飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

ピーク・エンドの法則

2023年10月17日 08時49分12秒 | 学級経営
帰りの会でのよくある風景。
「さよなら」の挨拶をしたあと担任が言う。
「じゃんけん ぽん」
この声に合わせて子どもたちと担任がじゃんけんをする。
「やったー勝った!」
「まけちゃった。明日は勝つぞ!」
なんて言いながら、笑顔で教室を子どもたちは出て行く。

このよくみかける帰りのじゃんけん、このことに何の意味があるのだろうか。
帰りじゃんけんに本当に何か効果があるのだろうか。
教室内で行われる行為にはすべて意味がある。
意味がない行為ならやめるべきだ。
ただなんとなく、まえからやっているからという理由ならやめて、時間をもっと意味のあることに使うべきだ。

実は、この帰りじゃんけんには明確な効果がある。
それはピーク・エンドの法則を活用した活動であるということ。
人の感情は、クライマックスと最後の感情でほぼ決まるという性質に基づいた法則がピーク・エンドの法則。

例えば、ディズニーランドで2時間並びアトラクションに乗った。
乗り終えた多くの人が楽しかった!また乗りたい!とポジティブな感情になっている。
2時間も待たされ、並んだことも忘れて。
実は、これと同じ効果をねらったものが帰りじゃんけんである。

1日をポジティブな感情で終わらせることで1日楽しかった!明日も楽しみと感じさせる効果が期待できる。
だからこそ、帰りのじゃんけんは効果的だと言える。

しかし、最後にポジティブな気持ちさせるのであれば、それはじゃんけんでなくてもいい。
注意点は3つ。
1 この活動の目的はポジティブな気持ちになれるか
2 そのために児童が楽しめる活動を用意すること
3 形だけの活動になっていないかを常に確認すること

全員に対して同様の価値を提供できているかを観察する必要もある。
1 一部の児童だけが楽しんでいないか
2 登校に不安のある児童を特に観察し、活動する
3 活動がマンネリ化していないかを観察する
4 活動中よりも活動後の表情を観察する
要するに児童にとって楽しめる活動をする。
定期的に他の活動を取り入れ、飽きさせない。

帰りの際に、百人一首を行うのも1つはそのためである。
また、みんなで「いいことみつけ」「ほめ言葉のシャワー」をするのもそのためである。
係り活動があると、「お笑い会社」が一発芸を披露して笑わせてみんな爆笑のなかで下校する。
間違っても、担任のお説教で終わったり、帰りの会で「〇〇さんが掃除をしてくれませんでした」「〇〇さんに悪口を言われました」というようなネガティブな発言で終わることはしてはならない。

saitani


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