ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

青い地球

2008年12月13日 | 巡礼者の記帳
2008年の下期、株価は、賀茂川に晒す友禅のようにゆれていた。
株を持ったことのない当方、そういえばむかしお世話になった会社で管理職の端くれになったとき、ふたごころありませんとボーナスをはたいて買った自社株の微動だにしない値打ちを思い出すのだが、特攻隊あがりといわれている総務部長がニヤリと笑って、当方は赤西蠣太ではないが汗をかいたのが妙だ。
青い球体を深淵の宇宙に浮かべる地球は、人口も金の総量も原油埋蔵量も海水の塩分濃度も大気圏から何一つ遁走していないにもかかわらず、株価という証文のイルミネーションがオーロラのように滲んで揺れている。
アフリカのジンバブエ国で、インフレに押されて紙が不足し、木綿地に1億円札を印刷しようというニュースが流れたとき、ロイスに現れた男は言った。
「ブルー・ノートに行ってきました。金髪の女性シンガーが、前評判の心配を吹き飛ばす快演を聴かせてくれました」
傍らの女性が、長い髪を背に廻しながら、「ニューヨークではありませんけれど」とあたたかい調子で秘書のように言い添えている。
その女性が、タンノイが気温になじんだ頃、「黒いオルフェ」を聴きたいと言っている。
こまったね。アイウエオ順にしておけばよかったレコード棚だ。
「彼女の部屋のスピーカー、なかなか良いのですが片方、壊れているので、うーん直したいなぁ」
あのね、その雰囲気なら、ジャズを聴くのにたぶん1個で充分ではありませぬか。

☆混雑をさけ、或る年の12月30日の朝に下鴨神社にお参りしてみた。人っ子一人いなかった。


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