空っぽの菅に大きなビジョンを求めても・・・

毎日新聞 2020年9月13日 東京朝刊社説は、「日本記者クラブ討論会　菅氏のビジョンが見えぬ」として候補3氏の発言を取り上げ、中でも最有力の菅氏について論じています。　

『最も発言機会が多かったのは最有力候補とみられる菅氏だった。にもかかわらず、菅氏の発言は目先の個別政策にとどまり、大きなビジョンは見えなかった。なかでも、外交・安全保障政策で、それが顕著だった。米中対立が激化して「新冷戦」とも評される中、日本外交のかじ取りをどうするのかは最重要課題の一つだ。ところが、菅氏は中国との向き合い方について「主張すべき点はしっかり主張しながら、一つ一つ課題を解決する」とだけ語った。これでは何も言っていないのに等しい。コロナが収束した後、習近平国家主席の来日をどうするかについても回答を避けた。

菅氏は安倍政権の継承と前進を掲げるが、前進に関わる発信があまりにも乏しい。総裁選での優位な状況を受け、言質を取らせまいとして、「守りの慎重姿勢」をとっているのであれば残念だ。』

 

とのことです。

菅氏に 「大きなビジョン」 を求めるのはないものねだり、木によって魚をもとめるようなものでしょう。菅はもともとビジョンなど何も持っていないのです。ひたすら政略が得意なのです。それだから官房長官を7年半も務めることができた。あのバカな安倍の下で7年半です。俺ならこうすると、総理を目指すなら、もう少し考えておけばよかったものを、立候補してからでもいいから何か作ればよさそうなものを、出来ない。政略以外は空っぽなんです。だからこそ自民党が雪崩を打って支持するのです。そして意見を言う官僚は飛ばすという恐怖政治。安倍のデタラメは菅が庇って助長したものです。それについての反省は全くなし。

まだしばらくご祝儀相場が続くでしょう。日がたてばたつほどボロが出てくるのは確実です。菅は解散総選挙の誘惑に勝てるでしょうか？

イギリス法務当局トップの辞任に気概アリ

日経新聞 2020年9月9日 0:48 掲載によると、英政府は8日、法務当局トップのジョナサン・ジョーンズ氏が辞任したことを明らかにした。英紙フィナンシャル・タイムズ（FT）は同日、ジョンソン政権が1月末に発効した欧州連合（EU）との離脱協定の一部を修正しようとしていることへの不満が原因だと報じた。EUとの自由貿易協定（FTA）交渉が膠着する中での高官の辞任で波紋が広がっている。

時事通信 2020年09月09日09時29分 掲載によると、ジョンソン英政権は８日、昨年１０月に欧州連合（ＥＵ）と合意し、今年１月末に発効した国際条約 「離脱協定」 の主要部分をほごにしようとする法案について、国際法違反に当たる内容が含まれていると正式に認めた。政府法務局事務次官は８日、国際法に違反するような法案を提出する政権に抗議、辞職した。

「法の支配」 に基づく国際秩序を唱える英国が進んで国際法違反を正当化するのは異例の事態。メイ前首相は、英国がこれから国際条約を締結しようとしても「条約に従うと（相手国に）信用してもらえるだろうか」と述べ、政権を批判した。

とのことです。ヨタヨタの英国は残念ですが、国際法違反の法案提出について法務当局トップの責任者が抗議の辞職をしたということにまだ英国の気概を感じました。香港問題で中国を批判しているイギリスが、平然と国際法違反を犯してどうするのか。

日本では、あり得ないほど異例の人事で就任した法制局長官小松一郎氏が、時の安倍政権の意向に沿って、集団的自衛権について長らく違憲としてきた判断を合憲に変更しました。こういう情けないほどのことが平気で起こる安倍政権は、デタラメです。どんなことでも解釈だけでいくらでも変更ができてしまいます。しかし英国には、そのようなことに抵抗して辞職する高級官僚がいました。このような人がいるから、まだ英国は持っている。しかし、あまりにデタラメですから、もう駄目かもしれませんね。

日本はどうでしょうか。抗議するどころか、任用してくれたお礼に率先してシッポを振る始末です。こんな腐った安倍政権を右翼の人たちは翼賛するのです。菅はそれを継承して、もっとひどくなるでしょう。安倍は日本を壊した。もう日本はダメではないでしょうか。

しかし蟷螂の斧、魔人の鉞、侮るべからず。あきらめては終わりです。力を合わせましょう、私たちと子どもたち、孫たちのの未来のために。

ドコモ口座問題に思う

NHKニュース　2020年9月11日 15時34分　掲載によると、「ドコモ口座」 を通じて銀行の預金が不正に引き出された問題で、これまでに確認された被害は全国の12の銀行で、合わせて1990万円にのぼり、被害の拡大が続いています。

とのことです。ドコモ口座は他人でも作ることができ、銀行口座の情報さえあれば他人がヒモヅケて勝手に引き出すことができるという事です。すでに去年5月に同様の被害があったのに適切な対策をとらず、被害が拡大したといいます。もともと、本人確認の2重チェックをしないというズサンな仕組みで、専門家は開始当初から危惧していたという事らしい。しかも、勝手に利用されたかどうかは自分で調べないと分からないという事です。そんな馬鹿なこと、アリ？？？

ここにも日本の劣化が見受けられる。ふるさと納税も同様です。あれは 「納税ねずみ講」 というようなシロモノ。こちらは 「ザル口座」。どうして日本はこんなにいい加減になってしまったのでしょうか。安倍や菅ではダメだ。何とかしたいものです。

菅氏の強権体質は 安倍以上か ！？

AERA 2020年9月10日 (木) 11:00配信 で、「菅官房長官に意見して“左遷”された元総務官僚が実名告発」と題した記事が掲載されています。ふるさと納税に反対した、当時の担当である自治税務局長を務めていた平嶋彰英氏の実に分かりやすい説明です。一部を抄録します。

「菅氏が (自民党総裁選) 選挙戦で実績としてアピールしているのが、ふるさと納税制度の導入だ。菅氏は、総務相時代の2007年に制度の創設を表明し、2012年に官房長官に就任してからは控除の限度額を倍増させた。」

(平嶋氏) 「自治体間の返礼品競争が激しくなることもわかりきっていました。その結果、アマゾンのギフト券を返礼品として配る自治体も出てきました。事実上の現金還元です。」

(平嶋氏) 「2014年12月、レクの資料と『100％得をする　ふるさと納税生活』（扶桑社）という本のコピーをクリアファイルに入れて、内閣官房長官の執務室に行きました。この本には、年収1億円ほどと思われる著者が、600万円のふるさと納税をすることで税金の還付を受け、さらに手数料を除いた599万8000円に対する返礼品について＜お取り寄せグルメ＞と表現し、＜これ、まじで生活できちゃうじゃないか……＞と書いてありました。」

(平嶋氏) 「その後にすぐ、内閣官房の職員が私の所にコピーをわざわざ返しに来ました。その後には総務省の上層部からも電話がかかってきて、これ以上は何も言わないように忠告されました。」 

──翌年の7月に、平嶋さんは自治大学校長に異動となります。事務次官候補だった平嶋さんが省外に出されたことで、安倍政権に異論を唱えた人にたいする「見せしめ人事」との声もあがりました。

(平嶋氏) 「日本が戦争で負けたのは、米国と戦っても負けることはわかっていたのに、軍人を含む官僚たちが政治家に客観的な事実を報告しなかったからです。政治家にとって耳の痛い話でも、役人は事実をちゃんと報告することが仕事です。それをしなかったから、たくさんの悲劇が起きた。 私としては、事実を伝えることは役人としての当然の仕事で、このことについては今でも後悔はありません。」

(平嶋氏) 「シングルマザーで水商売をしながら子供を育てている女性など、本当に税金を払えない人がたくさんいます。そういった人に対しても、職員は「今すぐ全額払えなくとも、地域社会の会費なので、必ず払ってもらわなければなりません。分割で払いましょう」などと説得して、日々徴収作業をしているのです。 その一方で、高額所得者が自分の住んでいる自治体に税金を払わずに、高級肉やカニなどをもらっている。税金とは、国民の財産から現金を無理に納めてもらうという意味で、役人にとって神聖な仕事です。ふるさと納税は、そういった神聖な税制度の根幹を揺るがすものなのです。」

 

税制度が神聖かどうか意見はあるでしょうが、私はほぼ全面的に平嶋氏に賛成です。「ふるさと」 のためにやっていると菅は言うのでしょうが、税金を右から左に動かして多額の返礼品をせしめる。まともに納税するなどバカバカしい仕組みです。みんなでマネしたら税収全体が減少してねずみ講のようになってしまいます。それも、金持ちほど得をするという、格差拡大の仕組みです。こんなことを政府のトップが奨励するなどとは、まさしくアホです。しかしひょっとして、自分たちも使っているのでしょう。だからやめられないのです。マスコミは調べたらどうでしょうか。

平嶋氏は、ふるさと納税を利用する人は悪くない、制度を作ったのが間違いだというのですが、私は制度を利用して返礼品アサリをする人たちを軽蔑します。ほんとうに心から故郷を支援したいということと現状は落差がありすぎます。桜を見る会に地元後援会の人間を山ほど呼んでおいてシラバッくれる、安倍と同類です。もし仮にふるさと納税を継続するとしても、返礼品は民間の景品を規制する景表法に規定する1割、が限度でしょう。

菅氏はどうしても見直しをしないでしょう。安倍路線を継承するというのですが、気に入らない奴は左遷するという強権体質は安倍以上かもしれません。すべてにわたって何の期待もできません。

菅氏に何を期待するの？？

報道によると、安倍ちゃんの光景を選出する自民党総裁選で菅官房長官がほぼ確定的優勢だそうです。内閣支持率も自民党支持率も上がっていて、TBSニュース　2020年9月9日(水) 23:18配信によると「河野防衛大臣は、アメリカのシンクタンクのイベントにオンラインで参加し、衆議院の解散総選挙について「おそらく１０月のどこかで行われるだろう」との見方を示しました。」

とのことです。

安倍氏は病気と闘いながら頑張った、という事で同情を得、菅は苦労人で安倍路線を継承するというので支持が広がっているそうです。安倍の強引な手法、コロナ対策の不手際、不都合な記録抹殺、疑惑無視の姿勢を官房長官として全面応援してきたのが菅氏です。苦労話も半分マユツバかもしれません。疑惑は終わった、と明言し、なんら反省しない菅氏に国民は何を期待するのでしょうか。

まったく日本人は優しい。今のうちに解散・総選挙をしたくなるのは当然です。菅はコロナが収束してから、と言っていますが、必ず解散するでしょう。期待しています。