洋なしのガレット












今年の秋の始めはとても忙しく、ばたばたとしているうちにあっという間に一ヶ月経ってしまいました。先日行ったデザートセミナーの様子をアップします。

10月のデザートセミナーは、美味しい秋の果物の中から、洋なしをピックアップ。

洋梨というと、「ラ・フランス」が有名ですが、ラ・フランスの旬は11月~12月。今回使用したのは「オーロラ」という早生品種。この品種は洋なしの季節に先駆けて、秋の始めのほんの一時期だけ姿を見せる品種です。果肉はやわらかく滑らかで口に入れたとたんにとろけるよう!甘みも強く適度な酸味もあり、とてもジューシーで、洋なし独特の果肉のざらざら感がない、きめ細やかな舌触りが魅力です。収穫してから16℃くらいで追熟して、淡いグリーンから黄色に変わり、良い香りがしてきたらちょうどよい食べごろです。今回はお店の方に相談したら、ご親切にセミナー当日が一番の食べごろになるよう調節してくださいました。

この、生で頂いても十分に美味しい洋なしという素材を活かして、今回は、シンプルな、お家でおもてなしディナーなどの後にお出しできるデザートメニューをご紹介しました。

少し涼しくなってきたので、サクサクとした食感を楽しみたくて久しぶりにパイ生地をつくり、上品で甘い香り豊かな洋なしをソテー。キャラメル、ヴァニラビーンズたっぷりのアングレーズソース、洋なしの香りがたっぷりのクレーム・パティシエールを添えて、キャラメルティーと一緒に召し上がっていただきました。美味しい香りのオンパレードで、つくっている最中から幸せな気分になれる秋のお菓子でした。

10月のメニューを考えていたとき、夏の疲れがでてきたのか珍しくいつもは美味しいと感じるようなお菓子が重く感じられてしました。そこで、それぞれの体の状態に合わせて調節ができるお菓子がいいかしらと思いこのメニューを考えました。体調やお好みに合わせたりディナーとのバランスで、フルーツを変えてみたり、クレーム・パティシエールを省いたり、また、もし時間がなければ、パイ生地は市販のもの(バターの香りの良さは手作りのパイには敵いませんが)、アングレーズソースの代わりにヴァニラアイスクリームやキャラメルアイスクリーム、キャラメルソースの変わりに今流行のキャラメルジャムで代用すればかなり手軽に作ることも可能です。昨日は母が紅玉を買ってきたので、早速シナモンとレモンで甘く煮て、ヴァニラのアイスクリームを添えていただきました。皆様もいろいろに応用してみてくださいね。

ちなみに、なしにはアスパラギン酸が多く含まれ、アンモニアの排出や疲労回復、スタミナ増強などの効果があるそう。食物繊維の含有量に関しては洋なしのほうが日本のなしより優れていて、2倍もあり、りんごよりも多く含まれているそうです。美味しく感じるにはそれなりの理由があったわけですね。
テーブルは、秋の到来を感じさせる洋なしの微妙な色合いからインスピレーションを得て、洋なしの淡いイエローからキャラメルブラウンでコーディネイト。この秋注目のグリッターやヴェルベットの紅葉をフラワーアレンジメントに加え、今年らしさを演出。

1日目はキャンドルスタンドの葉の文様に合わせたナプキン、2日目はアニマルプリントのナプキンを合わせてみました。葉の文様はとても秋らしくクラシックで今年らしく好きですし、アニマルプリントはまるでキャラメルソースのようでこれも楽しい。同色系でもナプキンの柄1つでもテーブルの表情が変わります。