長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

ただのメモです ここは押さえとけ!!ラヴクラフト手帖

2023年12月29日 18時36分56秒 | ホラー映画関係
短編小説『錬金術師(The Alchemist)』(1916年11月)
・ラヴクラフトが小説家を目指す契機となった作品
・所収
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)

ショートショート『忘却 / 廃墟の記憶(Memory)』(1919年6月)
・以降のラヴクラフト作品に共通した思想が描かれている
・所収
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・紀田順一郎 角川ホラー文庫)

短編小説『ダゴン(Dagon)』(1919年11月)
・のちのラヴクラフト世界観を最初に創り出した先鋭的作品
・『クトゥルフの呼び声』(1928年)の原型
・父なるダゴンと母なるヒュドラ
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『クトゥルフの呼び声』(1928年)、『インスマウスの影』(1936年)

断章『アザトース(Azathoth)』(1919年?月)
・『未知なるカダスを夢に求めて』の原型か
・アザトース
 「魔皇」、「万物の王」、「白痴の魔王」と呼ばれ、ラヴクラフト神話に登場する多くの神々の始祖とされる。
・所収
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ダンセイニ卿『ペガーナの神々』(1905年)
・関連作品
 『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)、『闇に囁くもの』(1931年)、『魔女の家の夢』(1933年)、『闇の跳梁者』(1935年)

短編小説『ランドルフ・カーターの陳述』(1920年?月)
・ラヴクラフト自身をモデルとした神秘学者ランドルフ・カーター(Randolph Carter)が登場するシリーズの第1作
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)

短編小説『ニャルラトホテプ(Nyarlathotep)』(1920年11月)
・ニャルラトホテプ
 クトゥルフ神話における重要なキャラクター。人間大で描写されている。
・所収
 『ラヴクラフト全集第5巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『這い寄る混沌』(1921年)

短編小説『ウルタールの猫(The Cats of Ulthar)』(1920年11月)
・ドリームランドもの
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕訳 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連項目
 『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)、『蕃神』(1933年)

ショートショート『北極星 / ポラリス(Poraris)』(1920年12月)
・超古代の歴史書『ナコト写本』が初登場する。
・所収
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)

短編小説『恐ろしい老人(The Terrible Old Man)』(1921年7月)
・移民による犯罪を描いた物語であり、人種差別の批判を承知で著した作品。
・キングスポートが初めて舞台となった作品
・所収
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ダンセイニ卿『驚異の書(Probable Adventure of the Three Literary Men)』(1912年)
・関連作品
 『魔宴』(1925年)、『霧の高みの不思議な家』(1931年)

短編小説『家の中の絵(The Picture in the House)』(1921年7月)
・「アーカム」や「ミスカトニック」が初めて登場する。
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)

短編小説『無名都市(The Nameless City)』(1921年11月)
・アブドゥル=アルハザードの名前が初登場する記念碑的作品
・無名都市
 アブドゥル=アルハザードが幻視して見つけた、はるか昔の都市。アルハザードは「夢の中で訪れた」とされる。古代人は、この地を「何も無い場所」を意味する「ロバ・エル・カリイエ」の名で呼び、現代アラブ人は「真紅の砂漠」と呼ぶ、イラク・クウェート付近にあるルブアルハリ砂漠の中に存在する。20世紀初頭にはクトゥルフ教団の拠点がある。
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『サルナスの滅亡』(1920年)、『魔犬』(1924年)、『クトゥルフの呼び声』(1928年)

短編小説『エーリッヒ・ツァンの音楽(The Music of Erich Zann)』(1922年3月)
・ラブクラフトが「自分の物語で最高の作品」として紹介している。
・所収
 『ラヴクラフト全集第2巻』(1976年 訳・宇野利泰 創元推理文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)

短編小説『セレファイス(Celephaïs)』(1922年5月)
・セレファイス
・クラネス
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 アンブローズ=ビアス『空飛ぶ騎手(A Horseman in the Sky)』(1889年)
 ダンセイニ卿『トーマス・シャップ氏の戴冠式』(1912年)
・関連作品
 『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)、『インスマスの影』(1936年)

短編小説『眠りの神 / ヒュプノス(Hypnos)』(1923年5月)
・所収
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『魔犬』(1924年)

短編小説『魔犬 / 妖犬 / 猟犬(The Hound)』(1924年2月)
・魔導書『ネクロノミコン』が初めて登場した作品
・アブドゥル=アルハザード
・所収
 『ラヴクラフト全集第5巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『無名都市』(1928年)

短編小説『魔宴 / 祝祭(The Festival)』(1925年1月)
・のちのクトゥルフ神話に先行した作品として重要
・キングスポートもの
・「無定形のフルート奏者」、魔導書『ネクロノミコン』、「ミスカトニック大学」の設定が初めて明確化される
・緑色の火柱
・無定形のフルート奏者
・所収
 『ラヴクラフト全集第5巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『恐ろしい老人』(1921年)、『魔犬』(1924年)、『無名都市』(1928年)、『霧の高みの不思議な家』(1931年)

短編小説『名状しがたいもの(The Unnamable)』(1925年?月)
・ランドルフ=カーター
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)

短編小説『アウトサイダー(The Outsider)』(1926年4月)
・ラヴクラフトの代表作の一つ、初期の最高傑作
・ラヴクラフトは「最もポオの作風に似ている」と語っている。
・ラヴクラフトの心象を表した一種の自伝的小説と評され、ラヴクラフト自身も「自分はアウトサイダーである。」と語っていた。
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・平井呈一 角川ホラー文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 エドガー=アラン・ポオ『ベレニス』(1835年)、『赤死病の仮面』(1842年)
 ナサニエル=ホーソーン『ある孤独な男の日記より』(1837年)
 オスカー=ワイルドの童話『王女の誕生日』(1891年)
・関連作品
 『闇をさまようもの』(1936年)

短編小説『異次元の色彩 / 宇宙からの色(The Colour Out of Space)』(1927年9月)
・ラヴクラフト自選ベスト作
・宇宙生物カラー(色彩)
 他の生物の生命力を糧とし、影響を受けた生き物は精神を病み生命力と色彩を失って灰色に変じ、最終的には崩れ去る。ガス状の生命体と推測されているが、正体も対処方法も不明。
・映像化作品
 映画『DIE MONSTER DIE!(襲い狂う呪い)』(1965年)
 映画『The Curse(デッドウォーター)』(1987年)
 映画『Die Farbe』(2010年)
 映画『カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇』(2019年 主演ニコラス=ケイジ 監督リチャード=スタンリー)
・所収
 『ラヴクラフト全集第4巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『From Beyond』(1920年)、『ダンウィッチの怪』(1929年)、『忌まれた家』(1937年)

短編小説『ピックマンのモデル』(1927年10月)
・カニバリズムをテーマとした作品
・ラヴクラフト作品でも特異な一人称対話形式の作品
・リチャード=アプトン・ピックマン
 アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンの幻想画家
・所収
 『ラヴクラフト全集第4巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
・関連作品
 『ネクロノミコンの歴史』、『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)

短編小説『クトゥルフの呼び声(The Call of Cthulhu)』(1928年2月)
・ラヴクラフトのクトゥルフ神話の代表作、中核、出発点
・ラヴクラフト自身は「そこそこの出来、自作のうち最上のものでも最低のものでもない。」と評している。
・クトゥルフ(Cthulhu)
 エインジェル教授の論文に現れる邪神。信者は世界各地におり、グリーンランド、ニューオーリンズ、南太平洋で神像が見つかっている。
・所収
 『ラヴクラフト全集第2巻』(1984年 訳・宇野利泰 創元推理文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 アルフレッド=テニスンの詩『クラーケン』(1830年)
 ジェイムズ=フレイザー『金枝篇』(1890~1936年)
 アーサー=マッケンの短編小説『黒い石印』(1895年)
 ロード=ダンセイニの短編小説『ペガーナの神々』(1905年)
 イギリスの怪奇小説家アルジャーノン=ブラックウッド(1869~1951年)の引用
・関連作品
 『ダゴン』(1919年)、『ダンウィッチの怪』(1929年)、『インスマウスの影』(1936年)

短編小説『銀の鍵(The Silver Key)』(1929年1月)
・ランドルフ=カーター
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫
・関連作品
 『セレファイス』(1922年)、『銀の鍵の門を越えて』(1934年)

短編小説『ダンウィッチの怪(The Dunwich Horror)』(1929年4月)
・アンソロジーに採用されることも多く、ラヴクラフトの代表作かつ入門作として取り上げられることも多い。モダンホラー文学の先駆。自他ともに好評な自信作
・旧支配者
・ヨグ=ソトース
・映像化作品
 映画『ダンウィッチの怪』(1970年)
 映画『H.P.ラヴクラフトのダニッチ・ホラー』(2007年)
・所収
 『幻想と怪奇第2巻 英米怪談集』(1656年 訳・塩田武 ハヤカワポケットミステリ)
 『怪奇小説傑作集第3巻 英米篇3』(1969年 訳・大西尹明 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト全集第5巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『クトゥルフの呼び声』(1928年)、『チャールズ・ウォードの奇怪な事件』(1928年)、『インスマウスの影』(1936年)

短編小説『闇に囁くもの(The Whisperer in Darkness)』(1931年8月)
・SF小説の傾向が強い、転換期にあたる作品
・地球外生命体ミ=ゴ
 惑星ユゴスから飛来した知的種族。菌類生物に近いが高度な科学力を有する。
・所収
 『ラヴクラフト全集第1巻』(1974年 訳・大西尹明 創元推理文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『クトゥルフの呼び声』(1928年)、『ダンウィッチの怪』(1929年)、『狂気の山脈にて』(1936年)、『時間からの影』(1936年)

短編小説『霧の高みの不思議な家(The Strange High House in the Mist)』(1931年10月)
・キングスポートもの
・ノーデンス
 海の神
・所収
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ダンセイニ卿『驚異の書(Probable Adventure of the Three Literary Men)』(1912年)、『ロドリゲスの年代記』(1922年)
・関連作品
 『恐ろしい老人』(1921年)、『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)

短編小説『魔女の家の夢(The Dreams in the Witch House)』(1933年7月)
・「妖術師もの」の一作
・所収
 『ラヴクラフト全集第5巻』(1987年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2023年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ナサニエル=ホーソーンの未完小説『セプティミウス・フェルトン』(1872年)

ショートショート『蕃神 / べつの神々(The Other Gods)』(1933年11月)
・ドリームランドもの
・『ナコト写本』が登場する。
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2022年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・関連作品
 『ウルタールの猫』(1920年)、『北極星』(1920年)、『未知なるカダスを夢に求めて』(1927年)

短編小説『銀の鍵の門を越えて(Through the Gates of the Silver Key)』(1934年7月)
・ラヴクラフトの異界幻想の極致というべき異色作
・所収
 『ラヴクラフト全集第6巻』(1989年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
・関連作品
 『セレファイス』(1922年)、『銀の鍵』(1929年)、『永劫より』(1935年)

長編小説『狂気の山脈にて(At the Mountains of Madness)』(1936年2~4月)
・「クトゥルフ神話」の歴史が最も直接的かつ密度濃く描かれた作品。「古のもの物語」の代表作。
・ロストワールドもの SF冒険小説
・ラヴクラフトの宇宙観の総決算となる「幻想宇宙年代記」
・関連作品
 『時間からの影』(1936年)
・古のもの(いにしえのもの Old One)
 樽形の胴体と五芒星形の頭部を持つ半動物・半植物的な地球外生命体。生命体がまだ存在しなかった太古の地球に到来して文明を築いた。魔導書『ネクロノミコン』には、彼らが地球の生命体を創造したと記されている。生命力が極めて強く、水陸双方の環境に適応する。超常的な力は持たないが、科学技術が非常に発達していた。南極大陸は彼らが宇宙から地球に最初に降り立った場所である。「旧支配者」とも呼ばれる。
・ショゴス(Shoggoth)
 スライムのような不定形生物で、古のものによって創造され、都市の建設などに使役されていた。力が強く、身体は形状を変えるだけでなく、一時的に様々な器官を造り出すことが可能である。やがて知性を発達させ、次第に古のものに対して反抗的になり、ついには大規模な反乱を起こした。「テケリ・リ!テケリ・リ!」という特徴的な声を挙げるが、これは古のものの発声器官を真似することで身に付けたものである。このショゴスの鳴き声は、エドガー=アラン・ポオの冒険小説『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』(1837)に登場する巨大な怪鳥の鳴き声が元になっている。
・クトゥルフの末裔(Star-spawn of Cthulhu)
 古のものよりもさらに遠い世界から現れた地球外生命体。外見上はタコに似ているが、身体が地球上の生物とは異なる物質によって構成されており、変身や体組織の再生が可能である。古のものよりも後に地球に到来し、地上の支配を巡って古のものと激しく争った。この戦いでは一時的に全ての古のものを海に追い落としている。のちに和戦がなされて領土を分け合ったが、突如として本拠地の都ルルイエもろとも海に沈んだ。
 魔神クトゥルフとは異なり、クトゥルフの末裔はミ=ゴと同列の宇宙生命体のような扱いで、「陸棲種族」などと表される。
・ミ=ゴ(Mi-go)
 外見は甲殻類に、性質は真菌類に近い地球外生命体。クトゥルフの末裔と同様、地球上の生物とは根本的に異質な生物で、変身や体組織の再生が可能である。地球に現れたのはクトゥルフの末裔のさらに後で、すでに衰退していた古のものから北方の土地を奪った。ただし、海に隠棲した古のものには手出しができなかった。現在も地球上に潜んでいる。
・ミスカトニック大学
 アメリカ合衆国マサチューセッツ州の都市アーカムで1797年に創立された総合大学。
 1930年の南極探検には、ナサニエル・ダービイ・ピックマン財団から資金援助を受けている。
・狂気山脈(Mountains of Madness)
 南極大陸に存在する未知の巨大な山脈で、山腹にある地下洞窟から奇怪な古生物の化石が発掘され、恐るべき超古代の支配者達の存在が判明した。
・所収
 『ラヴクラフト全集第4巻』(1985年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 エドガー=アラン・ポオ『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』(1837年)
 マシュー=フィップル・シェイ『パープルクラウド(The Purple Cloud )』(1901年)
 エドガー=ライス・バロウズ『地底の世界ペルシダー(At the Earth's Core )』(1914年)
 エイブラハム=グレイス・メリット『秘境の地底人(The People of the Pit )』(1918年)
 オスヴァルト=シュペングラーの歴史学書『西洋の没落』全2巻(1918、1922年)
 ジョセフ=ペイン・ブレナン『沼の怪スライム』(1953年)
・関連作品
 『無名都市』(1921年)、『未知なるカダスを夢に求めて』(1926年)、『時間からの影』(1936年)

短編小説『インスマスの影(The Shadow Over Innsmouth)』(1936年4月)
・ラヴクラフトの代表作。スリラー小説の要素が強い。クトゥルフ神話体系の中核。
・ダゴン秘密教団、深きものども
・映像化作品
 TVスペシャルドラマ『蔭洲升を覆う影』(1992年)
 映画『ダゴン』(2001年)
・所収
 『ラヴクラフト全集第1巻』(1974年 訳・大西尹明 創元推理文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 アーヴィン=S=コッブ『フィッシュヘッド』(1911年)
 オーガスト=ダーレス『潜伏するもの』(1932年)
・関連作品
 『ダゴン』(1919年)、『セレファイス』(1922年)、『クトゥルフの呼び声』(1928年)、『ダンウィッチの怪』(1929年)

短編小説『時間からの影(The Shadow Out of Time)』(1936年6月)
・「大いなる種族もの」の代表作
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『狂気の山脈にて クトゥルー神話傑作選第2巻』(2020年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ウィリアム=ホープ・ホジスン『異次元を覗く家』(1909年)
・関連作品
 『異次元の色彩』(1927年)

短編小説『闇をさまようもの / 暗闇の出没者(The Haunter of the Dark)』(1936年12月)
・ラヴクラフトが生前に発表した最後の作品。ニャルラトホテプものの代表作
・ニャルラトホテプ
 闇をさまようもの。
・所収
 『ラヴクラフト全集第3巻』(1984年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『ラヴクラフト 恐怖の宇宙史』(1993年 訳・荒俣宏 角川ホラー文庫)
 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選第1巻』(2019年 訳・南條竹則 新潮文庫)
・先行作品
 ロバート=ブロック『星から訪れたもの』(1935年)、『暗黒のファラオの神殿』(1937年)、『尖塔の影』(1950年)
・関連作品
 『アウトサイダー』(1926年)

短編小説『忌まれた家(The Shunned House)』(1937年10月)
・吸血鬼や狼男伝説をモティーフとしている
・ラヴクラフトの訃報と共に雑誌『ウィアード・テイルズ』に掲載された作品
・所収
 『ラヴクラフト全集第7巻』(2005年 訳・大瀧啓裕 創元推理文庫)
 『アウトサイダー クトゥルー神話傑作選第3巻』(2023年 訳・南條竹則 新潮文庫)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 業火絢爛たる演劇的悪夢に、... | トップ | 今年もよろしくお願いします... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (mobilis-in-mobili)
2023-12-30 11:33:14
いやー、よく調べられましたねー。
私も引用ばかり知ってましたが『やはり原典に触れるべきだ』と一念発起して読み始めました。読んでみると、ケッコー当時最先端の科学技術を反映している作品が多く見受けられるのに驚きましたねー。
https://blog.goo.ne.jp/mobilis-in-mobili/e/a3bce863516e4e51942f30196a3b027b
返信する
無限大の想像力! (そうだい)
2023-12-30 16:08:51
 mobilis-in-mobili さま、年末のお忙しい時に貴重なコメント、まことにありがとうございます!! 今年も良い年になりましたでしょうか。

 いえいえ! 調べたなんて大したもんじゃなくて、新潮文庫版を読みながら備忘のためにメモしたってだけなんですよ。恐縮です……
 実は、私は四半世紀も前の学生時代にいったん創元推理文庫版の全集をざっと読んではいたのですが、その難解な修飾表現の嵐(なぜか、ページ数が少ない作品ほどわけわかんない!)に辟易して、ラヴクラフト界隈はず~っとご無沙汰になっていたのです。

 でも、最近になって南條訳を読んでみたら、私も歳をとって少しは大人になったのか、あなたさまもおっしゃる通りのいかにもラヴクラフトらしい几帳面な最先端科学の引用や、「見えない恐怖」や「欠落したり追加されたりする記憶」といった21世紀的にすら見えるとんがった発想、そして「現実のかせから逃れて空想の世界へ」という、乱歩チックな哀しみも垣間見える彼自身のねがいにミョ~に心を打たれてしまい、マイブームが再燃してしまったという次第です。

 ほんと、創造者ご本人の死後に全世界的な広がりを見せるとか、どこの怨霊かノトーリアス・B・I・G なんじゃという話なのですが、生物にはかつて許されなかった「永遠の命」というものを、人間の創った作品が得るという、とっても夢のある現象でもありますよね。

 そういえば、ネット上では数年前に『狂気の山脈にて』がハリウッドで映画化されるといううわさもあったとか。
 実現したらすばらしいし、私も絶対に観に行くとは思うのですが、大山鳴動してキングスライム1頭という、このハッタリ感を茶化さずに堂々と映像化してくれる猛者は、そうそういませんよね~。
 でも、そういう古典ホラーの奥ゆかしさが好きなんじゃ~!! 創元推理文庫のほうも、近いうちに必ず別巻まで含めて読み直したいと思います。

 あなたさまも、どうか良いお年をお迎えください!!
返信する

コメントを投稿

ホラー映画関係」カテゴリの最新記事