ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

骨寺荘園遺跡

2007年06月01日 | 歴史の革袋
『荘園』という千年もむかしの営農遺跡が磐井川の上流に発見されたと聞いて、或る日、太古の昔を訪ねてみた。
ROYCEの傍の磐井川を10キロ遡るとそこは厳美溪で、KO氏のウエスタンWE-16Aホーンがある。また、空跳ぶダンゴで有名な某居宅には大変な装置が鎮座している噂があるが、当方は依然として拝聴していない。
厳美溪からさらに上流に7キロ遡ったところに山谷仙人がおり、ゴトウホーンやバイタボックスが美麗な音響であたりをはらっている。
山谷からさらに3キロ上流に本寺HONDERAというところがあり古い文献に骨寺と書かれて目的のところである。
『骨寺村荘園遺跡』は、「吾妻鏡」にある中尊寺ゆかりの別当の所有と、古図の分析をした碩学の証明で、川や道、田園が太古の絵図のまま残っている希有の存在であるそうで、いったいそれはどこにあるのだろう。
さんざん車を走らせてのどが渇き、自動販売機のボタンを押したとき、渋いガラス戸をにゅっと開けた男が「駒形根神社に登れば見える」と教えてくださった。
県道を北東に入ると、急に異次元の空間が開けて駒形根神社は有り、石段のそばの明晰な掲示板でこの世界遺産の候補地となった遺跡の概要を知ることが出来た。
神社に詣でてお賽銭をと箱を探したがそれらしいものはなく木戸の隙間に挟んだら、ほかにもいくつかお賽銭がそのままになっていた。
杉の木に絡んだ藤の花がみごとで、ビルの四階ほどの高さまで咲いている。
朽ちかけた鐘楼の傍らから見た、谷あいに広がる田園風景は忘れ難いものである。
現在生活されている人にとって、庭先まで車で踏み込まれるのは迷惑なことで、何台も車が連なるようになるとき、いずれ侵入禁止となるであろう。
山懐に抱かれるように千年ものあいだ変わらず耕作されてきた風景は、見る者に、ふしぎな安らぎと感慨を憶えさせ、倦きることがなかった。

スケッチは記憶によるもので、正確ではない。
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