性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

建築家展

2008年02月02日 07時35分52秒 | リプラン&事業

きのう、札幌の近代美術館で「建築家展」がオープンしました。
期間は来週の日曜日までの10日間。
JIA日本建築家協会北海道支部の設立20周年記念ということ。
リプランもことし、20年の節目を迎えるわけで、
リニューアルを予定し、いろいろな出版活動を行っていくのですが、
まさにJIAの建築家のみなさんとは協同してきた歩みだったと思います。

ただ、建築は実際に建てられた土地や、空気感の中で存在するもの。
その「作品」が体験させられない中で、
どのように「展示」することができるのか?
少し、ハラハラしながら、見ていたわけです。
いつも、身近にいる人たちが普段通りのスタンスでいられるのかどうか、
そんな不安な心理も持ちながら、見に行って参りました。
会場では、そのようなポイントを踏まえながら、
どうパフォーマンスすべきか、みなさんの創意と工夫が随所に見られました。
上遠野徹さんの自邸のムービーコーナーでは
3Dメガネをかけてもらって見てもらうなど、考えているな、と。
基本的には、写真パネルがもちろん多いのですが、
圓山彬雄さんのように、住宅のなかを「のぞき込む」ような
展示の仕掛けで、見る人の想像力に働きかけようとしていたり。
パソコンでプレゼンテーションを音入りで見せたり、
一方では身近な公共建築、札幌ドームの設計プロセスをわかりやすく展示したりと、
なかなかなパフォーマンスぶりで、じっくり見ていると時間を忘れる。
一生懸命に、一般のみなさんに「建築」というものを
わかりやすく魅力的にメッセージしたい、と
取り組んだ様子が、手に取るように実感できました。
通常の「美術鑑賞」というものとは少し違う、
建築というものの持つパワーのようなものが伝わってくる展示になっていますね。

そのほか、会場内では講演やセミナーも開かれます。
また、この会場と連携して、700~800m離れたSTVホールでも
講演会などの催しが開かれています。
以下に、建築家展の趣旨を。

JIA北海道支部20周年記念 建築家展 
「ココでくらす。ココロでくらす。」

はじめに    
JIA北海道支部が誕生した20年前は、行政・研究機関・建築業界さらに新聞などのマスコミが一体となって寒冷地における理想的な住まい造りを求めて、長年にわたって取り組んできた成果がはっきりと現れた頃で、北海道の新たな建築が羽ばたく予感の時期でした。
 その頃に私たちはこれからの新しい建築を求めて「北の建築家たち-空間への浪漫」展を北海道立近代美術館で開催しました。たくさんの参加者にあふれた展覧会でした。ところが急角度に成長してきた経済活動が、その頃から急速に低迷し始め、新しい建築を一気に花咲かせることはできませんでした。  
しかし、そのような環境にあっても地道な研鑽と努力を積み重ね、その建築技術は今や圧倒的といわれるほど成長しました。支部創立から20年目の節目に当たる今年度は、残念ながら一昨年からの構造偽装問題や建設会社の談合など社会を失望させる諸問題で衆目を集めています。しかし、このような時こそ建築家の姿勢と実績を多くの人に見ていただき、建築界に対するさまざまな不安を払拭してもらおうと北海道立近代美術館で建築家展「ココでくらす。ココロでくらす。」を開催します。

 厳しい寒さとたくさんの雪そして豊かな自然環境の北海道で、これまで「此処で豊かに暮らす」ことを求めて努力を重ねてきました。  その結果、豊かな「此処」を創り上げる建築技術は大きな飛躍を遂げてきました。 加えて、これからは「此処」というひとつの建築のなかだけの責任範囲を超えて、「豊かに暮らす」ことを主題にしていかなければなりません。「豊かに暮らす」を支えるには、ひとつの建築で造れるものではありません。暮らしを支える多くの建築、商店や店舗、交番や消防署などの公共施設、集会所や大きな公共施設、遊び場や公園などの調和によって、その街・その地域の「豊かさ」や「魅力」の質が醸成されていきます。この展覧会では、ひとつの建築から「豊かな暮らし」を目指して『ココでくらす。ココロでくらす。』というテーマを決めました。
『ココ』は暮らしを支えあっているお隣さんや地区・地域の建築環境のことを意味し、『ココ』がおかれている自然環境や社会環境の未来を広い視野で考える『ココロ』を持って暮らしていくことを考えたいと思います。

  私たちのこれまでの「此処」から『ココ』に向かう努力の成果である作品を見ていただくと共に、『ココでくらす。ココロでくらす。』を目指す姿勢を身近に感じられるよう工夫を凝らした展示や子供たちから御年輩まで多くの方々に参加していただけるワークショップ、多彩な講演会などを企画しています。  これからの住まいを、街を、都市を、地域を、そして北海道を一緒に考えるきっかけになる展覧会にしたいと思います。
  もっとも北海道らしい冬の2月、多くの皆さまにご観覧いただけることを願っています。
(社)日本建築家協会 北海道支部長  圓山彬雄

入場料500円。ということで、ぜひご来場、ごらんください。
■会期
2008年2月1日(金)~2月10日(日)
*さっぽろ雪まつり/2008年2月5日(火)~2月11日(祝月)
■会場
北海道立近代美術館
札幌市中央区北1条西17丁目

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