飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

後期のスタート

2023年10月05日 09時41分52秒 | 学級経営
10月のなかばのこの三連休を境に、2学期制の学校は後期に入る。
通知表を渡す学校がほとんどだと思う。
しかし、子どもたちの心の持ちようはどうだろうか。
ただの3連休をはさんで、「新学期です」と言われてもピンとこないのが現状だろう。
担任なら、このリスタートの時期を効果的に活用して、子どもたちの成長のステップとしたいと考える。
後期スタートの日に担任なら、「心機一転これまでの経験や学びを生かして、後半も頑張りましょう」ということくらいは話すと思う。
悪くはないが、動機づけの観点からすると効果は期待できない。

自分だったらこんなふうに話す。
後期スタートの最初の授業。
黙って、何も書かれていない(黒板をメモ代わりにつかったり、プリント類をはることはしない)黒板の真ん中に縦線を一本引く。
子どもたちに問う。
「この線はなんだと思いますか?」
何か言う子がいるかもしれないが教師の意図を理解する子はいないだろう。
次に、黙ったまま、黒板の左端に現在の学年が3年生であれば、2年生と書き、右端に4年生と書く。
(例えば、6年生であれば、左隅に5年生、右隅には中学1年生と書く。)
「この黒板の中心の線の意味が分かる人はいますか?」
と再度子どもたちに問う。
「あっ!わかった。」
何人かの子は気がつくだろう。
挙手した子を指名する・
「先生、この黒板の真ん中の線は、今日の日を表しているんですね。
 2学期の始業式、10月10日です。」
「そうです。そのとおりです。よく気が付きました。」
黒板の中心線の上に10月10日と書く。
「今日までの1学期の日々は、前の学年の2年生に近い半年でした。
 だから、少し2年生っぽいことがあっても許されたかもしれません。
 でも、今日からの半年間は、4年生に向かって成長する半年間です。
 今日からは、4年生としてふさわしい行動か、心か、態度かということが問われます。
 だから、今日からはいつも『4年生として恥ずかしくない自分か』と心に問いかけて生活してほしいと思います。」

黒板に次のように書く。
「成長するということは◯◯すること」
「この◯◯には漢字2文字、ひらがなで3文字入ります。
 どんな言葉が入ると思いますか。」
子どもたちに予想させる。
意見が出終わったところで次のように言う。
「『変化』が入ります。
 成長したかどうかは、昨日の自分よりも変わることができたかということです。
 もし同じことを繰り返していたとしたら、それは成長したとは言えません。
 日々、自分自身を更新していくのです。」

最後に、一人ひとりの気持ちを文字化して鮮明にする。
抽象的では、子どもたちは何をしたらいいかわからないまま終わってしまう。
目標はたてても、具体がなければ行動が伴わない。
しかも、いつまでも過去を振り返るのではなく、前を向かせる。
そのために、二学期の未来日記を書かせる。
長く書く必要はない。
未来日記とは、未来に起こることを想像して書く日記である。
例えば、「◯◯小祭り」の未来日記の場合、次のようなる。

私は、◯◯小祭りで歴史クイズのお店のリーダーになりました。
お店の相談をするときにはみんなの意見をまとめるのは大変だったけど、本番ではみんな協力することができ、お客さんもとても喜んでくれました。
仲間のみんなもとてもいい笑顔をしていました。
一生の思い出に残るお祭りになって、自分自身も協力の大切さを学び、成長することができました。

行事の未来日記でなくても、該当学年の修了式の日の自分を思い浮かべて書いてもいい。
こんな内容でもいい。

今日は修了式の日です。
私はこれまで、百人一首を一生懸命暗記して百首覚えることができました。
そのおかげで、リーグ戦でも1部で連続して一位をとることができました。
やり始めた頃は、こんなに強くなれるとは夢にも思いませんでした。
来年度も、この努力することを忘れずにいろんなことにチャレンジします。

未来日記は、できるだけ具体的に書かせる。
具体的に書こうとすることで、その行事や未来に対するイメージをより明確にすることができ、主体的に取り組もうとする意欲を育てることができる。
また、ここで書かれる未来は自分にとって都合のよい未来を書くように指示をする。
明るい未来が待っていると考えた方が、これからの生活が楽しいからです。

学級経営は布石の連続である。
どのような布石を担任打ち続けるかによって子供の成長は規定される。

saitani

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