ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

スウェーデン『スタンペン・ジャズクラブ』

2009年11月12日 | レコードのお話
「営業にレコードだけでは、操作にくたびれるでしょ」と大先生の深遠なる配慮によって、大昔に頂戴した折角のCDも、あれからほとんど聴いたことがない。
タンノイでオーディオ的に聴いて、どうも感動が記憶に残らないというか、当方の再生器機のお粗末さのゆえ、存在を忘れてしまう大量のCDの山であった。
ところで、ふとしたおりに聴いたポーンショップ・シリーズの音場がなつかしく、再び指定席に座ってしまうのはなぜか。
このようなことは昔パチンコを研究していた頃の、ピッとゾロ目に揃った甘美な誘惑と、似ていなくもないか。
北欧人のあっさりとしたスイングのジャズ的センスに感じ入ったこともあるが、76年の12月7日の『ジャズ・クラブ、スタンペン』における客席の微妙なリアリティと潤いのある音色は、めったに聴いたことがないと思って、ケースの小さな活字を虫メガネで拝読すると、ノイマンU-47、スチューダーミキサー、ナグラⅣS高性能アナログテープレコーダー使用とクレジットがり、まあ三十年も昔のメートル原器を、この文明発展の世にいまさらだが、冷蔵庫に仕舞った吟醸酒に呼ばれているようなあと味が惹いている。
冷寒の迫りつつある街道の枯葉を散らして、秋田の二万枚長者殿とランサー101氏が、あの例の高級車を駆って登場されたのでお伺いすると、「これはレコードでも手に入れることができます」と申されていた。ジローラモ氏は博識だ。
ランサー101氏のことは、ジャズについて見識の深いところを最近ぼちぼち解ってきたが、先輩のまえに立ち位置を心得て、めったに言辞をスイングさせないのも、またジャズなのか。






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