三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

住宅性能向上と北海道

2005年10月24日 06時26分05秒 | Weblog

10月のはじめにサッポロファクトリーで、「北方型住宅フェア」という催しが行われました。イベントでは、「北方型住宅」クイズ、なんてのまでやっていて、なんとわたし、引っかけ問題で無惨に脱落しちゃいました。
だって、写真にあるマスコットは、リスかどうか、なんていう問題で、正解は「エゾモモンガ」だって。
そんなの、知るわけあっか!
ってことですが、主催者の道の建築担当者もやられていました(笑)。
なんだおい、それって。まぁ、ご愛嬌だけど。あぁくやしい・・。

国の基準とはまったく別に、北海道は独自の住宅性能基準を策定しています。
「北方型住宅」というのがそれなんですね。。
厳しい風土条件、多くの先人たちの苦労の積み重ねの上、さらにこうした基準設定などで全国大手ハウスメーカーまで含め、地域に似合った性能を持つ住宅が増えてきたといえます。
北海道では戦後の田中知事の時代に「三角屋根ブロック住宅」という地域住宅運動を展開した歴史までありました。これは、断熱性や気密性の高い住宅建築を目的に、地元で大量に産出する火山灰をコンクリート成形したブロックを積み上げる高性能な企画住宅を北海道民に提供しようとした大プロジェクトだったのです。
政治家としての知事が、「日本建築学会賞」を受賞したこともあるほど。

それだけ、暖かい家というのは官民上げた北海道全体の共通問題だったのですね。
こうした北海道の取り組みは、紆余曲折を経ながらこんにちまで続いていて、その現在形態がこうしたイベントなわけ。
東北や関東以南地区の、住宅業界と行政との関わりにこういう有機的な関係は少ない。
こうした住宅性能向上にむけた運動の水準は、国全体の取り組みとはまったく違った意味で、非常に実践的で、民間の技術の底上げも誘導してきました。
こうした点が、もっとただしく評価される必要があります。
同時にそろそろ北海道という地域限定ではなく、よりひろい「寒い日本全体」への技術情報の提供、という方向性が志向されてもおかしくはないのでは、と考えます。
縮小ばかりを優先する現在の公務員制度改革に、別の視点を持つことにもつながりますね。
いいと思うんです、べつに国土交通省ばかりが全国の住宅産業を一元的に「指導・監督」しなくても。官の世界にも「競争原理」を導入して、すぐれた自治体がその枠を超えて、ひろい影響力を持つ、って、ホントの改革という気がします。

いろいろなパンフレットや資料をちょっと、手にしてみたら、みなさん、きっとびっくりします。
とくに東北以南のみなさんは、行政の偏りのない情報として、ここまでわかりやすく住宅性能を開示している、ということに驚かれることと思います。
一度ご覧ください。 道庁(建設部建築指導課)HPは、
http://www.pref.hokkaido.jp/kensetu/kn-ksido/kanri/index.html
コメント
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