長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

なんとなく家宝シリーズ アンディ=ウォーホルの画集

2010年08月28日 05時55分37秒 | 愛すべきおっさんがた
 どもども。そうだいです。昨日はどんな日でしたか?
 私は昨日、阿佐ヶ谷のギャラリーに行って、イラストレーターの韮沢靖さんの個展を観てきました。
 韮沢さんの個展に行くのは初めてだったのですが、今回のテーマは「Villains(ヴィラン 悪役)」ということで、『仮面ライダー』シリーズの改造人間や『バットマン』のジョーカーなどといった東西の名悪役の方々が、韮沢さん一流のアレンジでまた違った魅力を持つものになっていました。私は『エルム街の悪夢』のフレディの作品が特に好きでしたね。原典の雰囲気と韮沢さんの持つ味わいが見事に同居したいい構図でした。今年やっていたリメイク版に爪ナイフの垢でもせんじて飲ませてやってくださいよ、韮沢さんのフレディ!
 さて、今回は「絵」ということにからめて、私の家に置いてある「なんとなく家宝」を紹介してみたいと思います。第2回の今日は、「アンディ=ウォーホルの画集」です。
 アンディ=ウォーホル……なんかもう、アートの王道って感じなんですが、皆さんはお好きですか? あの、人とか物とかの写真を何種類かのインクで着色したやつ。缶詰の「キャンベルスープ」とか、マリリン=モンローの顔写真なんかが有名ですよね?
 私ねぇ、ベタなんですが、ウォーホルが大好きなんですよ! ウォーホルの何が好きかって、その題材に選ぶものの節操のなさ。
 私が持っているウォーホルの画集は、10年ほど前に千葉の川村記念美術館でやっていた特集展示のカタログなんですが、活動初期の1954年から急死直前の86年までおよそ250点の作品が網羅されていて、有名な作品はあらかた載っているというスグレモノです。しっかしまぁ、これを眺めているとハリウッドスターから政治家、靴から死体と、次から次へとおもちゃ箱のようにポンポンとお題が飛び出してきます。まさにポップ! その当時のウォーホル、というよりはアメリカ人が興味を持って飛びついた話題が、そのまんまゴテゴテした着色料たっぷりの砂糖シロップをかけられて永久保存されている、といったふぜいでありましょうか。
 ウォーホルのとった作画方法はシルクスクリーンといって、簡単に言えばプリントゴッコ(若い人、知ってる!? あの年賀状のヤツよ)と同じ版画の一手法。しかもウォーホルは主に写真のネガを使って作品を製作していたのですから、彼自身の個性は配色くらいにしか出ないはず。絵筆でゼロから有を創りあげていくそれまでの芸術とはまったく異質のものです。
 それなのに! ウォーホル個人の個性なんか消えていてもいいはずの作風なのに、どの作品を観ても、隅から隅までぜ~んぶウォーホル印! ひと踊りしたあとのスペインのフラメンコダンサーの衣装のように、彼のかおりが濃厚にただよってくるものばっかりなんです! むせかえる……
 おもしろいです。何回見返しても飽きません。アンディ=ウォーホルというと、亡くなってからすでに四半世紀がたとうかとしていますが、いまだに作品よりも生前の彼自身の生活が取りざたされることが多いです。いわく「アングラの帝王」、「消費社会の申し子」、「セレブのお抱え画家」。いってみれば画集に収録された作品の数々は、当時のアメリカ人を熱狂させた天才マジシャンの使っていた、手品の小道具だったのかもしれません。でも、いや、だからこそ! それらの使い古された小道具たちは、あるじを失って存在する意味を失えば失うほど、他のアート作品にはない不思議な輝きを増していくのではないのでしょうか。

 「僕のことを知りたければ、僕の作品の表面だけを観てください。裏側にはなにもありません。」 アンディ=ウォーホル

 うわ~、『知ってるつもり』みたい! ……って、若い人は知らないよね。象印カムバーック!

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第3使徒サキエル颯爽登場 Q | トップ | 明智マイケル光秀の憂鬱 『... »

コメントを投稿

愛すべきおっさんがた」カテゴリの最新記事