長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

第3使徒サキエル颯爽登場 後編

2010年08月26日 07時12分02秒 | エヴァンゲリオン使徒大行進
 《第3使徒サキエル颯爽登場 これまでのあらすじ》
  そうだいは第3使徒サキエルの検証をしたかったのだが、登場シーンにさえたどり着けずに前編が終わってしまった!

 ここで、第3使徒サキエルのデータをまとめてみましょう。
 身長はほぼエヴァンゲリオンと同じくらいということになるのですが、ここがまたおもしろいところで、そもそもエヴァンゲリオンの身長ははっきりと確定されていません。
 これは、数字を明確に決めないことで、シーンごとに画面映えのいいサイズを自由に選べるようにするためで、日本の特撮作品では伝統的な手法となっています。よく『ゴジラ』シリーズや『ウルトラマン』シリーズを観ていると出てくる、「あれ、ここのシーンだけゴジラがビルより大きすぎるような?」や、「ウルトラマンの手のひらに対して人間が小さすぎないか?」という縮尺の変化は、制作者がちゃんとわかった上であえてとっていた手段だったんですね。
 とはいえ、基本的にはエヴァンゲリオンの身長は40メートルを基準にしているようですので、我らがサキエルもそのぐらい。日本古来の「怪獣」とほぼ同じサイズとしてよいでしょう。
 サキエルの体型はおおむね「痩せた人間の男」型ですが、首がなくて胸の部分に顔らしきものがついているジャミラタイプです。ガリガリな腰まわりと妙に広い肩幅が印象的で、全身の色はつやなし黒。肋骨を思わせるパーツが胴体についていたり、しゃれこうべをアレンジしたようなかなりおぼえやすい顔など、人間の骨をイメージさせるデザインも全身にちりばめています。
 「痩せてる」「黒い」「ホネホネ」というあたりから、なんとなくトンガったロッカーを怪獣にしたような感じがしますが、別にピアスや指輪のようなハデハデな装飾はしていないので、ヴィジュアルよりも音楽性を重視したストイックなライブ活動を行っているようです。純朴そうな顔からして、もしかすると出身は東北か山陰あたりか?
 南極のセカンドインパクト爆心地から出現したと見られるサキエルなんですが、行動も見た目通りかなり不器用で、泳ぎと徒歩で日本の第3新東京市を目指して移動します。
 ここでまた寄り道! 2015年時点での日本の首都は、現在の長野県松本市にあたる第2新東京市で、現在の首都・東京都はセカンドインパクト以降に壊滅してしまっています。『新世紀エヴァンゲリオン』の舞台となる第3新東京市は、将来また遷都するために神奈川県箱根町に建造された都市……という名目ではあるんですが、その正体は使徒との戦闘を想定してつくられた本格的軍事防衛都市なんであります、はい。
 さて、時速およそ40キロ、かなりの日数をかけて一路、第3新東京市を目指すサキエルなんですが、なにゆえサキエルは第3新東京市に行こうとするのか? それはどうやら、第3新東京市の地下に建造された地下施設・ジオフロントにあるネルフ(NERV)本部に用があるかららしいんです。
 はい出ました! ネルフとは、そのうち来ると予想されていた使徒との戦闘のために組織された特務機関で、エヴァンゲリオンを保有しているのも地上の第3新東京市を事実上支配しているのもここなのです。なんだか、その規模にしては本編に出てくる主要組織構成員の皆さんの扱いが低すぎるような……よく言えば庶民感覚を忘れない、悪く言えばビンボ臭い?
 このネルフは、『新世紀エヴァンゲリオン』の中でも特に欠かせない特徴となっています。
 それまでの「ウルトラシリーズ」などの特撮作品には、警察や自衛隊の他に、怪獣撃退の目的に特化した独自の組織が登場するのですが(『ウルトラマン』の科学特別捜査隊、『帰ってきたウルトラマン』のMAT)、おおむねどこかに出現した怪獣をエッチラオッチラ追いかけて攻撃するという、割に合わない大変なお仕事のように見受けられます。
 ところが、その系統を継いでいながらもネルフは違うんです! 使徒のほうからネルフに寄ってくる、つまりネルフは戦う準備をして待っているだけでいいんです! それは移動で疲れたサキエルにはキツい話だ!
 ネルフには色々と謎が多いです……総司令官の外見だけが原因ではない、特有の怪しさがあるんですね。スッキリした印象の制服など、おもて向きのクリーンさがあればあるほど、ますます何かを隠しているようで怪しくなってしまうこの悪循環。
 しかし、サキエルがそこまでして行こうとするネルフ本部には、いったい何があるのか? ここもまた一つの謎となるのですが、サキエルが来た時点では明らかにされないものの、のちにその理由が判明することになります。って、皆さんもうご存じ?
 さて、そんなこんなでついにサキエル、日本上陸!
 ここでふるっているのは、本編におけるサキエル登場シーンです。海中を進む影、沿岸で吹き上がる水しぶきなどは描写されているのですが、サキエルご本人の全体像はなかなかはっきり出てきません。そうしてもったいをつけた上で、画面は同じ時間に第3新東京市近くの町に来ていた中学生男子の視点に移ります。

 突然、男子を襲う地震のような衝撃! びゅわんびゅわんたわむ町の電線。
 やがて、山の向こうから響いてくる不気味な足音。どんどん近づいてくる……
 突然、山の稜線を越えて何かを包囲するかのように後退してくる無数の戦闘ヘリ部隊。
 そして、満を持してゆったりとした足取りで姿を現しその全貌を明らかにするサキエル!!
 
 ……最高です。先日紹介した1954年版『ゴジラ』はもちろんのこと、過去の特撮作品における怪獣登場の文法を最大限に利用しています。衝撃、音、とりまき、そしてご本人! 完璧。
 怪獣の姿は、見た目だけをとるとウソっぽかったり間抜けだったりかわいすぎたりすることがありがちなんですが、登場の仕方を工夫するだけでものすごくリアルな臨場感と怖さが出るんですね。私個人はこのサキエル登場シーンを、あの名作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966年)での怪獣バルゴン登場シーンに匹敵する名場面だと認識しております。
 まず応戦するのは、国連軍の戦車大隊や戦闘ヘリ部隊。劇場版であんなに活躍する日本の自衛隊が、ここではまったく登場していないのが気になります。ネルフはまず国連軍のやり方を様子見。
 しかしながらといいますか当然といいますか、国連軍の通常兵器はサキエルに全然ききません。
巨大弾道ミサイルを片手で受け止めるなど、意外なマッチョぶりを発揮するサキエル。雨のように降り注ぐ砲撃にビックリしたかのようにまばたきをする表情がかわ……やっぱり不気味。
 しかも……ヘリの包囲を抜けるために、ちょっと飛んだ!? 翼はないんですが、念力みたいな動力源で短距離を飛びました。なんだ、飛べるんじゃないすか! なんで南極から飛んで来なかったんだろう……飛ぶ方がシンドいのか?

 あら……またしても、ここまででずいぶん書きすぎてしまったようです。
 すみません、この第3使徒サキエル編、いよいよ記念すべきエヴァンゲリオンVS使徒の第1回戦となる続きは次回ということで! とにかく「オール使徒総進撃」の始まりとなるサキエルさんですんで、ここはじっくりいかせていただきたいと。
 前回と今回とで前後編2回にしたかったのですが、涙をのんで前回は「序」、今回は「破」だったということにさせてください! ということで……

 「Qに続く」
  
 

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