三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

札幌電車復活の動き

2010年01月15日 06時13分22秒 | Weblog




最近の都市計画の動きの中で、
都市内の公共交通機能について、見直しの機運が強まってきています。
札幌では、これまで衰退の一途にあった市電が
あらたに路線を増やす計画に取り組んでいるようです。
こうした流れは、エネルギー問題の解決という意味から考えて合理性のある動き。

わたしの子どものころには
札幌の市電はよく利用していた交通手段でした。
ちょうど市電の停留所まで100mほどしか離れていなかったので、
「札幌駅」までだと停留所は2つ。
そこから市内繁華街中心部までまた2駅ほど、という位置でした。
大変便利で、中学生くらいまではよく利用していたものです。
その後、自動車の時代になってすっかり邪魔者扱い。
除雪が追いつかない道路状況の時には
大きな幹線道路に通されていた電車路は、それだけで2車線の幅を専有するため
ほかの車道部分が割りを食っていて
違法駐車車両などあると、途端に大変な渋滞になっていました。
たぶん、そういう経緯が基本的にあって、
そのうえで「地下鉄」の導入も同時に計画が進行して
路線がダブっている区間の運行を中心に廃止してきたものでした。
ただその過程では、「え、この路線も?」というようなケースもあった気がします。
廃止のころには未成年でしたので、
意見を求められるようなこともなかったのですが(笑)、
わたしとしては、やはり残すべきではないかと思っていました。
そんな思いを持っていたので、ふたたび復活という方向だと聞いて
大変楽しみにしています。
札幌の街は、自動車文化を反映して拡大の一途だったのですが
これを契機に、「コンパクトシティ」の発想が膨らむことを願っています。

現在の状況をその流れで考えてみると、
自動車って、とくにガソリン自動車って、
そのうちに今のたばこや、喫煙者と
同じような見方をされる存在になっていく可能性がありますね。
エネルギーの社会的な無駄遣いを追求させていくと、
自ずとこのような事態の進行があり得るのではないかと思います。
きのうのブログで書いたモロッコのフェズの街ではありませんが、
究極的な、エコロジカル人間集団コロニーと考えると
自動車よりも、公共的交通機関がやはり、どう考えても合理的。
その自動車も、近距離は電気自動車で、遠距離はハイブリッドというように
棲み分けが進んでいくことになると思います。
住宅では電気自動車に対するサービス機能が欠かせない要件になると思います。

写真は函館の市電の様子。
昨年、久しぶりに乗ってみたのですが、
なかなか速度感と、周囲の風景感覚がちょうど良くて
都市、というものの意味合いをいろいろ考えさせてもらえたものでした。






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