ロイス ジャズ タンノイ

タンノイによるホイジンガ的ジャズの考察でございます。

麻布

2006年10月04日 | 諸子百家
「あれ、おかしいな....。そうか、プレイヤーの回転数が正確だと、音楽は意外につまらないものに聴こえますね」と真顔で彼は言った。
30年も昔のことだが、将来は教会のオルガン弾きになるとかで、シェーンベルクやサテイやショスタコービッチを聴くやや風変わりな人物は、親元を飛び出して空き家にひとり暮らしていた。持参したLPを当方自慢の装置で聴いて、正確なピッチの音をつまらないと教えてくれたのである。
ギターの練習でとちってキーをはずしたテープ録音を聴かせると、「とても良い」と言った。何度も外したので、それがことのほか即興的で良かったらしい。恐れ入りました。
麻布にあったその空き家も、井戸の方角がよろしくないとかで処分されることになって、引っ越しの邪魔になるからといただいたレコードをまえに考える。
それ以来、会っていない。



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