筆者は午前8時頃に直江津港に戻った。直江津駅から佐渡汽船直江津港ターミナルまでは徒歩で20分ほどである。午前8時50分に、小木港発の「あかね」が直江津港に入港し、折り返し直江津発9時30分の便になる。その様子を撮影しようと、フェンス前にはカメラを構えた数人の観光客が陣取っていた。筆者は手早く撮影を終えた後、車に戻った。着岸した「あかね」からは乗用車が次々と吐き出されて来たが、佐渡汽船のコンテナを積載した貨物トラックなどは積んでいないので、ものの10分ほどで積み出し作業は完了し、午前9時に車両の積み込みが開始された。「あかね」の車両積み込み口には扉が二つあるが、向かって右側の扉は使用しないため開かずの扉となっている。車両甲板に入ると甲板上でUターンをさせられ、車は船の進行方向とは180度逆の方向を向いて駐車する仕掛けになっており、これにより、船の後部からの積み込み積み出しどちらの場合も前進で移動出来ると言う訳である。つまりだ、車両の長さが長くてUターンしにくい貨物トラックなどは最後に積載する構造になっていたのだ。この便には予約なしでやって来た車を積み込むだけの空きがあったようで、それらを積み込んでもまだ満車とはならなかったので、9割ほどの埋まりようであった。
「あかね」の1階は車両甲板で、2階は可動性の甲板となっており、客室は3階に設置されていた。客室の8割近くが二等席で占められ、残りは眺望の良い前方部分で、そこに一等席が設置されている。一等と二等の客室運賃の差額はたかだか1180円であり、そのためこの日の一等客室は子供連れなどでかなり賑わっていた。一等と二等の差は、前者では椅子が布張りに対し後者のそれは革張りで、座席の幅が若干広いと言うだけである。筆者は一等の最前列である1列目のP席を指定しておいた。だが、最前列の客席と前方の窓ガラス部分の間にはかなり広いスペースがあり、そこを子供達が駆けずリ周ってはしゃぐためうるさくてしょうがない。眺望はいいがうるさいのが一等室であり、これに懲りた筆者は二度と「あかね」には乗らないと固く心に決めた。
三階の最後尾部分にちょっとした展望スペースがあり、高速カーフェリーからの眺めを楽しもうとする人々で埋め尽くされていたが、筆者は早い段階で手すり部分の絶好の撮影ポイントを確保しておいたので、離れ行く直江津港と雪をいただく妙高の連山を撮影出来た。「あかね」は出航後25分を経過したところでエンジンを全開にした。体感的には時速40-50kmと言う感じである。2014年9月の欧州旅行でプロチダ島に渡った時に双胴船に乗船した経験からすると、かなり速いと言うのが実感であった。海上は穏やかだったので揺れは全く感じなかったが、双胴船はジェットフォイルと同じで縦波には強いが横波には弱いのが泣き所らしく、時化た冬はかなり揺れるのではないだろうか?
筆者には長く感じられた1時間40分の船旅であったが、「あかね」は小木港前で左旋回をしてから後進し、定刻の11時10分無事小木港に着岸した。
入港する「あかね」を撮影しようと待機する人々
入港する「あかね」
右旋回をし
次第に岸壁に近付いて来る
その全景を捉えた
船体の後部
前方部分
車両甲板内
二等室
売店入口
一等室
の椅子は革張りです
筆者の座席
眺望は抜群
一等室から見た直江津港
一等室のラウンジ
キッヅルーム
無予約の車両を積み込んでいるところ
出航直前の「あかね」
扉が閉まった
出航!
出港直後の直江津港
そして雪を被った妙見連山
離れ行く直江津港
この辺はまだ徐行しているが
この辺りからスピードを上げ始め
出航後25分を経過したらエンジン全開となった
エンジン全開時の航跡
小木港に到着
湾内で左へ旋回し
バックで着岸する
間もなく着岸
既に閉館した「喜八屋」が見える
無事に着岸した