注文後5分ほどで素早くラーメンが出来上がった。おやじは、丼に、練った醤油スープの元を入れ、そこへ、やや澄んだ感じの暖かいスープ汁を注ぎ込むと、奥さんが手早くそれをかき回す。そして、湯がいた麺を放り込み、具材をトッピングするだけの調理方法なので5分もあれば充分だろう。出来上がるまでの間、おやじの、麺の湯切り動作を観察してみたら、完璧なフォームで湯切りを完結させていた。これぞプロの技である。佐渡の「食い処、ひきの」や「三代目ラーメン」さんにはその爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいの見事な湯切り動作であった。だから、麺とスープの絡まり具合は絶妙であった。醤油味のスープの表面には豚の背脂が浮かんでおり、それは魚介ベースで、これに豚骨スープを合体させたような感じだが、グルタミン酸の効かせ具合がやや強く、そして甘味が少々口に残る感じである。ラーメンの丼を置く台が菱形で、少々小洒落た感じだが、習志野某が言うところの「オサレー」などとは程遠い、所詮は場末のラーメン屋である。6千円のフランス料理のフルコースを食べに行く時と同じファッションの筆者は浮きまくりであった。具は、白ネギの細切りと青ネギのみじん切りに、メンマ、チャーシュー、煮卵、海苔である。チャーシューはとろけるように柔らかいが薄い!煮卵は中身が冷たく、半分齧っただけで残した。麺は中細で、その量はほど良かったが、「総じて可もなく不可もなしと言う感じで、行列してまで食べるラーメンにあらず!」が筆者の結論である。5年前に、この店のラーメンを激賞した、習志野某や、佐ガット覆面調査員の味覚には首を傾げざるを得ない。佐渡の高千の「赤ちょうちん」さんのラーメンの方がよっぽど美味いと思った。筆者は、この炎天下(訪問当日の最高気温は29度と真夏日一歩手前であった)の中、外で待たされている中年カップルに席を譲ってあげるため、3分ほどで食べ終え、そそくさとこのお店を去った。席数わずか8席の、東京の田舎23区たる葛飾区亀有の片隅にひっそりと佇む、田舎ラーメン屋「たいせい」。炎天下の真夏や、寒風吹きすさぶ厳冬期に外で待たされる客はたまったものではなかろうに。行列してまで食べる価値のあるラーメンとは思えないので、そうした時期に店内が満席ならば、他のラーメン屋に行く事をお勧めしたい。「行列が出来る店で食べる料理に大した物は無し!」の筆者の定理は今回も生きていた。
亀有駅前の両津勘吉の銅像
麗子像
香取神社境内の両津勘吉の銅像
醤油半熟味付け卵ラーメンを注文した
平日のランチ時のみ、ご飯が無料のうれしいサービス。