ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

ALL MORNIN' LONG

2006年10月08日 | レコードのお話
「あなたこのお水、呑んでごらんなさい」
窓際の席にどっしりと陣取ったそのご婦人は、「メタメタのブルースを聴きたい」と注文を申されながら、持参のタンクの水を当方に勧めている。
どこの土地にも、宮水や湧水があって、年配の人を嬉しがらせているが、街ではティーンエジャーは生水ではなく販売機に直行している。当方はついに、自然水を有難がる境地になったのかな。珈琲を点ててみると、美味しい。
ご婦人は、この水の汲める市内の秘境について詳しい図面を書いてくださって「検査済みだから」と自信たっぷりに申された。
ご婦人の話す文化人類学上の回想は、涙と笑い無しには聞けないブルースで、音楽よりよほどヘビメタだ。まいった。しかしタンノイは涼しく唄っている。
ここでふと、レッド・ガーランドなどを聴いてみた。
以前、大型ジープで登場する秋田の客が「初心者のころに聴きました」とガーランドを懐かしんでいたが、このガーランドは元ボクサーであり、れいによってマイルス楽団を通過し、独特の唄心は初心者向けとあなどれない。
彼は秘境の湧水のように音楽をくりだし、ブロック・コードをきめて、リングの勘をピアノのキーに懐かしんでいるようだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする