飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

多層指導モデルMIMを用いた「読み」の指導

2024年04月27日 06時04分59秒 | 授業論
音読はできているのに意味が理解できていない。
読み間違いが多い。
文字を抜かして読んでしまう。
こんな実態が低学年の教室には必ずある。
とかく方法論をもたない教師は、繰り返し練習すれば改善される。
練習が足りない程度の認識しかもたないことが多い。
しかし、子供のつまずきには必ずか科学的な要因がある。
その要因を取り除くもしくは改善しなければ、実態は良くなっていかない。

学習障害(LD)の子供は、通常の学級に約4.5%の割合で在籍するとされている。
特にその中でも読む能力に困難がある子供が多い。
また、ひらがなの習得の遅れやつまずきは、その後の読み書きの困難につながる。
入学当初の子どもたちは、家庭教育による文字習得の割合が大きく異なっている。
入学と同時にひらがな学習が始まり、3ヶ月ほどで一通り終える。
しかし、入学時にひらがなの読み書きを習得している子が半数いるというデータもあるなか、まったく出来ない子もいる。
このギャップを埋めながらの指導となる。

通常に指導でもおそらく8割以上の子どもたちは通常通り習得できるだろうが、課題は残りの2割の子供たちをどう指導していくかということ。
小学校の低学年から読みについての効果的な指導が必要となることは言うまでもない。
そこで行われる指導法に「MIM」(Multilayer Instruction Model)」がある。
この方法は、通常の学級で異なる学力層の子供のニーズに対応し、アセスメントと指導を繰り返しながら子供たちの読みやすさを育むための指導・支援をするモデルである。
特に低学年からの活用によって大きな効果が見られる。

①読みのつまずきで多くみられる「特殊音節」(のびる音、つまる音、ねじれる音)を正確に読むことができるようにする。
★ルールを明確化(視覚化や動作化を通じた音節構造の理解)する。
 ・視覚化では
  促音、長音、拗音、拗長音の音節構造に合わせて視覚化を行い、音のイメージを捉えやすくする。(例)ねこ→●●、ねっこ→●・●
 ・動作化では
  目に見えない音の特徴を具現化することにより、特殊音節のルールを学ぶ。
  音と動作、文字を対応させる。
   (例)●については手を一回たたき、小さい● については両手をグーに握り、音を出さないようにする。

②かたまりとして語を捉えることによる読みの速度の向上
★視覚性語彙(一目見ただけで、その語をなんと読むか、どういう意味か認識できること)を増やすことにより、読みのスピードを増し、読むことへの疲
労感の軽減をはかる。

③日常的に用いる語彙の拡大と使用
★語や文を自分の中で豊かにイメージできるよう、語彙を増やし自由に操る力を養う。

saitani

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