紫の意味

先週はアメリカ大統領選で世界中が大いに湧きました。
結果はほとんどの人が予想しなかったトランプの大逆転。
これから世界はどの方向に向かうのでしょう?
既存のシステムが機能しなくなったら、ただ壊すのではなく、
よいところは保持してさらに前進、進化していくべきです。
変化の波を追い風にして、より良い世界になっていくことを期待します。





ヒラリー・クリントンの敗北宣言をご覧になったでしょうか?
最後の演説で、ヒラリーはラルフ・ローレンのグレーに
鮮やかな紫のラペルのついたパンツスーツで臨みました。
後ろで彼女を見守るビル・クリントンも揃いの紫のタイを締めて。


スピーチの内容も素晴らしかったですが、
紫という、こういった場面では非常に珍しい色を選択したことには
きっと意味があるのだろうなと思っていたら、
やはり米各紙でその紫色について取り上げています。

紫という色は、赤と青を混ぜるとできる色です。
共和党の赤と民主党の青が、長い選挙戦という戦いを終えひとつに融合する、
真っ二つに分断されたアメリカという国が再びひとつに団結して
より強い国になって行ってほしいという
メッセージであろうと言われています。

そして、紫には、高貴、洗練、パワーといったイメージもありますから、
それがヒラリーにぴったりとも。
また、紫には忍耐や喪の意味があるという説も。

またその後、ホワイトハウスで行われたオバマ夫人とトランプ夫人の初会談の際には、
オバマ夫人がナルシソ・ロドゲリスの紫色のワンピースで現れたため、
ヒラリーの意思を継いでこの服を選んだのではないかとも言われています。


アメリカでは、服装を戦略的に選ぶことは日常茶飯事なため、
珍しい色を選んだので、
「この紫は一体どういう意味を表しているのだろう?」
と、毎日のように話題になるわけです。

本当のところは関係者に聞かないとわかりませんが、
私はこの紫のパンツスーツの時のヒラリーは
最近の中で一番美しく見えたと思いました。
ファースト・レディの頃から長年彼女を見て来ましたが、
一流デザイナーやスタイリスト、ヘアメイクスタイリストとの繋がりがありながらも、
彼女にはいつも服装や髪型に迷っている印象がありました。
アメリカという大きな国を率いるために、
常に目立とう、もっと強く、と意識していたからかもしれません。
彼女が小柄な、経験豊富ではありますが若くはない女性で、
さらに、あの個性の強い大柄なトランプが競争相手だとすると
無理もないことかもしれません。
今回の紫は目立つ変わった色ではありましたが、
ブライトカラーを少量に抑え、落ち着いたチャコールグレーと合わせたところが
上品で彼女の豊富なキャリアや年齢とも合っていてよかったと思います。

日本もおしゃれの楽しい季節。
今日自分が着る色がどんなメッセージを放っているのか、
時々考えて見ても良いですね。
冬は暗い流行色が多いので、
思ったような色を探すのはなかなか難しいですけれども。

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