私魚人(あいうおんちゅ)~定年親父の魚三昧:タナゴ仕掛けとガサで出会った魚たち~

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山陽地方のスイゲンゼニタナゴ 運命如何に!

2020-02-06 13:42:58 | 純淡水魚
2020年2月6日(木)

最近、韓国の研究者がスイゲンゼニタナゴの近縁種Rhodeus notatusの系統地理論文を発表。(下記をクリック)
Evidence of an ancient connectivity and biogeodispersal of a bitterling species, Rhodeus notatus, across the Korean Peninsula.


英語はさっぱりぱり。
なので、知人に概要だけ聞き
図を論文から引用させていただいて

まず、韓国内の各水系からサンプルを集め


中国の近縁種、日本のカゼトゲタナゴとスイゲンゼニタナゴも含め、遺伝子解析を行い

いつ頃、これらのタナゴ類の種分化が生じたかを確かめた結果をまとめたようなのである。


英語と学名ばかりで実に分かりにくい。
これでは研究者やよほどのマニアしか理解できないと思うのだ。

論文の和名などは間違っとるかもしらんが、自分なりに表にしてみた。
ほいで、今、日本国内で売られてる某魚類検索図鑑の内容と比べてみる。



一見、グループのまとめ方はよく似てるように見える。
ところが、まったく逆なのである。

まず、論文の方は
約400万年前に、先祖Ⅰからカゼトゲタナゴと先祖Ⅱの種分化が起き
約360万年前に、先祖Ⅱからスイゲンゼニタナゴとカラゼニタナゴ群の種分化が起きる。

つまり、カゼトゲとスイゲンは最も古い時代に分化していることになる。
種分化は時代の古さと比例するから、亜種以上、つまり別種に相当するといっていい。
また、この結果は日本で発表されてるいくつかの論文とも類似してる。

一方、日本の某魚類検索図鑑では
カゼトゲとスイゲンは、2つの地域集団にすぎない同一種である。
つまり、地域差程度の極めて遺伝的に近い集団である、と書かれている。

どっちが正しいのかはわからないし
和名なんかの混乱ははいつでも改めれば済むケド
種そのものの立ち位置だけはきっちりさせないとね。

少なくとも日本の図鑑の説明はいっさい論文になってない私的見解と聞いている。
また、山陽地方に生息するスイゲンゼニタナゴは、国の『種の保存法』で指定されるほどの絶滅危惧種ということ。
などを考えれば、何となくどちらを選ぶかは見えてくるのだけどね。

このあたりは
学名変更で存続の危機に立たされる 国内希少種スイゲンゼニタナゴの保全

「カゼトゲタナゴ」と「スイゲンゼニタナゴ」、その名称をめぐる混乱と保全
に詳しく書かれてるから、もし興味のある方はクリックしてみてね。

少なくとも、何もあわててカゼトゲとスイゲンを「いっしょこた」にする必要はないような気がしてくる。

問題は、図鑑は広く売られていることにある。
私を含め『図鑑に書かれてることはすべて正しい』と思い込む多くの一般人にね。

だから、研究者さんたち、内部での論議や研究も大切だケド
淡水魚好きで図鑑を手にするような一般人に、もっと分かりやすく説明してもらえんもんかなあ。
研究を進めることも大切だケド、伝えていく責任もあるんじゃないのかなあ。

めずらしく真面目に書いたら、もう腰も脳みそもグズグズ。






コメント (2)
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