三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

北海道は日本住宅革新のフロンティア

2015年05月29日 05時27分47秒 | Weblog
さてきのうは、ブログに書いたとおり、
北海道の「北方型住宅会議」に参加しておりました。
日本の一地方政府としての北海道は、しかし、こと住宅政策という側面では
好むと好まざるとに係わらず、日本の住宅について
きわめて先端的な役割を果たしてきたと思います。
全国レベルでの省エネ基準の策定に当たっては、その基準作りで
先導的な役割を担い続けてきました。
他地域とはかなりレベルの違うQ値1.6という地域基準を
国に対して示し、ある意味、戦い取ってきた側面もあったのです。
いまも、地域を代表する形のメンバーが、まさに中核的メンバーとして
国の制度設計の根幹に関わっている。
わたし自身、「北海道R住宅」というリフォームについての
地域基準を策定する会議のメンバーとして
制度設計、組織作りにまで関わってきた経験があるのですが、
なるほど、行政サイドが本当に真剣に取り組むと
こうまで現実を「変えられるのか」ということに驚愕した経験もある。
リフォームでの「ローン」について、地域としての住宅性能認証である
北海道R住宅基準について、その会議に地域銀行を巻き込んで
話し合ってきていたのですが、その銀行担当者が頑張ってくれて
なんと、リフォームローンで新築と同等の35年ローンを創設してくれた。
その流れでいまでは、ZEH住宅に対して40年ローンも作ったそうです。
工務店の担い手組織作りにしても、なんとか形になるように
地域の有力ビルだーさんたちを巻き込んだ組織を立ち上げてきた。
そういった北海道の熱気に満ちた論議が話題になったのか
途中からは、国土交通省からも住宅担当者が傍聴人として参加してきた。
住宅リフォームについての政策的基準を作るという
一地方政府の役割を超えるような行動に、かれら国交省側も
「どうしてこんなふうに論議展開できるのか、知りたい」
とまで言ってくれていました。
いま、国のリフォームに対しての政策の基本に、いろいろに
その時の論議が形を変えて盛り込まれてきている事実もあります。

そういったまさに「フロンティア」としての役割を
北海道という地域全体が、こと住宅という部分では担っている。
先人のみなさんがさまざまに努力してきたことを
いま旗をつないで、次世代にこういう住宅フロンティアスピリットを
受け継いでいく使命が、わたしたちには課せられていると思っています。
コメント
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