく行くカフェのマスターよりお祝いに頂いた1冊。以前から欲しかった1冊だけに頂くことに恐縮してしまうが、たいへんうれしい。心よりありがとうございます。

まず本展はリアルタイムでは見ていない(当時8歳だから当たり前だ)。だが、学生の頃に授業で本展の話が出るたびに伝説的に語られる賛否両論の話から、カタログをずっと探し続けていた。峯村氏の文章及びもの派関連の展覧会図録としても本展図録は外せないという認識があった。
以前一度、三軒茶屋の古本屋に在庫があることをネットで確認して行ったところ、もう売れてしまったという答えが返ってきて、がく然としたこともある。なぜ、20年以上も前の展覧会図録がすぐ売れるんだよ!と居酒屋で叫んだこともしばしばである(嘘)。
そして、00年代も終わる12月。図録をあらためて見ると、まったく古びていない展覧会だということが分かる。それは作家の名前を見れば一目瞭然だろう。もし展覧会図録の復刻シリーズというのをやったら、確実に本展は入るに違いない。さらに本書の資料の充実さは特質に値する。

ところで、本展図録の図版ページ最後に位置する前本彰子以降の1987年~2007年までの作家を取り上げて展覧会を企画したらどんな内容の展覧会ができるだろうか。タイトルは「ポストもの派はどこまで越えられたか」。本展へのオマージュ展か続編ということになるが、20年という時間軸は物事を整理し、分析するにはいい時間だろう。