三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【マンションリノベ、仕切り機能壁で縁側創出】

2019年02月18日 09時02分31秒 | Weblog
マンションのリノベ、これからの時代には
「高齢者住宅への改装」という確実性の高いニーズがある。
個室数優先の考えは消滅。「戦略的な機能壁」を対置して
日本家屋的な「縁側」にも通ずる空間を創造している。
むしろ北海道だからこその間取り「逆転プラン」かも。・・・

<この記事はReplanWEBマガジンからの転載です。>

北海道 ‒ 札幌市2019.2.15
マンションを機能的に楽しくリノベーション
小坂裕幸建築設計事務所

子どもたちも結婚してそれぞれに家庭を築き、
ひとり暮らしとなった方のマンションリノベーション。
広さよりも使い勝手を重視し、娘や孫たちがみんなで集まれる、
居心地の良い空間を希望しました。築30年のマンションは
大胆に空間を再構築して、寝室と浴室部分を真ん中に据え、
回遊式の動線に。寒くなりがちな窓際には、思い切って機能壁を設置。
縁側のような空間であると同時に、冷気の遮断や本棚収納、
ボイラーの目隠し、配管収納など多機能な設計となっています。
<以下はリンクをクリックしてください。>

◎家族構成:本人70代
◎構造規模:マンション(築34年)
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【東北とヤマト古代史の中心・国府多賀城】

2019年02月16日 07時02分08秒 | Weblog


移動の途中で「国府多賀城」遺跡周辺に。
これまで不思議と一度もきちんと見たことがなかったことに気付く。
周辺は、たぶん史跡扱いになっているようなので、
ほぼ古代の状況を推し量れるような、そういう場の雰囲気が感じられる。
本日は東北とヤマト政権古代史への探究篇ブログであります。

古代の王権にとって、こういう「遠の朝廷」という一種の「都市」を建設するとき、
方位や位置の感覚はきわめて重要だっただろうと思われる。
中国的な風水思想を踏まえて建設地が選択されたに違いない、
とまでは容易に想定される、ということで立って見た。
写真は政庁建築の発掘位置がわかるように地面がマーキングされている。
2枚目の写真はその位置からほぼ真南と思われる方向を拡大した。
おおむね政庁は、鹽竈の湊の方向に対して正対している。
鹽竈は古名でいまは塩釜だろうけれど、
この湊、港は仙台湾で南に向かって開いている。
人的往来、畿内地域との交流においての海路の条件は重要ポイント。
鹽竈神社が古格な神社として重要な歴史的位置をもっていることがわかる。
先日、仙台市若林区にある「国分寺」遺跡をはじめて見たけれど、
その位置からはかなり離れているとされる。
古代国家は当初、政庁として「郡山官衙」を建設したとされ、
その位置は現在の仙台市太白区の長町地域だとされている。
その官衙「都市」との位置関係では国分寺の位置は妥当な距離感。
この多賀城は当初は、対蝦夷の軍事施設として建設されて
その後、この写真のような政庁施設を持つ古代都市として造営された。
そういった経緯で国府と国分寺が10km以上離れている。

この多賀城に立ってみると、この地がやや高台にあって、
鹽竈の湊から、まっすぐに北上する位置にあることになる。
古代の王権関連の人物にとって、この地に派遣されると言うことは
どんな心事だったのだろうかと推定してみる。
古歌によく謳われる「宮城野」とか、松島などの自然景観は詩心を刺激はしただろう。
そのようなフレーズを入れ込めば、畿内政権文化圏内で
「おお、やはり多賀城からの歌はこうでなければ」みたいな判じモノだったかも(笑)。
郡山官衙からこの多賀城に古代東北の政庁が移動したのには
やはり黄金の採掘という大きなインパクトが働いた気がする。
いまも「涌谷」というような地名が残っているけれど、
多賀城の北方にはこういう産金地域が後背として存在している。
・・・いっとき、古代の時間間隔、地域感覚に思いをはせてみた次第。
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【あおり運転的なドライバー、増えている?】

2019年02月15日 07時08分36秒 | Weblog
わたしはクルマでの移動がたいへん多い人間です。
わたしから見ると、運転者のマナーって全国でとくに違いが大きいとも思えない。
たまたま気がせいていたり、個人として問題のあるケースもあるけれど、
おおむね日本人の運転教育は悪くないレベルではないか。

ただ、きのうは宮城県海岸地域某所で、
片側2車線の右側を走行中、前方車が急に右ウインカーを出し減速しはじめた。
そこで左側車線を確認したら後方車とはそこそこの距離があった。
そこで車線変更しようとして、左ウインカーを出したら
その後続車が急に猛スピードを出して接近してきた。
「オラオラ〜、絶対入れてやんないからな!!」みたいな。
危険な距離になったので車線変更を諦め、減速しほとんど停止寸前に。
そうしたらその猛スピード車からすれ違いざまに「○×△▲」と
悪罵を投げつけられていました。
当方のウインカーの出し方に激昂してしまったのかも知れません。
とはいえ、車道にはそこそこの道幅はあったのですが、
ほとんどスレスレの距離で走り去っていった・・・。
当方としては危険回避のためにそういうドライバーとは関わらないように
そのクルマとの距離を取るようにその後、運転しておりました。
こういった手合いに対応するとさらなる逆上の方が怖ろしい時代だと。
どうも最近、こういった「あおり」に近い運転をするひとはいるように思います。

そんな体験をしていたので、
ReplanWEBマガジンで、スタッフのブログで以下の記事を興味深く読んだ。

北から目線の暮らしルポ2019.2.14
冬だけ親切?
東京から北海道に移住して10年のスタッフがお届けする北海道ならではの日常。


ことしの札幌、積雪深はほぼ平年並みですが、
寒さはかなりのレベルなので雪融けがあまりなくて、
道端での雪の堆雪量はかなりになっております。
当然道幅は狭くなっている。
北海道人なら、運転で雪にタイヤを取られて立ち往生という苦い経験は
みんながそこそこには持っているので、
そういう「共存共苦」の気分というのは共通感情としてあります。
なかなかいいコラムだなと思ったので身内ですが
ご紹介したいと思いました。
雪は危険ももたらしてくるけれど、一方でこういう機縁にもなる。
「なんもさ」「おたがいさま」という気分、大切にしたいですね。
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【四季の美を感じる家 きた住まいる南幌相談会】

2019年02月13日 07時19分17秒 | Weblog
北海道の住まい、くらしの魅力は四季の美しさにあります。
あんまり庭造りには熱心ではない北海道民ですが、
それって、それ以上に魅力的な自然美がふつうに存在しているから。
窓の外にちょっと目をやれば、人工物をはるかに超える美観が支配している。
冬は寒さも厳しい季節ではあるけれど、
全国の一般住宅とはまったく別次元の室内気候が実現しているので
そういった安心快適の室内から、自然の空気感を味わうことができる。
喧噪を少し離れただけで、異次元の自然に包まれた豊かなくらしが実現する。
札幌からおおむね30分ほどのほどよい距離感の南幌町でのくらし。
写真のような雪のまばゆい反射光、透明感の高い空の青が
厳寒の冬の暮らしをパノラマ模様に彩ってくれます。・・・

全国的に話題を呼んでいる「きた住まいる南幌」の5棟の住宅。
北海道が推進する「きた住まいる」は、地域の特性を家づくりに活かす
技術を高いレベルを保持する作り手たちを北海道が推奨するもの。
住宅政策でつねに全国をリードしてきた北海道だからこそ実現した、
地域優良工務店と地域の建築家が協働した家づくりです。
公開開始以来、実に大きな反響を全国的に巻き起こしています。
隣接する住宅地の販売が活況を呈したり、
このモデルハウスを見学後、作り手と家づくりを進める事例など
多くの活発な動きが見られてきています。
この南幌の高性能住宅群はこのようにモデルハウスとして活用されるとともに
そのまま購入可能な住宅として、オーナーを募集しています。
家づくりを手がけた建築家と地域工務店が今回「冬のいえづくり無料相談会」を開催。
真冬の厳しい寒さの中で住宅性能の確かさを実感できてさらに
北国の住宅の大きな魅力とも言える「照明計画」の内観・外観まで
夕方の時間帯には実際に確認することもできます。
ぜひ、北海道での最先端の性能とデザインの住宅に触れてください。

南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ冬のいえづくり無料相談会

■日時:2019年3月3日(日)・3月10日(日) 13:00〜17:30(現地集合、現地解散)
■場所:南幌町みどり野きた住まいるヴィレッジ(空知郡南幌町美園4丁目158番)
■相談会内容
この相談会は、皆さまの家づくりに対する疑問にお答えするとともに、専門家チームがこれまで手がけた住宅の模型や図面なども見ることができる、またとない機会です。ぜひふるってお申込みください!
また当日は南幌町、住宅金融支援機構、北海道住宅供給公社の担当者もおりますので、町の支援制度や住宅ローンなどについてのご相談をすることも可能です。
■時間帯
A:13:00〜14:20
B:14:30〜15:50
C:16:00〜17:20
■専門家チーム
01.(株)アシスト企画 ✕ 山本亜耕建築設計事務所
02.晃和住宅(株) ✕ 山之内建築研究所
03.武部建設(株) ✕ アトリエmomo
04.(株)キクザワ ✕ (株)エスエーデザインオフィス
05.(株)アクト工房 ✕ (株)ATELIER O2
■申込み方法
住宅相談会へのご参加には事前に申し込みが必要です。ご都合の良い時間帯と相談したい住宅の専門家チームを、こちらのフォームでそれぞれ選んでお申し込みください。
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【ニッポンの住まい「冬をデザイン」する】

2019年02月12日 06時54分08秒 | Weblog
日本の住宅は、長く「夏を旨として」考えられてきた。
蒸暑の夏をいかに過ごしやすくするか、というのが基本。
寒冷に対しては結局「耐え忍ぶ」という「生活文化」しか生み出さなかった。
住宅のデザインも、そのことに大きく連関していたから、
「より開放的に、通風最重視」みたいな方向で美意識が優先された。

そういう寒冷に無力な日本の住宅文化につけ込んで
19世紀から北方の生活文化を持ったロシアが北海道を領土として狙った。
幕末の日本社会の沸騰は、この帝国主義列強への危機感が根底にあった。
北海道という日本文化からすれば「異郷」といえる地域に
それでも日本人を移植しなければ領土実態を主張できない。
日本にとって北海道はこういった経緯から開拓されてきた。
開拓の初期から、アメリカ北東部マサチューセッツ地方などの
寒冷地域から「開拓技官」が招聘され、寒冷地建築思想が導入された。
開拓初期から戦後初期までは、これらを「見よう見まね」する段階だったのではないか。
しかしかれらと日本人は生活様式に違いが大きかった。
戦後になってようやく日本住宅建築としての高断熱高気密化が進展し、
ここ20-30年の間に、工法的にはほぼ確立されてきた。
最近になって、本州地域でもこうした民族的技術資産は注目されるようになった。
北海道が歴史的にはじめて「日本から学ばれる」ことになった。
それはそれで地域としては喜ばしいことだけれど、
一方でデザインの面では、まだ本格的な醸成はされてきていない。
無意識にまだ「夏を旨とする」デザインが日本社会では主流なのではないか。
けれど、写真のように富士山も外観としては
雪をいただく冬の姿の方が、美しいと感じるひとは多い。
そういえば、富士山ってカタチは単純化の極みですね。
自然のうつろいに対して、それをまっとうに受け止めて美に昇華させる。
たぶん「冬のデザイン」の要諦って、そういうところなのでしょう。
雪が多いところではそれを活かしたデザイン。
雪が少なくより寒さが厳しいところでは、寒冷で環境風景が乏しいなかのデザイン。
外皮はより単純化させることが求められる。
外皮表面積がどれほど単純化できるかが、技術要件としては大きい。
そのときに、外観デザインはどうまとめたら良いのか。
また、外構のデザインも「冬のデザイン」としては課題が多い。
高断熱高気密技術に伴って、合理主義は波及していっているけれど、
こうした「冬のデザイン」はまだまだ道半ばの領域のように思われます。
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【建築と自然が織りなすデザイン】

2019年02月10日 07時57分32秒 | Weblog
昨年、わが家を再建築リニューアルしたのですが、
その折りに、玄関に庇が取り付いた。
かわいい系のデザインで、まったくの水平ラインだけの
シンプルさだったけれど、ポストモダン風のわが家に
どんな印象の変化がもたらされるかと楽しみにしています。
機能要素としては雨除けということになりますが、
さて、雪の季節の中でどんな表情になるかと期待していた。
5日間出張で出ていて、その間東京や仙台で
「北海道は観測史上最高の低温、大雪」とかと騒いでいました。
さてどうなんだろうかと心配していましたが、
どうも最近の天気予報のアナウンスは大袈裟のように思われます(笑)。
この時期の北海道としては通常運転の寒さで雪も平年並み。

で、いまの庇と雪の表情であります。
雪の降り方というのはそのときの風向き強さなどで
積もり方に大きな変化があるものですが、
この表情を見る限りではおだやかに垂直的に降り積もった感。
この庇は「跳ね出し」的に差し掛かっているだけで、
支柱などは省略されている。
その分シャープなんですが、華奢と思われるので、
この冬に一度屋根雪を下ろしています。
庇面近くに水平ラインが見えているのはそのときの名残。
玄関というのは建物の「目鼻立ち」のイメージが強いので
女性がお化粧するように、やはり持ち主・住み手がメンテするべき。
そのように考えればこうした「雪の積もり方」は
ちょうど「帽子」をあれこれと考えることに似ているかも知れません。
まぁ、雪なので白というカラー限定ですが(笑)、
それでも日中と夜間、照明があるなしなど、
ひとに与える印象ってさまざまに千変万化するものだと思います。
また、この庇屋根と対比させて、床に石山軟石の敷石を敷いているのですが
北入玄関ということで日射が当たらず、熱供給がないので、
どうしても雪が掃除しきれない。
そうすると、床面は白い表情になっていくことになる。
ときどき除雪するけれど、そういうふうに「グラデーション」のある表情になる。
これもこれで、自然と人間と建物の相互作用的表情。

メンドイともいえるけれど、こういう建物と自然との対話的表情、
関わっていると、それなりの楽しみ方を教えてくれると思います。
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【世界的リゾート・ニセコで新住協北海道大会】

2019年02月09日 07時08分25秒 | Weblog
新住協北海道支部では、年に一度、全国大会とは別に
オープンなカタチで「支部総会」を開催しています。
ことしもその案内が情報発信されました。その趣意書から。
「北海道地区大会が4回目を迎えます。
開催地は外国人で1年中にぎわうニセコ。
外国人向けの戸建て別荘(コンドミニアム)を見学し、
今回はデザインや規格住宅を中心としたプランを学ぼうという企画です。
デザインも性能もいい住宅、そしてQ1.0住宅の標準化を目指しましょう。
開催が4月下旬になったのは、研修会場費とホテル料金を
できるだけ安く抑えるためです。ホテル側にも協力いただき、
さらに研修会場費等を新住協北海道地区で一部負担します。
日曜・月曜の開催ですが、またとない機会なので、
設計スタッフなどもぜひご参加ください。」というアナウンス。

先日2月6日には The Wall Street Journalで
「日本のアスペン、ニセコに富豪や高級ホテルが殺到」
という記事が掲載されてもいましたが、
日本の普通の住宅建設の景気動向によって推移している
北海道内の住宅建設状況とはまったく異質な市場環境が、
この「日本のアスペン、ニセコ」ではここ十数年にわたって続いている。
その記事の触り部分はこんなふうに書かれている。
〜【ニセコ】北海道のニセコは世界的なリゾート地アスペンや
サンモリッツのアジア版として急速に人気を集めている。
その雪山に惹きつけられるのは裕福な観光客だけでない。
パークハイアットやリッツ・カールトン、アマンといった
世界的なホテルブランドも間もなく開業する予定だ。
 ニセコや周辺のリゾート地には、昼間はパウダースキーを、
夜は熱かんを楽しむアジアや北米からのウインタースポーツ客が
詰めかけている。手頃な宿泊料の民宿や旅館は
1泊400ドル(約4万4000円)のホテルや高いものは
1戸1000万ドルもするコンドミニアムに取って代わられている。〜
といった様子なのです。
わが社でも一昨年スタッフの見学研修として視察してきたりしました。

こういった世界的なリゾート案件は
まさに「不動産投資案件」であり、アングロサクソンやアジア資本などが
競って投資を繰り返してきている。
一般的な「住む」ための住宅建築ではなく、まさに「投資対象」。
なので、おもに海外資本の不動産投資会社が「仲介者」として
投資家との折衝に当たり、そこから設計者・施工者と協議される構造になる。
当然、国際的なビジネス感覚の方が優越する市場環境。
しかし、積雪寒冷の極東アジアの地に建てられる建築であり、
非常にシビアに「投資回収」要素が重視されることから、
住宅性能やデザインについての選別眼もキビシイものがある。
こういった物件について見学体験する新住協の大会が開催される次第。
どうも、まったく新しい「住宅事業」の枠組みが見える可能性が高まってきます。

<写真は一昨年見学したアジア資本の投資コンドミニアム>
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【東京都心「福徳神社」since貞観年間】

2019年02月08日 06時02分19秒 | Weblog


先日セミナー参加で東京に出張しましたが、
その会場近くに面白いお社発見。
なんと名前が「福徳神社」。いやはやめでたさも極まっている(笑)。
貞観年間といいますから、先日書いた東北地方の地震・津波被災のころ。
年代で言えば、859〜876年の頃にはこの地に建っていたそうです。
なのでいまから1100年以上前から鎮座されている。
江戸時代になってこの地を治めていた徳川家もこの名前に感服して
家康、秀忠などが参詣していた記録があるとのこと。
現代では、東京都中央区日本橋室町という住所なので
まさに都心そのもの。福徳とは土地の値段の高さかな(笑)と思われるほどですが、
「武蔵野の村落である福徳村の稲荷神社として祀られ、
その地名をとって社号としました。
その鎮座する社地は広く、社殿も宏壮で、社の四隣は森林、
あるいは田畑に囲まれ、農家が散在する片田舎でした。」という縁起。
創建当時は武蔵野への入植の中心施設として「開拓」神だったのだろうと。
それがまさか、1100年後にはこんな大都会ど真ん中になろうとは
神さまの側もビックリ仰天しているのだろうと推測できる。
いまでは周囲はびっしりと高層ビルが林立する中に端座しているけれど、
ざっと目分量で見ても数百坪程度の地所だとは思われました。
こういう都心なのでさぞかし地価は高いでしょうが、
なんといっても宗教法人なので、免税ではあろうと思われます(笑)。

さっそく趣味の「お札」収集のコレクションに追加すべく
購入させていただいたけれど、特段高価ということはなく800円也。
わが家の神棚まわりで、その縁起の良い名前が燦然と輝くことでしょう。
なんともありがたい。
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【100歳まで描き続けた日本画家・奥村土牛】

2019年02月07日 06時37分19秒 | Weblog
札幌から東京に出張してきたのですが、帰ってきたのは仙台。
東京でメシをいっしょに食った坊主に
「これからどこ行くの?」と問われてつい、
「仙台に帰るよ」と言ってしまっていました(笑)。

今回の出張はきのう触れた東北大学の「スマートエイジング」セミナーが
主目的でしたが、たまたま見た絵画展でも偶然「高齢化」がテーマ。
わたしは大体、日本画のほうにどんどん惹かれてきている人間で、
東京広尾にある「山種美術館」が定番鑑賞箇所。
そこでいま展示されているのが「奥村土牛」さんの作品展。
写真は、その展示の中で「写真撮影しても良いですよ」というプレゼントの
「吉野」であります。
日本画家らしく、日本を描くことに終生を費やした画家ということが
展示から明瞭に浮かび上がってくる。
日本画というのは床に置いて描くので西洋画のようにカンバスがない。
なので、まさに体力消耗が激しいと言われます。であるのに
この作品を描いたのは、画家88歳のときだというのです。
こういう偶然というのはあるのだろうか、と不思議な気分。
スマートエイジングのセミナーの方でも、
人生100年時代をどのようにビジネス的にとらえ直すべきか、
という大きなテーマを与えられたわけですが、
もっと「感覚的に」すっぱりと見せてくれる芸術でそのテーマを
わかりやすく感受性に訴えかけられてしまった。
どうもなにかの機縁が働いているのかも知れないと妄想が膨らんだ(笑)。

この土牛さんという方は、写真で見るとまさに名にふさわしい風貌。
絵は人格を表現している、というのが日本画コレクションに注力した
山種美術館創設者・山崎種二さんの持論だったそうですが、
この土牛さんは山崎さんと下積み時代以来の交友だったそうです。
まさに土牛というような真正直な画風が汲み取れる。
とくにかれは「写生」に徹底的にこだわっていたとされる。
この日本のさくらの名所、吉野を描くに当たって
画家は桜の季節以外の季節にも足を運んで写生を繰り返したと。
描かれた絵柄はもちろん桜が主役として描かれているけれど、
それ以外の季節への写生が、この絵を成立させているというのは
絵が端正なだけにさらに強くつたわってくるものがある。
そういう絵への姿勢を88歳になってもどんどん追究したという。
画家66歳の時の作品へのコトバとして、
「ようやく、描く自由を得た」というようなものがあったけれど、
高齢化というテーマにとって、刺激的な姿勢だと思われました。
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【高齢化・人口減少⇒社会減速常識への挑戦】

2019年02月06日 07時09分55秒 | Weblog


みなさん、半ば常識的に少子高齢化・人口減少から
ニッポンの将来は悲観的であり、とりわけ住宅ビジネスでは
新築住宅着工世代の減少で大きく需要が失われていくという
そういったイメージに支配されているのではないでしょうか?

わたしはこういった常識が蔓延してくると
その常識に唯々諾々と飲み込まれるよりも、違う可能性を探りたくなる、
そういったあまのじゃく人でありまして、
むしろ反対の、ひっくり返すような「非常識」の意見を検証したくなる。
そういうわたし的に感度を刺激されたのが、
写真のような東北大学発の強いメッセージでした。
これまで高齢化というと、伝統的な「老化」のマイナス概念。
加齢とは失うことであり、退化であり、病気である、醜いことである、
といった強い刷り込みがあったと思います。
したがって老化「対策」というカタチで「アンチエイジング」概念が謳われた。
こういったこれまでの当たり前常識に対して、
東北大学は真正面から取り組んで、
「スマートエイジング」という概念を対置して行動してきています。
このスマートエイジングの考え方とは、
●加齢とはなにかを得ること。
●加齢とは人間の発達。
●加齢とは成長すること。
そして、定義概念として、
「エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」
とされています。「社会はより賢明に持続的な構造に進化する」と。

ということできのうは東北大学の設立した
スマートエイジング学際重点研究センターのセミナーだけれど、
なんと、東京神田で開催されておりました(笑)。
セミナーの情報を知って申込みしたのですが、
参加については東北大学側での「選択」があって、
1−2日後に「当選おめでとう」メールが届くという面白い趣向。
ちょっと国立大学らしからぬ対応ぶりだとも思いました。
すでにこうした活動は4年間続いてきたようで、きのうは年度が改まる前に
新年度に向けたアピールという目的のものだったようです。
セミナー後、発表された教授陣と名刺交換機会があり
若干の意見交換もさせていただけましたが、
「最終消費機会はやはり住宅ですから・・・」という発言もあり
いろいろな動向もうかがい知ることができました。
人生100年時代が経済社会にどんなインパクトを持つか、
大きな方向性を感じさせていただけた次第です。
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