『軍師官兵衛』第18回『裏切る理由』(2014年5月4日 演出・大原拓)
登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
小寺 官兵衛 孝高 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
竹中 半兵衛 重治 …… 知力59、統率力91
(演・谷原章介)
明智 光秀 …… 知力93、統率力95
(演・春風亭小朝)
高山 右近 重友 …… 知力71、統率力75
(演・生田斗真)
荒木 村重 …… 知力52、統率力83
(演・田中哲司)
本願寺 顕如 …… 知力96、統率力65
(演・真島秀和)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
安国寺 恵瓊(えけい)…… 知力80、統率力31
(演・山路和弘)
丹羽 長秀 …… 知力82、統率力73
(演・勝野洋)
柴田 勝家 …… 知力51、統率力87
(演・近藤芳正)
織田 信長 …… 知力115、統率力108
(演・江口洋介)
瀧川 一益 …… 知力66、統率力78
(演・川野太郎)
別所 賀相(よしすけ)…… 知力48、統率力45
(演・ベンガル)
吉川 元春 …… 知力58、統率力85
(演・吉見一豊)
蜂須賀 小六 正勝 …… 知力74、統率力90
(演・ピエール瀧)
木下 小一郎 秀長 …… 知力83、統率力75
(演・嘉島典俊)
佐久間 信盛 …… 知力57、統率力51
(演・立川三貴)
別所 長治 …… 知力63、統率力63
(演・入江甚儀)
中川 清秀 …… 知力26、統率力75
(演・近江谷太朗)
細川 藤孝 …… 知力80、統率力71
(演・長谷川公彦)
毛利 輝元 …… 知力85、統率力80
(演・三浦孝太)
荒木 久左衛門 …… 知力51、統率力67(これは『信長の野望』に登場する武将・池田知正の能力値です)
荒木村重の親族で重臣(演・井上肇)
荒木 村次(むらつぐ)…… 知力48、統率力78
荒木村重の嫡男(演・中山卓也)
小寺 政職 …… 知力44、統率力49
(演・片岡鶴太郎)
宇喜多 直家 …… 知力94、統率力74
(演・陣内孝則)
小早川 隆景 …… 知力83、統率力77
(演・鶴見辰吾)
羽柴 秀吉 …… 知力95、統率力94
(演・竹中直人)
小寺 職隆 …… 知力72、統率力55
(演・柴田恭平)
ざっとの感想
○官兵衛「三木城を四十の付け城で完全包囲して、毛利軍からの兵糧補給を断ちまする!」に対して、
秀吉「おぉ、それは奇想天外、大胆不敵な作戦じゃ! それじゃあ佐吉、準備よろしく!!」という無茶ぶり。これを受けての、
佐吉「この口ばっかし野郎……それをホントにやる身にもなってみろや!!」という殺気を隠さない表情が最高です!
でも、こういうひどい仕事をしっかりと実現してのけるのが、石田佐吉(三成)の天賦の才能なんですよね。この上司にして、この部下あり。やってやろうじゃねぇかコノヤロー!!
○「織田信長に直接会って報告をする」という、たったそれだけのことが、どんだけ胃のキリキリと痛むハードワークなのか……
そこらへんを実に丁寧に説明してくれる田中哲司さんの演技、さすが! 有岡城に帰ったあとに呑むお酒、おいしそうですねぇ~。
それにしても信長さん、「村重は天下統一には絶対に欠かせぬ人材だ!」と、そんなに断言していいんすか……
○あいかわらず殺陣がむちゃくちゃサマになる官兵衛。やっぱカッコイイねぇ!
他意はホントに全然ないんですが、日本刀の殺陣は、どうしても「腰の位置の低い」体格のほうが強そうに見えますよね。岡田さんは本当にアイドルらしからぬ和装ジャストフィット感に満ちあふれていますなぁ……他意は、ない。
○現在、後藤又兵衛基次の少年時代を演じている子役の松島海斗くんの、純粋な輝きに満ちた目が、イイ! ひたすら一途に官兵衛を尊敬しているまなざしが、素晴らしいねぇ。
そんな又兵衛が、まさか成長してあんな人生を歩むことになろうとは……っていうか、演じる役者さんも、あんなにすさんだ役(『アウトレイジ』とか)が似合うチャラい外見になろうとは! いったい何があるんだ、これから!?
○やっと!! やっと、ちょっぴりだけだけど、石山本願寺の包囲戦における戦闘シーンが映像化されました……
気持ちとしてはもっとスケールアップしてほしかったとも思うんですが、まぁ、映像化されただけ、いっか! もっと、もっと畿内のいくさを描写していってくれーい!!
○これまた、やっと!! やっと『軍師官兵衛』の中で「毛利は九州から大友に攻められ……」と、セリフだけながらも九州地方の戦国事情についての言及があったぞーい!
そうそう、大国・毛利の敵は織田だけじゃないんですよね~。九州の大友宗麟もものすごいんだから♡ そこを無視してちゃあ、中国戦線は語ることができません。
ホント、九州地方の戦国大名を主人公にした大河ドラマって、いつか制作される日が来るんですかねぇ。今年、中途半端に九州に関係のある官兵衛がメインをとっちゃったばっかりに、またしばらくは可能性が遠のいてしまったような……官兵衛じゃなくて「黒田家」だったら、がっつり九州にからんでたんでしょうけど。島津兄弟なんかおもしろいと思うんですけど、やっぱ難しいのかなぁ。
○政職「碁なら元に戻せるが、人の命はそうはいかん……」
しみる言葉だなぁ! 『信長の野望』ならリセットできるが、マジ人生はそうはいかん……
まわりの誰かが、それまで夢中になってた趣味に急に入れ込めなくなっちゃった姿って、ほんとに見ていて哀れですよね。小寺政職、実に小人物らしい、味わい深い慟哭よ!
○う~ん、村重さん、ここは思いきって、中川清秀を殺しちゃったほうがいいんじゃないっすかね……なんか、この脚本だと清秀がかなり無能な家臣になっちゃってますね。籠城の準備っておまえ……独断でそんなことまですんなや! なんか、主君のワシまでやましいとこがあるみたいやんけ!? いくさなら、勝手におまえだけがやらかして死ね、ダァホ!!
○うちゆき姫、地球儀に大はしゃぎ☆、のまぁ~き!!
なんか、こういうコミカルなシーンでのビックリ顔演技でしか存在意義のない明智光秀って、いったい何なんだろうか……たぶん、今までのどの歴史ドラマにもなかった新しいこころみだからいいですけど、それ、実をむすぶか?
やっぱり江口信長さんの、眉毛あたりの繊細なリアクションもうまいですよね。「日本が小さい」という説を聞いて、怒ったりテンションが下がるんじゃなくて、むしろ「じゃあ、その広い世界をこの目で見てみたい!」とアゲアゲになるのが信長らしいな~。そういう発想の転換って、いいですよね!!
○ノリノリ上機嫌な信長のもとにもたらされる、「荒木に謀反の疑いあり」という急報!
なんつっても、さいぜんまで気分が良かっただけに、その反動で眼を異常にギラギラさせて不機嫌になる信長の顔がこわいこわい!
荒木に縁のある光秀(村重の嫡男・村次の正室が光秀の養女)もたいそう肝を冷やしたと思いますが、思い返せば、その報告をした細川藤孝だって、昔はあの将軍・足利義昭の一の重臣だったわけでして……他人事みたいにチクッてますが、藤孝も十二分にコワかったでしょうね~、この場は。あの、ワシは関係ないっすよ!?
○清秀「本願寺へ兵糧を運び込んでいた者が……織田方に捕まりました!」
ほ~ら、だから清秀ごとチャッチャと処断してればよかったのに。清秀、おまえどの口でそんなことをぬけぬけといいよるか……その者はいったいどこのどいつの家臣なんだっつーの!!
まさか、あの猛将・中川清秀がこれほどまでにあぶなっかしい大馬鹿ポンスケだったとは……こわいわ、あんた!!
それにしても、よくこのあと生き残って秀吉の家臣になれたね。まぁ、ロクな死に方してないけど。
○有岡城に籠もって謀反を起こしたとき、村重は数え年44歳、その嫡男の村次は28歳。村重はそうとう若いころにさっさと息子をなしたんですね。
つまり、正確な年齢は史料に残っていないにしても、今回のドラマの中ではどこからどう見ても20代にしか見えない村重の正室だし(演じる桐谷美玲さんは24歳)は、村次の実の母ではないということになりますね(史実上も村次の母は別の女性だったらしい)。
いや~、そうなると、なにが気になるって、いい年した村次と、何歳かしか離れていない義母だしとの日常生活での関係が気にならずにはおられないですよね……うをを、「お義母さん」と書いて「おかあさん」と読む!! 荒木のムラムラどころじゃないっすよ、こりゃも~、ム~ラムラ~のムラ祭りの開幕よ~!! 祭囃子はブラジリアン。
ところが、ここでちょっと冷静さを取り戻して調べてみますと、今回の『軍師官兵衛』では村重とだしとの間に生まれた子となっている赤ん坊は、すったもんだがありつつも、無事に成長してのちに江戸時代初期を代表する天才画家・岩佐又兵衛勝以(かつもち 1578~1650年)となるわけなのですが、この岩佐又兵衛が村重の子ではなくて村次の嫡男なのではないか(つまり村重の孫)という説もあるのです。まぁ年齢的には、そうであってもおかしくはないですよね。
ということは、親父の村重が若い愛人をのち添えにしたころには、すでに村次にも家庭があった可能性があるわけで、村次のムラムラは別にだしには行かずに健全なムラムラで済んでいたのやも知れず、だしはだしで村重のムラムラの相手をするのに手いっぱいで村次のムラムラにまで付き合っているヒマはなかったのやも知れず。
ともあれ、こうして有岡のムラムラな夜はふけていくのであった……今夜も暑くなりそうです……
○右近「駄目だこいつら……早くなんとかしないと……」
『 DEATH NOTE 』のライトさんなみに唖然とする右近をよそに、あっという間に「打倒信長!」という途方もないドリームを目指して血気盛んに怪気炎を上げる荒木村重家臣団。おれたちの戦いは、まだ始まったばかりだ!!
今までさんざんバカっぽいバカっぽいと評してきた織田信長家臣団さえもが、思わずはだしで逃げ出しかねない脳細胞の圧倒的欠乏感なのですが、ここの衆議とも言えない衆議シーンで、中川清秀に続いて発言していた重臣の代表っぽい中年男性が、「荒木久左衛門」という村重の親族です。
ドラマ本編の内容からは脱線するのですが、この荒木久左衛門、『軍師官兵衛』の Wikipedia記事では、その名前をクリックすると自動的に「池田知正(ともまさ 1555~1604年)」という武将の記事にジャンプするようになっています。いうまでもなく、知正は荒木村重が織田信長の勢力を背景に摂津国(現在の大阪府北中部と兵庫県南東部)の国主となった以前に摂津国を支配していた名門・池田一族の最後の当主で、ゲーム『信長の野望』シリーズでもほぼ全作にレギュラー登場している有名武将です。まぁ、私個人には、彼がプレイ上なにかの役に立ったという記憶はないんですけど……
そんな貴公子・知正くんなんですが、運悪く足利義昭公サイドについたために村重と真っ向から対立して没落したその後に、よりにもよってその村重の軍門にくだって家臣になるという図太さを発揮していました。う~ん、やるね!
ということは、やっぱりドラマに登場していたあのおじさんは、「荒木久左衛門」に改名して仇敵の家臣から再スタートした池田知正なのかということになるのですが……ど~も私にはにわかに信じがたい!
池田知正は1555年生まれではないかと言われています。つまり、荒木村重が謀反を起こした時期には「数え年24歳」だったはずなのです。村重よりもず~っと年下! ちょっと老けすぎじゃないか……?
それに、自分の1コ前の国主で最大の敵だった知正を、村重が無理矢理「荒木姓」に改名させてこき使ったとも考えにくい。逆に、ご当地でのネームバリューと支配者としての正統性をねらって村重のほうが「池田姓」をかっさらう、っていう図式のほうが自然ですし、実際にそういう経緯で改姓した戦国武将の例はいくらだってあるはずです。「姉小路頼綱」とか「斎藤道三」とか、「北畠信雄」とか「神戸信孝」とか!
知正のほうにしたって、なんでドラマのように、自分を追い落とした村重にそんなに忠節を尽くして「いっしょに謀反しましょう!!」って発破をかける義理があるというのでしょうか。おそらく村重は、あの毛利家がかつての宿敵・尼子家の生き残った当主をそう扱ったように、池田知正を「形式上」家臣とすると表明しただけで、実際には仕事らしい仕事も与えずにどこか確実な場所で厳重に保護していたと思うんですよね。自分の君主としての器のでかさをアピールするためだけの、ていのいい人質になってもらっていたと思うんです。
つまり、私もそう確信しているわけなんですが、少なくともドラマの脚本家さんは、荒木久左衛門と池田知正は同一人物だとは考えずに、久左衛門を「村重にひたすら忠実な重臣」として登場させていたと思うんです。そこに池田知正の半生の入り込む隙は1ミリもないし、またいらないでしょう。
いったいどこのどなたが、ウィキのあのページで久左衛門と知正をリンクさせたのかは存じ上げませんが、これを「ありがた迷惑」と言わずになんといいましょうか。あなた、ちゃんとドラマ本編観てましたか!?
まぁ、これで次回以降の展開の中で、久左衛門さんが「のちの池田知正である。」とかって語られちゃったら、その時点で私だけの「ひとり相撲」なことが判明して即効アウトになるんですけどね……たしけて、脚本家サマ~!!
結論、「第19回がとてもたのしみです。」
さぁ、いよいよ盛り上がってまいりました! 官兵衛の運命や、いかに!?
そして桐谷美玲さんは、一体いつになったら大河ドラマにしっくりきてくれるのか!? っていうか、いつになったら本気出して演技してくれるのかァア!? 戦国有数の「総構え」で知られる難攻不落の有岡城攻防戦から、もうひとときも目が離せませんな!!
おかしいな……あんなにヒドかったっけ……?
登場する武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
小寺 官兵衛 孝高 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
竹中 半兵衛 重治 …… 知力59、統率力91
(演・谷原章介)
明智 光秀 …… 知力93、統率力95
(演・春風亭小朝)
高山 右近 重友 …… 知力71、統率力75
(演・生田斗真)
荒木 村重 …… 知力52、統率力83
(演・田中哲司)
本願寺 顕如 …… 知力96、統率力65
(演・真島秀和)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
安国寺 恵瓊(えけい)…… 知力80、統率力31
(演・山路和弘)
丹羽 長秀 …… 知力82、統率力73
(演・勝野洋)
柴田 勝家 …… 知力51、統率力87
(演・近藤芳正)
織田 信長 …… 知力115、統率力108
(演・江口洋介)
瀧川 一益 …… 知力66、統率力78
(演・川野太郎)
別所 賀相(よしすけ)…… 知力48、統率力45
(演・ベンガル)
吉川 元春 …… 知力58、統率力85
(演・吉見一豊)
蜂須賀 小六 正勝 …… 知力74、統率力90
(演・ピエール瀧)
木下 小一郎 秀長 …… 知力83、統率力75
(演・嘉島典俊)
佐久間 信盛 …… 知力57、統率力51
(演・立川三貴)
別所 長治 …… 知力63、統率力63
(演・入江甚儀)
中川 清秀 …… 知力26、統率力75
(演・近江谷太朗)
細川 藤孝 …… 知力80、統率力71
(演・長谷川公彦)
毛利 輝元 …… 知力85、統率力80
(演・三浦孝太)
荒木 久左衛門 …… 知力51、統率力67(これは『信長の野望』に登場する武将・池田知正の能力値です)
荒木村重の親族で重臣(演・井上肇)
荒木 村次(むらつぐ)…… 知力48、統率力78
荒木村重の嫡男(演・中山卓也)
小寺 政職 …… 知力44、統率力49
(演・片岡鶴太郎)
宇喜多 直家 …… 知力94、統率力74
(演・陣内孝則)
小早川 隆景 …… 知力83、統率力77
(演・鶴見辰吾)
羽柴 秀吉 …… 知力95、統率力94
(演・竹中直人)
小寺 職隆 …… 知力72、統率力55
(演・柴田恭平)
ざっとの感想
○官兵衛「三木城を四十の付け城で完全包囲して、毛利軍からの兵糧補給を断ちまする!」に対して、
秀吉「おぉ、それは奇想天外、大胆不敵な作戦じゃ! それじゃあ佐吉、準備よろしく!!」という無茶ぶり。これを受けての、
佐吉「この口ばっかし野郎……それをホントにやる身にもなってみろや!!」という殺気を隠さない表情が最高です!
でも、こういうひどい仕事をしっかりと実現してのけるのが、石田佐吉(三成)の天賦の才能なんですよね。この上司にして、この部下あり。やってやろうじゃねぇかコノヤロー!!
○「織田信長に直接会って報告をする」という、たったそれだけのことが、どんだけ胃のキリキリと痛むハードワークなのか……
そこらへんを実に丁寧に説明してくれる田中哲司さんの演技、さすが! 有岡城に帰ったあとに呑むお酒、おいしそうですねぇ~。
それにしても信長さん、「村重は天下統一には絶対に欠かせぬ人材だ!」と、そんなに断言していいんすか……
○あいかわらず殺陣がむちゃくちゃサマになる官兵衛。やっぱカッコイイねぇ!
他意はホントに全然ないんですが、日本刀の殺陣は、どうしても「腰の位置の低い」体格のほうが強そうに見えますよね。岡田さんは本当にアイドルらしからぬ和装ジャストフィット感に満ちあふれていますなぁ……他意は、ない。
○現在、後藤又兵衛基次の少年時代を演じている子役の松島海斗くんの、純粋な輝きに満ちた目が、イイ! ひたすら一途に官兵衛を尊敬しているまなざしが、素晴らしいねぇ。
そんな又兵衛が、まさか成長してあんな人生を歩むことになろうとは……っていうか、演じる役者さんも、あんなにすさんだ役(『アウトレイジ』とか)が似合うチャラい外見になろうとは! いったい何があるんだ、これから!?
○やっと!! やっと、ちょっぴりだけだけど、石山本願寺の包囲戦における戦闘シーンが映像化されました……
気持ちとしてはもっとスケールアップしてほしかったとも思うんですが、まぁ、映像化されただけ、いっか! もっと、もっと畿内のいくさを描写していってくれーい!!
○これまた、やっと!! やっと『軍師官兵衛』の中で「毛利は九州から大友に攻められ……」と、セリフだけながらも九州地方の戦国事情についての言及があったぞーい!
そうそう、大国・毛利の敵は織田だけじゃないんですよね~。九州の大友宗麟もものすごいんだから♡ そこを無視してちゃあ、中国戦線は語ることができません。
ホント、九州地方の戦国大名を主人公にした大河ドラマって、いつか制作される日が来るんですかねぇ。今年、中途半端に九州に関係のある官兵衛がメインをとっちゃったばっかりに、またしばらくは可能性が遠のいてしまったような……官兵衛じゃなくて「黒田家」だったら、がっつり九州にからんでたんでしょうけど。島津兄弟なんかおもしろいと思うんですけど、やっぱ難しいのかなぁ。
○政職「碁なら元に戻せるが、人の命はそうはいかん……」
しみる言葉だなぁ! 『信長の野望』ならリセットできるが、マジ人生はそうはいかん……
まわりの誰かが、それまで夢中になってた趣味に急に入れ込めなくなっちゃった姿って、ほんとに見ていて哀れですよね。小寺政職、実に小人物らしい、味わい深い慟哭よ!
○う~ん、村重さん、ここは思いきって、中川清秀を殺しちゃったほうがいいんじゃないっすかね……なんか、この脚本だと清秀がかなり無能な家臣になっちゃってますね。籠城の準備っておまえ……独断でそんなことまですんなや! なんか、主君のワシまでやましいとこがあるみたいやんけ!? いくさなら、勝手におまえだけがやらかして死ね、ダァホ!!
○うちゆき姫、地球儀に大はしゃぎ☆、のまぁ~き!!
なんか、こういうコミカルなシーンでのビックリ顔演技でしか存在意義のない明智光秀って、いったい何なんだろうか……たぶん、今までのどの歴史ドラマにもなかった新しいこころみだからいいですけど、それ、実をむすぶか?
やっぱり江口信長さんの、眉毛あたりの繊細なリアクションもうまいですよね。「日本が小さい」という説を聞いて、怒ったりテンションが下がるんじゃなくて、むしろ「じゃあ、その広い世界をこの目で見てみたい!」とアゲアゲになるのが信長らしいな~。そういう発想の転換って、いいですよね!!
○ノリノリ上機嫌な信長のもとにもたらされる、「荒木に謀反の疑いあり」という急報!
なんつっても、さいぜんまで気分が良かっただけに、その反動で眼を異常にギラギラさせて不機嫌になる信長の顔がこわいこわい!
荒木に縁のある光秀(村重の嫡男・村次の正室が光秀の養女)もたいそう肝を冷やしたと思いますが、思い返せば、その報告をした細川藤孝だって、昔はあの将軍・足利義昭の一の重臣だったわけでして……他人事みたいにチクッてますが、藤孝も十二分にコワかったでしょうね~、この場は。あの、ワシは関係ないっすよ!?
○清秀「本願寺へ兵糧を運び込んでいた者が……織田方に捕まりました!」
ほ~ら、だから清秀ごとチャッチャと処断してればよかったのに。清秀、おまえどの口でそんなことをぬけぬけといいよるか……その者はいったいどこのどいつの家臣なんだっつーの!!
まさか、あの猛将・中川清秀がこれほどまでにあぶなっかしい大馬鹿ポンスケだったとは……こわいわ、あんた!!
それにしても、よくこのあと生き残って秀吉の家臣になれたね。まぁ、ロクな死に方してないけど。
○有岡城に籠もって謀反を起こしたとき、村重は数え年44歳、その嫡男の村次は28歳。村重はそうとう若いころにさっさと息子をなしたんですね。
つまり、正確な年齢は史料に残っていないにしても、今回のドラマの中ではどこからどう見ても20代にしか見えない村重の正室だし(演じる桐谷美玲さんは24歳)は、村次の実の母ではないということになりますね(史実上も村次の母は別の女性だったらしい)。
いや~、そうなると、なにが気になるって、いい年した村次と、何歳かしか離れていない義母だしとの日常生活での関係が気にならずにはおられないですよね……うをを、「お義母さん」と書いて「おかあさん」と読む!! 荒木のムラムラどころじゃないっすよ、こりゃも~、ム~ラムラ~のムラ祭りの開幕よ~!! 祭囃子はブラジリアン。
ところが、ここでちょっと冷静さを取り戻して調べてみますと、今回の『軍師官兵衛』では村重とだしとの間に生まれた子となっている赤ん坊は、すったもんだがありつつも、無事に成長してのちに江戸時代初期を代表する天才画家・岩佐又兵衛勝以(かつもち 1578~1650年)となるわけなのですが、この岩佐又兵衛が村重の子ではなくて村次の嫡男なのではないか(つまり村重の孫)という説もあるのです。まぁ年齢的には、そうであってもおかしくはないですよね。
ということは、親父の村重が若い愛人をのち添えにしたころには、すでに村次にも家庭があった可能性があるわけで、村次のムラムラは別にだしには行かずに健全なムラムラで済んでいたのやも知れず、だしはだしで村重のムラムラの相手をするのに手いっぱいで村次のムラムラにまで付き合っているヒマはなかったのやも知れず。
ともあれ、こうして有岡のムラムラな夜はふけていくのであった……今夜も暑くなりそうです……
○右近「駄目だこいつら……早くなんとかしないと……」
『 DEATH NOTE 』のライトさんなみに唖然とする右近をよそに、あっという間に「打倒信長!」という途方もないドリームを目指して血気盛んに怪気炎を上げる荒木村重家臣団。おれたちの戦いは、まだ始まったばかりだ!!
今までさんざんバカっぽいバカっぽいと評してきた織田信長家臣団さえもが、思わずはだしで逃げ出しかねない脳細胞の圧倒的欠乏感なのですが、ここの衆議とも言えない衆議シーンで、中川清秀に続いて発言していた重臣の代表っぽい中年男性が、「荒木久左衛門」という村重の親族です。
ドラマ本編の内容からは脱線するのですが、この荒木久左衛門、『軍師官兵衛』の Wikipedia記事では、その名前をクリックすると自動的に「池田知正(ともまさ 1555~1604年)」という武将の記事にジャンプするようになっています。いうまでもなく、知正は荒木村重が織田信長の勢力を背景に摂津国(現在の大阪府北中部と兵庫県南東部)の国主となった以前に摂津国を支配していた名門・池田一族の最後の当主で、ゲーム『信長の野望』シリーズでもほぼ全作にレギュラー登場している有名武将です。まぁ、私個人には、彼がプレイ上なにかの役に立ったという記憶はないんですけど……
そんな貴公子・知正くんなんですが、運悪く足利義昭公サイドについたために村重と真っ向から対立して没落したその後に、よりにもよってその村重の軍門にくだって家臣になるという図太さを発揮していました。う~ん、やるね!
ということは、やっぱりドラマに登場していたあのおじさんは、「荒木久左衛門」に改名して仇敵の家臣から再スタートした池田知正なのかということになるのですが……ど~も私にはにわかに信じがたい!
池田知正は1555年生まれではないかと言われています。つまり、荒木村重が謀反を起こした時期には「数え年24歳」だったはずなのです。村重よりもず~っと年下! ちょっと老けすぎじゃないか……?
それに、自分の1コ前の国主で最大の敵だった知正を、村重が無理矢理「荒木姓」に改名させてこき使ったとも考えにくい。逆に、ご当地でのネームバリューと支配者としての正統性をねらって村重のほうが「池田姓」をかっさらう、っていう図式のほうが自然ですし、実際にそういう経緯で改姓した戦国武将の例はいくらだってあるはずです。「姉小路頼綱」とか「斎藤道三」とか、「北畠信雄」とか「神戸信孝」とか!
知正のほうにしたって、なんでドラマのように、自分を追い落とした村重にそんなに忠節を尽くして「いっしょに謀反しましょう!!」って発破をかける義理があるというのでしょうか。おそらく村重は、あの毛利家がかつての宿敵・尼子家の生き残った当主をそう扱ったように、池田知正を「形式上」家臣とすると表明しただけで、実際には仕事らしい仕事も与えずにどこか確実な場所で厳重に保護していたと思うんですよね。自分の君主としての器のでかさをアピールするためだけの、ていのいい人質になってもらっていたと思うんです。
つまり、私もそう確信しているわけなんですが、少なくともドラマの脚本家さんは、荒木久左衛門と池田知正は同一人物だとは考えずに、久左衛門を「村重にひたすら忠実な重臣」として登場させていたと思うんです。そこに池田知正の半生の入り込む隙は1ミリもないし、またいらないでしょう。
いったいどこのどなたが、ウィキのあのページで久左衛門と知正をリンクさせたのかは存じ上げませんが、これを「ありがた迷惑」と言わずになんといいましょうか。あなた、ちゃんとドラマ本編観てましたか!?
まぁ、これで次回以降の展開の中で、久左衛門さんが「のちの池田知正である。」とかって語られちゃったら、その時点で私だけの「ひとり相撲」なことが判明して即効アウトになるんですけどね……たしけて、脚本家サマ~!!
結論、「第19回がとてもたのしみです。」
さぁ、いよいよ盛り上がってまいりました! 官兵衛の運命や、いかに!?
そして桐谷美玲さんは、一体いつになったら大河ドラマにしっくりきてくれるのか!? っていうか、いつになったら本気出して演技してくれるのかァア!? 戦国有数の「総構え」で知られる難攻不落の有岡城攻防戦から、もうひとときも目が離せませんな!!
おかしいな……あんなにヒドかったっけ……?