我輩は凛太郎。今日はボクのトラウマを告白する。それは、かあちゃんの「あっ」。
かあちゃんがボクを見て「あっ」と言うと、ボクは反射的にワルイコトをしたに違いないと思ってしまう。最初の「あっ」が今でも尾をひいているのだ。それはボクがまだ満3ヶ月にもならないころのことだ。
そのころ、かあちゃんは、一生懸命ボクにシッコとウンコの躾をしていた。シーツの上ですると、猫なで声でものすごく誉めてくれた。「凛太郎おりこうやなぁ。賢いなぁ」って。
ボクはそのころはまだお利口も賢いも意味がわかっていなかった。床の上でシッコをすると、かあちゃんはスリッパで床を叩いて大きな音をたててから怒る。ボクはなぜ怒られるのかわからなかった。ボクが叩かれるわけではないし、大きな音にはビクっとするけどそれだけのこと。それも、かあちゃんの見ているところでシッコをした現行犯の時だけ。
かあちゃんの目につかないとこでの粗相はセーフ。かあちゃんは現行犯でしか怒らなかった。じいちゃんに現行犯でしか怒ってはいけないと教えられていたからだ。犬は、ニンゲンが怒ることがニンゲンのイヤがることだと察知して、何かの仕返しの時には、これみよがしに粗相をしてのけるので、現行犯以外は怒らないことと。でも、時々その教えを忘れて怒る時もあった。
ある日、かあちゃんがトイレに入った。おっウンチのニオイ。ボクはニオイには敏感だ。そのニオイのせいか、ボクももよおした。それで、かあちゃんが見ていないことを幸いにフローリングの床の上で始めた。そこにかあちゃんが出てきた。
かあちゃんは、ボクを見て「あっ」と叫んだ。声のする方を見た時、かあちゃんの目とボクの目があってしまった。ボクはどうしようもなかった。背中を弓なりに曲げ、腰をおろし、踏ん張り、今まさに出ようとしているものを止める術かない。かあちゃんはそんなボクの前に座り、じっとボクを見る。
そして、全部出てしまうのを待ってから、いきなり床を掌で叩いた。大きな音を出せるものが手元になかったのだ。かあちゃんは後先を考えないおバカを発揮し、手加減しないで思いっきり自分の手を床に打ちつけたものだから、ものすごおく痛かったみたいだ。腕に電気が走るほど痛かったらしい。
その痛かったのをボクにあたることにしたのかどうかは定かでないが、ついに体罰がくだった。ボクのお尻を思いっきり叩いたのだ。
ボクは「キャウイン」と鳴いたが、かあちゃんはボクを放さない。2、3回叩かれたように思う。叩きながらかあちゃんが怒鳴った。
「こんなとこでしたらアカンやろ。ウンチもシートの上でせんとアカン」と。こんなにコワイかあちゃんは始めてだった。体罰も始めてだった。
この事件を境に、かあちゃんの「あっ」はボクにとって恐怖となり、身が縮む。トラウマだ。今では恐怖は薄れたものの「あっ」を聞くと、またなんかボクワルイコトをしたのかな?とやっぱり反射的に思ってしまうので、とりあえずはごめんなさいのポーズをすることにしている。
ボクのごめんなさいポーズは、カラダを横にして、お腹を出して、片手を軽く上げ、耳はしょぼん。実はここだけの話なのだが、最近ではボクにも生活の知恵がついて、触らぬ神に祟り無し、負けるが勝ちということもわかってきたのだ。先に謝ってしまうと、かあちゃんの怒りも薄れる。ボクのこのポーズはかあちゃんにはイジケ犬に見えるらしい。
ボクは「あっ」を聞かないうちに、かあちゃんの姿を見ただけで、ごめんなさいポーズをしてしまう時がある。すると、かあちゃんは「何いじけたポーズしてんの?また何かワルイコトしたんか」と聞いてくる。こういう場合は、ワルイコトをしたような気がするボクの反射的行動だが、今のところたいがいはお咎め無しとなっている。でも、時々、そのポーズを見てから、かあちゃんの「あっ」を聞かなくてはならない羽目にもなっている。
ちなみに、かあちゃんは独り言でも「あっ」と言う時がよくある。要するに自分の失敗も、ボクの失敗も「あっ」。かあちゃん自身の「あっ」は、大抵は台所だ。この「あっ」は食材を落とした時に発せられることが多い。たまに指を切ったりしての「あっ」もある。そういう時はその後に「痛っ」がつく。かあちゃんが台所にいて「あっ」と言うのを聞いたら、台所に美味しいことがあるという知恵もついた。最初のころは、かあちゃんが台所に立つと、あてもないままボクも台所のキッチンマットの上で座って待っていたのだけど、そんなことをしなくても、ちゃんとお知らせ放送の「あっ」が聞こえてから行ったらいいということがわかったのだ。ボクだってお利口になっているのさ。
かあちゃんがボクを見て「あっ」と言うと、ボクは反射的にワルイコトをしたに違いないと思ってしまう。最初の「あっ」が今でも尾をひいているのだ。それはボクがまだ満3ヶ月にもならないころのことだ。
そのころ、かあちゃんは、一生懸命ボクにシッコとウンコの躾をしていた。シーツの上ですると、猫なで声でものすごく誉めてくれた。「凛太郎おりこうやなぁ。賢いなぁ」って。
ボクはそのころはまだお利口も賢いも意味がわかっていなかった。床の上でシッコをすると、かあちゃんはスリッパで床を叩いて大きな音をたててから怒る。ボクはなぜ怒られるのかわからなかった。ボクが叩かれるわけではないし、大きな音にはビクっとするけどそれだけのこと。それも、かあちゃんの見ているところでシッコをした現行犯の時だけ。
かあちゃんの目につかないとこでの粗相はセーフ。かあちゃんは現行犯でしか怒らなかった。じいちゃんに現行犯でしか怒ってはいけないと教えられていたからだ。犬は、ニンゲンが怒ることがニンゲンのイヤがることだと察知して、何かの仕返しの時には、これみよがしに粗相をしてのけるので、現行犯以外は怒らないことと。でも、時々その教えを忘れて怒る時もあった。
ある日、かあちゃんがトイレに入った。おっウンチのニオイ。ボクはニオイには敏感だ。そのニオイのせいか、ボクももよおした。それで、かあちゃんが見ていないことを幸いにフローリングの床の上で始めた。そこにかあちゃんが出てきた。
かあちゃんは、ボクを見て「あっ」と叫んだ。声のする方を見た時、かあちゃんの目とボクの目があってしまった。ボクはどうしようもなかった。背中を弓なりに曲げ、腰をおろし、踏ん張り、今まさに出ようとしているものを止める術かない。かあちゃんはそんなボクの前に座り、じっとボクを見る。
そして、全部出てしまうのを待ってから、いきなり床を掌で叩いた。大きな音を出せるものが手元になかったのだ。かあちゃんは後先を考えないおバカを発揮し、手加減しないで思いっきり自分の手を床に打ちつけたものだから、ものすごおく痛かったみたいだ。腕に電気が走るほど痛かったらしい。
その痛かったのをボクにあたることにしたのかどうかは定かでないが、ついに体罰がくだった。ボクのお尻を思いっきり叩いたのだ。
ボクは「キャウイン」と鳴いたが、かあちゃんはボクを放さない。2、3回叩かれたように思う。叩きながらかあちゃんが怒鳴った。
「こんなとこでしたらアカンやろ。ウンチもシートの上でせんとアカン」と。こんなにコワイかあちゃんは始めてだった。体罰も始めてだった。
この事件を境に、かあちゃんの「あっ」はボクにとって恐怖となり、身が縮む。トラウマだ。今では恐怖は薄れたものの「あっ」を聞くと、またなんかボクワルイコトをしたのかな?とやっぱり反射的に思ってしまうので、とりあえずはごめんなさいのポーズをすることにしている。
ボクのごめんなさいポーズは、カラダを横にして、お腹を出して、片手を軽く上げ、耳はしょぼん。実はここだけの話なのだが、最近ではボクにも生活の知恵がついて、触らぬ神に祟り無し、負けるが勝ちということもわかってきたのだ。先に謝ってしまうと、かあちゃんの怒りも薄れる。ボクのこのポーズはかあちゃんにはイジケ犬に見えるらしい。
ボクは「あっ」を聞かないうちに、かあちゃんの姿を見ただけで、ごめんなさいポーズをしてしまう時がある。すると、かあちゃんは「何いじけたポーズしてんの?また何かワルイコトしたんか」と聞いてくる。こういう場合は、ワルイコトをしたような気がするボクの反射的行動だが、今のところたいがいはお咎め無しとなっている。でも、時々、そのポーズを見てから、かあちゃんの「あっ」を聞かなくてはならない羽目にもなっている。
ちなみに、かあちゃんは独り言でも「あっ」と言う時がよくある。要するに自分の失敗も、ボクの失敗も「あっ」。かあちゃん自身の「あっ」は、大抵は台所だ。この「あっ」は食材を落とした時に発せられることが多い。たまに指を切ったりしての「あっ」もある。そういう時はその後に「痛っ」がつく。かあちゃんが台所にいて「あっ」と言うのを聞いたら、台所に美味しいことがあるという知恵もついた。最初のころは、かあちゃんが台所に立つと、あてもないままボクも台所のキッチンマットの上で座って待っていたのだけど、そんなことをしなくても、ちゃんとお知らせ放送の「あっ」が聞こえてから行ったらいいということがわかったのだ。ボクだってお利口になっているのさ。
かあちゃんが理不尽な事をしたら、ガウガウしても良いのだよ。(^○^)