性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

省CO2推進モデル事業、結果発表

2008年07月08日 07時45分48秒 | Weblog



相次いだ国土交通省の肝煎り「モデル事業」募集。
総額の国費が半端でない200億円近い金額。
サミットの関係で間に合わせようとしたものと思われますが、
その応募結果の発表が、国交省HPで発表されていました。
http://www.mlit.go.jp/common/000018273.pdf

きょう触れてみたいのは、「省CO2」のほう。
まぁ、どちらも似た傾向にはあるのですが・・・。
結果を見ると、モデル事業とされたのは、
ハウスメーカーが3社(三洋ホームズ・パナホーム・積水ハウス)と
アトリエ天工人(テクト)+金沢工大の先生の提案。
写真は、その選考の講評の概要部分です。

一番最初に出てくるのが
「既存設備の単純な組み合わせでは不十分」というモノ。
こうしたコンクールの場合、選考基準を明確にするというのが
大前提だと思われるのですが、今回の募集要項を見ると第1回ということもあって
抽象的な、雲を掴むような内容。
で、選考の講評になって、こういう文言が突然出てくる。
この事業のはじめから危惧されていたのが、
選考委員はほぼ全員が大学の先生と官僚機構のみなさんという点。
住宅という市場の実態を本当に知っているのか、
霞ヶ関の机上と、アカデミズムの殻の中からしか
日本のいまの住宅マーケットを見ていない。
「先導的」と考えられる企業はハウスメーカーであると
結論づけているのが今回の結果になったわけですが、
日本の住宅はそういう風になるべきだと考えているのでしょうか。
ハウスメーカーというものが、革新的などういう活動を行ってきたのか、
そういう市場に対する判断力がなければ、
こういう事業は軽々に着手すべきではない。

住宅は長期にわたって建築されるモノであり、
設備などもさまざまな実証を経て、その耐久性であるとか
持続的安定性というようなモノがなによりも大切な分野だと考えます。
確かに「選考する」という作業からすれば、
こういう後出しジャンケンでしか判断できないというのは理解できる。
しかし、そうであれば、いきなり巨額の税金を投入するというのは避けるべきではないのか。
ルールを決めていない段階で競争した結果、
名前ばかり有名な企業だけが残ったのではないか、と言われても仕方ない。
ハウスメーカーの応募内容も見てみたのですが、
「今回の選定について」の基準から考えて
どこに選考に値するのかと、疑問を感じざるを得ない企業もあります。
または、CO2削減競争を住宅の住まい手に仕掛ける、みたいな提案が
採用されてもいるのですが、こういうことが実際にできるものかどうか、
よく考えていただきたいと思われます。
北海道で地元ビルダーと大手ハウスメーカーが
省エネをテーマに住宅団地を形成したあとで、
住民同士、暖房用灯油使用量を比較しあって、ハウスメーカー住宅の住民が
憤慨してしまったというようなことが実態としてあるのですが、
そういう実証をともなわないで、言葉とイメージの提案だけで
こういう施策を実行させるというのは、どうも腑に落ちません。

多くの優良なビルダーさんの提案が落とされて、
採用された提案内容を見ていて、まさに不条理の思いを抱く次第です。
みなさん、いかが感じられるでしょうか?


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1 コメント

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Unknown (A)
2008-07-09 23:27:02
この結果は一個人の建築家では不可能かと。

莫大な金額と長年の研究や実験を行ってきた結果がこの奨励金に辿り着いた理由かと思います。

大学の先生と言えど、他にも沢山の地元や大手企業の方々と幾度も話し合いをこなし、実験を行ってきたのではないでしょうか。

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