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2016年07月15日 22時09分17秒 | すきな小説
『終わりのクロニクル 第3巻(上・中・下)』(2004年4~7月刊)

 『終わりのクロニクル(おわりのクロニクル)』は、川上稔のライトノベル。イラストはさとやす。電撃文庫(メディアワークス)より2003年6月~2005年12月に刊行された。単行本全14巻。
 川上稔による架空の世界観「都市世界」における「AHEAD」時代を取り扱った作品。総じてページ数が多く、最終巻は1000ページを超えて当時の電撃文庫における最厚記録を樹立した。


あらすじ
 2005年、初夏の夜。西東京・奥多摩の街外れに突如として現れた概念空間で、ある戦闘が繰り広げられた。それは、かつて3rd-G が創造した巨大人型機械「武神」同士によるものであった。3rd-G は、神々の力を持つ人々が創り上げたロボット「自動人形」と武神の世界。そこは現在、60年前の概念戦争時に発生したある出来事により2つの「穢れ」を持っているという。
 佐山御言たちは、この3rd-G を次の全竜交渉の相手に選ぶが、この穢れにより他の全G を敵に回す危険性を抱え込むことに……果たして、3rd-G が持つ2つの穢れとは何か? 武神同士の闘いの意味は? 佐山たちは過去の遺恨を取り除き、無事に交渉を成功させることができるのか?


3rd-G
主要概念 …… 金属が生命を持つ概念、小規模な重力制御
対応神話 …… ギリシア神話
対応地域 …… ギリシア / 日本の瀬戸内海地方

3rd-G の世界観
 有限の空に無数の大陸が浮かぶ構造で、古代には海もあったが概念戦争以前に消滅した。人類は個々が細分化した概念核を持ち、恩恵として何らかの自然を操る能力と数千年単位の長寿を有した。細分化した概念核は保有者の死で本体へ戻り新生児に付加されるため、3rd-G の人類は概念核を「冥府(タルタロス)」と呼び、後に制御装置「冥府機構(タルタロス・マキナ)」を建造した。人口の少なさを武神と自動人形で補い、政治は王族によって全大陸が統治されていた。

3rd-G の概念戦争
 当時、全G の中でも最高位の技術力で勝利しようとしたが、開戦で後手に回ったこと、ただでさえ少ない3rd-G 人類が戦死と原因不明の出産率低下で急速に減少したこと、9th-G により大陸を一つ破壊されたことで余裕を失った。当時の王クロノスはゼウスに幽閉され、新王となったゼウスは生存のために同胞や捕虜を武神に改造し、王妃レアとの子(後の飛場・美影)をクローン技術で増産し母体とする近親相姦の計画を練った。それでも優勢を得ず、3rd-G人類が王族のみになった末にゼウスは9th-G に恭順した。しかし乗り込んできた飛場・竜徹によってゼウスやアポルオンは殺され、概念核の半分を奪われて3rd-G は滅んだ。


作中の専門用語
3rd-G製の概念兵器
神砕雷(ケラヴノス)
 荒帝が使用する。3rd-G製の武神用杭打機で、攻撃時は雷を伴って相手を撃ち抜く。元々はテュポーンに装備させる予定だったが、クロノスの計らいで荒帝に組み込まれる。飛場・美影の進化に応じて荒帝とともに強化されていく。古代ギリシア神話においては、ゼウスがテュポーンを封印するために放った雷を意味する。

自動人形
 人型等身大のアンドロイドで、3rd-G を象徴する機械のひとつ。3rd-G人類が身の回りの世話をさせるために開発したものであり、そのほとんどは侍女の姿をしている。感情は持たないが自ら思考して行動し、主人と定めた人間を助けることを至上の目的とする。「共通記憶」という同形式の自動人形のみが参加できる一種のチャット能力を持っている。

量産型自動人形
 最も一般的な自動人形。全部で117体存在する。基本的に同一規格だが、開発時の先天的要因と、経験の差などの後天的要因により個体差がある。モイラシリーズは量産型の上位機種であり、共通記憶を共有できる。3rd-G崩壊の際に3rd-G残党に連れ添った者たちと、神田研究所に流れ着いた者たちの2派に別れている。

モイラシリーズ
 1st、2nd、3rd の3体が存在する。1st は記憶消去、2nd は子体自弦振動の観測、3rd は偽装記憶生成の能力を持ち、2ndは特に多重並列重力制御に長ける。概念戦争によって異G に3rd-G人類が漂流した可能性があり、発見した場合に速やかに保護して3rd-Gの情報を与えるために造られた。量産型自動人形の上位体であり、共通記憶を共有できる。
 かつては120体製造されていたが、概念戦争を経て現在は63体。アイガイオンが Low-Gのファミリーレストランから大量に盗難してきた従業員用の制服(アンナミラーズのように胸部を強調したもの)を全員が着用している。

ヘカトンケイルシリーズ
 ギュエス、アイガイオン、コットスの3体が存在する。戦闘用に例外的に造られた自動人形。3rd-G人類やテュポーンの警備と守護を担う。

人間に進化する自動人形
 シビュレと飛場・美影の2体が存在する。3rd-G人類を増やす母体の不足を補うため、「出産可能な女性に成りうる自動人形」として開発された、非常に特殊な機体である。シビュレは試作品で、彼女を元に美影の機体は造られた。

武神
 全高およそ8メートル前後の巨大な人型機械。3rd-G を象徴する機械のひとつ。元々は3rd-G人類の移動能力を強化するために造られたが、後に戦闘用として用いられるようになる。総じて遠距離兵器よりも剣などの近接兵器を主力としている。翼を有し、飛行能力を持つ機体も多い。3rd-G 製の純正品は搭乗者が機体と一体化することで操縦するが、遠隔操縦できる形式も存在している。また、ヘカトンケイルシリーズのコットスのボディは武神の機体を用いている。他G の機竜に比べると戦闘力は劣るが搭乗時の危険性が少なく、汎用性も高い。

荒人(すさひと)、荒人・改
 護国課が3rd-G製武神の残骸を研究して修理した武神。3rd-G では標準的な機体。
 荒人は概念戦争で飛場・竜徹が搭乗し、3rd-G との決戦で使用不能となった。その後日本UCAT が回収し修理・改造を施して荒人・改となり全竜交渉時代には飛場・竜司が搭乗している。

荒帝(すさみかど)
 飛場・美影が有する概念空間に収納されている黒い武神。美影の意思に応じて通常空間に出現し、彼女と飛場・竜司と合一する。美影の進化に伴い武装の追加や彼女一人で遠隔操縦もできるようになる。3rd-G の概念核兵器「神砕雷」を装備している。

テュポーン
 3rd-G概念核を原動力にした白い武神。3rd-G王族の専用機。
 概念戦争時代に「蒼白の武神」の副搭乗者だったアルテミスが、搭乗して殺されたアポルオンと己の死を置換し、更に搭乗席をテュポーンに移された際に己の死とテュポーンの生を置換したため、アルテミスそのものが宿る機体となった。ただし置換が不完全であったため、テュポーンが破壊されればアポルオンの肉体も破壊される。アルテミスが、自分が死んだ瞬間を思い出すと、テュポーンはアポルオンを搭乗させて暴走する。
 アポルオンとアルテミスの能力を利用して小規模な時間制御が可能であり、「防御と回避の時間」を「相手の死角に回り込む時間と攻撃準備時間」に転化させる「瞬間攻撃」の能力を持つ。

蒼白の武神
 アポルオンの専用武神で、アルテミスの肉体を部品とし、彼女の意思をナビゲータとして副搭乗者としていた武神。概念戦争の際に一度大破し、搭乗者席はテュポーンに移された。

赤い武神
 ギュエスが所有する武神で、肩は無いが6本の腕を有する。主要武器は腕それぞれに持つ6本の剣。遠隔操縦型で、普段は彼女が持つ概念空間で待機している。ギュエスがこれを操るのはかなりの負担がかかるため、長時間の稼動はできない。

白銀の武神
 元々はレアが所有していた武神。ゼウスによってレアごと大破したが、後に遠隔操縦型に改修され、シビュレが使用する。

灰色の武神
 ゼウスの搭乗する武神で、2本の剣を持つ。ゼウスの意思のコピーが動かしているとされていたが、実際はゼウス本人が動かしていた。

3rd-G残党の武神
 3rd-G の残党が所有していた緑色の武神。同形式の物が複数存在しているが、全てモイラ2nd によって遠隔操縦されている。

日本UCAT製武神
 日本UCAT が3rd-G の武神を参考に開発した武神で、ボディカラーは白と黒。3rd-G との全竜交渉には3体が参戦する。

自動人形仕様武神
 長田・竜美との戦闘で大破したヴァイオレットが、修復が終わるまでの間ボディとして使用していた武神。自動人形の侍女服を参考にしたカラーリングがされている。

冥府(タルタロス)
 3rd-G での概念核の呼び名。
 3rd-G人類は概念核の一部を体内に保有しており、死亡すると概念核の一部と死者の意思は概念核に回収される。回収された概念核の一部は新生児に付与されるが、死者の意思はそのまま概念核の中に残留する。すなわち、概念核が3rd-G人類にとっての死後の世界であることからこう呼ばれている。

冥府機構(タルタロス・マキナ)
 冥府(概念核)に死者の意思と概念核の一部を導く機構。
 テュポーンの内部に出力炉として内蔵されているが、概念戦争時に大破している。その制御は誰にもできないとされていたが、アルテミスが冥府機構を搭載しているテュポーンを乗っ取ることで、制御に成功した。

穢れ
 3rd-G が概念戦争の中で得た罪業。多くは、同胞や捕虜への人体改造や機械の部品化、近親相姦や子孫を増やすための母体をクローンで増産しようとしたことを指す。しかし個人的な「第2の穢れ」、そしてそれを解消しようとすると発生する「第3の穢れ」が存在する。
 第2の穢れとは、3rd-G概念核を得ようとすると概念核によって擬似的に死を免れているアポルオンを殺すことになること、つまり「大義を優先して人を殺すこと」である。そして第3の穢れとは、アポルオンの死を回避しているテュポーン内のアルテミスを消し身代わりを立てて死をすべて引き継がせる、つまり「罪を逃れるために死者を再び殺し、そして逃れるために費やした人物をも殺すこと」である。

主な登場キャラクター
佐山・御言
新庄・運切
出雲・覚
風見・千里
大城・一夫
大城・至
Sf(エスエフ)
リール=大樹
シビュレ
ロベルト=ボルドマン
ジークフリート=ゾーンブルク
田宮・遼子
田宮・孝司
飛場・竜徹
ディアナ=ゾーンブルク
ブレンヒルト=シルト
月読・史弦
ハジ
戸田・命刻
田宮・詩乃
長田・竜美

飛場・竜司(ひば・りゅうじ)
 全竜交渉部隊の対武神戦力。尊秋多学院生徒会会計補佐。1年生。美影と荒帝を共有する。
 3rd-G との全竜交渉から佐山たちに合流した少年。美影や竜美とは姉弟同然に育つ。飛場・竜徹によるマンツーマン指導で格闘戦や武器戦に優れている。自動車部所属でダン・原川の後輩。全竜交渉部隊きってのいじられキャラで、次第に扱いが適当になっていく。美影を溺愛している。
 全竜交渉以前から美影を狙う3rd-G と戦闘を繰り返しており、3rd-Gと の全竜交渉の際に初めて全竜交渉部隊と対面する。当初、3rd-G の穢れを己一人で清算しようとしていたが、出雲と佐山に敗れ諭されたこと、彼の身を案じた美影から拒否されたことから己の考えを改め、佐山たちへの協力を決める。

美影(みかげ)
 全竜交渉部隊の対武神戦力。飛場・竜司と荒帝を共有する。
 子供を産める身体になるため、人間に進化する自動人形の機体に魂を移された3rd-G人の少女。当初は人間に進化することへの恐れから進化が滞っていたが、次第に人間へ進化していく。荒帝を召喚する機能を持ち、後にある程度なら単独で動かせるようになる。2nd-G の八又封印時に荒王の制御機構に組み込まれたこともあった。

月読・京(つくよみ・みやこ)
 月読・史弦の娘。
 Low-G の一般人として育つが、テュポーンと荒帝の戦闘に巻き込まれ3rd-G残党に関わる。そこでアポルオンや自動人形たちに認められ、アポルオンの子を身籠る。以降はアポルオンが復活するまでの3rd-G の暫定指導者となり、出雲UCAT の技術者に就職する。

アポルオン
 当代3rd-G王。日中の時間を司る。
 先王である父ゼウスの遺志を継いで概念戦争では Low-Gと戦闘を繰り広げたが、多くの臣民や妹アルテミスを失ったことで反抗を諦めた。後に飛場・竜徹に殺され、アルテミスの計らいで半端ながら蘇生する。その後は諦観から漫然と生活していたが、月読京との交流で気概を取り戻す。

アルテミス
 アポルオンの妹。故人。夜中の時間を司る。
 生殖能力の欠如から武神の部品に変えられ、水色の武神の副搭乗者になる。瀕死の兄アポルオンを生かすためにテュポーンを乗っ取り、アポルオンを不完全ながら蘇生させる。その精神はテュポーンに宿り、死の瞬間を思い出すとアポルオンの意思を奪い暴走する。

クロノス
 3rd-G の先々代王。息子ゼウスに王位を奪われ幽閉された。
 優秀な技術者であり、幽閉後も多様な自動人形や武神を開発している。人間に進化する自動人形のボディもクロノスが造った。美影が奪われた後にゼウスの目を盗んで日本の護国課に現れ、「荒人・改」の改修をシビュレに命じた。自らの肉体を荒帝の部品に変えている。

ゼウス
 3rd-G の前王。父クロノスを幽閉した。アポルオンとアルテミスの父。
 概念戦争に生き残るべく圧政を敷き、「穢れ」と呼ばれる無数の罪を作る。王妃レアを殺して美影を奪い、9th-G と同盟して Low-Gに侵攻した。自ら冥府に落ち、相談役として人格の複製を持った武神を残したとされるが、実際は本人だった。飛場・竜徹との交戦で死亡、その直前にアポルオンを自動人形たちに託す。

レア
 元ゼウスの侍女で王妃。美影の母。Low-G に3rd-G の情報をもたらした人物。
 3rd-G の政略によりゼウスとの間に子を宿すが、3rd-G人類増産用となる母体のクローン元になることを拒否して亡命した。護国課とは衝突もあったが、Low-G で美影を出産したのをきっかけに和解する。後に美影を奪うべく乗り込んできたゼウスとアポルオンに襲撃され死亡したが、右目は飛場・竜徹に移植された。

モイラ1st(ファースト)
 モイラシリーズの1号機でモイラ3姉妹の長女。金髪で巨乳。
 量産型自動人形の指導者で、他機よりも判断基準が高く設定されている。記憶を偽造する機能を持ち、モイラ3rd と組んで人間の記憶管理を行える。戦闘では自動人形部隊を指揮し、重力レールガンの指揮と弾丸補充を務める。

モイラ2nd(セカンド)
 モイラシリーズ2号機でモイラ3姉妹の次女。
 3rd-G 残党の本拠地の客人を世話をする任にあるが、来る者全てに恐れられ、諦観から表情も言葉も失っていた。しかし月読・京との交流でそれを払拭する。記憶や体調などの生体の機微を感知する能力に長ける。戦闘では精密制御能力を活かして最大8体の武神を同時に遠隔操縦できる。

モイラ3rd(サード)
 モイラシリーズ3号機でモイラ3姉妹の末っ子。
 小柄で言動も幼く、非常にハイテンション。人間の記憶を封印する機能を持ち、モイラ1st と組んで人間の記憶管理を行える。戦闘では主にモイラ1st の補佐につく。

ヴァイオレット
 3rd-G残党の自動人形。本来の名は「13th」で、月読・京の計らいでスミレの名を得た。
 他に比べて能力が劣ることから内向的で遠慮がちな性格だったが、京との交流で前向きになった。ボディとの相性が芳しくないが、逆にそれが特性となって高い戦闘力となる。

ギュエス
 ヘカトンケイルシリーズの生き残り。近接戦闘を担当する。
 一見すると赤いスーツを着た短髪黒髪の女性だが、袖の中に軟質金属の剣を隠し、重力制御でそれを硬化・制御して戦う。また専用の武神を短時間なら遠隔操作できる。当初、月読・京とは衝突したが後に主と認める。モイラ3rd とつるむことが多い。

アイガイオン
 ヘカトンケイルシリーズの生き残り。中距離・広範囲戦闘を担当する。
 常に八百屋の装束をした巨漢。情報収集として日本の八百屋で働くが、そこの家族とは縁が深い。しかし八百屋の人々はアイガイオンが自動人形だとは知らない。

コットス
 ヘカトンケイルシリーズの生き残り。長距離戦闘を担当する。
 概念戦争中にクロノスが完成させた唯一の「自動人形が搭乗した」武神。会話能力が低く、単語の羅列のみで会話を行う。普段は武神同然に格納庫で待機している。

八号(はちごう)
 日本UCAT の神田研究所に所属する3rd-G製自動人形のまとめ役。
 短髪赤毛でオレンジ色の瞳をした泣きぼくろのある侍女。当初は佐山・御言に敵対するが、3rd-G全竜交渉で恭順、大城・一夫の世話役として転属される。戦闘用ではないが、冷静な判断力から優れた戦闘力を持つ。密かに御言を主と慕うが、運切の存在からそれを表立って伝えることはない。

四号(よんごう)
 日本UCAT の神田研究所に所属する3rd-G製自動人形の元代表。金髪の少女の姿をしている。
 概念流出時の起動で他の自動人形と共に蜂起して神田研究所を占拠するが、人間への対応に悩み行動不能になったところを佐山・薫との交渉で解決した。それ以降は薫を主として慕い、薫の死後は薫の孫である佐山・御言が来るのを待っていた。

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