長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

第3使徒サキエル颯爽登場 Q

2010年08月27日 11時25分47秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 《第3使徒サキエル颯爽登場 これまでのあらすじ》
  ついに日本の地を踏んだサキエル。人類が選ぶ道は破滅か、勝利か? ていうか、そうだいは今回でちゃんとサキエル検証をまとめられるのか!?

 過去において数多くの特撮作品に登場した怪獣たち同様、たいていの兵器がまったく通用しない第3使徒サキエル。業をにやした国連軍は、保有している中で最強の威力をほこる「N2(エヌツー)兵器」の使用を決断します。
 N2兵器とは、簡単に言えば「放射能を拡散させない核兵器」。町一つ吹っ飛ぶくらいのモノをブッ放すというのですから、国連軍もなりふりかまっていません。
 国連軍の狙い通り、第3新東京市の目前でN2兵器を埋めた地雷をうっかり踏んでしまったサキエルですが、全身がちょっと溶けて仮面みたいな顔にヒビが入った程度の被害ですみ、いったんその場に立ち止まってケガの治療に専念するという判断をします。
 切り札のN2兵器でも死なないとは……! ここにいたって国連軍の攻撃は完全な手詰まりとなりまして、いよいよ、使徒との戦闘を目的に組織された特務機関ネルフの初の実戦登板となるわけなんですね。待ってました!
 そして、その期待の星ネルフの保有する秘密兵器というのが、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンなのです! ここまで長かった長かった!
 ところがギッチョン、このエヴァンゲリオンというものは、兵器としては致命的な欠点がありまして、乗るパイロットが相性のあう14歳の少年少女でないとピクリとも動かないんです。よくもまぁ、そんなものを人類最後の頼みの綱にしたもんだ……とにかく、この時点で実戦投入できるエヴァンゲリオンは、ネルフの保有する2体のうちの片方、紫ボディの初号機のみ。でも、初号機を操縦できるはずのパイロットは、たったいま第3新東京市にやってきたばかりの中学生男子! 大丈夫か? サキエルがまた動き出すまで、初号機を操縦できるようになれんのか!?
 こんなギリギリの状況下なんですが、ネルフはわりと冷静な態度で、あまりの急展開におびえきっている中学生男子をこんな感じで説得します。
 「悪いことは言わないからとりあえず乗ってみて。俺たちも初めてだからよくわかんないんだけど、たぶんなんとかなるから。」
 乗れるかァ!!
 ところが、実はこのアニメの主人公でもある中学生男子は、「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ……」とつぶやきながらエヴァンゲリオン初号機に乗ることに同意します。いい人すぎるのか、よっぽど自分の運に自信があるのか? いずれにしろてぇした根性だ。
 さてそのころ、日が暮れたころに自己修復を完了させたサキエルは再び歩きだし、ついに同深夜、第3新東京市に到達します。修復後のサキエルは、N2地雷で割れた顔の上にスペアの顔が出てきてななめにかぶさっているという外見の変化があります。簡単に言うと、お祭りで買ったお面を頭につけていい感じに酔っぱらってる大槻ケンヂみたいなメイクをしたロッカーといったふぜいでしょうか。ライブがうまくいったのがよっぽどうれしかったのか、目からビームを出して地上の第3新東京市を盛大に破壊しはじめます。サキエルをはじめ、使徒のほとんどは鳴き声も滅多に出さない無口さんなのですが、ここからはサキエルの心中思惟を妄想させていただきたいと思います。
 「俺が行きたいのはここの地下なんだけど、どうやったら行けるかわかんねぇやチキショーイ!」 ドカーン! ボゴーン!
 さぁ、そこに「待てーい!」とばかりに登場したのがエヴァンゲリオン初号機!
 「ん? なんだお前は。全身ムラサキとは……グラムロック好きですか?」
 「……」
 サキエルと対峙したのはいいものの、まったく動こうとしない初号機。それもそのはず、コックピットの中学生男子はまともな操縦法を聞く時間もないまま乗せられた状態です。なんとか初号機を一歩踏み出させるので精一杯。モニターでそれを見たネルフの技術主任は「動いた!」と喜ぶしまつ。それで勝てるのか?
 「クララかお前は。無視ですか……俺もナメられたもんだ。」
 言うまでもなく、前半の闘いはイラッときたサキエルのワンサイドゲームとなります。そりゃ初号機は動けないんですからね。初号機の頭にアイアンクローをかけ、手のひらからズゴンズゴン繰り出す光の槍の攻撃で初号機の右眼をツブすサキエル! 初号機はブシューッと大出血。もはや中の男子中学生の安否は不明。
 技術主任「ダメか……」
 そりゃダメでしょ! いったいどういうつもりで来たばっかりのただの中坊をのっけたのか……
 と思いきや、突然ものすごい形相となって左眼をギラつかせ、ウオオォ~ン!! とおたけびをあげる初号機。キレた! これが『新世紀エヴァンゲリオン』名物の一つ、「暴走」なんですねぇ、ハイ。初めての暴走にビビるサキエル。
 「あれ、さっきとぜんぜん感じが違ってませんか……あ、スンマセンスンマセン! なんか俺も最初の闘いだったんで、調子こいてたっつつうか……次からは気をつけます!」
 初号機「安心しろ。お前に次はない。」
 「あら、ショック~。」
 さしものサキエルも、完全に眼がイッている主人公ヒーローには勝機がありません。目からビームも役に立たず、初号機にボコボコにされてしまいます。形勢逆転! のびて動けなくなったサキエルにマウントし、そのおなかにある赤いボールのような部分を集中攻撃する初号機。
 「あ、そこやめてください! そこはコアっていって、やられたらヤバいとこなんす!」
 ガツン! ガツン! ついにヒビが入ってしまうサキエルのコア。
 「聞いてねぇし。だめだこりゃ……じゃあ自爆すっか。遠くで祭ばやしが聞こえるぜ……」
 瞬間、巨大なねりケシのような塊になって初号機を包み込み、大爆発をとげるサキエル。初号機は無事なのか!?
 当たり前ですが無事でした……主人公だもんね。ごうごうたる火柱を背に、余裕のゆうちゃんで歩いてくる初号機。かくして、記念すべき最初の刺客・第3使徒サキエルの闘いは終わったのです。

 総じて、第3使徒サキエルの役割は、『新世紀エヴァンゲリオン』という物語の説明、数多くの「謎」の提示をスムースに行うことに徹している、いわばガイドのようなもののようです。デザインはなかなか斬新なサキエルなんですが、行動は非常にオーソドックスな怪獣そのもので、大暴れして主人公と闘いそして敗れるというもの。
 それだけやることのわかりやすい使徒に対して、正体不明な不気味さがあるのはむしろ主人公サイドの方です。ネルフはどうやら、むりやり初号機に乗せた男子にパイロットとしての才能は最初から期待しておらず、初号機が暴走する引き金になってくれればそれで良かったようなのです。
 パイロットは選ぶは、血は流すは、暴走しておたけびをあげるは……エヴァンゲリオンは本当にただの兵器ロボットなのか、それとも……?
 まぁそんなこんなで最初の2話分、サキエルはいろいろと視聴者を夢中にさせるキーワードの連発を涙ぐましいまでの滅私ぶりでサポートしつづけ、華々しく散っていったのです。「初回に出てくる怪獣」の鑑だ、あんたは!
 のちに製作された『新劇場版・序』にも登場するサキエルなんですが、絵や画質がキレイになっているくらいで、流れはTV版とほとんど変わりません。10年たっても充分に通用する。それだけ完成された始まり方だったんですね。まさに感心の一言につきます。
 最後にちょっとだけ。この第3使徒サキエルは、『新劇場版・序』ではネルフに「第4の使徒」と呼ばれており、「第3」でも「サキエル」でもなくなっています。また謎かよ! もういいよ!
 この「第3」がなくなった理由は次の『新劇場版・破』で明らかとなり、「サキエル」がなくなった理由は……また次の機会に検証していくことにいたしましょう。

 ということで、一応まとまったぁ~! 3回にわたり長々とやってしまいました「サキエル編」。果たして次回はいつなのか、ていうか、やんのか? 待っておられる方がいらっしゃってもいらっしゃらなくても、私はやります。それが使徒の皆さんの供養になるのならば……
 ここまでつきあってくださったみなさまとサキエルさん、お疲れさまでした~!

  
 

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