怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

接客を学びに日本へ派遣しろ

2014年01月18日 | ひとびと
これは夫と一緒にテレビ購入を考えていたときに撮影したもの。

家電屋めぐりをしていたものだ。
 
結局予算の都合上、購入を諦めた。テレビさえ買えないビンボー夫婦の私たちさー。
今は義両親たちのお下がりを使っている。15分くらいすると、画面に色がつかなくなる。白黒になるのでなく、緑の濃淡画面になる・・・いつまでこんなのを使うのだろう。私、先進国に住んでいるのかい?

さて、テーマはテレビじゃあない。
毎週末のように家電屋をめぐっていた1年半ほど前のできごとだ。
いつものように夫はメモを片手にテレビ売り場で細かくチェックをしていた。私はすぐに飽きて調理家電コーナーをうろついていた。
これまた長年ほしいと思っているオーブントースターが数台並んでいたので、開けたり閉めたりして買う気もないのにチェックを入れていた。「ちぇっ、なんだかちゃちいな」と思った瞬間に店員の女性に声をかけられた。
「コメン ジー ツー レヒト?」
たいていの場合、その状況と話す人の表情や声の調子で完全にわからないながらも言いたいことはわかるものだ。(外国にしばらく住むと誰にでも身に付く)ところが、私はこのとき全くわからなかった。
「え?」と聞き返すと、もう一度彼女は同じことを繰り返して言った。
「コメン ジー ツー レヒト?」
険しい表情でつっけんどんだ。「レヒト」というのは確か、権利という意味だったな。ううう?もしかして彼女は「お前にこのオーブントースターを触る権利はあるのか、触るなよ」と言っているのか?
まさか、と思った私は「あなたの言うことがわかりません」と言い放ち、その場を離れた、逃げるように。
もしかして、人種差別?怪しいアジア女が夢中になってオーブントースターを覗き込んでいるのが不審だった?
心臓バクバク、脳内ぐるぐる、夫に尋ねてみようと思ったが夫も「露骨に人種差別する変な店員は訴える」などといい出しかねない性格なので黙っていた。
その事件から2,3日してちょっと落ち着いたときに在独日本人仲間に尋ねてみた。
「コメン ジー ツー レヒト、って何の意味?」
詳しく書くと、ドイツ語の文法の解説になってしまうので省略する。要するに私の語彙不足だったことが判明。
簡単な文章なのだがこの動詞一つの文中の変化を知らなかったために誤解してしまった私だ。
店員は自然な日本語風にすると「お分かりになりますか?」と私がオーブントースターと格闘しているのを哀れんで尋ねてきてくれたらしい・・・

いや、しかし、あの険しい表情はとてもじゃあないが接客の基本から大いに外れている。
もみ手で近づき、「いらっしゃいませ」とまず挨拶、にこやかに「オーブントースターをお探しですか」と言われればドイツ語力ゼロでも意味がわかるだろう。
あの口調はどうにもこうにも客に対するものではない。
サービス砂漠が有名なドイツ、そんなことをサービス過剰な国から来た日本人が説教しても全く理解してもらえないだろう。
途上国と呼ばれる国から日本へ人を派遣して数ヶ月から数年様々な場所で研修を受ける制度があるらしいが、それは途上国でなくてもいいと思う。
もともと能力のない国ではないドイツ、接客能力くらい簡単に日本を追い越すかもしれないぞ。


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なーんて、ドイツを持ち上げる一文で終えてみた。

ちなみに写真の店とこの事件のあった店は違う・・・店舗によって店員の雰囲気が違うというものはあまりここにはなくて、個人で違うことが多い。こんなところはさすがドイツ、って思っちゃう。集団で雰囲気をかもし出す能力に長ける日本も独特なのかな。