長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

これぞ21世紀の耳嚢!? YouTubeの『都市伝説考察チャンネル THE つぶろ』 ~雑文まとめ~

2024年07月07日 18時50分17秒 | ミステリーまわり
 さーさーのーはーさーらさらー!! みなさま、どうもこんばんは。そうだいでございます。
 今年もすでに7月ということで、あっという間に後半戦となってしまいました。まったく早いなぁオイ!
 本日は七夕の日ですが、こちら山形は見事なまでのオールグレイ曇天となっております……宇宙リア充あはれなりィイ。

 7月と言えば、私は丸一年前に山梨県へと片道500km の往復ドライブ旅を決行しておりました。1泊3日の年甲斐もない強行軍でしたが、んまぁ~ものすんごく楽しかったですね。源泉水温20℃の洞窟温泉「増富ラジウム温泉」でのひとときは忘れませんよ……

 そんでま、今年の7月もどっか行きたいなということで、この週末に私は山形県米沢市の白布(しらぶ)温泉の西屋旅館さんに泊まってまいりました。ずっと行きたかったんですよ、ここ! これで白布温泉伝統の「中屋(別館)」、「東屋」に続いて御三家コンプリートや!!
 白布温泉は日本全国で秘湯と呼ばれる種類の温泉地の中では比較的有名な場所かと思うのですが、それでも最寄りの都市である米沢市から車で約30分強続く田園~山道の寂しさはものすごいもので、特に今回は仕事の都合で完全に陽が落ちてからのドライブとなり、しかも漆黒の山影がたまに不気味な雷光で照らされるというムード満点なシチュエーションで宿に向かうこととなりました。映画『ルパン VS 複製人間』のオープニングか!
 そして、よせばよいのに以前から何度か白布温泉に通っていた私は、かねてからそこに行くまでに必ず通る県道2号線の途中で「船坂峠(ふなさかとうげ)」という廃道が脇でぽっかり口を開けているのが気になっていまして、そこはいつも車止めやテープが張ってあって閉鎖されていたのですが、今回に限ってテープがちぎれて中に入れる……ような気がしたので、ついつい夜道にもかかわらずそこに潜入してしまいました。
 いや~……夜の山は怖いですね! 以前調べたところ、かなり曲がりくねった廃道ではあっても、そこはもともと片側一車線のアスファルトが敷かれていたちゃんとした道路であることは知っていたので大丈夫かなと高をくくって挑んだのですが、道は予想以上のスピードで自然に侵食されており、冗談抜きに道路の見える部分が幅50cm くらいという『千と千尋の神隠し』ライクな枝まみれツタまみれの惨状に。要所要所で道路がまるまる見えている場所もあったので、おそらく不定期に地元の方か私のような物好きが通っている人跡を感じてその点は安心だったのですが、倒木や落石を踏んで車が立ち往生して、そこにツキノワグマでも出てきようものなら……という恐怖にかられる時間でした。結局、やっと峠道を抜けたと思ったら、そこから現道に出るゴール地点に廃タイヤが並んで閉鎖されていたので、泣く泣く来た道を戻ってちゃんとした正規ルートをたどり直し申した。テンションに駆られてアホなことはするなかれという教訓!! ほんと、何事もなく生還できてよかった……日頃お参りしてる薬師如来さまのおかげだべ。

 山形は先月から、雨が降らなければムシムシの炎天にみまわれる酷暑が続いているのですが、さすが白布は米沢藩上杉家の奥座敷というだけあり、湿気と虫には目をつむるとしても暑さ知らずの快適な夜を過ごすことができました。江戸時代から設計が変わっていないという石造りの瀧風呂も大迫力で素晴らしかった! 梅雨のせいか湯の温度がぬるめだったのも逆に良かったですね。宿泊客の場合は大きな内湯の貸し切り風呂も入れるのですが、そちらで深夜に窓の外から聞こえてくるカジカガエルの美声も最高でしたよ。瀧風呂は瀑布の爆音としぶきでそれどころじゃないから。
 宿への到着が夜9時近くという、翌日の朝食のみで半日ちょっとのせわしない旅となってしまいましたが、主目的は温泉なので、十二分に楽しめるひとときを味わえましたね。西屋さんは古い旅館の常として、外観から受ける印象以上に内部の構造が入り組んで廊下と階段の組み合わせが迷路のようになっていて、迷子になったふりをしてだぁれもいない奥の棟を覗き見る楽しみもしっかりできました。お化けには流石に会えないんだけど、真っ暗な無人の廊下で誰かを待っているかのように佇んでいる日本人形や掛け軸を見ると、ゾックゾクしますよねぇ! あっ、お邪魔しました……みたいな。
 白布温泉以外にも、まだ私が行っていない米沢の秘湯はまだまだあります! 次はどこに行こうかしら。


 ……とまぁこんな具合で前置きが長くなってしまいましたが、要するに私はかくのごとく、ちょっぴりアブない冒険やオカルトじみた謎が大好きな人間なのであります。そんな私が、『THE つぶろチャンネル』みたいな不思議まみれ謎まみれのパラダイスに食指が動かないはずがないんですねェ!!
 やや気づくのが遅れてはしまいましたが、ゴールデンウィーク後のまるまる2ヶ月を使って、1500本以上の動画とサブチャンネル『THE つぶろ調査隊』の全動画を楽しませていただきました。いや~、おもしろかったぁ。

 Youtube にて2019年1月に開設された『THE つぶろ』は、青森県出身の2名の男性がネット上で語られている都市伝説を掘り下げて紹介していく動画チャンネルなのですが、その真摯な調査スタイルはそんじょそこらの「ネット上の出展不詳の噂を面白い奴から拾って羅列しました~。」みたいな無責任な動画チャンネルとは一線も二線も画しまくった綿密かつ細心なもので、お題に選んだ謎に一瞬でも実在の住所や企業でも出て来ようものならば、光の速さで役所に急行すれば登記簿を、図書館に馳せ参じれば過去の地方新聞の記事をチェックして、そこから得た信頼できうる人々や土地の履歴をもとに推理を展開するという、昭和の刑事みたいな地に足の着きまくった調査を得意としているのです。松本清張イズム!
 また、そういった実在の事件や場所に基づいた噂を調査するほかにも、このチャンネルではあの「かわいくさせて」や「ジェフ・ザ・キラー」に代表される、ネットサーフィン(化石語)したことのある人ならば必ず出くわしたことのあるビックリ系恐怖画像の由来や起源を探る企画も多いのですが、そういう時は日本国内でよく利用される検索サイトにとどまらず中国やロシアといったサイトでの画像検索も活用して画像の遍歴をたどり、現在閉鎖してしているサイトであっても、ちょっと私はよくわかんないのだけど「インターネットアーカイブ」やら「ウェイバックマシン」といった外法を駆使してサイトの亡霊を召喚してそこにわずかに残るいにしえの情報を復活させる、まさに青森出身らしい「電脳いたこ術」もお手のものというオールマイティぶりを発揮しているのです。
 刑事にして陰陽師。現実でも非現実でも彼らの前に出て、その謎を暴かれずに済んでいる都市伝説はほぼないと言って差支えは無いでしょう。それだけに、そんなTHE つぶろさんの捜査の過酷な洗礼を受けているにもかかわらず未だに解明されない謎でい続けている「ドラえもんのマーライオン前集合画像」や「ポルターガイストくん」の深淵のドス黒さがさらに磨きをかけているという、この理想的なライバル関係……大好き♡

 数回にわたって紹介してきたこの記事のタイトルをご覧いただいて分かるように、私はこのチャンネルの都市伝説、恐怖画像、心霊写真、実録犯罪、SNSの闇、テレビ番組、コマーシャル映像、音楽、ゲーム、廃墟探訪、民俗風習などなどといった無尽蔵なまでの守備範囲の広さに、江戸時代の南町奉行・根岸肥前守鎮衛(しずもり)が当時の世間に流れていた巷説をノンジャンルで聞けるだけ聞き集めた採話集『耳嚢(みみぶくろ)』(1780年代~1814年 全10巻)の再来をおぼえずにはいられません。あの、平成時代に流行った実録怪談集『新耳袋』とはぜんっぜん無関係ですからね!? あれはあれでいいんですが、なんであのシリーズを『耳嚢』にあやかったタイトルにしたのかがまるで理解できません。おかげで「百物語=耳嚢」みたいなおかしなイメージが付いちゃったじゃねぇか! 『耳嚢』は確かに怪談も扱ってはいますが、それだけにとどまらない世間のどうでもいいうわさ話までをも包括するふところの広さが魅力なんでい! それを怪談集みたいな狭い認識に貶めやがって……お奉行様に謝れい!!
 ただ、本家の『耳嚢』は多少お奉行の考察が入る部分はあるにしても、どちらかというと「うわさをうわさのまま採集する」という民俗学的というか考現学的なスタイルが特徴だと思います。ま、無節操に拾い集め過ぎという見方もあるかも知れませんが。
 それに対してこのTHE つぶろチャンネルはと言いますと、取り上げた話題は謎のままにせず、可能な限りその発祥の状態にまで解体・還元することを旨としているところがあり、その解明に懸ける情熱と執念の密度は、のんきなお奉行というよりも、「無批判に守られ続ける因習や説明不可能とされる怪異を徹底的に解体することによって日本人の真の近代化を目指した」明治時代のあの妖怪ハンター・井上円了博士のストロングスタイルを彷彿とさせるものがあります。

 確かにそう思えば、THE つぶろさんのネットリテラシーの啓蒙に懸ける姿勢は大いに見習うべきものでありますし、だいたいチャンネル名の「つぶろ」だって、漢字にすれば「円」ですもんね! なるほど~、そういう志の高さでしたか、お2人!! 「雑文ブログ」だなんて謙遜しちゃってぇ~、このこの!

 ただ、開設されて5年たったこのチャンネルの最大の特徴にして最強の武器と言えるのは、やはりこの2人を助けて長年の謎を解かんとする無数の視聴者の提供する情報の確かさと範囲の広さだと思います。ここ1~2年の謎の解決に、この名もなき声が貢献している例は枚挙にいとまがないでしょう。「集合知」というもののすごさを、ここまで実感できる場は他にないのではないでしょうか。
 ほんと、昭和末期のテレビ番組やらコマーシャルとか、一瞬だけ Youtubeで見た動画だとか、そんなのわかるわけないだろという映像の由来が、ある日突然ポツリとつぶやかれたコメントによって解き明かされる化学反応は、人と人との出逢いがまさに奇跡であることをまざまざと思い知らされるドラマチックなものだと思います。私も少年時代、気になったテレビ番組を苦心して容量120分の VHSテープいっぱいギッチギチに録画した思い出のある人間なのでよくわかるのですが、放送の合間に流れるコマーシャルなんて真っ先にカットしちゃうもんね! それが2020年代の今に残ってるなんて、そうとうな確率の低さよ。それに再会できる喜びといったら……
 ただ、最近の視聴者コメントによって謎が解決する展開の多さをもって、THE つぶろのお2人の活躍度が低下していると見る向きもあるかも知れませんが、私はそうは思いません。チャンネルが有名になるにつれて、おそらく受け付ける情報も膨大になるでしょうし、それによって誤情報が入る確率も高くなると思うのですが、そこを精査するのはやはりお2人の手腕でしょうし、「THE つぶろだから、この情報を提供したい。」という求心力を築き上げてきたのは、まごうことなきお2人の魅力のなせるわざなのです。

 とまぁ、そんな感じで面白さをしゃべりはじめたらキリがないこのチャンネルなのですが、やはりこれは「百聞は一見に如かず」ということで、どの動画でもいいので、気になった動画をちゃちゃっとご覧いただくのが一番かと思います。このチャンネルは「理想の動画分数は8分」というポリシーを順守されていますので、相当に重い内容の動画も見事にコンパクトで分かりやすいサイズに収めてくださっています。通勤中でも晩酌がてらでも難なく楽しめるお手軽さ!

 今回、我が『長岡京エイリアン』でこのチャンネルを取り上げさせていただくにあたり、1500本以上ある動画の中で私が個人的にグッときた回を3回にわたってざっとリストアップしたのですが、この中からさらに、私が特に面白いと感じたものベスト10を挙げさせていただきたいと思います。
 言うまでもなく、面白いか面白くないかは個人的感性に基づくものですので、他の方から見て同意しかねるランキングになるかも知れませんが、そこは個人ブログなので勘弁してつかぁさい。特に私は、ゲーム関連が非常にうといので……


≪プロの作るテレビ番組そっちのけに面白かった動画回ベスト10≫
 ※2024年6月配信回までの範囲

第1位 情報が一切存在しない奇妙な「生首の看板」(2024年5月)
第2位 詳細不明な謎の番組「緑色の液体に浸かる水着の女性」(2022年11月)
第3位 ネット上で流布している恐怖画像『かわいくさせて』の起源(2024年6月)
第4位 コラ画像と言われていた人身事故の心霊写真だが、実は(2023年11月)
第5位 YouTubeにアップされている「不倫女性焼身自殺録音テープ」は本物か(2023年10月)
第6位 視聴者が選ぶガチでヤバい心霊映像『Acceed ホモビデオのポルターガイストくん』(2022年9月)
第7位 ネットに存在する恐怖画像『長州力の背後の観客』(2021年11月)
第8位 アニメ『ドラえもん』出所不明のイラスト(2022年4月)
第9位 ≪調査隊≫哀愁のある有名なコピペ『飯盒炊爨AV 』の由来となったAV とは(2024年1月)
第10位 心霊写真『園児とデカすぎる先生の集合写真』(2022年12月)


 こんな感じになりますかね。いや~錚々たるメンツ!!

 第1・3・9位の動画は、このチャンネルで完膚なきまでにその噂の所在が白日の下に曝された大変な労作だと思います。何回かの調査動画の末に解決したものも多いので、その歴史を最初からたどっていくと、その功績の大きさもより身に迫ってくることでしょう。
 そもそも、なんでまた、そんなよくわかんない画像やらコピペ文章の由来という、わかろうがわかるまいが実生活に何ら影響しなさそうな謎を追い求めるのでしょうか。それは、「知的欲求」という人類にしか味わえない快楽をかなりの純度で満たす贅沢きわまりない娯楽だから、のような気がします。
 別にそれがわかったところでお金がもらえるわけでもなければ頭がよくなるわけでもない、視聴率が取れるわけでもない。そんな感じに文明社会の暗部に打ち捨てられている問題に、徹底的に向かい合って解決する。これを高等的な探偵と呼ばずして何と呼びましょうか。こんなことしてる人、小説の中だけじゃなくて現実にほんとにいるんだ……
 あと、人類にとっての「謎を解決する」という行為は、知的欲求を満たすという他にも、「理解をもって相手を制する」という抵抗手段でもあるような気がします。もちろん、その理解が「ほんとうの理解」なのかどうかはこの際問題ではなく、理解することで「安心できるかどうか」が重要な話です。
 つまり、あの時見てビクッとなった恐怖画像を理解し、元画像へと還元してしまうことによって「おめぇなんて怖くねぇぞコノヤロー!!」という最大限の抵抗として、このチャンネルでの「かわいくさせて」や「生首の看板」への執拗な追究を解釈することもできるのではないでしょうか。どんなにおどろおどろしい看板が暗い山道に立ててあっても、それが子ども向けの肝試しの道案内表示だとわかれば怖くはなくなりますよね……と思ったけど、やっぱあの看板はこえぇ!!

 第2・6・8位は、2024年7月現在でも解決していない謎についての動画なのですが、その中でも特に私が「水槽の中の水着女性」を推すのは、動画の中の女性が、ちょっとテレビで本当に放送していたのかと疑わしくなるくらいに心底不安そうな表情で緑色の液体に浸かっているからです。あれは絶対に演技じゃないし、なんなら撮影スタッフに殴りかかるんじゃないかというくらいに猜疑の目を周囲に投げかけているんですよね。あんな実験映像、なかなかないと思いますよ……できればモデルを務めた女性のプロフィールも含めて、解決してほしい謎の番組映像です。

 第4・5位は、動画を観ていて心底戦慄した内容のもので、第10位は心底笑ってしまったものです。第4位は、線路上にとんでもないモノが無造作に転がっていて、それなのに近くに停車している電車の車体がまるで無傷ということで長らくコラではないかと疑われていた画像だったのですが、画像に散りばめられていた不可解な点が一つ一つ丁寧に解決されていって、その末にたどり着いた結論が「本物です……」という最も恐ろしいものになってしまうという、まるでかの名探偵シャーロック=ホームズの至言を地で行くような理路整然とした動画になっていたのが衝撃的でした。
 「どんなにありそうになくても、全ての不可能な要素を排除して最後に残った結論が真実だ。」
 第5位のおぞましい音声資料は、実は私も中高生時代に見たテレビの実録犯罪番組のオープニングで唐突に聴かせられて以来トラウマになっていたものだったんですよ。それが今回、晴れて「ほんとに録音したやつです。」という、一番そうであってほしくない答えを得ました……そんなの放送せんといてやぁ!!
 第10位もまた、恐怖を「理解」や「笑い」で無効化しようという人類ならではの対抗の恒例だと思います。にしても、あれがテレビの映像だとよくわかりましたね……とにもかくにも、昭和の心霊写真はカメラの性能に起因するやつ多すぎ! そういえば、「写ルンです」を最後に使ったのはいつだったかな……

 最後に残った第7位の動画なのですが、これはある意味でTHE つぶろチャンネル最大の異色作と言ってもよろしいのではないでしょうか。
 ただ、この動画に関してはこうして話題にすること自体が私自身も好むところでないので、あまりピックアップはしたくないのですが、「人の容姿をどうこう言う権利が自分にあるのか」という問題に気づかせてくれる非常に大事な動画になっていると感じたので、ランクインさせていただきました。これ、かなり深い話だと思います。それは、珍しく賛否両論がはっきり分かれたこの回のコメント欄を見ても一目瞭然かと思うのですが、私は、ここで採り上げられた画像をもって「何の問題もない普通の画像」と断じたTHE つぶろさんの勇気ある結論に賛意を表したいと思います。
 実は私自身も個人的な体験として、大学生時代に千葉のコンビニで働いていた時に、お店の常連さんの中にそういった方がいらっしゃったのですが、おそらく通勤の途中でお店に来ているその方を奇異の目で見る地元の人は老若男女含めて一人もいないのに、ご本人はいつも肩を丸めて周囲の視線を気にして、申し訳なさそうな表情を浮かべて買い物をそそくさと済ませて出ていく様子が、なんだかものすごく印象的だった思い出があります。これはTHE つぶろさんも取り上げていた『探偵!ナイトスクープ』の「謎のテープ紐」のお話とも通じるかと思うのですが、世間という共同体には「馴れる」というある種の癒し効果(双方にとっての)があると思います。でも、なんでも明示し平均化するネット社会はもはや集団とはくくれない程異様に肥大化した乱気流のような状態になっていて、ある異分子に対しては常に初見の膨大な視線が叩きつけられてしまい、「怖い!」とか「キモい!」とかいう無責任な俎上に載せられてしまう悲劇が生まれてしまうのではないでしょうか。
 この件に限らず、障害というものは実際にその身になってみることが難しい隔絶がある問題だと思うのですが、それを認める、受け入れることと現在のネット社会とは、決定的に相いれないものがあるとしみじみ感じ入る動画でありました。かといって、江戸時代以前の「神子筋」や「おっとい嫁女」がはびこる文明に戻っていいわけがなく……難題ですね。

 まぁまぁ、そんな風にある意味でテレビ番組以上の鋭さをもって心に刺さる動画も提供してくれる、しかも毎日!!というTHE つぶろチャンネルさん、今後もお2人のお身体やチャンネル自体を壊さない範囲でがんばっていただきたいと思います。
 でも、ほんとにこのチャンネルのおかげで解決したネット上の謎は多く、これから果たして今まで以上におもしろい話題はコンスタントに出てくるのかなという不安もちょっぴりあるのですが、ま、ネットは広大ですから! そうそうスフィンクスのように簡単におっ死ぬこともないでしょうし、このチャンネルがその役目を終える時は来ないのでしょう。

 余談ですが、私、数年前にも Youtubeでめっちゃくちゃ面白いと思って毎回視聴していたチャンネルがあったのですが、ある日突然に投稿主様の個人的な都合か何かで、チャンネルごと全動画がまるっと削除されて見返せなくなってしまったという残念な思い出がありました。『遭難や漂流について』というチャンネルでしたが、淡々とした語り口で時々ギャグを織り込みつつも、ちょっとした判断ミスで後戻りできなくなる自然の猛威と死の恐ろしさをじわじわ染み込ませてくる構成が本当に見事で。でも、今はもう一切視聴不可能になってるんですよね。最近アホみたいに粗製乱造されてるなんちゃって遭難啓発系動画なんぞ、まったく足元にも及びません。全部おすすめ拒否!!
 そうそう、そこはプロのテレビ局じゃなくて個人チャンネルなので、著作権やらなにやらの事情でそういうことがあっても文句は言えないのよねぇ。THE つぶろさんに限ってはそのようなミスは犯さないでしょうが、いつまでもお元気で動画を作っていってくださいね!!

 だいたい、ここまでで私の言いたいことはあらかた終わったのですが、文字通りの蛇足として、私が「真相、知ってるかも!?」とピンときたネタなんかをぶつくさつぶやいて終えたいと思います。1500本も観れば、たま~にそんなのもありますわな。


〇≪調査隊≫千葉県佐倉城址公園の「呪いの13階段」(2024年5月)
 これ、もしかしたらこのブログの最初期につづってたかもしれないと思って調べてみたら、ほんとにやってたわ、佐倉城探訪のおまけに実際に観たのよ、そのトマソン階段!
 いや~、なつかし~……何事も記録に残してみるもんですね。もうあれ、13年前のことになんのかぁ。

〇福島の妖怪「マンモガイガイ」とは?(2023年6月)
 私は山形県民なので福島のことはよくわからないのですが、柳田国男の著作でそこらへんの正体不明なお化け全般を「あんもけっけ」とか「ももんがぁ」とか「もくりこくり」とかいうよくわかんない言葉で表現することは知ってたんですよ。
 んで、昨今は山形弁もテレビの影響で世代を追うごとに確実に消失しつつあって、じいちゃんばあちゃんが使う地元言葉を2~3歳の幼児が継承するっていうことも、少なくとも私の住む山形市ではほぼ無くなってしまっている現状を実感しているのですが、そういう方言うんぬん関係なく、口まわりがまだ成長しきっていない幼児って、「コワイ」を「ガイ」と発音することがよくあるんですよね。
 なので、「けっけ」を「ガイガイ」にというよりは、「怖い怖い」を「ガイガイ」と聞き間違えたと見るほうが近いような気がするんだよなぁ。どうざんしょ?

〇呪文を詠唱する時だけ怖い顔になる Eテレの魔法少女のアニメ(2023年4月)
 これね、私、聞いた瞬間に「『ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン』の魔法少女マジカル☆クリーミーだ!!」と確信してたんですよ。
 実際それじゃないかと指摘するコメントもあったようなのですが、真相は Eテレではなく BSプレミアムで放送されていた子ども向けバラエティ番組『ワラッチャオ!』(2013~17年放送)内のアニメ『黒魔法少女ワリー』だったとのことでした。
 それはそれとしても、この謎に関しては他にも『シャキーン!』(2008~22年放送)内のアニメコーナー『ノロイちゃん』や、『天才ビットくん』内のアニメ『魔法少女隊アルス』(2004~05年放送)ではないかというコメントも乱立していたようで、それにマジカル☆クリーミーまで参戦するとなると、Eテレはどんだけ怖い顔の魔法少女を増産しているのだと天を仰いでしまいます。あんたが率先してトラウマメイカーになってどうすんの!?
 私が推していたマジカル☆クリーミーは、キッチン戦隊クックルンに襲いくる怪人の中でもかなりの異彩を放つキャラクターで、2代目、3代目、4代目と2年単位で交代していたクックルンにたびたび挑戦する人気を誇っていました。魔法を詠唱する時というよりは、魔法と称して全て怪力でなんとかしようとするマジカル☆クリーミーが、ふだんはアニメチックな美少女なのに急に鬼の形相と化してクリームをひり出しているさまを見てオンエア当初は私も爆笑したものだったのですが、2016~21年に散発的に都合4度登場していたものの、その声を熱演されていた声優の新田早規さんが2022年に惜しくも急逝されてしまったこともあり、現在はアーカイブ放送を視聴することもできない幻の魔法少女となっているのが非常に残念ですね。
 ま、確かにマジカル☆クリーミーが出てる時は絶対に相手のクックルンもいたはずなので、それを見といて「何のアニメだかわかんない」と質問者の方が思うわけがないよね……なんとか、マジカル☆クリーミーの勇姿をちょびっとだけでも未来に残す手立てはありませんかねぇ、NHKさん!?

〇テレビ放映された黒澤明監督の白黒映画で突然流れた「しばらくお待ちください」画像(2022年6月)
 これは真相、わかります! 私も当時オンエアを見ていてビックリしたんだもの。
 質問者の方は「25年ほど前、黒澤明が亡くなった時の追悼番組として地上波テレビで放映されていた白黒映画」と記憶しておられるようですが、その放送中に急に目のようなマークの画像が数秒映り込んでから「しばらくお待ちください」テロップに切り替わり、その後また映像本編が再開されたという不思議な出来事の真相を知りたい、とのことでした。
 これ、情報提供を求める動画が投稿された当時からコメント欄で様々な説が提供されており、その結果として後に出た真相編において、目のように見えたものは日本テレビのネットマークで、同局の『金曜ロードショー』で流れた『用心棒』の放送中に起きたトラブルの可能性が高いものの、その放送日は1997年12月26日ということで、翌98年9月に亡くなられた黒澤明監督の追悼番組であるはずもなく釈然としない部分がありながらも解決という流れとなっていました。他に、黒澤明監督の『八月の狂詩曲』の中の巨大な目のイメージ映像のことではないかという説もありましたね。
 このお話はですね、やっぱり金曜ロードショーの『用心棒』のクライマックス部分で起きた放送中断のトラブルで間違いないと思います。
 じゃ、当時存命のはずの黒澤明監督の追悼番組という矛盾はなぜなんだと申しますと、この放送は確か、そのたった2日前の1997年12月24日に亡くなられた、主演の三船敏郎さんの追悼番組だったんですね! だから『用心棒』だったんですよ。黒澤監督の前年に奇しくも三船さんが旅立っておられていたのでした。なんという奇縁!
 それで、問題の放送中断のトラブルについてなのですが、当時視聴していた高校生のそうだい少年は、以前にレンタルビデオで『用心棒』を何度も観ていたので、推測ながらも容易にその理由を思い当たることができました。
「あぁ、これ、狂った名主の多左衛門を演じる藤原鎌足さんのき〇がい演技が迫真すぎるので、その彼が殺人を犯す描写を放送できないと慌てたテレビ局が土壇場でストップをかけたのだろうな」と!!
 たぶん、九分九厘、放送中断の理由はこれなんじゃなかろうか。だって、放送が再開されても、中断したシーンは途切れた部分からは再開されなかったでしょ? きれいに鎌足さんが演じる多左衛門の凶行はカットされちゃってたもんね。狂った彼がお題目の太鼓を叩いてたっていうのも、一部の方々にはそうとう癇に障ったのかも!?

 真相はこうなのだー!と、声を大にして叫ばせていただきたい。叫ばせてくださいお願いします!! 私にも探偵の真似事させてくれたっていいじゃねぇかケチー!!
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