ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

志津川町の客

2009年11月21日 | 巡礼者の記帳
「これはどこの盤?」
マーキュリーとの答えに、ウームそうか。と納得するお客。
ニュージャージー州にあったマーキュリー・レコードの貴重なオリジナル・ジャズテープ倉庫。
クリフォード・ブラウンのエマーシー盤も、この倉庫のテープであった。
そういえばキャピトル・レコードのジャズもタンノイの音と相性が良く、スタジオ・モニターに或る時タンノイが使われていたからでは?という説がある。
この年代の盤を聴くには、時代に合った機材が良いということで、ウェスタンの絹巻き銅線を「使ってみて」と持ち寄ったお客もいたが、音楽はラジオでも楽しめるのに、それでは済まない一群の人々である。
エヴァンスもキャピトルのスタジオでやっていれば、ジャズの景色も変わっていたかもしれず、キャピトルの音色によるエヴァンス・トリオの立体感を想像するとき、ことの重大性はさすがにラジオではわからない。
志津川からはじめて登場した客は、当方が珈琲を届けると、サッと立ち上がった。
エッ、なに?
「いや、奥の人に珈琲を渡しやすいように、と」
ホテルにお勤めなのかもしれず、どうぞ、くつろいでください。
あるとき志津川湾に行こうと国道398に乗って南三陸町に行ったとき、この半島と湾の連続は、はるか上空から見るとマンデルブローのフラクタル幾何といわれ、複雑に美しい風景が連なっていた。
そのひとつが志津川湾で、海浜公園から陽光を反射する蒼い海のあちこちに、海苔の養殖イカダが点在し、ここでジャズをオーディオで楽しむ人々を紹介していただいたことがある。
どの人も、良く来たねと迎えてくださって、細部まで説明があったのは、話を通した人の人徳であったのか。
窓際にいた元船長さんとそのころのエピソードになって、ジャズのかなたに人模様が浮かんだ。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする